2027 年までの節減額予測
Order Management 開始までの月数
廃止予定のサービス管理システム数
信頼されるコネクター
あらゆる機器がネットワークに接続され常に稼働可能な状態にある環境において、BT Group 社ほど広範囲な顧客基盤とサービス提供範囲、それに伴う責任を負っている企業はそうありません。
英国の主要な固定電話、ブロードバンド、モバイル通信事業者である BT Group 社のサービスのおかげで、ビジネスは可能になり、友人や家族はつながることができ、NHS や緊急サービスなどの重要施設と一般市民との間に重要な関係が築かれています。
BT Group 社のミッションは、持続可能性をビジネスの中核に据えながら、人、デバイス、機械をつなぐ、世界で最も信頼されるコネクターになることです。
責任と対応力
これほどの規模で通信事業を展開することは容易ではありません。また、BT Group 社の企業およびネットワークインフラストラクチャは複雑で多面的でもあります。BT Group 社のエンタープライズ部門は英国とアイルランドで 100 万以上の顧客にサービスを提供し、グローバル部門は 180 か国で事業を展開し、BT コンシューマー部門は英国で約 3,000 万の顧客に電話、ブロードバンド、サブスクリプション契約テレビ、その他さまざまなサービスを提供しています。
多くの国営通信事業者や他の大企業と同様、BT Group 社の老朽化した技術資産は、数十年にわたって蓄積されているため、サービス管理に時間がかかり、複雑化し、多くの労力を必要とします。今日の顧客が期待するレベルのサービスとエクスペリエンスを提供し続けるために、刷新する必要がありました。
BT のエンタープライズアーキテクチャ担当ディレクターの Alex Bell 氏は、顧客対応チームの分析結果から、56 にのぼるレガシーサービス管理システムが、ビジネス全体で 15,000 人以上のユーザーによって使用されていることがわかり、それが重要な転換点であったと振り返っています。
「そのことは、きっかけとして、変革の必要性を示唆する明確なシグナルでした」と説明しています。
BT Group 社は、グループ全体の混乱を最小限に抑えるため、非常に大規模なサービス管理チームに依存しています。多数のサイロ化したシステムを使用していたため、BT Group 社のサービスエージェントと顧客の双方にとって、サポートサイクル全体でエンドツーエンドの可視性を確保することが難しく、問題解決に要する時間が長くなっていました。
「サポートコールを実施すると、何度も引き継ぎが発生します」と Bell 氏は述べています。「チケットは何人もの担当者に引き継がれてようやくエンジニアに届くようなありさまで、お客様に最新の進捗状況をお伝えすることなどできるはずもありませんでした」
BT Group 社の変革に向けた大きな目標の達成は、アジャイルな対応と迅速な解決にかかっていました。これを実現するには、顧客と従業員の両方に優れたエクスペリエンスを提供するためにクラス最高の機能を備えたシングルプラットフォームが必要です。BT Group 社は、市場のソリューションを厳密に分析した結果、ServiceNow に注目しました。
新しいエクスペリエンスの共創
BT Group 社は、事前通知やセルフサービス機能の改善といったカスタマーサービスプロセスの見直しにとりかかりました。同社では、重複入力や二重入力を減らし、正確で簡単にアクセスできる情報を提供して、カスタマーエクスペリエンスを最適化しながら、エージェントにエンドツーエンドの可視性を提供できるプラットフォームを求めていました。
BT Group 社は、戦略的なデジタルトランスフォーメーションプログラムの一環として、ServiceNow と密接に連携し、グループ全体のサービス管理プロセスを大幅に簡素化しました。
段階的なロールアウトは、2019 年に 500 人のエージェントを ServiceNow Telecommunications Service Management (TSM) に移行することから始まりました。続いて、グローバルマルチプロトコルラベルスイッチング (MPLS) ネットワークと、エンタープライズおよびグローバルビジネス向けの初期試験運用を開始しました。その後、TSM と Order Management for Telecommunications (OMT) が提供する、すぐに利用可能な機能を使用して、新製品とフルフィルメントワークフローの開発を開始しました。マネージドサービス導入の一環としてわずか 3 か月で立ち上げることができました。
