Eita Cho
ServiceNow Employee
ServiceNow Employee

初めに

Yokohamaのリリースに合わせて、ITOMファミリーにはさまざまの新機能が続々とリリースされていますが、今回は下記2つの新機能に絞って早速御紹介します。

 

24年Q3のサービス信頼性管理(SRM)機能に続き、ITOM AIOpsのソリューションはさらにパワーアップされました!*SRMの記事はこちらです。

 

 

Synthetic Monitoring(合成モニタリング)、

日本ではよく”外形監視”といいます。どんな業務システムでもよくて、HTTP/HTTPSサイト、APIのインタフェースに対して常時かつリアルタイムのモニタリングを提供します。人間に変わって、機械が業務システムを能動的にモニタリングすることで、ビジネスまたはエンドユーザに影響する前に重大なシステム障害を発見し、担当チームや担当者へ通知して対処することができます。レスポンス時間のトレンドの確認、または戻り値のステータスコースに基づいてITOM Event Managementへアラートを自動的に生成します。

 

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分単位でシステムへアクセスして、戻り値のモニタリングと返答時間のグラフ化

 

合成モニタリング(”外形監視”)自体は、昔からあるシステムの運用手法ではありますが、NOWプラットフォーム上で提供してほしいと多くの御客様が待望されていました。ひとつのポイントソリューションではなく、ITOM AIOps、CMDB、ITSM含めたほかのテクノロジーワークフローと統合されることを意味します。例えば、合成モニタリングは常にWEBシステムにウォッチしており、朝6時ごろ、ステータスコードが404エラーが返ってきたら、

 

  • 運用担当のチームへ通知及び割当
  • サービスデスクのスタッフがユーザに連絡、セカンダリシステムへの切り替えアクセスを実施
  • このアラートに関連しているアラート(WebシステムのバックエンドのインフラのOracleデータベースにメモリ不足の障害)に起因しているかも
  • 昨晩にネットワーク機器の設定変更があったから
  • 過去のインシデントの解決方法を参照したい

などなど、すべてNowプラットフォーム上で統合されているからこそ、初めて実現できるものです。

 

Service Observability(サービス・オブザーバビリティ)

サービス・オブザーバビリティとの考え方は、最近よく訴求されているIT運用のコンセプトです。背景からご説明します。

 

背景:

企業の成長とビジネスの拡大により、特定分野に強いツールを導入されていることはよくあるものです。例えばホスト監視はZabbix、AWSやAzureのクラウドを使うならクラウドの監視、ネットワーク監視はSolarwinds、ログはElasticSearch、アプリケーションパフォーマンスはDynatrace、テストはNewRelic、データベースはOracle、3個以上のツールをなんらかのビジネスの理由で導入されています。これで運用に必要なものを揃っていますが、いくつかの運用課題が生まれてきます。

 

  • オペレーターが必要とするシステム障害のトリアージ/初期の原因特定を判断する材料がない
  • 経験不足等の原因で、だれ、どのチームに連絡しディスパッチしたらいいかわからない
  • 二次、三次ラインのあるドメインの専門家へディスパッチする際にエビデンス不足の理由で拒否される
  • ネットワーク、データベース、ホストを運用しているどのチームも自分のところの問題ではないといっている。
  • 結局、全員集まらなければれ根本原因がわからない
  • 障害の解決時間(MTTR)が大幅に増加

と下記の図のような状態に陥ります。

 

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これらの課題を解決するために、一般的に2つの対処方法です。ひとつ目は、ツールをひとつのものへ統一させることです。ただ、この方法は、調査に費やす時間と移行コストを要したり、ハードルが極めて高いと言われています。2つ目は、オペレーターに専門家が使うツールから必要な情報を統合することです。ITOM Service Observabilityは後者の考え方に基づいて作られました。そうすることで、一次対応のオペレーターだけではなく、すべてのチームが同じ情報を共有することができます。

 

特徴:

  • 全ての情報をオペレーターの手先に

Nowプラットフォーム上に提供されていることで、サービス信頼性管理、ITOM AIOps、CMDB、ITSM等ほかのワークフローとシームレス、Now Assistとシームレスに統合されます。ひとつの画面にて、NewRelicやDynatraceといったオブザーバビリティのシグナル、それにシステムに関連しているアラート、現在または過去に発生しているインシデント、最近実施したシステムの変更、システムの各インフラの担当はどなたかといった情報はすべてオペレーターの手先にあります。根本原因の特定、専門家へのディスパッチと両面の迅速化ができ、MTTRの短縮、ビジネスまたはエンドユーザ様へ影響を回避することに繋がります。

 

 

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ひとつの画面は、オペレーターが必要とする情報を表示

 

 

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データベースチームを確認してディスパッチ

 

  • 迅速に、簡単に導入可能

初期リリースは、NewRelicとDynatraceとの連携をサポートします。設定方法とオペレーター視点のエクスペリエンスをYouTube(オリジナルは英語、日本語字幕へ変換可能)にて紹介しております。

設定:   https://www.youtube.com/watch?v=pkDnKBhr1gQ&t=2s

オペレーターのエクスペリエンス: https://www.youtube.com/watch?v=DAzfivhxwnw

 

 

まとめ

上記2つの新機能は、今後4半期ごとに機能アップおよび機能の高度化は計画されています。そして、ServiceNowストアに公開されていて、どちらの設定も非常に簡単で、すぐに実証/導入をすることができます。合成モニタリング/外形監視を使ってみたい、サービスオブザーバビリティでほかのAPMツールとつなげてどんなことができるかを試したい、詳細をもっと知りたい方々は御社の営業担当にご連絡下さい!