グローバルな対応、地域的な専門知識
Wipro 社の 25 万人の専門家は、日々、世界中の企業がデジタルトランスフォーメーションを加速し、よりレジリエントでインクルーシブかつ持続可能な未来を構築するのを支援しています。
インドのバンガロールに本社を置く Wipro 社のチームは、66 か国で IT コンサルティングとテクノロジーサービスを提供しており、年間 100 億ドルを超える収益を上げています。
Wipro 社は、すべての市場で成長と拡大を促進するという目標を達成するために、主に買収を通じて、そのデジタル技術の利用を継続的に拡大し、従業員をより効果的にサポートし、効率性と規模の経済を引き出しています。
サイロ化した資産管理
Wipro 社の取り組みの中心にあるのが、仮想エージェントを備えた ServiceNow IT Service Management (ITSM) と、IT 運用向け人工知能予測 (AIOps) とガバナンス、リスク、コンプライアンス (GRC) を備えた IT Operations Management (ITOM) の導入から始まった、ServiceNow との長期にわたるパートナーシップです。
スケーラブルで、レジリエントかつ安全な Now Platform のデジタル化されたワークフローは、Wipro 社のコアサービスオペレーションの多くを自動化し、最適化してきました。その結果、サービス可用性を確保し、従業員エクスペリエンスの向上を実現しています。また、分散したチームが生産性を向上させ、顧客に焦点を合わせられるようになっています。
Wipro 社は、プラットフォームの相乗効果と影響力を拡大するため、60 万という大量の IT 資産をそれぞれ可視化して管理したいと考えていたときに、ServiceNow 統合ソリューションの増え続けるポートフォリオに ServiceNow IT Asset Management (ITAM) ソリューションを追加することを決定しました。
これまで、ノート PC、デスクトップ、モバイルデバイスといった Wipro 社の中核的な IT 資産は、5 つの分離されたレガシーシステムを使い、3 つは Microsoft Azure、2 つは AWS という具合に、サイロ化された状態で管理されていました。 これには、手作業で時間がかかる、多くの場合紙ベースのタスクが必要でした。 資産購入の意思決定はローカルに行われ、現地の管理を必要とする現地サプライヤーより供給されていたため、必然的に品質基準が一貫しておらず、取引条件も異なっていました。
その結果、使用中かどうか、200 のストックルームのどこに保管されているのか、メンテナンス中か、修理中か、技術更新中か、再利用の準備中か、または耐用年数が終了しているのかなど、各資産の現在のインベントリやライフサイクルの最新のステータスを一元的に把握することはできませんでした。
従業員のオンボーディングと退職のプロセスも調整が難しく、新入社員への必要な機器の提供にも遅れが出ていました。 毎月平均 6,000 人の従業員が移動するため、一部在庫に戻されない資産もありました。 その結果として、ビジネスと調達の効率化、パフォーマンスと生産性の向上、コスト節減を達成するための多くの機会が失われました。
「ServiceNow ITSM と ITOM により、構成管理データベース (CMDB) と GRC はすでに稼働しています。ServiceNow ハードウェア資産管理 (HAM) を追加することで、同じプラットフォームですべての点をつなぐことができました」と説明するのは、Wipro 社のディレクター兼自動化責任者である Sudarshana Murthy 氏です。 「システムを統合し、1 つのプラットフォームでデータを共有することで、資産のライフサイクル管理を管理できるようになり、ServiceNow への投資からあらゆる価値を引き出すことができました」
点をつなげて可視性を向上
タスクの規模と複雑さの影響は 66 か国に及んでいたにもかかわらず、ハードウェア資産管理の導入はわずか 3 か月で完了しました。これは、ServiceNow の最近の導入の中でも最速の 1 つとなりました。 この達成は、Wipro 社と ServiceNow の技術チームの緊密なコラボレーション、Wipro 社のリーダーシップチームによる支援、ServiceNow の Customer Outcomes エキスパートの設計と実装フェーズを簡素化するための専門知識の賜物です。
5 つのレガシー資産管理システムをハードウェア資産管理に統合することで、Wipro 社は一元化されたプラットフォームで手動タスクの 50% を自動化し、リソースと労力の重複を排除することに成功しました。その結果、従業員はより価値の高いタスクに集中できるようになりました。 「5 つのレガシー資産管理システムを廃止し、以前は手動で行っていたタスクの 50% を自動化することで、ハードウェア資産管理での統合が年間約 100 万ドルの節減につながると予測しています」と Murthy 氏は言います。
