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(本稿は、こちらのBlog記事の翻訳です)
「最近、仕事が必要以上に複雑になっている気がする。」こうした疑問に頭を悩ます人々、そして企業・組織が増えているのではないでしょうか?
たったひとつのタスクを完了するために、従業員は何十もの異なるアプリを行き来しています。一方、企業・組織が大切にすべき顧客は、たった数分前に伝えた内容すら覚えていないチャットボットに、何度も同じ説明を繰り返す羽目になっています。そしてAIはどうでしょうか。ほとんどの場合、後から取ってつけたように導入されているのが実情です。従来のAIアシスタントは、要約を提示したりチャットで応答するのが関の山で、人々が抱える仕事を着実に進めるための能力が不足していることが大半です。それどころか、たった今参加したばかりの会議の要約を次々と送りつけるなどして、かえって負担を増やしているのです。これは、AIが私たちに見せてくれた夢の世界とは、あまりにもかけ離れています。
このような課題を解決するために、2025年9月にServiceNow® はAIエクスペリエンスを発表しました。これは、さまざまな企業・組織でさまざまな仕事を担う人々のために、AIとの協働のあり方を定義するものです。ServiceNow AI Platform上に構築された単一のユーザーインターフェースが、あらゆる仕事に対する共通の窓口としてはたらきます。そして、ユーザーが入力するプロンプトから目的や意図、文脈をひも解き、ビジネス全体にわたるアクションにつなげます。汎用のAIやコンシューマー向けのAIとは一味違う、エンタープライズAIのために作られたUIなのです。
AIエクスペリエンス開発の背景
AIエクスペリエンスの設計を始めるにあたり、私たちはシンプルな問いを立てました。
「AIを、あらゆるアプリに付いてくる『おしゃべりな相棒』を超えた、付加価値の高い存在とするには?AIが、すべてのデータ、すべてのワークフローを横断して機能できるようにするには?」
そこから導き出されたのは、いくつかの要件でした。
- AIはコンテキストを理解しなければならない。与えられたリクエストの表層だけでなく、個々のユーザーの役割やワークフロー、データを把握する必要がある。
- AIはアクションを起こさなければならない。要約や提案だけでは不十分。真の価値は、ワークフローを起動し、タスクを完了し、問題を解決することから生まれる。
- AIはマルチモーダルでなければならない。テキスト入力に縛られるべきではない。口頭で話しかけたいときもあれば、スクリーンショットをアップロードしたり、Webページを指し示したりしたいときもある。
- AIは信頼できなければならない。ビジネスユーザーが求めているのはガバナンス、透明性、監査可能性であり、ブラックボックスではない。
AIエクスペリエンスは、こうした要件をかたちにしたものです。
AIエクスペリエンスでできること
AIエクスペリエンスは、企業・組織にとって重要なステークホルダーである従業員や顧客、パートナーに対し、音声、テキスト、画像、Webといったマルチモーダルのデータをカバーする単一のインターフェースを提供し、AIが仕事をやり遂げられるようにします。ここからは、AIエクスペリエンスの重要な構成要素について解説します。
AI音声エージェント
電話を手に取り、音声通話で助けを求めれば、即座にサポートが得られます。プッシュボタンのメニューを辿る必要も、保留で待たされることもありません。AI音声エージェントは自然言語を理解し、感情を検知し、ユーザーの希望する言語でサポートを行います。そして、ビジネスデータやワークフローに接続することで、下のようなシナリオで価値を発揮します。
- フィールドエンジニアが現場から電話をかけ、機器のトラブルシューティングを行う。
- 新入社員がモバイル端末から入社前のオンボーディングタスクを完了する。
- 顧客、または出張中の従業員がサポートを依頼し、リアルタイムで問題を解決する。
同僚と話すのと同じくらい自然なやり取りでありながら、その背後には企業・組織全体で動くワークフローが控えています。ServiceNow AI Platform上で稼働し、企業・組織上のデータ、AIモデル、ワークフローに接続されているからこそ実現できるのです。
AI Webエージェント
仕事を進めるうえで、サードパーティのWebサイトやアプリを行き来しなければならないような作業に直面することも少なくないはずです。そんなときに活躍するのがAI Webエージェントです。人間が自ら手を動かすのと同じ要領でフロントエンドから外部システムを操作し、複数のステップにわたるタスクをユーザーに代わってやり遂げます。カスタムのバックエンド統合やAPIは不要で、APIが複雑で使いにくい、またはそもそもAPIが存在しないサードパーティアプリとの連携に最適です。ここでは、ServiceNow CRMとの連携シナリオをいくつかご紹介します。
- 返金処理: 顧客から返金リクエストがあった場合、AI Webエージェントは自動的に適格性を検証し、承認のためにリクエストをルーティングし、外部の決済ゲートウェイやEコマースプラットフォームを通じて返金を開始します。
