Naoki H
ServiceNow Employee

(本稿は、こちらのBlog記事の翻訳です)

 

私 (訳註: 原文記事の著者) の学部時代の専攻は、自然人類学でした。人類の進化、骨格の生物学、そして私たちという種が長い時間をかけてどう変化してきたかの記録を扱う学問です。あの頃の学びで今も心に残っているのは、古人類学者がいかに不完全な証拠から研究を進めているか、ということです。一部分だけの大腿骨、わずかな歯、頭蓋骨の断片。全体像が手に入ることは、決してありません。手元にあるのは「残ったもの」だけで、そこからできる限り正確なモデルを再構築していきます。しかも、次の発掘で新しいものが出てくればそのモデルは見直される、と分かったうえでの作業です。

 

今の仕事でも、私はこのことをよく考えます。IT組織がサービスマップやディスカバリースケジュール、証明書インベントリを構築するときにやっていることは、まさにこれと同じだからです。集められるだけの証拠から複雑なものの姿を再構築し、その土台となる状況が変わり続けるなかで、モデルを最新に保ち続ける。これがその本質です。

 

ServiceNow® IT Operations Management (ITOM) VisibilityのAustraliaリリース、そして2026年第1四半期のストアリリースは、まさにこの考え方を軸に作られています。これらは、何かを成し遂げたと勝ち名乗りを上げるための機能ではありません。皆さまのマップを、より楽に、常に最新化されたものへと保ち続けるためのツールです。

 

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サービスマッピングのガイド付きジャーニー

 

サービスマッピングについてユーザーから多く耳にする声は、「マップが壊れている」というものではありません。「いつまでたっても完成しきらない」という声です。あるサービスの70%をカバーするタグベースのマップはある。Dynatraceから流れ込むテレメトリが、別の一部をカバーしている。インフラ層をとらえたトップダウンのディスカバリーもある。けれども、それらをひとつの整合したかたちにまとめ上げるには、手作業や回避策、そして根気が必要でした。

 

Composite Service Mappingは、この課題に正面から応えます。Service Mapping Plusに新しく加わったガイド付きワークフローを使えば、複数のマッピング手法、すなわちタグベース、機械学習 (ML) ベース、アプリケーションパフォーマンスモニタリング (APM) 由来、トップダウンを、ひとつのサービスマップに統合できます。あらゆるソースから既存のサービスを取り込み、URLを追加してトップダウンのディスカバリーを起動し、所属が分かっているサーバーを指定し、さらにタグを重ねていく。その結果が、統合されたひとつの構造としてサービステーブルに保存されます。

 

これを夢物語ではなく実用的なものにしているのが、ガイド付きの体験です。これらの手法がどう相互作用するか、その仕組みを事前に理解しておく必要はありません。提示される一連の選択肢に沿って進めていくだけです。既存のサービスマップとして取り込むべきものはこれ、それを拡張する方法はこれ、組み合わせた結果はこうなる、という具合に進みます。「マップの断片はある」という状態から「使えるサービスモデルがある」という状態にたどり着くまでの手間が、大きく減ります。

 

これは、DynatraceのようなAPMツールを使っている組織にとっても、大きな扉を開きます。サービスグラフコネクタ経由で取り込まれたサービスが選択リストに含まれるため、可観測性ツールがサービスをどう見ているかと、ServiceNowがそれをどうモデル化するかとの間にあったギャップを、ようやく埋められるようになります。

 

マップが完成することは、決してありません。けれども今は、それを築き続けることがずっと楽になりました。

 

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プラットフォームまで足を運ばずに済む証明書の更新

 

証明書の有効期限切れが通知され、タスクが起票される。ところが、その後2週間、何も進みません。証明書の所有者が忙しかったり、自分のタスクキューを確認していなかったり、あるいは更新ワークフローを進めるためにどこで何をすべきなのか、そもそも分からなかったりするからです。セキュリティ部門やインフラ運用部門なら、誰もが心当たりのある場面ではないでしょうか。

 

