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(本稿は、こちらのBlog記事の翻訳です)
ServiceNow® ソフトウェア資産管理 (SAM) は、IT部門がテクノロジー支出の最適化、リスクの軽減、ソフトウェアライフサイクルプロセスの自動化を実現するための統合プラットフォームです。ソフトウェアおよびクラウド支出を精緻にコントロールする機能を通じて、パブリッシャーごとのソフトウェアステータスをリアルタイムで可視化します。加えて、ライセンスの過剰使用や活用されていないライセンスの再利用をサポートします。これにより、ソフトウェアとクラウドのコスト管理をプロアクティブに行い、迅速な意思決定やコスト削減施策の自動化を実現して財務を強化できます。
ServiceNow AI PlatformのZurichリリースでは、SAM向けNow Assistに3つのエージェンティックワークフロー (複数のAIエージェントの連携によって実現される自律型ワークフロー) が追加されました。
- ソフトウェア資産リクエストの管理支援
- ソフトウェア回収ルールの作成
- ソフトウェア削除候補の評価
またNow Assist以外にも、4つの主要機能が追加されています。
- Microsoft Hyper-V仮想化のサポート
- Adobe SaaSガイド付きセットアップ
- 組織別ライセンスポジション
- SQL Server高可用性コンプライアンス
ソフトウェア要求の対応をAIエージェントがカバー
ソフトウェア資産管理担当者は、ライセンス割当てなどユーザーからの要求を日々大量に処理しており、常に大量のフルフィルメント (要求実現) タスクのバックログを抱えています。こうしたタスクは定型的ではあるものの時間を要するものであり、彼らがより付加価値の高い業務に費やせる時間を奪ってしまいます。
新たに加わった「ソフトウェア資産リクエストの管理支援」エージェンティックワークフローによって、AIエージェントが人に代わってフルフィルメントのタスク処理を主導可能になりました。その結果、ソフトウェア資産管理担当者の生産性が向上し、より戦略的なタスクに集中できるようになります。同時に、フルフィルメントが完了するまでのリードタイムが短縮され、ユーザー満足度の向上にも寄与します。
AIエージェントの支援でソフトウェア回収ルールを作成
ソフトウェア資産管理の現場では、ライセンス回収 (Reclaimation) の明確なルールが定まっていないことが多く、資産の有効活用が妨げられています。しかし、ソフトウェア資産管理担当者からはルール作成業務に時間を割く余裕がないという声が多く寄せられています。結果として、回収ルールが古くて不完全なままとなっている、またはソフトウェアポートフォリオの最適化が進まない状況に陥っています。
新たに「ソフトウェア回収ルールの作成」エージェンティックワークフローが備わったことで、AIエージェントがソフトウェアの使用状況を評価し、ソフトウェア資産管理担当者に代わって回収ルールを自動的に作成できるようになりました。
AIエージェントがソフトウェア削除候補を評価
ライセンス情報が不完全であったり、その業務が手作業と属人的な知識に大きく依存してスケールしにくいことから、ソフトウェアの回収作業は一筋縄にはいきません。このプロセスを改善するには、インテリジェントな助言が不可欠です。
「ソフトウェア削除候補の評価」エージェンティックワークフローは、AIエージェントを活用してソフトウェアの使用状況を評価し、削除候補を特定することで上記のような要望に応えます。先述の「ソフトウェア回収ルールの作成」エージェンティックワークフローとの組み合わせで、ソフトウェア評価プロセスを自動化し、エラーリスクを削減し、必要なソフトウェアのみが維持されるようにします。自動化されたワークフローによるガイド付きの体験を提供し、ソフトウェア管理の効率と有効性を向上させます。
Microsoft Hyper-V仮想化環境のサポート
Microsoft Hyper-V仮想化環境上で稼働するWindows ServerやSQL Serverなどのライセンス管理には、Microsoftのライセンスルールに関する専門知識が求められます。物理ホスト層と仮想マシン層のどちらでライセンスを適用するかによって必要数が変わるため、手作業での管理は煩雑でコスト増を招きがちです。
新たなパブリッシャーパックが追加されたことで、Hyper-V環境上のMicrosoft Server製品にもライセンスルールが自動適用され、コストベースの最適化が可能になります。必要ライセンス数を正確に算出し、最適化によって実現した削減額をレポートで確認できます。
Adobe SaaSガイド付きセットアップ
Adobe SaaSとの連携設定は、手順が複雑で多岐にわたるため、迷いやすい作業です。新たに、SAM Professional上でAdobe SaaSをセットアップする際に、ステップバイステップのガイダンスとあらかじめ構成されたフェーズに沿って作業を進められるようになりました。これにより、オンボーディング時間の短縮、設定ミスの防止、ライセンス最適化の早期実現が可能になります。
組織別ライセンスポジション
チャージバックやショーバックのために、部門やコストセンターごとのライセンス消費状況を可視化する機能が加わりました。有効ライセンスポジション (ELP) レポートにおいて、組織構造のフィールドを軸にライセンス消費をグループ化・フィルタリングできます。照合 (Reconcilation) 結果に対してカスタムフィールドを作成し、独自の切り口で集計することも可能です。
SQL Server高可用性コンプライアンス
高可用性構成のMicrosoft SQL Serverは、どのインスタンスにライセンスが必要かの判断が難しく、ソフトウェア資産管理担当者にとって悩みの種となっています。
本機能では、ServiceNow Discoveryを活用して高可用性構成のアーキテクチャと属性を自動的に取得します。Always On可用性グループにおいて、ライセンス不要なパッシブフェイルオーバーインスタンスを自動判別し、正確なライセンスコンプライアンスを算出します。これにより、ライセンス消費の追跡とレポートが正確になり、データに基づいた意思決定とコンプライアンス対応が可能になります。
Zurichリリースにおけるその他の機能強化については、Zurichリリースノートをご確認ください。原文記事に、追加機能の一覧が示されています。
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