異種プロセスが最適とは言えないサービスにつながる
フリンダース大学は、教育と研究サービスで卓越性と革新性を提供してきた教育研究機関として、高い評価を受けています。 同大学の目的は、活気に満ちた魅力的な大学エクスペリエンスの促進と、学生に課題を克服し、予測不可能で期待に満ちた未来に飛び込むための準備をさせることにあります。
アデレード首都圏に 3 つのキャンパス、サウス・オーストラリア州とノーザン・テリトリー州の遠隔地に複数のサテライト施設を持つこの大学は、大量のサービス要求処理で問題に直面していました。 要求の受け付け、さまざまな場所にわたる作業の管理、オンサイトサービスの遂行のためのプロセスが分断されていたため、単一のビューでエンドツーエンドのプロセスを提供し、2,200 人を超えるスタッフの多様なニーズに対応できる、エンタープライズレベルの顧客およびフィールドサービスソリューションを必要としていました。
シングルプラットフォームでリソース割り当てを改善
ServiceNow 導入以前は、入学の問い合わせから施設の問題に至るさまざまな要求を管理するためのツールやプロセスが部門ごとに存在していました。 要求の受け付けは電話やメールで行われており、誰かがメールに応答しない限り、ユーザー側で対応状況を知ることができない状態になっていました。
問題をさらに悪化させたのは、エアコン修理などのメンテナンスの問題について誰に連絡すべきかを教職員が認識していなかったことです。 廊下で偶然会って話した、異なるサポートチームにメールで要求を送信したといった形でコミュニケーションが取られることもあったため、要求処理作業が重複したり、無駄になることも珍しくありませんでした。 加えて、サポートチームは最大 5 つの異なるシステム間で情報を手作業で翻訳する必要がありました。その結果、解決まで時間がかかり、リソース管理は不十分なものになりました。
「他のオプションを検討しましたが、機能と市場での世界的な評価から、ServiceNow が最適な選択肢であると判断しました」と話すのは、フリンダース大学でサービス管理とプロセス自動化の IDS プラットフォームリーダーを務める Manu Manuel 氏です。
フリンダース大学では、ServiceNow IT Service Management (ITSM) とカスタマーサービス管理 (CSM) によるプロセスの自動化を通じて、20 の事業分野にまたがる要求のステータスを一元的に追跡できるようになりました。 複数のチームが複数のシステムを管理する必要もなくなり、その結果、生産性がアップし、リソースをより効率的に活用できるようになりました。
「ServiceNow CSM が実稼動してから、3 年間で 130,000 件のケースをシステムに記録しています。現在では、129 種類のサービスで年間 35,000 件のケースをすばやく簡単に処理できるようになりました」と Manuel 氏は説明します。
さらに、要求がクローズされると、ServiceNow CSM は自動化されたプロセスをトリガーし、ユーザーに簡単なサーベイへの回答を依頼します。 回答者は、「スマイリーフェイス」を選択するだけで満足度を示すことができます。オプションでコメントを追加記入することも可能です。
フリンダース大学の資産/施設/開発部門、顧客および業務改善担当マネージャーである Jayne Preece 氏は、「ServiceNow を導入したことで、当大学は、要求を受けた瞬間から、対応、最終的な解決まで、優れたサービスを提供できるようになりました」と述べています。
フィールドサービスオペレーションにおけるリアルタイムの可視性
キャンパスがさまざまな場所に分散しているフリンダース大学では、約 24,000 の資産に対応するため、大量の施設作業指示をサポートできるシステムも必要でした。
ServiceNow の構成管理データベース (CMDB) に資産情報が保存されており、ServiceNow CSM、ServiceNow フィールドサービス管理 (FSM) のどちらからでもアクセスできます。 これによって大学は、教育、研究、施設、IT、一般サービスなどの事業分野にわたる契約のライフサイクル管理や資産メンテナンスを含む、幅広い資産サービス要求を効率的に管理できます。 現在、フリンダース大学では ServiceNow FSM も使用して、カスタマーサービスセンターを通じて受け付けたすべての計画メンテナンスプログラムと事後対応作業の要求に対応しています。
