より賢明な働き方
Dropbox 社は、2007 年以来、従業員とリモートチームの連携方法を刷新してきました。 同社のクラウドストレージとファイル共有サービスは、現在、180 か国で 7 億人以上のユーザーに利用されています。
Dropbox 社の先駆的なプラットフォームとサービスポートフォリオは、将来的な仕事の環境を見据えて常に進化しています。
業界における先見性を維持するために、Dropbox 社は、従業員のために「より賢明な働き方」を設計するというミッションの一環として、バーチャルファーストと呼ばれる、対面とリモートのコラボレーションの長所を組み合わせた新しい働き方モデルを導入しました。 このモデルは、分散した従業員の管理において顧客が直面する課題をより深く理解し、日常的なタスクを簡素化し、コラボレーション、イノベーション、創造性を促進する次世代の製品とサービスにインスピレーションを与えます。
調達を戦略的資産に変える
Dropbox 社は、デジタルトランスフォーメーションプログラムを絶え間なく追及しています。 すべてのビジネスチームにわたり、スピード、アジリティ、効率性を推進し、生産性を最大限に高めて、優れたサービスを提供するためのツールを優秀な人材に提供することを目的としています。 ServiceNow は、このジャーニーにおける長期的なパートナーとして、IT、HR、ファイナンスなどのさまざまな領域をまたいで、ビジョンの達成をサポートしています。
Dropbox 社が自社の調達活動を見直したところ、アプローチ全体を再設計するまたとない機会があることがわかりました。 そのビジョンは、分断されていて、時間のかかる手動による介入を必要とする複数のプロセスを、分かりやすい、エンドツーエンドで、自動的にオーケストレーションされた統合システムに置き換えることでした。
組織全体の節減とメリットを実現する可能性は、非常に大きいものでした。 Dropbox 社の調達活動は、予算業務、調達、リスク管理、契約、購買、ベンダー管理、支払いなど多岐にわたります。
Dropbox 社の Source-to-Pay 担当ディレクターである Reunan Varene 氏は、次のように述べています。「私たちの目標は、「シンプルにする」ことをできるだけ早く実現して、スピード、集中力、効率性を生み出すことです。 Dropbox 社の継続的な成功には、継続的なイノベーションが不可欠です」
「当初、私たちのチームは、人による作業、複数存在するシステムとポリシー、独自の慣行、段階にバラツキのあるデジタル化に大きく依存していたため、重大な課題を克服する必要がありました」
「複雑な手動プロセスへの対応に全力を尽くしている多くのチームには、従業員エクスペリエンスを改善する余地がありました。透明性と可視性が欠如しているため、従業員はどこから着手すべきか、誰と連携すべきなのか、自分の要求はどこまで処理されているのかについて不安を感じていました」
Varene 氏は次のように述べています。「私たちは、質の高い仕事をするのに必要な商品やサービスをシームレスで迅速かつコスト効率の高い方法で入手できるよう、チームをサポートしたいと考えています。そのためには、優れたユーザーエクスペリエンスを創出し、企業の支出を資産に変え、従業員の生産性とトップラインの成長を促進するための革新的なテクノロジーが必要でした」
調達の統一と共通ビジョンの構築
Dropbox 社は、Genpact 社と ServiceNow をコンサルティングおよび導入パートナーとして選択し、ソーシングと調達オペレーション (SPO) を展開することで、全従業員とベンダーにとって非常に効率的で部門横断的かつ透明性の高い購買エクスペリエンスを構築しました。
「IT や HR など、Dropbox 社で複雑なワークフローを自動化した実績がある ServiceNow を選択しました。 ServiceNow は、多くの導入過程で、当社との真のパートナーシップ精神を発揮し、常に私たちの期待に応える、あるいは期待を上回る成果を提供してくれました」
「ServiceNow のビジョンは、調達プロセスに対する統一され、簡素化されたアプローチという点で、当社の購買機能の方向性にシームレスに合致していました。この連携は、購買ワークフローを簡素化して最適化し、進化するビジネス要件に効率的に適応できるようにするうえできわめて重要です」
エンドツーエンドの調達プロセス全体を自動化することの戦略的重要性を認識し、組織全体から複数のチームが集まり、連携と調整を図りました。 これらのチームでは、プロセスの標準化、ポリシー、予算、テクノロジーに関するコンセンサスを得ることと、集団的な成功とはどのようなものかを定義することに取り組みました。
Genpact 社は、調達とサプライチェーンの専門知識を活用して、調達の課題を解決し、Dropbox 社の全体的な調達トランスフォーメーションプログラムである Purchasing 2.0 を確実にサポートできるソリューションを構築しました。 これには、ワークフローのベストプラクティスとオーケストレーションを実装して、セルフサービス、透明性、信頼性を向上させることが含まれます。
