社内サービスの申請業務を変革し従業員体験を高めたアサヒグループジャパン
1週間が数分 申請から承認、環境提供までの時間が1週間から数分に短縮 +1導入 他のクラウドサービスと組み合わせることで利便性の高い使い方を実現 従業員体験の向上 不必要な作業をなくしてフローをシンプルにしたことで従業員体験が向上


「アサヒスーパードライ」でおなじみのアサヒグループは酒類の他、「三ツ矢サイダー」や「MINTIA」など、多彩な製品を提供する総合飲料・食品メーカーです。10年ほど前から事業のグローバル化を推進し、現在では海外からの売上高が半分近くを占めています。

「国内事業は、持株会社であるアサヒグループホールディングス内に置かれた日本統括本部が統括していましたが、22年1月にアサヒグループジャパンを設立してマネジメントを移管しました」と語るのは、アサヒグループジャパン 執行役員 DX統括部 部長の山川知一氏である。

新会社の設立とともに、それまではホールディングスやアサヒビールなどの国内事業会社に分散していたDX関連部門を集約し、アサヒグループジャパン内に「DX統括部」を新設しました。国内の全事業会社のDXを推進するための部門です。
「実際にDXに取り組むのは各事業会社ですが、DX推進部は、それを実現するための基盤や仕組み作り、データベースの構築などを支援します。ジャパン全体としては、DX=BXであると捉え、プロセス、組織、ビジネスモデルにおけるイノベーションを推進していく方針を掲げています。その“旗振り役”として、各事業会社と緊密に連携しながら変革に取り組んでいるところです」(山川氏)

クラウドサービスと柔軟にAPI連携し、既存のレガシーシステムとも簡単につながるServiceNowは、両方を1つにまとめ上げる“橋渡し役”として最適な存在だと考えています。 山川知一 氏 執行役員 DX統括部 部長

「従業員=カスタマー」と発想を転換する

 BXの一環として、アサヒグループジャパンは、デジタルの力を活用した従業員体験の変革に取り組んでいます。その基盤の一つとして活用しているのが、デジタルワークフローによって無駄な業務プロセスの解消や業務の自動化を実現するServiceNowです。

「当初はIT Service Managementを導入したのですが、IT領域以外にも、様々な業務の効率化や自動化に役立つ可能性を持ったプラットフォームであることが分かりました。そこで、従業員が日ごろから面倒に感じている各種申請業務の負担を減らす仕組み作りにも利用することにしました。『従業員=カスタマー』と発想を転換し、お客様に提供するのと同等以上のサービス品質を目指しました」と語るのは、同社 DX統括部 マネージャーの清水 博氏です。

 例えば、従来の申請・承認プロセスでは、申請内容にミスがないかどうかを複数の部門がダブルチェックしたり、他部門による処理や指示が間違っていないかどうかを確認したりするといった無駄が生じていました。

「不必要な作業を極力なくしてフローをシンプルにすれば、申請から承認までの時間は大幅に短縮され、従業員体験も向上するはずです」と清水氏は説明します。それが実現できる仕組みとして、アサヒグループジャパンのDX統括部はServiceNowのプラットフォームを広範囲にわたる社内サービスの申請に利用することにしました。

申請完了までの時間が1週間から数分に

 ServiceNowのプラットフォームを使った社内サービスの申請プロセスの変革は、すでに一定の成果を上げています。例えば、アサヒグループジャパンはウェブ会議やファイル共有などのクラウドサービスを導入していますが、これらのサービスを利用するための申請・承認・環境提供をServiceNowによって自動化しました。

「従業員がファイル共有のために新たなフォルダを作成する際には、これまでは上長や担当部門に承認を得た上でIT部門が設定していました。従来は、承認が下りてフォルダが作成されるまでに1週間前後かかっていたのですが、承認が下りれば、その情報は直ちにAPIでファイル共有サービスに伝わるよう完全に自動化され、承認が早ければ数分でフォルダが提供できるようになりました」(清水氏)

 このように、疎結合の仕組みによって様々なクラウドサービスと柔軟に連携できるのも、ServiceNowの大きなメリットです。「ServiceNowを他のクラウドサービスと組み合わせると、それぞれの機能の掛け合わせによって、より利便性の高い使い方ができるようになります。私はこれを『+1導入』と呼んでいます。あらゆるシステムと柔軟に接続できる特性を持っているからこそ、それを徹底的に生かして、様々な業務の変革に役立てていきたい」と清水氏は語ります。

「ServiceNowのプラットフォームやアプリケーションは汎用性の高さが魅力なので、枠にとらわれた使い方をするつもりはありません。ServiceNowは“正解”が決まっているジグソーパズルではなく、“無限の正解”を創り上げられる組み立てブロックのようなプラットフォームです」(清水氏)

SoEとSoRの“橋渡し役”としても期待

 この他、アサヒグループジャパンは、ServiceNowの人事管理アプリケーションであるHR Service Deliveryと、ワークフローアプリケーションをローコードで開発できるApp Engineも導入しています。IT運用以外の業務で利用するワークフローの構築を容易にすることが目的です。

 さらに、同社は今後、国内事業全体のITアーキテクチャを構築する上で、ServiceNowをSoR(System of Record)とSoE(System of Engagement)の“橋渡し役”として活用していく考えです。

 山川氏は、「クラウドサービスと柔軟にAPI連携し、既存のレガシーシステムとも簡単につながるServiceNowは、両方を1つにまとめ上げる“橋渡し役”として最適な存在だと考えています。理想のITアーキテクチャ像はまだ構想中ですが、環境変化に強い、スケールアップやスケールダウンが柔軟にできるアーキテクチャを目指しています。従業員の時間をむしばんでいるものを減らす。そのためにServiceNowを十分に活用していきたいと思います」と今後の抱負を語りました。

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