熟練した代理人の伝統
Michael Best & Friedrich LLP は、1848 年に設立された米国有数の法律事務所の 1 つで、ウィスコンシン州では 2 番目に古い事務所です。 現在、同事務所は 12 の業界にわたるスタートアップ並びにフォーチュン 500 企業、非営利団体、教育機関、政府機関、事業者団体向けに、全国 17 拠点で卓越したサービスを提供しています。
Michael Best は年間 20,000 件を超えるクライアント案件を扱っており、担当する弁護士、法務専門家、コンサルタントに、それぞれの専門知識に基づいて案件を割り当てています。 同事務所では、何年にもわたり、自社で開発した案件受付アプリケーションを使ってこうした業務を行ってきました。 でも、アプリケーションをホスティングしているインフラストラクチャが耐用年数の終了期限に近づいたため、この機会に同事務所はプロセスを再構築することにしました。
Michael Best で Chief Innovation Technology Officer を務める Jason Schultz 氏は次のように説明しています。「単一のビューを持った一元的なシステム、つまりビジネスプロセスでの受付状況をすべて追跡できる管制塔が必要だと考えました。 複数のワークフローが存在し、互いに競合していることも多く、適切に調整する必要がありました」
事務所内で調査を行った結果、クライアントの案件受付フォームの作成を担当する法務アシスタントの 60% が、より迅速で簡易な提出手段を求めていることが判明しました。 これには、プロセスの最初のステップである競合チェックフォームで、30 のフィールドへの情報入力やクリックが必要であったという正当な理由があります。 他にも、プロセス全体を進行させるための、さまざまな重要度を持つ追加情報のフィールドが 60 以上ありました。 回答者の 3 分の 2 が作業完了まで 5 ~ 15 分を要すると答えており、残りの回答者は 15 分以上かかると回答しています。
フォームが事務所の業務グループに合わせてカスタマイズされていないことで、負担はさらに大きくなっていました。 管理者が入念に確認して関連性を判定する必要があるため、プロセスにはさらに遅延や余分なサイクルが発生していました。 すべての法的事項や契約に同一のフォームを使用していたため、業務グループごとの要求入力の微妙な違いについて、法務アシスタントにトレーニングを実施する必要もありました。
「効率を向上するために、人材、プロセス、テクノロジーを、私たちが Quadruple Right™ と呼ぶ戦略に基づいて簡素化することにしました」と Schultz 氏は説明しています。 「それは、適切な人材が、適切な業務を、適切なタイミングで、適切な労力で実行してクライアントに最良のサービスを提供するというものです」
Quadruple Right™ 戦略は、デジタルトランスフォーメーションのコンサルティング企業である Cask 社との協力によって開発されました。 クライアントエクスペリエンスに焦点を当てた戦略が完成したら、次のステップはそれを実現する最新の、柔軟な技術プラットフォームを特定することでした。
白紙状態からのアプローチ
新たに採用した Intake+™ ワークフローやその他のサービスデリバリアプリケーション用のプラットフォームの入手を目的として、RFI プロセスと RFP プロセスが開始されました。 「ServiceNow のソリューションは、私たちの何人かが経験していましたので、すぐに最適な環境として浮上してきました」と、Michael Best の最高プロセスおよび AI 責任者である Sarah Alt 氏は語ります。 「ServiceNow App Engine は Intake+™ にローコードやノーコードの基盤だけでなく、私たちが必要であると考えていた他のアプリケーションをサポートする拡張性とパートナーエコシステムも提供してくれました」
Schultz 氏と Alt 氏は、100 を超える法律事務所がすでに ServiceNow を活用しているという事実と、世界最大の SaaS プロバイダーの 1 つであるという ServiceNow のステータスに安心感を持ちました。
「同業者がすでにこのプラットフォームを活用しているという事実が、ServiceNow ソリューションの安全性と信頼性を裏付けてくれました」と Alt 氏。 「ServiceNow で非常に多くの Michael Best のクライアントに対応していますので、将来的に事務所内弁護士と外部弁護士の間で共有サービスモデルを構築しようと考えています」