証明書インベントリと管理 (Certificate Inventory and Management) アプリケーションに新しく加わったメールエンゲージメント機能は、この摩擦を取り除きます。証明書が有効期限に近づくと、所有者のもとに、必要な情報をすべて含むメールが直接届きます。証明書の詳細、更新の選択肢、そして対応を進めるためのハイパーリンクです。所有者はそのメールに返信するだけで、既存の証明書署名要求 (Certificate signing request、CSR) を使った更新を開始したり、新しいCSRを添付したりできます。その返信メールはインスタンスで処理され、自動ルーティングポリシーに照合されたうえで、署名のために適切な認証局 (Certificate Authority、CA) へ送られます。署名が完了すると、証明書のレコードがCMDB上で更新され、変更レコードが自動的に作成されます。

 

所有権の確認 (アテステーション) も、同じ仕組みで動きます。割り当てられた所有者がもう適任でない場合は、メールから直接、別の担当者を指名できます。新しい所有者には専用の通知が届き、レコードもそれに合わせて更新されます。手作業による介入は必要ありません。

 

これは、見た目以上に重要です。証明書の有効期間は、短くなり続けています。今年に入って最大有効期間は引き下げられ、ロードマップでは2029年までに47日間となることが視野に入っています。タスクキュー、そしてときおりの手作業チェックに頼っている組織は、この流れに追いつけません。これをうまく乗り切れるのは、自動化されたマルチチャネルの更新ワークフローを今まさに構築している組織のみです。

 

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どこを探せばよいかを知っているディスカバリースケジュール

 

IPv6環境向けのディスカバリースケジュールを作るのは、本当に大変です。アドレス空間が膨大なことに加え、その表記法に不慣れな実務者も多く、サブネットの範囲を手作業で組み立てる作業はミスを招きやすいものです。そしてそのミスは、カバレッジの抜け穴を生みます。しかもその抜け穴は、何かがスキャンされていないと気づくまで見過ごされがちです。

 

ディスカバリーアドミンワークスペースに新しく加わったIPアドレス管理 (IP address management、IPAM) 連携は、既存のサービスグラフコネクタを通じてInfobloxに接続することで、この課題を解決します。サブネットとIPのデータは、IPv4もIPv6も直接取り込まれ、そこに登録された範囲をもとにディスカバリースケジュールが自動的に作成されます。フィルター条件を定義すれば、あとは自動化が処理してくれます。

 

これは、IPv6の導入を積極的に進めてきた官公庁や規制業界にとって、とりわけ意味のあるものです。また、人手ではもはや追随が難しいほどにITインフラが速く変化するなかで、ディスカバリースケジュールを手作業で維持し続けてきた組織にとっても、価値があります。

 

今回の最初のリリースは、スケジュールの作成に焦点を当てています。スケジュールの保守、つまり登録解除されたIPやサブネットへの対応は、今後のリリースで提供予定です。BluecatとNarrowbotのサポートも、それぞれの連携が一般提供に移行するのに合わせて続きます。

 

ディスカバリーアドミンワークスペースでは、IPAM連携に加えてクラウドのディスカバリースケジュールも直接作成できるようになりました。別のワークスペースへ切り替える必要は、もうありません。オンプレミスのIPベースのスケジュールと、クラウドのスケジュールが、同じ場所にまとまりました。

 

そして、MID serverの障害、スケジュールの異常、認証情報の問題など、ディスカバリーで何か問題が発生したときには、新しいDiscovery Notifications機能がメールとMicrosoft Teamsの両方にリアルタイムのアラートを送ります。トリガーは設定可能なので、管理者はどの問題を即時通知の対象とし、どれを日次サマリーにまとめるかを判断できます。

 

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漸進的なマップと、その意味とは

 

自然人類学では、作業上のモデルは常に暫定的です。新しい発見があるたびに、見直しが必要になります。それは、それまでの研究が間違っていたからではなく、証拠の土台が広がったからです。最も優れた科学を生み出した研究者は、自分のモデルを固定したまま守り抜いた人たちではありませんでした。最初から、見直されることを前提に組み立てていた人たちです。

 

インフラの可視化の実践を成熟させることとは、まさにこういうものです。完璧で静的なインベントリではなく、インフラが変わり、サービスが増え、依存関係が移り変わるのに合わせて更新されるよう設計された、生きたモデルです。2026年第1四半期の各機能、すなわちComposite Service Mapping、メール起点の証明書更新、IPAM連携のスケジュール、統合されたワークスペース管理、リアルタイムのディスカバリー通知は、いずれも、そのモデルが現実から遅れてしまう原因となる摩擦を減らすことに向けられています。

 

 


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