あらゆるものがつながる社会で関連性の高いコンテンツを配信
DuMont 社の近年名称変更したケルンのメディア出版社 Kölner Stadt-Anzeiger Medien はドイツの大手メディア企業として 400 年を超える歴史を誇り、ネットワーク化社会に必要なコンテンツを作成しています。 情報の配信が第一の目的ですが、技術の開発、イノベーション、発展も同社の歴史と精神の中核を担っています。
出版と情報配信における顕著な実績を持つ DuMont 社は顧客向けにカスタマイズしたコンテンツの配信についても精通しています。 ケルンに本社を置き、8 か国に支局を持つ同社は現在約 2,600 名の従業員を擁しています。 「地方メディア」、「ビジネス情報」、「マーケティングテクノロジー」をビジネスの 3 本柱とする同社にとって、中心にあり続けているのはカスタマイズした情報を該当する対象グループへ効果的に配信することです。
コミュニケーションの再調整
旧式イントラネットの技術的限界により、携帯電話でも利用可能なフォーマットやユーザーに会社の重要なニュースをプッシュ通知する機能など、求められている多くの機能が利用できませんでした。
DuMont 社は、技術的イノベーションと重要情報の配信に対するコミットメントが社内に反映されることを切望していましたが、 レガシーシステムによる連携と接続性の欠如が、デジタル化のプロセスをさらに困難なものにしていました。
スタッフは情報とサポートを見つけるために複数のソースを検索しなければならず、アクセスできるのはブラウザ形式のみでした。 さらに、DuMont 社グループの従業員全員が企業情報へのアクセス権を持っているわけではありませんでした。 これはメディアの分裂を招くだけでなく、一部の従業員に十分な情報が届かないということでもありました。 「当社の新しいビジネスモデルを通じてお客様にコンテンツを提供するという過程において、従業員にも有意義なコンテンツを提供することが重要でした」と DuMont 社チーフアーキテクトの Jörg Bartke 氏は述べています。
特にコロナ禍当初はスタッフがロックダウン下で断続的に在宅勤務を求められていましたが、リモートアクセスが制約されていたことによって、VPN 経由で社内ネットワークにアクセスができない従業員は、本来入手できるはずの情報が届かない状態になりました。 社内コミュニケーションチャネルへのアクセスは、会社のネットワークに接続できている人たちに限られていました。 社外にいて有線接続ができない場合、従業員は DuMont 社の中央情報プラットフォームにアクセスできなかったのです。
サービスと情報ストリームの統一
ServiceNow テクノロジーの導入により、同社には今では社内デジタルサービスを提供するワンストップショップがあり、30 拠点をつなぎ、2,600 人以上の従業員がどのデバイスでも 24 時間 365 日アクセスが可能です。 Now Platform は、エンドユーザー向けに明確な分かりやすいインターフェイスを備え、一元管理された最先端のスケーラブルなデジタルエクスペリエンスをサポートします。 2 つの中央スクリプトライブラリは、個人ユーザーアカウントの権限データをホストしています。 新しいポータルの開設以来、350 件の記事に 2,200 人のユーザーがアクセスしています。
ServiceNow App Engine を使用して DuMont 社が構築し展開した「Insights」は、キュレーションした会社ニュースをスタッフに配信するモバイルアプリケーションで、グループターゲット設定機能を備えています。 これにより、会社の重要事項や社内の出来事について共通理解を培い、スタッフがどこにいてもつながりを保てます。 またフォーラムとしての機能もあるため、コラボレーションが促進されます。 コンテンツは綿密に構築されて配信され、コンテンツベース全体を対象とした全文テキスト検索ができ、直観的な UI でユーザーはカルーセルのコンテンツカテゴリ切り替えができます。 コーポレートサービスへのリンクもスタッフ向け検索機能から利用可能で、コンテンツの時系列表示のオプションもあります。 このシームレスなコンテンツ配信は、顧客への露出の増加を意味します。「すべてのお客様に情報と知識をお届けする当社の広告ツールとなりました」と Bartke 氏は述べています。
Insights アプリはエンドユーザーのデバイスを、誰でもどこにいてもいつでもアクセスができるモバイル情報ハブに変えました。 プッシュ通知によってユーザーの携帯電話に会社の重要なニュースのアラートが届きます。 さらに特筆すべきは、ServiceNow IT Service Management Pro が搭載された DuMont 社の新しい IT サービスとサポートのポータルへのリンクが Insights に埋め込まれているという点です。 ポータルを使用することで、自律型ソリューション管理を通して IT サポートが展開され、IT スタッフは反復性が低くより価値の高いタスクに取り組めるようになりました。 コーポレートニュースの作成が標準化、簡素化されたため、必要な技術的知識が豊富ではない多数のライターにも手が届くようになりました。 仮想エージェントを使用したチャットボットがレジリエンスの高い常時稼働の IT サービスを提供するため、IT スタッフはチケット処理から解放されました。
「これはただ新しいアプリというだけでなく、インシデントの報告作成や所有資産の確認もできます。ナレッジベースの記事を読み、サービス要求を発行することもできます」と Bartke 氏は述べています。
ServiceNow 製品を活用することで、DuMont 社は社内と社外で実現した素晴らしいコンテンツ配信を今後さらに 400 年にわたって続けていけるとの期待を持ってます。
「ServiceNow との連携はひとつの過程です。当社のニュースアプリ「Insights」によって、ビジネスプロセスのデジタライゼーションにおいて当社が発揮できる力を示すことができたのも ServiceNow のおかげです。いまでは誰もが ServiceNow で何ができるのかを知っており、ステークホルダーの注目も集めているため、今後も ServiceNow でさらなる構築を進められる機会があると思います」と Bartke 氏は締めくくっています。