あらゆる場所で、あらゆる人の旅行を強化
Expedia Group では、旅とは、人々のつながりを強め、視野を広げて、分断を解消する機会を解き放つ、世界を良い方向へと導く力であると考えています。
複数の時間帯、両半球、さまざまな文化や言語に渡って事業を展開する同社は、常にイノベーションに取り組んでおり、より優れた商品を開発し、世界中のすべての人の旅行をサポートしています。
Expedia Group はオンライン旅行プラットフォームで、200 を超える旅行予約サイトと世界的に認められた 20 の旅行ブランドで構成されています。
プラットフォーム上で数百の航空会社、クルーズ船運航会社、ホテル、レンタカー事業者と提携しており、旅行者やパートナーが最高の体験を実現するための無限の可能性をより簡単に探せるようになっています。
当然のことながら、Expedia Group の事業の根幹を形成しているのはユーザーに世界水準のサービスエクスペリエンスを確実に提供するテクノロジーです。 同社は卓越した職場環境作りにも注力しています。 その中でも中心的な取り組みになっているのが、統一されたシームレスな従業員エクスペリエンスの実現です。 実際のところ、同社の従来のテクノロジー運用が提供していたサービスエクスペリエンスは従業員にとって理想的なものではありませんでした。
「当社には IT SharePoint サイト、IT ポータル、人事ポータル、施設ポータルと、これらすべての異なる対応ポイントがありました」と、Expedia Group の People Experience and Insights 担当上級副社長を務める Todd Reeves 氏は説明します。 「しかし、当社への問い合わせ方法、質問への回答の見つけ方、サービスの利用方法を見つけるための負担を従業員や管理者にかけていたのです」
従業員が簡単な答えをシステムから素早く引き出したいと思うと、さまざまな選択肢に向き合うことになっていました。
「ユーザーはチケットをオープンする方法に悩むこともよくありました」と話すのは、Expedia Group の People Technology の主任プロダクトマネージャーである Houston Chatham-Wright 氏です。 「IT 関連だったらあそこのボタンを使い、人事関連だったら別のボタンを使うといった具合だったのです。情報へのアクセスが非常に煩雑でした」
統一された従業員エクスペリエンスの実現
システムの混乱で問題が発生している中、チームは従業員エクスペリエンスを統一することが改善策であると判断しました。 目標は、雇用から退職までの間にあるすべての局面で従業員ジャーニー全体を支えることができるシングルプラットフォームを構築することでした。
「当社商品の消費者むけショッピングのような直感的に操作できるエクスペリンスを実現して、従業員が必要なものを迅速で容易に得られるようにしたいと考えました」と、Expedia Group の Employee Technology and Services 担当副社長である Staci Nakayama 氏は言います。
課題は、質問対象のテーマや部署に関係なく、従業員が情報を検索して必要な回答やアクションを得られるインターフェイスを開発することでした。
「私たちが立ち上げたのが askEG ポータルです」と Reeves 氏は言います。 「とてもシンプルなエクスペリエンスです。アクセスするのは 1 か所だけ。従業員はその 1 か所からどんな質問でもできます」
「今では、従業員が知る必要があるのは 1 つだけ。askEG にアクセスすることです」と Chatham-Wright 氏は言います。 「信じられないほど自由になりました。バックグラウンドでは個別の運用がされていても、従業員に提供するユーザーインターフェイスはシンプルで、利用の妨げになる要素もありません。そのインターフェイスから、完全に別の場所にいる IT 部門や人事部門にアクセスしてライブチャットができます。統一されたフリクションレスのエクスペリエンスを実現しました」
ユーザー中心の消費者グレード設計で構築
同社のインサイトに役立ったのが社内チームとの強力な信頼関係です。 従業員の求めるものや必要としているものについてオープンに意見交換をしたことがソリューションにつながりました。 徹底的な調査手法で、ユーザーがどのように情報を探索しているかを追跡しました。
Chatham-Wright 氏は次のように説明しています。「同じ場所にたどり着くのに、5 人とも皆違う経路を使用していました。 この事実を持ち帰って直接開発に反映することが大切でした」