- カスタマーサービスの自動化: カスタマーサポート担当者は、AI Webエージェントを使用してチャット経由の顧客リクエストに対応できます。外部システムでの変更が必要な場合でも、問題を解決し、配送情報、請求詳細、注文要件を更新します。
- 営業支援: 営業担当者は、AI Webエージェントを使用してリード情報を自動エンリッチし、外部ソースから社内システムへパイプラインデータをシームレスに同期することで、手作業を削減しデータ精度を向上させます。
もちろんCRMだけではなく、AI Webエージェントは財務やサプライチェーン管理、人事、ITなど、企業全体に展開できます。
ユーザーが依頼すれば、AI Webエージェントが仕事を引き受け、操作を代行します。人間は画面を切り替えることなく、プロセスがリアルタイムで進行する様子を見守りながら、必要に応じてガイダンスを提供できます。
AIレンズ
仕事で扱う情報のすべてが、テキストであるとは限りません。AIレンズを使えば、画像情報をワークフローに取り込むことができます。写真でも、スクリーンショットでも、その他のビジュアルでも、AIレンズが瞬時に分析し、インサイトを提供し、ビジネス全体でアクションを起動します。
- 経費精算の領収書を撮影し、AIがレポートを作成。
- コードスニペットを貼り付け、AIがエラーを特定して修正。
- 製品の写真をアップロードし、AIがトラブルシューティング。そして、次のステップをガイド。
AIデータエクスプローラー
ビジネスデータはいたるところに存在しますが、そこから価値のある洞察を引き出すのは一筋縄ではいきません。意思決定を行うすべての人がSQLに精通しているわけではないからです。
ServiceNow AI Platform上の任意のリスト、データダッシュボード、ドキュメントを起点に、AIデータエクスプローラーがAI生成のインサイトを表示し、トレンド、異常値、重要なポイントをハイライトします。さらに、次のようなかたちでさらなる掘り下げを指示することもできます。
- リストビューのパターンをハイライトする。
- 自然言語プロンプトからレポートを生成する、またはグラフ、チャートなどに可視化する。
- データを外にエクスポートしたりすることなく、その場で結果を要約し、異常を発見する。
これは、すべての従業員に専属のデータアナリストがつくようなブレークスルーです。そして、企業・組織は一夜にしてデータドリブンな組織へと進化します。
従来のソリューションとの違い
AIエクスペリエンスは、後付けのウィジェットではありません。ServiceNow AI Platformにネイティブで組み込まれた、データ、ワークフロー、AIを企業全体で統合する単一のSystem of Actionです。
- コンテキストを理解: ユーザーが誰か、何に取り組んでいるか、次に何が重要かを把握。
- アクションを優先: 会話だけでなく、タスクを完了。
- マルチモーダル: 音声、テキスト、画像、Webを横断して機能。
- オープンかつガバナンス対応: ServiceNow AIエージェントおよびサードパーティAIを活用し、すべてAIコントロールタワーで保護・管理。
- どこからでもアクセス可能: デスクトップ、モバイル、チャット、音声で利用可能。Now Assist、仮想エージェント、サードパーティ統合など、多様なチャネルから。
- 監査可能: すべてのアクションがログに記録され、説明可能で、可視化される。確率論的な振る舞いを示す生成AIのインテリジェンスと、決定論的なワークフローのパワーを兼ね揃えるServiceNowだからこそ、最も大規模でリスク回避志向の強い企業環境においても、自信を持ってAIを業務に投入可能。
私たちは、デジタルワークフローを開拓しました。そして今、ビジネスのあらゆる領域で仕事を遂行するためのエンタープライズグレードのプラットフォームをもって、ワークフローの自律化に挑んでいます。
もたらされるインパクト
AIエクスペリエンスは、人々をアプリとメニューの迷宮から解き放ち、シンプルな会話を通じて仕事をやり遂げられる世界を形作ります。
- 従業員は、システム操作に費やす時間を減らし、創造的で付加価値の高い仕事に多くの時間を投じられるようになる。
- 顧客は、旧来のまどろっこしい体験から解放され、より迅速でパーソナルなサービスを受けられる。
- 経営リーダーは、すべてのAIに対し、そのアクションに関する説明責任を担保でき、サイバーセキュリティを高い水準に維持できる。
これこそが、私たちが「AIエクスペリエンスは、ビジネスに最適化された、AI時代の新しいUI」と主張する理由です。
ひとつのエクスペリエンス。ServiceNow AI Platformを基盤とし、AIコントロールタワーで保護された、ひとつのSystem of Action。AIエクスペリエンスの実際の動作をご覧になりたい方は、AIエクスペリエンスのWebページでインタラクティブデモをお試しください。
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