チームが最初に取り組んだのは、カスタマイズした構築済みのワークフローを使って、ServiceNow のローコード App Engine 上に Intake+™ を構築することでした。 それとは別に、IT Service Management Professional と Site Reliability Metrics を展開して、Michael Best の従業員ポータル上でセルフサービス機能をサポートしました。
「ServiceNow を徹底的に体験して、先に強固な基盤を築いてから、フルロールアウトを進めることができました」と Alt 氏は説明します。 「App Engine によって、自分たちのペースでニーズに応じたワークフローを自由に開発できるようになりました」
仕事をよりスマートで迅速に
現在、App Engine を活用した Intake+™ で、事務所全体の生産性が大きく向上しました。 プロセスは慣れ親しんだものですが、アプリケーションの外見と使い心地は新鮮で、少しスクロールするだけで直感的に整理された多くの情報が表示されます。 新しいショートフォームは、ユーザーが一次申請フォームを入力している間に競合チェックを行います。 以前は競合チェックを完了するのに 30 クリック必要でしたが、新しいショートフォームでは 8 クリックで完了できます。これは、73% の削減です。 一次受付フォームも短くなり、入力フィールドの数も 30% 削減されました。 時間が大切なビジネスでは、管理業務での 1 回のクリック、1 分の時間が貴重です。
「競合チェック要求の処理が 1 分に短縮されたことで、迅速にコンフリクトを明らかにして弁護士がより短時間でクライアントへの対応を開始できるようになりました」と Schultz 氏は述べています。
同事務所では、ServiceNow で可視性が向上したことで、すでに開始依頼済みの案件を弁護士がすべて承認する必要があるという、長年存在してきたステップを省くことができるようになりました。 月あたり 1,700 件の各案件を承認するのに 2 分ずつかかっていたため、これによって弁護士は年間およそ 700 時間の管理負担を削減し、より価値の高いクライアント案件に取り組めるようになりました。
加えて、受付フォームを各業務グループ別にカスタマイズし、知的財産 (IP)、非知的財産、戦略の各バージョンに分けたことで、入力時間が短縮され、入力も容易になりました。 プロセス改良の締めくくりとして、請求情報の一元化、電子請求と割引情報の追加、クライアント別料金と特例料金の表示機能の追加を行い、下流のビジネスプロセスをさらに改善しました。
Schultz 氏は、ServiceNow の導入前はプロセスの測定ができなかったと述べています。 「旧来のシステムでは、新規案件受付 (NBI) の各段階でかかっている時間やプロセス内での再作業の量は把握できませんでした。ServiceNow から取得するデータによってさまざまな状況を把握できるため、継続的にプロセスの改良や改善を行うことができます」
App Engine は、Intake+™ を支えるだけでなく、弁護士の個人別年間業務計画の提出作業を簡素化することにも活用されています。 成果物、収益のコミットメント、前年と当年の各弁護士別の詳細な目標達成方法を記した計画の総ページ数は、以前のプラットフォーム上では 1,700 ページにも膨れ上がっていました。 App Engine のインターフェイスを介して計画に要求される項目数を集約することで、最初の年でページ数を 16% 削減できました。さらに 2 年後には、42% の削減が見込まれます。 このことは、時間と管理負担の大幅な削減につながります。
Cask 社上級副社長の Jason Rosenfeld 氏によれば、Michael Best は ServiceNow プラットフォームの高度な機能を活用することで事業効率を向上させました。 「この法律事務所は、法務サービス業界の革新的なリーダーとして、自らの能力の限界を打ち破りました」と Rosenfeld 氏は話しています。
今後の抱負
Schultz 氏と Alt 氏は、今後 App Engine で他のさまざまなアプリケーションを開発しようと計画しています。 両氏は、Workspacece Service Delivery を展開して職場のタスクの自動化と簡素化を行い、ServiceNow ワークフローによって、より統合された従業員オンボーディングエクスペリエンスを実現して、Strategic Portfolio Management で個客価値を中心とした事務所全体を連携させることにより、ServiceNow のフットプリントを拡張しました。
Alt 氏は次のように述べています。「法務セクターは法務に特化したテクノロジーでイノベーションに取り組む傾向があります。 私たちは ServiceNow と一緒に広い視野に立ち、ワークフローの自動化を単なる法務テクノロジーソリューションではなく、多機能のビジネスソリューションとして解決したことを誇りに思っています」