高度なワークアサインメント (AWA) は、適切なキューおよび対応するエージェントグループに作業アイテムをルーティングした後で、指定されたアサイン基準を使用して最も適格なエージェントに作業をプッシュします。アサイン基準は、アサインルールのタイプ (最大キャパシティまたは前回アサイン) と、スキルが定義されているかどうかによって決まります。

アドミニストレーターは、次のうちいずれかのアサインルールに基づいて、作業アイテムをエージェントにプッシュできます。
  • 最大キャパシティ:特定のチャネルでキャパシティ (作業対応可能性) が最大のエージェントに作業がプッシュされます。たとえば、エージェント 1 とエージェント 2 という 2 人のエージェントが対応可能で、2 人のキャパシティに違いがあるとします。エージェント 1 のキャパシティはチャット 3 件ですが、エージェント 2 のキャパシティはチャット 2 件で、現在 1 件のチャットに取り組んでいます。キャパシティが最も大きい エージェント 1 に対して、AWA は次の作業アイテムをアサインします。
  • 前回アサイン:サービスチャネルで作業アイテムがない時間が最長であるエージェントに作業がプッシュされます。サービスチャネルで予備キャパシティが同じエージェントが複数いる場合、AWA は、サービスチャネルで作業がない時間が最長のエージェントに、次の作業アイテムを作成してアサインします。
AWA アドミニストレーターは、アサインルールの選択に加えて、次のようなことを決めることもできます。
  • エージェントが作業アイテムを却下できるかどうか。
  • エージェントがチャットインタラクションを自動的に受け入れるかどうか。
  • タイマーを使用してタイムアウト時間 (エージェントが作業アイテムの却下または受け入れを行う時間) を設定するかどうか。
  • エージェントのスキルをアサイン中に考慮するかどうか。

アサインプロセス

エージェントが利用可能な場合、AWA
  • キューの優先度を確認し、最も優先度の高いキューからアイテムを取得します。AWA は、タイムアウトしたアイテムやエージェントによって却下されたアイテムもレビューします。
  • 適格アサインプールが識別されます。適格アサインプールにより、アイテムに対処できるエージェントのグループが広がります。
  • 在席状況、選択されているアサインルール (最大キャパシティまたは前回アサイン)、定義されている場合はスキルに基づいて、対応可能エージェントが判断されます。作業アイテムの却下、転送、完了を行うと、エージェントには予備キャパシティができます。たとえば、エージェントがチャットを転送すると、そのエージェントには追加のキャパシティが生じます。
  • 最適格エージェントの受信ボックスにアイテムがプッシュされます (タイマーが開始されます)。
  • [作業アイテムの自動アサインを有効化] が選択されている場合、作業アイテムを自動的に受け入れます。エージェントは、作業アイテムを手動で承認または却下することはできません。

スキルに基づいたワークアサインメント

AWA では、スキルベースのアサインを有効にし、必要に応じスキルレベルを評価して、スキルアサインを必須 (要件) にすることができます。スキルを設定するための基本的なプロセスは次とおりです。
  1. 外国語、ネットワークルーターなどの特定領域の専門知識など、特定のスキルを持つエージェントを特定し、スキル管理機能を使用して、そのエージェントにスキルをアサインします。
  2. そのエージェントを、そのスキルが関連する作業アイテムキューのアサイン先グループのメンバーにします。
  3. 特定のスキルでスキルの処理を有効にするアサインルールを AWA で作成します。

    アサインルールの作成時に [スキルレベルを評価] オプションを選択した場合、AWA は最も適格なエージェントに作業アイテムをアサインする前に、エージェントのスキルレベルも確認します。一致するスキルの数が同じエージェントが複数いる場合、十分なスキルレベルでのスキル数がより多いエージェントが、十分なレベルでのスキル数が少ないエージェントよりも優先されます。たとえば、あるチャットでは、 3 つのスキルが高スキルレベルでリストされていたとします。エージェント A とエージェント B の両方が 3 つのスキルを持っています。エージェント A には 3 つのスキルがあり、スキルレベルは高が 2 つ、低が 1 つです。エージェント B には 3 つのスキルがあり、スキルレベルは高が 1 つ、低が 2 つです。この例では、エージェント A は、エージェント B よりも十分なスキルレベルのスキルを多く持っているため、作業アイテムの最初のアサイニーになります。エージェント B は、エージェント A が作業を却下した場合にのみ、この作業アイテムがアサインされます。

    AWA は、十分なスキルレベルを持つスキルの数よりも、一致するスキルの数を優先します。たとえば、あるチャットでは、2 つのスキルとそれらでの十分なスキルレベルがリストされていたとします。英語のスキルとデータベーススキルの両方が上級スキルレベルに関連付けられています。エージェント 1 は両方のスキルを持っていますが、スキルレベルは初心者です。エージェント 2 は、十分高度なスキルレベルの英語スキルのみを持っていて、データベーススキルは持っていません。この例では、エージェント 1 は十分なスキルレベルではありませんが、両方のスキルを持っているため、チャットはエージェント 1 にルーティングされます。

    アサインルールの作成時に [必須スキルを強制] オプションも選択した場合、AWA は十分なスキルレベルの必須スキルを持つエージェントにのみ作業アイテムをアサインします。たとえば、2 つの高レベルの関連必須スキルと 1 つのオプションスキルを持つ作業アイテムをアサインする準備ができているとします。エージェント C は 3 つのスキルをすべて持っていますが、必須スキルのうち十分に高いスキルレベルのスキルは 1 つだけです。エージェント D は 2 つの必須スキルのみ持っていますが、両方のスキルが十分に高いレベルです。この例では、エージェント D が、両方の必須スキルが十分に高い唯一のエージェントであるため、該当する作業アイテムの唯一のアサイニーになります。

  4. 特定のスキルを含むルーティング条件で作業アイテムキューを作成し、適格アサインプールに適切なグループを組み込みます。
  5. スクリプトによるビジネスルールを作成し、関連サービスチャネルに関連付けられているテーブル (ケーステーブルなど) にスキルを組み込みます。
作業のアサイン中に、AWA は、作業アイテムを、エージェントのスキルに基づき、また該当する場合は、スキルレベルと必須スキル設定に基づいて、最適格エージェントのエージェントワークスペース受信ボックスにルーティングし、アサインします。