すべての企業が、SaaS のコストを追跡し管理するノウハウを持っているわけではなく、どのソフトウェアがどのデバイスで使用されているかを可視化できていない可能性もあります。SaaS アプリケーションの使用に関する過去、現在、そして将来の潜在的なコストをよりよく理解するために、時間をかけて分析する必要があります。将来の使用状況を追跡することは特に重要で、将来の SaaS アプリケーションのニーズを計画し、予算を立てるのに役立ちます。
SaaS ライセンス管理は、IT と調達の状態を、集中型で後手にまわったアプローチから、進化を続ける SaaS ベンダースタックのインサイト主導型の管理へと抜本的に変革します。これを最も効果的に実装するには、データの種類と品質が重要になります。使用している SaaS スタックを正確に示すために必要な、SaaS データの 4 本の流れを説明します。
SaaS データの 4 本の流れ
- 経理の支払いデータ:企業が現在関わっている全ベンダーの規模を把握するには、総勘定元帳の支出側と支出データの精査が必要です。実績は誰もが関心を持つデータですが、予算計上データも、予算と実績の比較を理解するために利用できます。
- ベンダー契約データ:取引の規模は、企業契約、SOW、SLA、セキュリティレビューから、誰かの受信箱に入っている簡単なメール領収書までさまざまです。各ベンダーとの立ち位置を知ることが、その関係において舵をとり、リスクを軽減して、価値を高め、コストを管理するための重要な鍵になります。
- ベンダーライセンスと使用量のデータ:ソフトウェア産業において、価格設定要因は常に変化しています。今日の大部分の契約は、ライセンスベースから使用量ベースに、また複数の要素の組み合わせへと移行しています。使用状況の理解はビジネス価値に相関します。支払った分の価値を得られているかを考えてみてください。
- 社内ローカルな知識 (スプレッドシート):ほとんどの企業は、情報の整理に何らかの形でスプレッドシートやデータベースを使用しています。更新日から所有権、ライセンス、推定コストまで、あらゆる情報が最終的にこのスプレッドシートに記録されます。列が存在するならば、追跡するだけの価値があるはずです。そのためにデータを 1 つのプラットフォームに集めることが重要なのです。
SaaS ライセンス管理では、すべての SaaS データの流れを 1 つの統合プラットフォームにまとめた後に、IT、調達、ソフトウェア所有者、予算保有者など、企業のステークホルダーすべての関与が必要となります。