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Hiroyuki Kojima
ServiceNow Employee
ServiceNow Employee
ServiceNow Impact Platform Architect の児島です。


プラットフォーム設計の重要性 Part 8 です。
Part 7 は 👉 こちらです。

これまで「都市計画」になぞらえて、
設計 → 成功/失敗事例 → OOTB → カスタマイズ → 継続改善 → 実践 → ガバナンス → マスタープラン
と順を追って整理してきました。

 

シリーズの締めくくりとして、都市の総合計画(マスタープラン)をヒントに、1〜3年のロードマップ設計とスケール戦略をまとめます。

 


🏙 都市のマスタープラン(全体構想)

都市が「人口の増加」「産業の変化」「交通の進化」に合わせて拡張されるように、ServiceNow も成長に応じたマスタープランが必要です。

  • ビジョンの明確化
    5年後、10年後にどんな姿の都市(プラットフォーム)を目指すのかを言語化する。
    👉 「業務横断のデジタル基盤」なのか、「特定領域の効率化」なのかを明確に。

  • フェーズ分割
    一気に都市全域を作るのではなく、区画ごとに整備。
    👉 ServiceNow でも「ITSM → ITOM → SPM → GRC」と段階的に拡張する。

  • 優先度の設定
    都市では「道路や上下水道」など生活必需インフラを優先。
    👉 ServiceNow も、まずは OOTB の ITSM 基盤を整備し、派生領域に広げるのが効果的。

 

🌐 スケール戦略(都市の拡張モデル)

都市が人口増や需要変化に応じて「郊外開発」「地下鉄延伸」「新空港建設」を計画するように、ServiceNow も利用者や用途の拡大に合わせたスケール戦略が求められます。

  • 組織スケール
    部門単位から全社単位へ。ローカルルールを統合して共通プラットフォームに。

  • 機能スケール
    単一アプリから複数アプリへ。インシデント管理から始め、ITOM、HRSD、CSMなどに広げる。

  • 地域スケール
    国内展開からグローバル展開へ。多言語・多通貨・リージョン規制への対応を視野に。

 

📊 指標とフィードバック(都市統計の活用)

都市の成功は「GDP」「交通量」「市民満足度」といった指標で測られます。
同じく ServiceNow も計測可能な メトリクス を通じて成長度合いを確認する必要があります。

  • プロセス効率(リードタイム・一次解決率)

  • 利用率(アクティブユーザー、セルフサービス利用率)

  • 品質(CSAT、エラー件数)

  • コスト削減額、ROI

👉 指標を定期的にレビューし、マスタープランをアップデートすることで、常に現実に即した成長戦略を描けます。

 

🧭 アーキテクトの役割

都市計画者が「未来の街の姿」を描くように、アーキテクトはプラットフォームの未来を描きます。

  • どの領域から拡張するか

  • どこで OOTB を活用し、どこを独自化するか

  • ガバナンスやセキュリティをどう維持するか

これをリーダーシップを持って提示することで、単なる「システム導入」ではなく「組織の未来像」を実現できます。

 


まとめ

都市は「行き当たりばったりの街づくり」では持続できません。
同じように、ServiceNow も「場当たり的なアプリ追加」では価値を最大化できません。

マスタープラン(ロードマップとスケール戦略)を描き、改善とガバナンスを回し続けること。
これこそが持続可能な ServiceNow 活用のカギです。

👉 本シリーズでは都市計画を例に ServiceNow プラットフォーム設計を紹介してきました。


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そして、3年後のあなたの組織の ServiceNow は、どんな都市になっているのでしょうか