2020 年に 5 つの地方自治体が 1 つの新たな政府機関に統合された際に設立されたバッキンガムシャーカウンシルは、南東イングランドに位置する歴史上重要なバッキンガムシャー州でおよそ 50 万の人々にサービスを提供しています。
バッキンガムシャー州は、成長を続ける革新的な地域の中心に位置する、多様性に富んだ、進取的で魅力的な州です。 その領域は、南はグレーターロンドンから北はイーストミッドランドまで、西はオックスフォードシャーから東はベッドフォードシャーおよびハートフォードシャーまで広がっています。
ロンドンの北約 50 マイルのアリスバーリーを拠点に、チルターン特別自然美観地域や典型的な農村地域から、都市部の多様な町々のネットワークまで、さまざまな地域を担当しています。
1 つの機関への統合は、リソースの重複の排除や、750 を超えるサービスに対応する単一のシームレスなアクセスポイントを住民と企業に提供することにつながり、コストや持続可能性の効率化、サービスの質の向上、説明責任の明確化を実現しました。
緊急事態対応のためテンプレートを提供
新しいバッキンガムシャーカウンシルの立ち上げは、コロナ禍の実体が明らかになりつつあり、重大な複雑さと責任がますます高まっている中で行われました。
カウンシルの幹部たちは、すでに、統合された新しい組織が運用するコアプラットフォームの 1 つに ServiceNow を選択していました。 実際、このプラットフォームは危機対応の中核的なコンポーネントとなり、人事、IT、サービスデスクといった一元化されたアクティビティの多くが Now Platform へと移行されました。
オーダーメイドのセルフサービスポータルから ServiceNow IT Service Management にアクセスすることで、スタッフはリモートワークの必要性に迅速に対応できただけでなく、極めて重要な新型コロナ対策を導入し、その他の生活に欠かせない公共サービスを維持できました。 今やこのポータルは、カウンシルの従業員の 75% が利用する、IT サポートの最初の窓口となっています。
弱い立場にある人やコミュニティを支援するための新しいサービスの緊急性が明らかになったことで、カウンシルは ServiceNow の利用を拡大し、特に ServiceNow App Engine のローコード機能を展開しました。IT 担当サービスディレクターの Tony Ellis 氏は、「ServiceNow は、カウンシルの全体的な対応を支えてくれました。 ニーズを特定したら、App Engine を使ってアプリケーションを数日で準備し、何かを始めることができるとわかりました」と説明します。
「ServiceNow は、数か月で重要なコーポレートシステムとしてすっかり定着しました。迅速な対応を可能にしてくれる自動化とスピード感は非常に貴重です」
住民と難民に対する支援の手
バッキンガムシャーカウンシルは、その迅速な ServiceNow ジャーニーにより、今日の進化する要件に対応する、住民や企業を迅速かつ効率的に支援するためのスキル、ツール、テクノロジーを得て、パンデミックの固有のニーズにうまく対処してきました。
App Engine 上に構築され、Now Platform 上で運用されているカウンシルの「Helping Hand (支援の手)」プログラムは、社会で最も弱い立場の人への食料や必需品の提供を調整する手段として始まりました。 現在このプログラムは、物価高騰の危機の中、困難に直面しているバッキンガムシャーの 4 万を超える人々が利用する包括的なサービスのパッケージの中心的存在となっています。これには、暖房、請求書、輸送、健康、ソーシャルケアに関する支援が含まれています。
カウンシルの IT チームは、App Engine のローコードツールと技術を活用して、2022 年 2 月のロシア侵攻後に避難してきたウクライナ人の数千人の住民に安全な避難場所を提供したいと考えている州の住民を支援するため、カスタムメイドのモジュールを構築しました。
カウンシルの「Helping Hand for Ukraine (ウクライナのための支援の手)」アプリケーションには、難民を受け入れて滞在させるために必要な機器を購入するための助成金を利用するホストを対象とした登録、セキュリティクリアランス、マッチングサービス、安全な支払いシステムが含まれています。
バッキンガムシャーカウンシルのビジネスインテリジェンスおよびコミュニティサポート担当サービスディレクター、Matt Everit 氏は次のように説明しています。「このアプリケーションを使用すると、助成金サービスを提供するだけでなく、必要なデータすべてにアクセスして、何がなくなりつつあるかを追跡し、カウンシルの長や政府に報告することができます。ウクライナのモデルを受け、国の危機に巻き込まれたアフガニスタンの人々へのカウンシルのサービス提供を支援する同様のプラットフォームも構築しました」
データが優先順位を通知
カウンシルの App Engine 生産ラインの次は、「Making Every Adult Matter (すべての大人を大切にする)」(MEAM) という、ホームレスや薬物やアルコールの問題に苦しむ人々など、社会で最も弱い人々を支援するための新しいイニシアチブです。
ServiceNow のアプリケーションアーキテクト、Joe Ciocci は次のように述べています。「ServiceNow は、『Making Every Adult Matter (すべての大人を大切にする)』サービスで、問題が最も深刻な場所を特定し、最も必要とされるサポートにプロアクティブに集中できるプラットフォームを提供してくれます」
カスタマーデリバリおよびガバナンスの責任者を務める Sarah Barnes 氏は次のように付け加えます。「詳細情報をカウンシルの他のデータソースに追加すれば、恵まれないコミュニティにより効果的にリソースを充てることができ、政府のレベルアップアジェンダへの対応に役立ちます」
一方、App Engine に組み込まれたその他のアプリケーションは、引き続き組織に大きな価値をもたらし、対応速度を速めて、効率化を促進しています。 元々パンデミック中のオフィストラフィックを管理する目的で開発されたデスク予約アプリケーションは、使用状況と占有率のデータをもたらしてきました。カウンシルは、これによりオフィスフロア全体を閉鎖し、賃貸コストと電力コストを節減して、炭素排出量を削減することができました。
「ServiceNow ダッシュボードにまとめられた 2 年間のデータにより、自信を持って情報に基づいた意思決定を行うことができました。 現在、同じ原理を用いて不動産全体の完全な見直しを実施しています。その結果、より多くのフロアを閉鎖することになると思います」と Ellis 氏は言います。
「ServiceNow を導入することで、カウンシルは真にデータに対応した機関になりました。Ciocci さんが ServiceNow でコーポレートアプリケーション登録を構築してくれた結果、300 以上のアプリケーションを管理し、データを統合して、IT 資産のステータスをより明確に把握できるようになりました」
エンジンへのフィード
「コロナ禍は悲惨な背景でした。しかし、データジャーニーを加速させ、変革の結果をもたらしました。以前は埋め込むのに長い時間がかかっていたものが、一晩で埋め込まれました。ServiceNow のおかげです」
Ellis 氏と彼のチームのロードマップにおける次のステップは、ServiceNow でのカウンシルの HR プロセスと財務プロセスの変革です。 「ServiceNow は、組織の大きな変化に対応するのにも、また予期しないイベントに迅速に対応する必要がある場合にも頼りになるプラットフォームです。必ず私たちにとっての答えがあります」
Barnes 氏は次のように結論付けています。「ServiceNow エンジンにフィードすればするほど、そこからより多くを得ることができます。データ、自動化、ダッシュボードは、私たちの職場環境全体を変えました。KPI、SLA、優先順位付けにより、従業員は適切なタスクに適切なタイミングで集中できるようになり、真の違いを生むタスクに集中できるようになりました。その結果、効率性とコスト効率が高まりました」