シンガポールの現在と未来の安全保障を確保
DSO National Laboratories は、シンガポール最大の防衛研究開発 (R&D) 組織であり、国の継続的な安全保障を確保するための技術とソリューションの開発を使命としています。
1,600 人の研究科学者と技術者が、陸・海・空・宇宙そしてサイバー空間からの現在および未来の脅威からシンガポールを守るために働いており、シンガポールのより広範な R&D コミュニティに向けたイノベーションとインスピレーションのセンターオブエクセレンスとしても機能しています。
1972 年にわずか 3 人の科学者によって立ち上げられた DSO National Laboratories は、現在 1,600 人を擁する強力な組織となり、アジアやヨーロッパ、米国の著名な研究機関や防衛業界と国際的なコラボレーションを展開しています。
組織全体にわたる安全な IT サポート
DSO は多くの課題に直面しています。 その革新的な活動の中心でデータの安全性とセキュリティを維持すると同時に、優秀な科学者や技術者が世界水準のソリューションを実現するために必要とするツールやテクノロジー、システム、ベストプラクティスを提供しなくてはなりません。
また DSO は、IT インフラストラクチャや人材、そして彼らが取り組む重要なタスクへの投資を最大限に活かしながら、その運用とプロセスが効率的でコスト効率に優れていることを示す必要があります。 デジタルトランスフォーメーションプロジェクトは、新しい機能を提供し、コーポレート部門と研究開発部門にワンストップサービスを提供することも目指しています。
「デジタル部門は、私たちの業務の進め方と、シンガポールの安全保障のために私たちが提供する機能を変革しています」と、DSO の CDO (最高デジタル責任者)、Hui Han CHIN 氏は説明しています。 「私たちの仕事は非常に高いセキュリティを要するため、オンプレミスとオンラインの両方に多くの分離されたネットワークを持っています。私たちの課題は、ユーザーにアクセスしやすく、迅速でシームレスなサポートを提供しながら、安全な IT サービスサポートを確保することです」
チケット解決時間の大幅な短縮
DSO の従来の IT サービス管理ソリューションは、使用と維持管理がますます難しくなり、組織が必要とする最低限のセキュリティを提供できなくなっていました。
近年、シンガポールの政府機関は、堅牢なセキュリティのプロビジョニングが組み込まれた ServiceNow プラットフォームの展開を進めるようになっています。 それを受けて、CHIN 氏は DSO に対する ServiceNow の適合性を調査することにしました。そして、管理された 3 段階のロールアウトで ServiceNow プラットフォームソリューションを導入することを決定しました。
第 1 段階のロールアウトは 2022 年 10 月に行われました。「ServiceNow IT Service Management (ITSM) の最初のロールアウトを開始しました。このプロセスは、シンガポールにおける当社パートナーの Activeo が支援してくれました」と、CHIN 氏は言います。
「第 1 段階の ITSM 展開は 2023 年 2 月に完了し、1,600 人の DSO 全従業員が利用できるサービスと、モバイルデバイスで利用可能なバージョンが提供されています。DSO のチームに ServiceNow を紹介し、主な機能を説明するためのワークショップも行われました」
ナレッジ記事のライブラリを備えた包括的なセルフサービスのサービスカタログを利用して、ユーザーはすばやくよくある問い合わせの回答を見つけたり、必要なサービスにアクセスしたりすることができ、ユーザーの生産性を可能な限り高めています。
CHIN 氏とその同僚は、管理ダッシュボードと分析を統合した単一のビューで、チケットの優先順位付けと、その解決に最も適した DSO 担当者への転送を行うことができます。
「このチケットの可視性によって、すでに解決が大幅に迅速になっており、同僚に非常に歓迎されています。さらに、IT チームメンバーは自分の Apple ウォッチでチケットの確認と承認ができるようになりました」と、CHIN 氏は言います。 「管理レポートの作成に必要な時間も大幅に短縮されています。 これまで約 7 時間を要していましたが、今は 30 分以内に作成できます。これは 92% 以上の時間の節約です。 このためすぐに、全員が同じ認識を持ち、同じ情報を共有し、同じ Visual Task Boards を見るようになっています」
「最も重要なのは、ServiceNow で必要な IT がより迅速かつ効率的に提供されるようになったため、科学者や技術者がより価値の高いタスクやすぐに対応が必要な緊急性の高いタスクに、より多くの時間を割けるようになったことです。自動化により、構築済みのワークフローですべてが効率的にリモートで行うことができるようになり、従業員が支援を求めてデスクを離れる必要がなくなりました。従業員の満足度の変化を見るには時期尚早ですが、上昇していると確信しています」
第 2 段階は 2023 年 4 月に開始されており、展開が拡大された ITSM を最大限に活用し、完全な IT サービスが提供されるようになります。 CHIN 氏は次のように付け加えています。「これには、AI 搭載の仮想エージェントなど追加機能の導入や、Microsoft Teams を統合し、DSO の Microsoft 365 エコシステムにすべてをまとめることが含まれます。また、ServiceNow プラットフォームを新たな事業部門に拡張し、たとえば HR 部門での従業員オンボーディングやオフボーディングなどに活用することも検討しています」
第 2 段階は 2023 年 12 月までに完了する予定で、CHIN 氏はそれまでにより高い効率と従業員満足度の達成を見込んでいます。
ユーザーを念頭において設計された今後の改善計画
CHIN 氏は、ServiceNow を DSO のデジタルトランスフォーメーションにおける重要なコンポーネントと位置づけており、HR Service Delivery、IT Operations Management、Strategic Portfolio Management を次の優先事項としています。
「私たちはトップクラスの自動化と安全なデータ統合を最大限に活用したいと考えており、ServiceNow はそれを可能にしてくれます。 ServiceNow はその名のとおり、すべてがサービス中心で、ユーザーを念頭に置いて設計されています」
「ServiceNow は DSO に大きな可能性をもたらします。このプラットフォームと、それが提供する自動化を積極的に受け入れる企業にとっては、時間を節約できる多くの機能で、大きな改善となります。ServiceNow の導入プロセスも簡素化されており、非常にターゲットを絞ったエンゲージメントで、とても速やかに展開を進めることができました。非常に効率的なプロセスでした」と、CHIN 氏は締めくくりました。