成長のためのプラットフォームの構築
Bell Food Group 社は欧州における肉加工食品とインスタント食品の大手企業であり、スイスでは業界トップです。 伝統ある同社は、1869 年に Samuel Bell 氏がバーゼル中心部に最初の肉屋を開業したときに設立されました。 同グループは、Bell、Eisberg、Hilcona、Hügli といったブランドやその他の専門ブランドを展開し、多様な顧客のニーズに応えています。 15 か国で 12,000 人を超える従業員が、日々懸命に最高品質の製品を作り、数百万人の顧客に大きな満足を提供しています。
主に買収によって、近年同社の製品ポートフォリオが急速に拡大し、その結果、多様な IT 環境が散在することになりました。
国際的に事業を拡大し続ける Bell 社は、シンプルで使いやすい技術プラットフォームで、一貫した高品質な IT サービスと運用管理機能を、欧州で最も有名なブランド名を含む多くの食品ブランドと事業部門に提供する必要がありました。
IT プロセスの標準化
同グループの従業員は、完全な機能を備えた IT システム、ツール、アプリケーション、データに対する信頼性のある、即時アクセスに依存して、可能な限り生産性を高め、社内外の顧客やパートナーに優れたサービスを提供しています。
ただし、従来の IT サポートシステムは高度にカスタマイズされていたため、アップグレードが複雑で大きな費用が必要でした。
陳腐化したレガシーテクノロジーや旧式のユーザーインターフェイスにより、従業員が必要とする IT サービスを提供することが困難になっていました。 レポートとダッシュボードの作成にはアドミニストレーターの介入が必要で、以前に解決済みの問題や要求を検索するのにも手間を要していました。
Bell Food Group 社は、ServiceNow により、IT Service Management (ITSM) と IT Operations Management (ITOM) をはじめとする、汎用性の高い実用的で拡張可能なプラットフォームを見つけました。
「ServiceNow は直感的に運用できて、トレーニングもあまり必要としないので、新規ユーザーが操作に習熟するまでに時間を費やさずに済みます」と、エンタープライズアーキテクチャ責任者の Anabelle Klusmann 氏は語ります。
従来のソリューションのライセンス更新が迫っていたことと、IT プロセスの標準化という急を要するビジネス目標に後押しされ、チームは 8 か月で実装を完了するという目標を設定しました。
すぐに利用可能な構成と、関係者全員とのタイムリーで透明性の高いコミュニケーションを通じて、実装は成功しました。
CIO の Sven Friedli 氏は次のように述べています。「私たちは確かに、迅速に実現するというプレッシャーを自らに課していました。しかしながら、重要だったのは、ServiceNow がもたらす IT 効率の基礎を備えることでした」
製品ロールアウト戦略の定義
最初に、Friedli 氏とそのチームは、既存のツールからどのプロセスを ServiceNow ITSM に移行するかを決める必要がありました。 チームはトピックごとにワークショップを実施しました。重要だったのはプロセスオーナーとシステム管理者が参加したことです。
Request Management のワークショップでは、チームは類似のアイテムやワークフローを特定し統合することで 1 つのワークフローを作成して、132 あったカタログアイテムをわずか 2 時間で 86 に簡素化できました。
ServiceNow プラットフォームへの適応はすべて文書化し、プロジェクトのステークホルダー全員が入手可能にして、サポート時間を削減しました。
ロールアウトには反復アプローチを採用し、チームは 3 か月ごとに運営委員会を開催し、新たな選択肢の最新情報を共有して、グループでどの機能を構築したいかを決定し、その過程でロードマップを作成しました。
チームは ServiceNow Request と呼ぶ自社用のイノベーションプロセスを構築する際、保持したい技術機能を既存の SAP ERP システムが提供していたため、SAP API から ServiceNow 内のインシデントをオープンできるようにしました。
さらに、常に SAP Change Management か SAP Solution Manager のみが主導権を持てる双方向の API も作成しました。 ここでも、SAP Solution Manager には失いたくない技術機能が含まれていました。