新しい資産は、ServiceNow プラットフォームに最初に接続された時点で、ハードウェア資産管理に自動的に登録されるようになりました。
「当社の経営陣は、これを戦略的投資と見ていました」と Murthy 氏は説明します。 「特に進行中の買収が増えたことで、Wipro 社の開発の次のフェーズにとって意義が大きいと理解していたのでしょう」
正確な予測でスマートな意思決定が可能に
毎月の資産管理アクティビティは、約 65,000 件に及びます。各ハードウェア資産に関する詳細な情報により、メンテナンス、アップデート、更新を確実にスケジュールどおり実行することができます。 その結果、資産の耐用年数が延長され、交換コストも先延ばしになり、投資収益率が向上します。 予定通りに更新される健全な資産は故障の可能性が低く、サイバーセキュリティ攻撃により強いため、問題解決のサポートを求める機会も減るので、顧客対応チームはプロジェクトに集中できます。
「現在、さまざまな目的や対象者向けに作成されたダッシュボードやレポートにまとめられた、世界レベル、国レベル、都市レベルの資産ステータスを確認できるようになっています」と Murthy 氏は言います。 「たとえば、資産インベントリの 74% がインドにあることを把握しており、その各アイテムの正確なステータスも即座に確認できます。社内の誰かが機器を必要としている場合は、在庫に何があるかを正確に把握し、まずそこから対処します」
詳細なインベントリにアクセスできれば、傾向とパターンの分析に基づいて予測された需要に購入の意思決定を結び付けて、Wipro 社の 1 億ドルのハードウェア調達予算をスマートに活用することもできます。 IT マネージャーと HR マネージャーは、現在協力して、毎月入社する数千人の新規採用者のオンボーディング要件を予測しています。
Wipro 社は、この情報を事前に把握することで、一括購入で最適な機器を最適な価格で確保できるようになりました。 入社 1 日目に必要なすべての機器を提供することで、新規採用者は会社から評価されていると感じ、チームへの参加、トレーニングの受講、顧客プロジェクトの提供において、初めから存分に生産性を発揮できます。
「このように、ハードウェア資産管理は全体的なビジネスパフォーマンスに貢献しています」と Murthy 氏は説明します。 「オンボーディングプロセスを自動化したことで、新入社員の生産性は以前よりも 90% 向上したと考えています。ServiceNow のおかげで、全体で 25% の生産性向上を達成したと考えています」
シングルプラットフォームですべてを連携
Wipro 社は、追加機能、機能性、そして何よりも ServiceNow の活用から価値を引き出す方法を常に模索しています。 そのハードウェア資産管理導入の成功が、ServiceNow ソフトウェア資産管理の使用を支え、ソフトウェアやアプリケーションの状況や関連するライセンスポジションについて、可視化と管理を実現します。
複数のハードウェアブランドが混在し、資産タイプが異なる場合 (多くの場合はプリインストール済みのソフトウェアやセキュリティ要件が存在)、HAM データもソフトウェアの購入やライセンスなどに関する健全な意思決定に役立ちます。 まもなく、モバイル資産スキャンテクノロジーがストックルームで採用され、各機器のリアルタイムステータスを即座に確認できるようになります。
現在、Murthy 氏が推進するすべてのイニシアチブには、生成 AI アクションが統合されています。 「生成 AI は、IT 運用、ライフサイクル管理、サイバーリスクガバナンス、コンプライアンス測定などの主要なアクティビティに広く及んでいます」と Murthy 氏は言います。 「たとえば、手動による更新の競合を自動的に修正したり、ストックルームの場所全体での資産移動を詳述したりします。
また、予測と資本投資に関する意思決定を支援する、インサイトに富んだインテリジェントなレポートを生成し、要約します。 経営幹部レベルでは、四半期ごとの財務レポートの作成や、資本化と減価償却の追跡を支援します」
従業員の IT 資産の管理と可視性を実現した Wipro 社は、サーバー、ストレージシステム、ネットワーキングデバイスといったその他の物理インフラストラクチャアイテムもハードウェア資産管理に取り込み、同様のメリットを引き出すことを計画しています。
「ServiceNow は、優れたワークフローオーケストレーションと確実なデータを備えた、最新の一元化された IT 資産インベントリを提供し、シングルプラットフォームでエンドユーザー、IT エンジニア、当社のリーダーを結び付けてくれました。今では、より多くのテクノロジー資産を、より少ない人員で、より効率的に管理できるようになりました」と Murthy 氏は述べています。