世界の人々の健康に良い影響を与える
Danone 社は、食を通じて世界中のより多くの人々が健康な生活を送れるようにすることをミッションとして掲げています。 このフランスの多国籍企業は、120 か国で事業を展開しています。 健康を重視した同社のブランドポートフォリオは、適切な栄養のある適切な食品を適切な人々に届けることで、何百万人もの人々の健康に良い影響を与える力を持っています。 Danone 社がこれを実現するには、世界中の従業員が同じ方向を目指して取り組む必要があります。 同社は ServiceNow のテクノロジーを通じて、統一されたエクスペリエンス、知識、サービスを世界中の従業員に提供し、そのミッションに積極的に参加できるようにしています。
目的とパフォーマンスを整合させる
Danone 社は、グローバルなチームの連携方法を最適化するための変革プログラムに着手しました。 2022 年、Danone 社の CEO である Antoine de Saint-Affrique 氏は、「Renew Danone」戦略を発表しました。この戦略は、製品の品質、イノベーションのスピード、グローバルなアジリティに大きな変化をもたらすことを目的としたものです。
重要な要素は、目的とパフォーマンスの整合性を高め、Danone 社のすべての活動の中心に一貫して顧客を据えることです。 同時に、非効率なローカライズシステムから、情報や主要なプロセスに簡単にアクセスできる環境に移行し、従業員の作業エクスペリエンスを劇的に変化させ、組織全体で複雑さを抑え簡素化を図ることにしました。
この移行を任されたのは、Danone Business Services (DBS) 部門です。 DBS 部門は、HR から調達、経理まで、96,000 人の全従業員向けに標準化されたエクスペリエンスを確立する任務を担っています。
「ベストを尽くしたいと思っているときに、単純な質問の答えを探すために理解できない面倒なプロセスに関わって時間を無駄にすることほど、やる気がそがれることはありません」と、Danone 社のグローバル HR デジタル化および従業員エクスペリエンス、IT & データ担当ディレクターである Gregory Chocoloff 氏は語ります。 「私たちは ServiceNow プラットフォームで、ローカルのサイロを取り除き、よりシームレスな従業員エクスペリエンスを実現しながら、デジタル化と自動化が図られたグローバルなアプローチを構築しています」。
従業員の日常のエクスペリエンスをリセットする
Danone 社の変革の中心にあり、その意図を明確かつ実践的に示しているのが、従業員の日常的なデジタルエクスペリエンスの新たな出発点に位置付けられている「MyDanone」です。
MyDanone は、ビジネスを変革するために ServiceNow AI プラットフォーム上に構築された Danone 社の新しい従業員ポータルであり、30 のローカル HR、IT、調達システムを統合し、SAP と連携させたものです。 一人ひとりに合わせたユーザーエクスペリエンスにより、従業員はそのポータルで経費の申請から、休暇の承認、出張ポリシーの確認、オンボーディングまで、あらゆることができます。 セルフサービスに重点が置かれていますが、必要時には簡単に支援を求められます。
「MyDanone ではグローバル化されたワークフローが作成されますが、5 つの言語でローカルなカスタマイズもできるため、たとえば、地域限定で更新や必要なトレーニングについて従業員に通知することもできます」と、Chocoloff 氏は述べます。 「現在では、全従業員のデフォルトのアクセス先になっています」。
MyDanone は、Founda という、Danone Business Services 内の AI と RPA を通じてバックオフィスの標準化とハイパーオートメーションを推進するより広範なプロジェクトの一部です。 これは、2017 年から始まった Danone と ServiceNow の関係が深まっていることを示す最新の例です。
「ServiceNow は Founda にとって当然の選択でした」と Chocoloff 氏は語ります。 「ServiceNow は、この種のプロジェクトでは筆頭格として認められています。ServiceNow は、実績のあるスケーラブルなプラットフォームであり、適切なレベルのカスタマイズが可能です」。
詳しく言えば、Founda では ServiceNow App Engine と ServiceNow HR サービスデリバリ (HRSD) を利用しています。
ローコード機能により、新しいアプリの構築や新機能の改善を迅速に行えるようになり、Danone 社は技術開発ではなく、要件の収集やステークホルダーの管理に集中できるようになりました。 「これは、当社のチームがビジネスの現実と従業員エクスペリエンスにぐっと寄り添えるようになったことを意味します」と Chocoloff 氏は指摘します。 「初期構想から稼働開始まで、2 か月もかかりませんでした」。
従業員による情報へのアクセスを変革する
