「パフォーマンスの高いチーム」とは、モチベーションが高く明確な目標があり、お互いを補い合うスキルと才能を持ち、いつも優れた結果を出す従業員のグループです。
先見の明を持つリーダーは常に優れた問題解決策を捉える存在です。「そつなく成功したい」というのは誰にでもある性向です。実のところ、ビジネスとはチームスポーツです。スティーブ・ジョブズやウォルト・ディズニーのようなリーダーは、雑誌の表紙を飾るかもしれませんが、彼らの背後には、企業の目標を達成するために連携して取り組む多数のチームの存在があります。
ただし、すべてのチームがビジネスに同じ価値をもたらすわけではありません。同僚に比べ抜き出た存在の有能なワークグループは限界に挑み、はるかに高い効果を発揮します。このようなパフォーマンスの高いチームは、専門知識を駆使し、揺るぎない集中力で目覚ましい成果を常に達成します。しかしパフォーマンスの高いチームを結成するということは、単に最も優秀な人材を発掘して招集し、一連の目標を設定するだけではありません。戦略的なチーム開発アプローチと、このチームを特別なものにする要素を理解する必要があります。
大抵のチームは、割り当てられたタスクをこなすことができます。パフォーマンスの高いチームなら、さらに進んで親組織に明確なメリットをもたらします。パフォーマンスの高いチームの主要なメリットには次のものがあります。
パフォーマンスの高いチームのマネージャーは、そのチームメンバーが継続的な監督やマイクロマネジメントなしで仕事を遂行できることを理解しています。チームメンバーには、問題が発生した時点で対処できる十分な自主性と才覚があるので、マネージャーは戦略的な取り組みに注力できます。
パフォーマンスの高いチームには、意欲の高い従業員が集まっています。このような従業員は各自の目標を理解しており、単に給料を稼ぐということを超えて、会社の成功に精神的に尽力します。明確な指針と、成功を追求する意欲を持つパフォーマンスの高いチームは、外部からのモチベーションをほとんど必要としません。
パフォーマンスの高いチームは優秀なメンバーで構成されていますが、各メンバーの本領が真に発揮されるのは、チームの「相乗効果」においてです。このようなチームは、メンバー各自の強みと弱みを理解しており、成功へ向けてお互いを支え合う形で連携します。
パフォーマンスの高いチームは高い自発性があり、チームメンバーに頼ることができるので、短時間で成果を上げることができます。このようなチームは生産性に関する絶対的な基準を定めており、競合やパフォーマンスの問題に煩わされることがありません。
上記のようなメリットから、パフォーマンスの高いチームは大幅な収益増を実現する一方で、競合解決や軌道修正の必要性が低減するため、マネジメント関連の支出が減少します。これらの点から、チームの編成と準備に対して大きな投資利益率を得ることができます。
パフォーマンスの高いチームはそれぞれ異なる特性がありますが、ほとんどのチームには共通する明確な特徴があります。以下にこの特徴を示します。
パフォーマンスの高いチームのメンバーは、オフィス内外でお互いに頼り合うことができることを理解しています。効果的に連携してサポートし合い、エゴ、恨み、個人的な欲望などが、チームの成功へ向けた取り組みに持ち込まれないようにします。
コミュニケーションは成功の鍵となります。パフォーマンスの高いチームのメンバーは、知識、アイデア、建設的なフィードバックの共有に関して完全な透明性を確保しています。重要な情報は、確立されている具体的なプロセスに従って通達されます。衝突は迅速に対処、解決され、業務の生産性や品質に悪影響を及ぼすことがありません。
パフォーマンスの高いチームは、非常によく組織化されています。個人とチームのそれぞれの目標に合わせて戦略が策定され、進捗の測定には定量化可能な測定基準が用いられます。ミーティングは目的をもって実施され、即戦的であり、重要な決定にはメンバー全員が関与するよう協力します。
優れたチームでは役割が明確に定義されており、パフォーマンスと説明責任に関連する期待事項も明確に定義されています。チームメンバー全員が、それぞれの個人的な目標と会社の目標、これらの目標の相互関係を完全に理解しています。
パフォーマンスの高いチームのメンバーは、感謝されるだけでなく、それ以上に他者に対する感謝を表します。チームは同僚の素晴らしさを評価し、速やかに称賛します。