「ServiceNow のおかげで、カスタマーサービスチームと技術者の間でフィールドサービスオペレーションをリアルタイムで確認できるようになりました。その結果、稼働開始以来、2,000 件近くのメンテナンス計画と 70,000 件の作業指示を処理できています」と Preece 氏は言います。
新しいサービスの調達や研究プロジェクト用の機器の購入を検討している部門が ServiceNow CSM に要求を記録すると、 自動化されたワークフローにより、調達プロセスと法務プロセスが開始されます。ユーザーは、以前のスプレッドシートベースのプロセスではなく、ServiceNow プラットフォームを介して、更新日や支払い日といった主な契約マイルストーンを表示して追跡できます。
キャンパスオペレーションチームは、ServiceNow FSM の動的スケジューリング機能により、適切な担当者をタスクに割り当て、作業指示をすばやく効率的にこなすことができます。 ServiceNow の導入前、清掃のケースを完了するまでの平均サイクルタイムは 15 日を超えていましたが、ServiceNow 導入後はわずか 4 日になりました。これは 75% の短縮となります。 以前は 11 日かかっていた施設管理を 4 日でクローズできるようになりました。ごみ箱を空にする作業指示の完了にかかる時間は、通常 47% 短縮されます。
「複数の専門家や技術者を必要とする作業は多数存在します。資産やサービス要求に関するすべての情報は ServiceNow にあるため、リソースの割り当てをより効果的に管理することで、業務の中断を最小限に抑えて、問題を迅速に解決できます」と Preece 氏は付け加えます。
モバイルアプリを使って安全性とコンプライアンスを確保
フリンダース大学は、外部の請負業者に現場での作業を依頼する際に、その請負業者が適切に登録され、保険加入していることを保証するため、具体的な作業安全ポリシーを定めています。 大学への入り口はいくつもあるため、請負業者は誰にも気付かれずにキャンパスに到着する可能性もあります。 フリンダース大学は、ServiceNow パートナーの Enable Professional Services との連携により、ServiceNow Mobile Platform を拡張して、ServiceNow Store で利用できるアプリケーションである Toolbox を作成しました。
Toolbox は労働健康安全のプロセスに重点を置いたアプリケーションで、フリンダース大学のサービスニーズを満たすように構成されています。 エンドツーエンドの施設注文を安全に管理し、1,700 社を超える請負業者を登録できる一元的な場所を提供して、すべての請負業者が労働健康安全コンプライアンス要件を満たしていることを保証します。 これにより、大学は CSM と FSM で ServiceNow への投資を最大限に活用することもできます。
「Enable と連携できたことは素晴らしいことでした。Enable は柔軟で、当社の要件を理解してくれていたからです。しかも、実装を確実に成功させるため、ナレッジと経験も提供してくれました」と Preece 氏は言います。 「保険証の期限が切れたときにメールを送信して追跡したり、適切な証明書を持っていることを確認したりするのではなく、モバイルアプリを使って、これらすべてをリアルタイムで管理できるようになりました。これは私たちにとって大変に有益です」
請負業者は、モバイルアプリを使用してチェックインを行い、現場に到着したときに担当者に通知して、必要な健康安全の初任研修を実施することもできます。
「モバイルアプリは技術者のお気に入りです。数回タップするだけで業務のリアルタイムステータスを確認したり、インシデントの詳細を更新したりできます」と Preece 氏は付け加えています。
将来に向けた活用
ServiceNow のソリューションは、フリンダース大学における働き方を大きく変えました。 従業員満足度は大幅に向上し、可視性と信頼性の高いデータにより、スタッフはすばやく予定通りに仕事をこなすことができるようになりました。 サポートチームは、システム間で情報をコピー & ペーストする必要がなくなり、より複雑で関心の高い仕事に集中できます。
フリンダース大学は現在、ServiceNow への投資を引き続き活用することを計画しており、ハードウェアとソフトウェアの資産管理ソリューションを積極的に検討しています。
「ServiceNow は柔軟で革新的です。そのため、私たちはどの方向に進んでも、事業を成長させ、適応させることができます」と Preece 氏は締めくくりました。