Naoki H
ServiceNow Employee
ServiceNow Employee

(本記事は、こちらのBlog記事の翻訳です)

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深刻な人手不足やサプライチェーンの混乱に見舞われている昨今の事業環境を踏まえ、ServiceNow は多くの企業・組織が以下に挙げるようなソリューションを必要としていると考えます。

  • アラートやインシデントの根本原因を特定し、開発パイプラインを円滑に進行させる部門横断型アプローチ
  • クラウドフットプリントを正確に把握し、異なる複数のクラウドプロバイダーにコミットしたリソースを時系列で比較すること。加えて、戦略・運用の意思決定を合理的に下すのに必要な、システムの健全性に関する洞察
  • 信頼性が高く、かつクリティカルな問題への洞察を労せず得られる構成管理データベース (Configuration Management Database、CMDB)

こうしたソリューションを形にすべく、Tokyo リリースでは ServiceNow® IT Operations Management (ITOM) と CMDB の機能性が一層強化されました。人手が限られる中でも、的確な情報を駆使して業務の効率性を高めることで、最優先で取り組むべき重要課題により多くのリソースを投入できるようになります。

 

 

IT 運用で生じる問題の根本原因を迅速に分析

開発や構成のあらゆる設定を含め、問題に関する隅から隅までの情報にアクセスできるようになれば、問題の根本原因をより迅速に特定できるようになるはずです。Tokyo リリースで導入された Service Operations Workspace は、IT運用担当者とサービスエージェント間の連携をさらに円滑にするための新しいワークスペースです。アラートが発生すると、オペレーターはこのワークスペース上で直近の構成変更をもとにそのアラート発生の経緯を追跡し、最終的には問題を引き起こした設定の前後の状況がどういったものかを絞り込むことができます。これにより、即座に根本原因を特定してサービスを回復できるようになります。一方、サービスエージェントはユーザーに情報を提供したり、関連インシデントを管理したりすることができます。

 

問題の根本原因が特定できれば、サイトリライアビリティエンジニア (Site Reliability Engineer、SRE) が再発を防ぐためのワークフローに進みます。根本原因が不完全な URL であっても、開発用 URL を本番環境で使ったことであっても、プレーンテキストのパスワードを使ったことであっても、SRE がポリシーを更新すれば、以後のリリースにおいて同様のエラーが特定・解決されずにリリースがなされれてしまうことを防げます。これによって、多くのスタッフの生産性向上につながります。

 

Accelerated root cause analysis.png

 

 

 

健全性ログの可視化とレポート

ITOM Health Log Analytics には、Elasticsearch などから得られる健全性ログを自動でリアルタイム分析する機能が既に備わっています。Tokyo リリースでは、Health Log Analytics がシステム健全性や Event Management アプリケーションサービスマップのデータに対してクエリを実行できるようになりました。これにより、特定のシステム全体の健全性や、それによって影響を受ける可能性のあるサービスについてより詳細に把握できるようになります。また、レポートとダッシュボード、時系列のトレンドなどを可視化する機能も追加されました。単一のイベントに閉じた局所的な情報ではなく、Elasticsearch やログなどから得られる高い視座で可視化された情報にアクセスできるようになることで、運用担当者の体験が格段に高まっています。加えて、レポート機能ではサービスコンテキストやポートフォリオに関連する問題の特定につながるように、パターンをハイライトします。こうした機能性を通じて、誰もが適切な情報に基づいて意思決定を下せるようになることで、炎上案件に対して後手に回ってしまうような事態を回避できます。これは、多くの方の時間と労力の節約に貢献するはずです。

 

Health Log Visibility and Reporting.png

 

 

クラウド運用における可視性の向上

Tokyo リリースで新たに利用可能となったCloud Resources Inventory ダッシュボードを活用することで、エンタープライズ全体を統括する管理者は、複数の異なるクラウドプロバイダーにまたがるリソースの状況を時系列で掌握できるようになります。また、プラットフォーム、地域、アカウントなどのメタデータでフィルタしたレポートにアクセスすることもできます。パフォーマンス解析モジュール上では、クラウドリソースごとに集計されたデータやエラーログが可視化され、長期的なマルチクラウド戦略に関する意思決定に役立てられます。Cloud Resources Inventory ダッシュボードは、新世代の UI である Next Experience で構築されています。