情緒面での成熟は、チームパフォーマンス向上の鍵となります。パフォーマンスの高いチームのメンバーは、前向きな感情をオープンに共有するだけでなく、「否定的な」感情も共有します。この真正性があることで、事実に基づいたリソースを使って感情を抑制せずに、健全で適切な方法で感情を表に出すことができます。
パフォーマンスの高いチームのメンバーは、既に理解していることだけでは満足しません。スキルセットを継続的に強化、向上するために継続的な成長を求めます。チームと会社の両方にとってメリットのある学びの機会を探し求めます。
大抵のチームは、すべてが予定通りに進んでいるときには十分なパフォーマンスを発揮できます。パフォーマンスの高いチームの本領が発揮されるのは、緊急事態が発生し、チームがこれまでに経験したことのない領域に入る場合です。パフォーマンスの高いチームの適応力は非常に高く、迅速に方向転換して、生産性を落とすことなく新たな問題や要求に対処します。
否定的な感情に対処しなければならない状況は避けられませんが、パフォーマンスの高いチームは通常、士気が高く前向きな姿勢を持ちます。発生する可能性があるあらゆる問題に対処する心構えができているので、抱えた不安が成功の妨げになる状況には陥りません。
最後に、パフォーマンスの高いチームは強いリーダーを頼ります。チームメンバー全員が自発的であり、マイクロマネジメントを必要としませんが、リーダーは目標の設定を支援し、コラボレーションを促進する環境を提供し、ポジティブな企業文化に参加して自らが例を示す点で、成功を達成する上で極めて重要な存在です。指針が必要な場合には、チームの向上を支援するために頼れるのがリーダーの存在です。
パフォーマンスの高いチームのメンバーは、社会的、経済的、文化的背景が多様ですが、チーム内で以下のタイプに対応する役割を引き受ける傾向にあります。
新しいアイデアや革新的な解決策を提案する「創造性を発揮する人」は、既存の枠にとらわれない考え方を持ち、創意工夫力を発揮します。
「積極的に行動する人」は、結果を出すことに極力集中し、パフォーマンスの高いチームの「主力」と捉えることができます。
「まとめ役」は、チームの効率性と組織化を促進するために必要なプロセスと体制を確立します。
「思索者」は、分析力が高く、複雑な問題に取り組んで解決策を見つけることができます。非常に知的であり、その知性をチームの成功に貢献します。
チームの推進役は、チームと外部のサポートリソースの間の交渉役を務めます。コミュニケーションと人脈づくりに長けており、全体的な目標を重視しています。
パフォーマンスの高いチームを立ち上げ、育成する上で最も重要な役割を果たす関係者は、効果的な人事 (HR) 部門です。HR はあらゆる段階でチームの成功に関わり、以下の方法でチームのパフォーマンス向上を促進します。
HR は、多様な候補者の中から最も優秀な人材を選定する主な役割を担います。単に素晴らしい経歴や実績を持つ候補者を選ぶのではありません。チームが高いパフォーマンスを発揮できるように支援するために、独自の才能と視点を提供できる候補者を選びます。
HR はオンボーディングプロセスを主導し、パフォーマンスの高いチームのメンバーに適切なリソースがあり、効果的に行う必要がある作業についてメンバーが理解しているようにサポートします。
従業員が新しいチームに加わるときには、成功に必要なスキルと知識がすべて備わっているわけではありません。HR は、最初のトレーニングとその後のチームのスキルアップ、コンピテンシーの強化、継続的改善の姿勢の促進に貢献します。
HR は、衝突解決における有効な体制の確立を支援します。これにより、チーム内で問題が発生したときには、衝突を建設的に解決するためのプロセスが機能します。
適切に認めてあげることで、優秀な人材がさらにその能力を発揮するのを促すことができます。HR はパフォーマンスの高いチームのメンバーが適切に称賛されるようにし、他のチームの向上心をかきたてるために、表彰/奨励制度の確立を率先して行います。
HR は、チームとイニシアチブの成功を評価するためのパフォーマンス測定基準を設定、追跡する際に中心的な役割を果たすことがあります。これにより、チームの優先事項を明確に定義できるので、パフォーマンスの高いチームでは採用されている基準が正確に把握されています。