「ServiceNow と Genpact 社は、当社のビジョンを理解しており、どちらにも協力的に問題を解決する文化があります。両社はパートナーとして、プロジェクト全体の成功に不可欠な財務管理と発注書承認のために当社の Oracle ERP システムとの統合を構築してくれました」
全員が利用する単一のシステム
事業全体の調達エクスペリエンスは、完全に変革を遂げました。 従業員は ServiceNow Help Me ポータルにログインし、[購入 (purchasing)] をクリックして、ドロップダウンメニューやその他のセルフガイドプロンプトを使用して要求フォームに記入するようになりました。 1 回のインテークから、要求に対応する必要のあるチームが自動的に参加させられ、アクションがトリガーされます。
ユーザーは、自分の要求の進捗状況、プロセスのどの段階にあるのか、何が進行しているのか、いつ完了するのかを完全に把握できます。
Varene 氏は次のように説明します。「ServiceNow を活用した Purchasing 2.0 は、エンドツーエンドで接続された調達のための単一のインテークとプラットフォームであり、すべての購買活動は 1 か所で行われます」
「発注書作成プロセスを自動化することで、従業員は ERP システムにアクセスする必要がなくなり、会計タスクを行う必要がなくなります。これに関する満足度は、期待値をはるかに上回るものでした。これ以外を検討する必要はありません」 全部で 1,000 以上の ERP プロセスとリスクアセスメントプロセスが自動化され、組織全体のコンプライアンス率は 99% に達しています。
「ポリシーの更新、ワークフローの自動化、アプリケーションの統合により、すべてがはるかに迅速化され、効率が高まります。 従業員はシンプルで直感的なインターフェイスを備えた一元的なエントリポイントを利用できるため、会社や顧客のために付加価値を高めるという、自分が最も得意とすることに集中できるようになりました」
「SPO は、組織全体にメリットをもたらすと同時に、節減、リスク管理、倫理的かつ持続可能な購買の徹底など、個々のチームがそれぞれの目標を達成するのに役立っています」
Reunan Varene 氏は、Dropbox 社の新しい調達モデルがサプライチェーンとの関係を強化することも期待しています。 「私たちは、選ばれる顧客になり、最高のサプライヤーやパートナーと協力したいと考えています。ServiceNow の導入により、販売や更新のサイクルを明確に把握できる透明性の高いプロセスと、管理コストを削減するシステムも実現しています。取引しやすい優良な顧客になることで、サプライヤーやパートナーは当社に投資しやすくなり、当社のプロジェクトに最高の人材やリソースを投入してくれる可能性が高くなります」
完全なコントロール
Dropbox 社では、導入後の 8 週間で、200 人以上の従業員が新しいシステムで 500 を超える購買ワークフローを開始しました。 Varene 氏は次のように述べています。「ServiceNow を導入したことで、調達サイクルタイムがわずか 8 週間で 50% 以上短縮され、企業支出を完全にコントロールできるようになりました。 当社のチームは、この新しい企業資産を活用して、社内の総合的な専門知識のサポートを受けながら、価値を高め、調達投資利益率を最大化することができるため、各チームの業務分野においてメリットが得られるようになりました」
「私たちは一歩ずつ前進しています。 発注書の作成やサードパーティリスクレビューの実施は、以前は大きな課題でした。 ServiceNow を使用して、この課題を解決できることを実証しました」
「次に、契約管理を対象に、同じようにこうしたワークフローに対応するために取り組んでいます。そのために、ServiceNow 法務サービスデリバリの自動化機能を統合し、法務チームもこのプラットフォームに移行しています。また、電子署名の準備、送信、署名、追跡を行う電子署名ソリューションである Dropbox Sign も統合しています」
ユーザーエクスペリエンスをさらに強化して簡素化するために、Reunan Varene 氏のレーダー画面には、生成 AI も搭載されています。 「私たちは、生成 AI がどのように会話を可能にし、インサイトを提供し、より迅速に結論を出すのに役立つのかを探ることも楽しみにしています。 これにより、サポートの質が向上し、時間が節約され、すべての人にとって一貫性と使いやすさを向上させるでしょう」
「シームレスで自動化されたエンドツーエンドの購買エクスペリエンスを実現するには、複数年にわたるジャーニーが必要です。ServiceNow と Genpact 社のおかげで、当社はより多くの価値を引き出す大きな可能性を秘めた道を順調に進んでいます」