 

また、Cloud Migration Assessment ツールは、クラウドにデプロイするソフトウェアやシステムのコストのモデル化を支援するツールで、クラウドへの移行プロセスの計画と追跡に役立ちます。最後に、機能強化された AWS Service Graph Connector (バージョン 1.5) と最新の Terraform コネクターを活用することで、データに即したマルチクラウド戦略の立案・実行や Infrastructure-as-Code の導入・推進が一層加速され、価値実現へのスピードを速めることができます。

 

Visibility Enhancement.png

 

 

インテリジェントな CMDB 検索

CMDB に対するクエリ機能として、従来は ServiceNow データモデルに習熟したパワーユーザー向けに強力なリレーショナルクエリの作成機能が備っていました。これにより、CMDB 内外の複数テーブルからデータを抽出できます。しかし、必要なデータを含むフィールドやテーブルに関する知識の無いユーザーには使いこなせないものでした。

 

Tokyo リリースでは、CMDB Workspace のインテリジェント検索機能を ServiceNow Store から追加できるようになりました。権限を持つユーザーは、例えば「San Diego にあるサーバーは?」または「SQL Server 2012 ソフトウェアがインストールされた Windows Server は?」といったように、共通用語や自然言語を使用した CMDB クエリを実行できます。こうしたクエリに対して、AIのサポートのもとで合致するテーブルやリレーションが抽出され、ユーザーに提示されます。必要に応じてクエリを保存し、将来のレポートやダッシュボードに使用することもできます。

 

 

CMDB 証明書とスマート検出

セキュリティに関する現状を正しく把握したり、最新のテクノロジーの運用を成功させたりするうえで、正確かつ最新の CMDB を手元に置くことの重要性が飛躍的に高まっています。その現れとして、多くの規制当局が重要な構成アイテム (Configuration Item、CI) に対して定期的な証明書の提出を要求するようになっています。決済カード業界 (Payment Card Industry、PCI) における取組みや、個人情報 (Personally Identifiable Information、PII) 管理に関する対応がその典型例といえます。


Now Platform には、既に CMDB からこうした CI の証明書を定期的に発行するための機能性が備わっています。Tokyo リリースには、こうした証明書発行の対応に必要な時間と労力を減らすためのスマート検出ウィザードが新たに追加されました。

 

Intelligent CMDB Search.png

 

 

まとめ

本記事では、Tokyo リリースにおける ITOM と CMDB 関連のいくつかの新機能をハイライトしました。その要約を以下に示します。

  • アラートのレスポンス時間を短縮 – 構成・設定に対してなされた最新の変更に関連のあるアラートを追跡
  • 健全性とクラウドリソースをさらに強力に可視化 – 健全性やクラウドインベントリリソースを、定期レポートやダッシュボードに集約
  • シンプルで高度に自動化された CMDB 関連機能 – CMDB に自然言語でクエリを実行。証明書発行の自動化のほか、プラグアンドプレイコネクターによる AWS データ抽出に対応

Tokyo リリースでは、他にも下のような機能が強化されています。

  • IPv6 のサポート
  • ベンダー固有の検出機能の強化。Oracle Middleware Verification、Entrust Certificate ワークフロー自動化など
  • Kubernetes Discovery 自動スケジュール作成
  • Agent Client Collector (ACC) サポートの強化:エアギャップネットワークのサポート、DNS 名による検出、対象 OS とソフトウェアエディションの拡大
  • ガバナンス強化: AWS Assume ロール、カタログベースの修復、Cloud Configuration Governance (CCG) エンジンとコンテンツパックの分離など
  • CMDB Data Manager: 廃止/依存 CIS のカスケード、依存ポリシーの設定、孤立データの消去
  • Data Foundations ダッシュボード: 測定基準の追加、組織化されたレイアウト
  • Terraform コネクターの更新

さらなる詳細については、こちらのリリースノート製品資料を参照してください。また、Tokyo リリースの Web イベント「Now Platform Tokyo Release Broadcast」中のセッション「What's new in IT Operations Management and the CMDB」からも詳細をご確認いただけます。

 

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