Founda プロジェクトは段階的に展開されています。 2021 年のパイロットでは 7,000 人のユーザーが参加し、次の段階で 10,000 人が加わり、2023 年にはさらに 23,000 人が参加しました。 2024 年 5 月の時点で、70,000 人近くの Danone 社従業員が MyDanone にアクセスできるようになっています。 残りの従業員は年末までにオンボーディングされる予定で、ServiceNow プラットフォームは Danone 社の全従業員の貴重な時間に関与するようになります。
Chocoloff 氏は進捗状況に満足していますが、オンボーディングの数字によって全容が伝わるわけではありません。 どのグローバルな標準化プロジェクトでもそうですが、中央のチームがローカルプロセスを置き換えるときに、それまでそれは好ましく利用されていた場合もあるので、成功かどうかは新しいアプローチが従業員によってどのように受け入れられたかで判断すべきです。 MyDanone は絶えず進化できるように構築されていますが、最初のバージョンでさえもすでに支持者を獲得しています。
「現在、従業員満足度が向上していることは 4.7 という CSAT スコアに表れており、従業員の 78% がコンテンツが役立っていると回答しています。最も喜ばしいのは、従業員が必要とする答えを見つけられるようになっていることです」と、Chocoloff 氏は述べます。 「ヘルプデスクへのチケットの約 3 分の 1 がセルフサービスで解決されています。解決すべき問題が発生した場合も、平均所要時間は 2 週間からわずか 2 日に短縮されました」。
Danone 社の中核的な目的にリソースを集中させる
生産性も確実に向上しています。 一貫したプロセス、自動化、セルフサービスを通じて、従業員は単純な作業に費やす時間を減らし、より価値の高い優先事項にさらに時間をかけられるようになっています。
ナレッジベースの最も関連性の高いコンテンツに従業員を誘導することで、コストを削減しながら従業員の生産性を向上させ、ヘルプデスクのコストを 60 万ユーロ削減することができました。また英国では現在、オンボーディングプロセスの 32% が自動化されています。 勤怠管理のリクエストを自動化することで 14,000 時間が削減され、調達における請求書のステータス処理を簡素化することで、バックオフィスの作業負荷が 1,000 時間削減されました。 こうして節約された貴重な時間とリソースは、現在 Danone 社の中核的な目的に活用されるようになっています。
社内のセンターオブエクセレンスを構築する
Danone 社が Founda プロジェクトの幅をさらに広げ ServiceNow と緊密に連携していく中で、Chocoloff 氏は、社内の専門知識を維持することが重要だと語ります。
「もちろん、ServiceNow に頼れるのは喜ばしいことですが、自社のセンターオブエクセレンスも必要としていました」と Chocoloff 氏は言います。 「当社のチームがビジネスについて明確に言い表すことができ、現在のプロセスの背景を把握していることが重要です。外部のパートナーは、その専門知識をさらに強化するためのものです」。
ServiceNow との四半期ごとのビジネスレビューは、プロジェクトの成功を支えており、Chocoloff 氏は進捗状況の確認と今後の展望に重点を置くことができています。 「ServiceNow は、サポートにおいて非常にプロアクティブです」と、Chocoloff 氏は付け加えます。 「こちらからの質問に答えるだけでなく、尋ねるべき新しい質問を見つけてくれます。盲点となっている部分をうまく見つけ出してくれるのです」。
AI を活用してより魅力的でパーソナルなコンテンツを実現する
議論される最大のトピックの 1 つは生成 AI の影響です。Chocoloff 氏はビジネスの変革において、ServiceNow の AI プラットフォームには明らかなユースケースがあると考えています。 たとえばそれを、現在ナレッジベース内にある (そして数が増え続けている) 3,000 の記事から最大の価値を引き出すために役立てることができます。
「コンテンツを誰もがアクセスできるようにすることが重要です」と Chocoloff 氏は付け加えます。 「生成 AI は、一人ひとりに合わせてコンテンツの選択を調整でき、問い合わせる前に適切なコンテンツを提案することさえできるでしょう」。
同氏は次のように続けます。「従業員がまるで同僚と話しているかのように、自分の言葉とスタイルでさまざまな質問を尋ね、可能な限り最善の回答を得られるようにしたいと考えています」。 そうすれば、Danone 社は人と AI のコラボレーションを活かすことができます。
規模、アジリティ、イノベーションを通じたビジネスの成功
ServiceNow との連携は、「Renew Danone」戦略の規模、アジリティ、イノベーションへの取り組みの実証になると Chocoloff 氏は語ります。 また、地域の違いを尊重しながら、グローバルな規模で業務を推進できることの証拠にもなります。
「従業員は初めて、Danone 社のあらゆる情報に 1 箇所でアクセスできるようになりました。以前は無理だろうと思われていた体験です」。
正しい情報を探すために費やされる時間が削減されることで、従業員の生産性、満足度、充実感が向上します。
「Founda は、DBS チームとのコラボレーションによって、グローバルなプロジェクトを成功に導けるという証拠でもあります」と、Chocoloff 氏は締めくくります。 「まさにゲームチェンジャーとなっています」。