従業員エンパワーメントとは、見えない所でテクノロジーが機能する、Expedia Group が顧客に提供しているシンプルなエクスペリエンスを従業員にも提供することです。 次のプロセスでは部門のブランディングを分解して整理し、IT 部門は対象を広げ、統一された従業員エクスペリエンスを実現する社内 PaaS (Platform-as-a-Service) プロバイダーとなりました。
「どうやって偏りのないものにするかを真剣に検討しました」と Chatham-Wright 氏。 「たとえば、従業員に人事分野のインターフェイスを利用していると感じさせてはいけないということです。そのため大量のコンテンツに目を通し、記事から多くのブランディング要素を取り除きました」
ブランディングに加え、カラースキームも体系的に削除し、従業員に表示する新しいインターフェイスをよりシンプルなものにしました。 Chatham-Wright 氏は次のように語ります。「ブランディングを取り除く作業は、まだ一部の属性では続けています。 重要なのは、従業員は相手のバッジに何と書いてあろうと気に掛けないということです。求めているのは回答やサポートなのです。そのため、ポータルが正にそのような位置づけになるように心がけ、チーム間で統一されており、偏りのないものになるようにしました」
さらに、統合ポータルを通じて、同社では ServiceNow プラットフォームを他のサービスで活用する方法について認識を深めることもできました。 これにより Expedia Group では重複しているツールの数を管理し、コストを削減することができます。
複数部門にわたるシームレスなサービスエクスペリエンス
従業員が、支援やサポートが得られる場所を見つけようとしてフラストレーションを感じたり、時間を浪費したりすることはもうありません。 Expedia Group では、サポートの視点から、チーム間での業務負担を移動しやすくなります。
「チーム間で引き継ぎが必要なサービスやサポート対応は数多く存在します。これで処理の全体像を把握して複数チームでシームレスにコラボレーションを行えるようになりました」と、Expedia Group の Corp IT Services でシニア ディレクターを務める Jamie Terry 氏は言います。
さらに統合ポータルは、オンボーディングから退職までの間、従業員に複数部門の包括的なサービスを提供します。 従業員ジャーニー全体をサポートするスタッフ支援には、福利厚生の利用、ID 認証情報、給与に関する問い合わせ、システムサポート、パスワードとソフトウェア、年次休暇申請、目標設定、業績進捗といったものがありますが、 エクスペリエンスは、人事から IT、職場環境、さらには法務サービスまで一貫しています。
Chatham-Wright 氏は次のように説明します。「たとえば、従業員が自分のバッジが機能するかどうかを確認したいとします。 実際にはセキュリティ関係ですが、従業員は施設に関連する事項と思っているかもしれません。転勤、ハイブリッドワーク、国内や海外への異動といったさまざまな事柄によって、給与の最新情報や地域の携帯電話充電器の入手にいたる多くの質問が発生しますが、質問に対しては、誰が答えを提供するかという視点からではなく、転勤する従業員の視点に立って対応しなければなりません」
「ServiceNow ポータルに対する従業員の反応は非常に良い」と Reeves 氏は言います。 「スタッフは入手できる情報が増えたと感じていますが、実は情報量に変化はありません。ServiceNow でよりアクセスしやすくなったのです。実際、他のツールはすべて使用を停止しました」
Nakayama 氏は、次のステップはすべての部門と機能にわたってサポートサービスを拡大することだと話しています。「人事と IT から、さらに範囲を広げようと考えています。他の社内チームにもこの機能を拡大できる大きな可能性があると感じています。とりわけ、旅行者に優れた商品を提供するための重要な役割を担っている開発担当者のエクスペリエンスを向上させることができると考えています」
Expedia Group の実際のジャーニーは、従業員が進む道を象徴するものとなりました。
Nakayama 氏は次のように述べています。「当社では行動すべての中心に顧客を位置づけています。ServiceNow によって、従業員に対しても同じ対応ができるようになりました。 従業員と、従業員にサービスを提供するエージェントの両方のエクスペリエンスを向上させると、社内の全員と収益にメリットをもたらす好循環が生まれます」