- 記事履歴
- RSS フィードを購読する
- 新着としてマーク
- 既読としてマーク
- ブックマーク
- 購読
- 印刷用ページ
- 不適切なコンテンツを報告
1時間前 - 最終編集 1時間前
みなさま、こんにちは!ServiceNow Japan Impact カスタマーサクセスマネージャーのKeikoです。
対象読者:
- ServiceNow の AI 機能(ServiceNow Otto、AI Agents など)の導入を検討している方
- 導入に向けた計画や社内調整を担当する、IT部門・プロジェクト推進担当の方
- 導入後に「入れただけ」で終わらないよう、事前に準備しておきたい方
はじめに:なぜAIは「入れただけ」で終わるのか
ServiceNow OttoやAI AgentsなどのAI機能を導入したものの、「思ったより利用されない」「効果を説明できない」といった課題を感じるケースがあります。CSMとしてImpact Guidedのお客様をご支援する中でも、こうしたご相談をいただくことがあります。
AI機能を導入することと、業務に定着させることは別の問題です。そして定着しない原因の多くは、導入後の運用ではなく、導入前の設計にあります。
本連載では、前編で導入前に決めておきたいこと、後編で導入後に活用が進まないときの打ち手をご紹介します。前編は、これからAI導入を計画される方に向けた内容です。
1. 解決したい課題とユースケースを絞る
最初に決めるべきは、「AIで何をするか」ではなく「どの業務課題を解決したいか」です。「AIで何かしたい」から始めると、機能の網羅的な検証に時間を使い、成果が見えないまま終わりがちです。
おすすめは、最初のユースケースを1〜2領域に絞ることです。たとえば、次のように業務課題から逆算します。
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| ① インシデント対応の時間を短縮したい | ServiceNow Ottoによるインシデント要約、ナレッジ提案の活用 |
| ② 同じ問い合わせへの対応時間を短縮したい | AI Searchによるナレッジ検索、AI Agentsによる問い合わせの一次対応 |
絞る基準は、「発生頻度が高い」「現場の負担が大きい」「効果を測りやすい」の3点です。全社の課題を一度に解決しようとせず、効果が見えやすい領域から始めることが、後の展開を楽にします。
2. 成功指標(KPI)を導入前に決める
導入後に「効果があったのか」を問われたとき、比較する数字がなければ答えられません。KPIは導入前に決め、現状値(ベースライン)も導入前に取得してください。指標は、2つの面で設定するのがポイントです。
- 利用の指標:機能の利用率、利用ユーザー数など
- 効果の指標:対応時間の短縮、Virtual Agents による自己解決率など
利用率だけを見ると「使われているが効果は不明」となり、効果だけを見ると「効果が出ない原因が分からない」となります。両面で見ることで、問題が「使われていない」のか「使われているが効果が出ていない」のかを切り分けられます。
ServiceNowにはAI機能の利用状況や採用状況を可視化するAI Analyticsも用意されています。後から利用状況を確認しようとしても比較対象となるデータがなければ評価が難しくなるため、導入前から何を測定するか決めておくことをおすすめします。
こんな時に役立つアクセラレーター
3. データとナレッジの準備状況を確認する
AI Searchの検索結果やAI Agentsの回答品質は、参照するナレッジの内容に大きく左右されます。AIの能力以前に、AIが参照する情報が整っているかどうかが問われます。導入前に確認しておきたい点は次のとおりです。
- ナレッジの記事は最新か
- 古い情報や重複した記事が残っていないか
たとえば、AI Agents が問い合わせに答える際、参照する記事が古ければ、回答も古くなります。「AIの回答がよくない」という現場の評価は、実はナレッジの問題であることが少なくありません。導入前に棚卸しをしておくと、導入後の手戻りを減らせます。
こんな時に役立つアクセラレーター
Jumpstart Your Knowledge Management
自分たちが作成したナレッジが、AIにとって検索しやすい構成になっているか不安な方、改めてナレッジ管理のベストプラクティスを知りたい方向け
4. 推進体制と役割を決める
AI導入は、IT部門だけで完結しません。成果が出るのは現場の業務であり、業務部門の協力なしに定着は進まないためです。導入前に、次の3点を決めておきましょう。
- オーナー:導入の最終的な責任者は誰か。業務部門側にもオーナーを置けているか
- 役割分担:企画、運用、現場への展開、効果測定を誰が担うか
- 判断の線引き:AI Agents に任せる範囲と、人が判断する範囲はどこか
特に線引きは、後からの変更が難しい点です。「どこまで自動で対応し、どこから担当者に引き継ぐか」を事前に合意しておくと、現場の不安も和らぎます。
加えて、AI活用を推進するExecutive Sponsor(経営層の支援者)の存在も重要です。部門横断で展開する場合、現場調整や優先順位付けを支援してくれるスポンサーがいることで意思決定が進みやすくなります。
5. 現場を巻き込む展開計画を作る
展開計画は、導入後ではなく導入前に作ります。ポイントは、全社一斉ではなく、段階的に進めることです。
- 先行する部署やチームを選ぶ
- 限られた人数でパイロット運用する
- 振り返りと改善を行う
- 対象を広げる
あわせて、社内告知と教育も計画に含めてください。「機能を使えるようにする」だけでは、現場は動きません。何のために使うのか、どの場面で使うのかを伝える機会を、あらかじめ設計しておくことが大切です。
なお、展開がうまくいかなかった場合の再スタートの方法は、後編で詳しくご紹介します。
まとめ:導入前チェックリスト
最後に、5つの観点を確認用にまとめます。
- ✅ 解決したい業務課題を1〜2領域に絞れている
- ✅ 利用と効果の両面でKPIを決め、ベースラインを取得している
- ✅ 参照されるナレッジ・データの棚卸しができている
- ✅ 業務部門を含むオーナーと役割分担が決まっている
- ✅ 段階展開、社内告知、教育の計画がある
すべてにチェックが付かなくても、導入前に「何が未定か」を把握できていること自体に価値があります。AI活用が定着するかどうかは、導入後の運用だけでなく導入前の準備にも大きく左右されます。まずは今回ご紹介した5つの観点を確認し、自社に不足しているポイントがないかチェックしてみてください。
関連記事
こちらの記事も併せてご覧ください。
※ 本記事でご紹介したアクセラレーターは、ServiceNow Impactをご契約のお客様向けのサービスです。詳細は以下をご覧ください。