最良の人材、リソース、方向性が揃っていても、従業員のチームをパフォーマンスの高いチームにするには時間と戦略が必要です。平均的な組織から「非常に優れた」組織へと導くために検討すべき開発フレームワークを以下に示します。
パフォーマンスの高いチームを実現するプロセスは、適切な人材の招集と、目標および責任の設定から始まります。重要業績評価指標 (KPI) および成功条件とともに期待事項が明確に示されている必要があります。この段階では、チームメンバーが嬉しさと不安を同程度に表すことがあります。メンバーが安心できる環境で質問をし、懸念を表すことができる機会を提供します。また、信頼関係を築くためにメンバーがお互いをよく知ることができる明確な機会を提供します。
チームを結成したら、次の段階では目標自体が重視されます。大きな目標をより扱いやすいマイルストーンに分割します。必要に応じて、新しいデータやより良いチームインサイトを用いて目標を再評価することがあります。この時点で、チームは目標達成に関連する追加スキルと、グループとしてのコミュニケーションと連携に関連する追加スキルの開発に取り組む必要がある可能性が出てきます。
チームの目標をより正確に定義し、チームメンバーが目標達成のための理解とスキルを得たら、関係者全員が生産性の向上に向けてより一層のエネルギーを注ぐことができます。通常はこの時点で、チームのアウトプットが大きく向上します。これに対し適切に称賛することで、この早期の成功を、チーム目標達成のスピードアップへとつなげることができます。
理想的には、チームはこの時点で職務の遂行に自信を持ち、効果的に取り組むことができます。チームのプロセスと個々のメンバーのパフォーマンスを評価するのに絶好のタイミングです。チームを詳細に分析し、非効率な行為、コミュニケーションの問題、衝突など、チームが最適なレベルで運営できていない原因となっている可能性がある問題に対処する時間をとります。
最終段階では、チームは十分な能力を得て、目標達成へ向けて大きく進展しています。ただし、自信が付いたがために、慣れが生じやすくなることがあります。現状に満足する状態に陥らないようにしてください。スキルセットをさらに磨くためのオプションとインセンティブをチームに与えることに集中します。チームメンバーが素晴らしい結果を出した場合には、その実績を公に評価するプロセスを導入します。
パフォーマンスの高いチームは、どの組織にとっても非常に有益な存在ですが、チームと組織がこのレベルの成功を実現するためには乗り越えなければならない壁がいくつもあります。パフォーマンスの高いチームの妨げとなりやすく、チームの生産性と有効性を損なう可能性がある問題を以下に示します。
- 責任または目的が明確に定義されていない
- リーダーシップの決定に関与できない
- 信頼性の高い意思決定方法論がない
- チームメンバー間の不信
- 不十分な衝突の解決
- 効果的でないミーティングの使い方
- 効果のないコミュニケーション、または頻度の少ないコミュニケーション
- 説明責任の欠落
- 非建設的な雰囲気
ServiceNow Workforce Optimization は、あらゆる業種の企業でパフォーマンスの高いチーム作りを支援する強力なデジタルソリューションです。業界に変革をもたらした Now Platform® 上に構築された Workforce Optimization は、新たなレベルの成功に必要なデータの透明性、コミュニケーション効果の向上、割り当て最適化リソースをチームとリーダーに提供します。
エージェントスケジュールを最適化し、チームの需要が高まる時期をより適切に特定して計画するため、シナリオのモデル化を適用します。内外のラーニング管理のための組み込みソリューションでチームメンバーのスキルアップを容易に実施できます。作業アイテム、エスカレーション、KPI のリアルタイムの可視性をもたらすことで、チームの生産性を向上させ、パフォーマンスを管理できます。これらの機能により、あらゆるチャネルで信頼できる唯一の情報源と企業のビジョンを維持します。これらすべてを実現するのが ServiceNow です。
従業員を、高いパフォーマンスを発揮するチームへと育成したいですか?HR Service Delivery のデモを今すぐご覧ください。
ServiceNow がどのようにお客様のお役に立てるかをお確かめください。