Naoki H
ServiceNow Employee
ServiceNow Employee

(本稿は、こちらのBlog記事の翻訳です)

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ServiceNow® AI Platformを基盤とするAIコントロールタワーは、企業全体のAI活用を一元的に監視・制御するためのソリューションです。各部門の足並みを揃え、AIから得られる価値を最大化します。自社開発・サードパーティ・SaaS組込みといった出自を問わず、AIシステム・大規模言語モデル (Large language model、LLM) などのAIモデル・データセットを取り込み、組織が保有するAI資産の全体像を可視化することを通じて、スケーラブルなAIガバナンスを実現します。

 

本稿では、ZurichリリースにおけるAIコントロールタワーの新機能を紹介します。

 

🧠 1. 戦略がすべての起点に

AIコントロールタワーに、戦略的ポートフォリオ管理 (SPM) との連携による戦略管理機能が加わりました。AIに対するデマンドの収集、ロードマップの策定、ポートフォリオの管理、シナリオの検討。これらをビジネス成果と直結させ、最上位の戦略目標から個々のタスクに至る一貫性を維持しながらAI変革を推進できます。

 

例えば、AI活用推進に関する戦略目標の達成度を追跡するとともに、投資の金額・タイムラインをレビューし、停滞・脱線気味の施策を早期に修正する。こうした戦略と施策の管理に役立ちます。

 
 

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AI戦略ダッシュボード (SPMとの統合)

 

 

🔍 2. AI資産を漏れなく把握し、一元管理

Zurichリリースでは、AI資産の可視化範囲が広がりました。AIに関する社内標準やルールの設計・管理を行い、組織横断でAI活用を支援・統制するAIセンターオブエクセレンス (Center of excellence、CoE) チームは、自社が保有するAI資産の種類、所有者、利用状況を一目で把握できます。

 

本リリースにて、新たにAWS BedrockAzure AI Foundryとの連携機能が加わり、サードパーティ製のAIシステム、モデル、LLM学習用データセットの検出と登録が容易になりました。プロンプトを含む利用状況も自動で収集されます。カスタムAPIによる取り込みにも、自動検出にも対応。AI資産データはすべて構成管理データベース (Configuration management database、CMDB) で管理され、あらかじめ定義されているクラスに準じてデータマッピングをスムーズに進められます。クラウド、オンプレミス、ハイブリッドと、環境を問わず自社のAI資産の全体像を単一のコントロールプレーンから把握できます。

 

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AI資産インベントリダッシュボード

 

 

📊 3. 定量的な成果を可視化

AI活用を全社に広げると同時に、その効果を測定できるようにすることが重要です。そこで、AIコントロールタワーに独自のメトリクスを定義し、ダッシュボードを構築し、AI施策のROIをリアルタイムで把握できるようにする価値追跡機能が加わりました。業界標準に基づく価値テンプレートが用意されているため、すぐに導入効果の測定を始められます。もちろん、自社の戦略に合わせた独自テンプレートの作成も可能です。

 

生産性の向上、時間の短縮、導入の進捗、全体的な有効性。これらを可視化することで、最高AI責任者 (Chief AI officer、CAIO) やAIプロダクトオーナーはAI投資の成果を示し、自信を持って全社最適化を推進できます。

 

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AI価値ダッシュボード

 

 

🔐 4. AIガバナンスとリスク管理

Zurichリリースでは、より実効的なAIガバナンスを推進するための機能が強化されました。新たに設けられたAIリスク・コンプライアンスワークスペースで、すべてのAI資産にまたがるリスク、コントロール、コンプライアンスを一元管理できます。AIリスク・コンプライアンスランディングページでは、バイアス・ドリフト・セキュリティといった個別リスクを集約し、企業全体のAIリスクプロファイルを俯瞰できます。EU AI ActNIST AI RMFなど、新たな規制フレームワークにも対応済みです。

 

Now AssistServiceNowのAIエージェントに対するガバナンスも強化されました。休止中、または過剰な権限を持つAIエージェントを検出するモニタリング機能も備え、システム全体のリスクスコアをダッシュボードで確認できます。加えて、AWS AnthropicAzure OpenAIGoogle Geminiといったサードパーティモデルの選択とルーティングが可能になり、AI CoEは用途に応じて最適なモデルプロバイダーを指定できます。Now Assist Skill KitAIエージェントスタジオとも統合されており、許可リストに基づくモデル選択の制限も設定可能です。

 

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AIリスク・コンプライアンスダッシュボード

 

 

📂 5. AIライフサイクルをシームレスに管理

AIコントロールタワーは、AI資産のライフサイクル全体をカバーするようになりました。新規リクエストの受付から、リスクアセスメント、導入前レビュー、そして廃止まで、すべてのプロセスが連携したワークフローで完結します。

 

プロダクトオーナー、AI CoEチーム、コンプライアンスチームが専用ワークスペースとケース管理を通じて協働し、説明責任を果たせます。プロセス全体に対するフィードバックを集め、継続的に改善していくことも可能です。

 

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AI活用ダッシュボード

 

 

🔑 まとめ

ServiceNowプラットフォーム上でも、それ以外でも、AIプロジェクトを推進するなら、今すぐServiceNow AIコントロールタワーを活用しましょう。AIを成功させるうえで、ガバナンスと制御は避けて通れません。AIコントロールタワーは、AIをビジネス目標に結びつけ、提供プロセスを効率化し、コンプライアンスとリスクを管理し、価値創出をリアルタイムで把握するための最適解です。

 

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