ITOM の実装は継続中ですが、Friedli 氏はそれが重要な役割を果たすことを確信しています。彼は言います。「当社には数千の構成アイテム (CI) があり、在庫もまだ最適な状態ではありません」 「ITOM を使用すれば、データ品質を向上して構成アイテムの在庫を最新の状態に保ち、それに基づいてシステムを統合して確実にアップデートを行ない、次のレベルのデジタル化に向けた適切な基盤を構築できると考えています」
透明性で効率性を推進
グループ全体で ITIL プロセスを標準化したことで、Klusmann 氏とそのチームにはプロセスを ServiceNow にマッピングしたいというさらに多くの要求が事業部門から寄せられています。
その中に、バーゼルの製造チームが、自分たち用のダッシュボードを導入して、チームメンバーに透明性を提供し、拠点管理者が要求とインシデントのすべてを完全に可視化できるようにしたいというものがありました。
Friedli 氏はこう述べます。「ServiceNow がもたらす最重要メリットの 1 つが透明性です」 「グループ全体でどんな種類のインシデントが起きているかわかるようになり、機能停止が発生した場所では、原因に注目して行動ポイントを定義できます」
結果として、作成された要求数は 14% 低下し、要求の履行に要する平均時間は 9% 短縮し、インシデントの解決に要する平均時間は 33% 短縮しました。 これらの改善がもたらした金銭的価値はおよそ 20 万ユーロと計算されています。
チームはプラットフォームの ToDo リスト、インシデント、問い合わせがシングルビューに含まれるビジュアルタスクボードを使用して管理を行っているため、担当者もリーダーもどれが解決済みで、どこまで進捗しているかを即座に確認したり、業務の再割り当てを行ったりできます。
Friedli 氏は次のように付け加えます。「ServiceNow で、私たちは常に向上し続けています。事業部門はグループ内での共有も可能な自分たち用のダッシュボードを構築していて、それによって「これはどんな効果がありますか?一緒にこれをやっていただけますか?」といった対話やコラボレーションが促進されています」」
アプリケーション管理責任者の Christine Kerwin 氏は次のようにコメントします。「やりがいも高まりました。以前は共通のインサイトを持たずに意思決定を行っていました。今では、より優れた意思決定を行うことができる可能性がありますから」
複数部門にわたるプロセスのデジタル化と最適化
Klusmann 氏とそのチームは ServiceNow Request を構築して履行者ライセンスを持つエンドユーザーすべてに、変更を要求するオプションを提供し、その変更を確認してソリューションが必要か、あるいは既に存在するかを判定しています。
そして Bell Food Group 社全体にわたる透明性、調和、コントロールの必要性によって、ServiceNow の新たな機能が注目する部分がそこに決まります。 Friedli 氏は説明します。「私はさまざまなプロセスを持つ複数の異なる企業の IT 予算を持っていますが、それらすべての概要は把握していません。 これからは、IT 部門だけでなく、他の多くの事業部門も対象に、単一のツールと単一のワークフローでグループ全体の投資すべてを管理できるようになります」
以前は新たな投資の承認には文書への署名が必要でしたが、それも完全に自動化されました。 「平均 5 日間も待たされていたのが、ワンクリックで完了するようになりました!」と、彼は付け加えます。
Food Group 社の未来を告げる鐘を鳴らす
紙ベースのプロセスとの決別、透明性の高いワークフローの導入、サポートの一元化、責任の帰属の明確化といったことすべてが、この巨大で多様な企業が ServiceNow への取り組みを継続しながらもたらしている変革の証明です。
Friedli 氏は ServiceNow を「自分で作る必要のない巨大な道具箱」と表現します。 次の予定としては、ServiceNow Discovery、Service Mapping、Certificate Management をすべて実装して、インフラストラクチャ全体の可視性をさらに向上して機能停止を回避することです。
Bell Food Group 社は将来に向けて期待を高めています。 Friedli 氏は語ります。「ServiceNow のおかげで、サービス管理の強固な基盤を構築できました」 「ここから他の部門、特に、複雑さが急速に高まっているオペレーショナルテクノロジー (OT) の領域にさらに大きな価値を提供していけます」