「さらに、ServiceNow はグループの新しい戦略的統合テクノロジーアーキテクチャに組み込まれています」と Bell 氏は振り返ります。「それこそ私たちが過去 2 年間に推進してきたことでした」
Alex Bell
Enterprise Architecture Director
顧客中心の透明性
BT Group 社の変更管理と音声ネットワーク運用、さらに従業員ポータルも巻き込んだ段階的な導入は続いています。
これまでに、11 のレガシーサービス管理システムが ServiceNow TSM に置き換えられましたが、約 6,700 人の BT Group 社サポートエージェントと約 70,000 人の顧客が対象になりました。
「これらのエージェントはすべて、共通プラットフォームで情報を共有できるようになりました」と Bell 氏は説明します。「エージェントは、自分の対処している問題が別のシステムの問題によって引き起こされている場合、それを瞬時に知ることができます。ServiceNow の導入によってプロセスは大幅に簡略化され、全員に共通のエクスペリエンスと情報の透明性をもたらしています」
その結果、BT Group 社の「平均修理時間」が大幅に短縮され、変更作業も 75% 削減されました。Bell 氏は、特に常時利用可能なサービスなど、より顧客中心の成果に満足しています。
「残りのシステムのロールアウトとクローズがもっと進めば、重要な機器が動かない、サイトがダウンするなどの心配はもう必要なくなります」と Bell 氏は述べています。「情報はそこに存在して利用可能であり、私たちは情報を確実に維持するためにバックグラウンドで作業しています」
そして、この新システムのメリットは、BT Group 社の社内オペレーションにとどまらず、はるかに先へと波及しました。「当社は、英国内のほとんどの顧客や政府のオペレーション、そして海外にも数多く携わっています」と Bell 氏は述べています。「当社の顧客は NHS から金融や製薬、さらにその他の業界まで多岐にわたります。当社の事業は世界中の人びとの生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。ですから、当社が事業運営を適正に行うことが社会全体に大きなプラスの影響を及ぼすことになるのです」
飛躍的な改善
目標は 56 システムすべての入れ替えですが、すでに 11 システムが ServiceNow に移行しました。Bell 氏と BT Group 社は、現在、ロールアウトの継続と提供する機能のさらなる活用に注力しています。
「ホッケースティック効果 (長い横ばい状態の後、急激に上昇すること) が期待できます。閉鎖されて ServiceNow に移行するサービス管理システムが増えるにつれて、改善が雪だるま式に進むでしょう」と、Bell 氏は説明します。「チケットの重複やダブルキーイングの削減が進むほど、そのメリットは 1 つのシステムから他のシステムへと波及していきます」
ネットプロモータースコア (NPS) とカスタマーサービスの評価はすでに上昇しています。Bell 氏は長期的視野で BT Group 社の変革を 3 つのステージに分けて進めることを思い描いており、2027 年までに 2,500 万ポンドの費用削減をもたらすと予想されています。
現在の「カスタマーオペレーション」ステージに続くのが「AI オペレーション」ですが、このステージでは、顧客が問題に気付く前にフラグを立てるプロアクティブで予測的なアラームが可能になります。そして、ServiceNow の自動化レイヤーを使って自己修復システムの構築を支援する「ゼロオペレーション」フェーズへとつながります。
「当社のプロアクティブなサービス停止監視、根本原因分析エンジンは、停止状態にあるものを特定します。継続的統合とデリバリプロセスでは、一連の診断が実行され、復元パターン、ロールバック、仮想マシンの再起動など、自動化された修正方法を見つけて、エージェントが気付く前にチケットをクローズします」と Bell 氏は述べています。「さらに、CI/CD システムは、より長期的な修正が必要であることを元のコード開発者に通知し、DevOps とのループを完結します。ServiceNow を使って、より多くのオペレーションを自動化し、顧客対応をより重視することができれば、顧客満足度も高まります。それが私たちのビジョンであり、目指すところです」
BT が卓越したエクスペリエンスの提供に役立てたソリューションの詳細をご覧ください。