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20年以上稼働していた決裁システムをデザイン思考で刷新、グローバル共通で標準化されたワークフローを構築 一本化

約12万人

グローバルに展開するグループ会社含む全従業員向けの基盤を構築

30%

決裁の業務手続きに要するリードタイムを30%以上短縮

UX改善

洗練されたUIとモバイル対応で、決裁における従業員体験を強化

富士通がこれまで運用してきた決裁システムは構築からすでに20年以上が経過して老朽化しており、拡張は困難となっていました。また、グループ各社もそれぞれ独自のやり方で決裁のワークフローを回しており、アジャイルな経営を実現する上でのボトルネックとなっていました。そこで、ServiceNowを用い、グローバルで統一された標準ワークフローの構築によってこの課題を解決。決裁業務に費やすリードタイムの大幅な短縮が見込まれます。

老朽化した決裁システムの刷新が必要に

富士通は新たに策定した「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスの実現を目指し、2021年10月に新事業ブランド「Fujitsu Uvance」を始動しました。

社会課題を解決するクロスインダストリー領域の「Sustainable Manufacturing」「Consumer Experience」「Healthy Living」「Trusted Society」、これらを支えるテクノロジー領域の「Digital Shifts」「Business Applications」「Hybrid IT」の7分野の事業からなるものです。このうちのDigital Shiftsでは、富士通自らがデータとテクノロジーを活用したアジャイル型の経営と従業員のワークライフシフトを実践。持続可能な社会に向けて、業種、国を越えて、企業の変革と人々の働き方、暮らしを支えていくとしています。

その一環として推進してきたのが、決裁システムの全面的な刷新です。現行の決裁システムは1990年代後半に構築されたもので、技術的にも陳腐化・老朽化しており機能拡張は困難となっていました。

富士通 デジタルシステムプラットフォーム本部 エンタープライズサービス統括部 マネージャーの木村幹奈氏は、「現行の決裁システムは、いわば紙の回覧版をそのまま電子化して回す仕組みに近いものでしたので、グローバル化やモバイル化の要求に対応できなくなっていました」と話します。

また、この20年以上の歳月を経て富士通の事業構造も大きく様変わりし、決裁システムと業務の間に多くのギャップが顕在化していました。そうした中で会社側からも「決裁のルールそのものを見直す」という方針が打ち出されました。

2020年頃に富士通グループ全体で決裁に関するルールを統一しようという動きが起こり、独自のルールに基づいて決裁業務を行っていたグループ会社も、富士通本社のルールに準拠してプロセスを標準化することになったのです。

しかしグループ会社の中には十分なシステム基盤がなく、そのプロセスをメールで回しているケースも散見されるなど、ばらばらの運用が行われている状態でした。これでは本当の意味で決裁ルールの統一化を図ることはできません。

富士通 法務・知財・内部統制推進本部 コーポレートガバナンス法務部 シニアマネージャーの堀川剛史氏は、「こうした歴史的な経緯もあり、決裁システムを基盤から刷新するという判断にいたりました。グローバルに事業を展開する富士通グループの決裁を支える仕組みとして汎用ワークフローで再構築し、業務効率や UX の向上を実現するとともに適切なガバナンスを確保します。さらにデータに基づく継続的なプロセス改革に耐えうる高い拡張性を実現することを目指しました」と話します。

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富士通株式会社
お客様名
富士通株式会社
日本
従業員数
124,000人(2022年5月現在)
PRODUCTS

短期間でワークフロー構築を実現でき、かつ将来的な改変や拡張にも柔軟に対応できるプラットフォームとして、業務部門としてもServiceNowへ大きな期待がありました。

堀川剛史 氏

法務知財内部統制推進本部 コーポレートガバナンス法務部 シニアマネージャー

新しい決裁システムのTo-Beとなる6つの軸をデザイン思考で策定 

 とはいえ富士通が世界180カ国に展開しているグループ会社は約400社を数え、そこに所属している約12万人の従業員が利用することになる新たな決裁システムの構築は、容易なことではありません。

そこで富士通が、新しい決裁システムのTo-Be(あるべき姿)を皆で考えるフェーズとして実践してきたのが、デザイン思考のアプローチです。「さまざまな事案を起案する担当者から役員クラスまで、幅広い階層にまたがるユーザーに対してヒアリングを行い、そこから得た生の意見を直視・理解するとともに、プロジェクトメンバー内で目指すべきゴールの“納得感”を醸成していきました」と堀川氏は話します。

この結果として策定されたのが、次の6つの軸からなるTo-Beです。

1. 決裁スピードの向上:アジャイルな経営を実現する上で最も重要な軸

2.UXの向上:現行システムの「申請内容に不備が多く手戻りする」「回送先がわからない」といった、ユーザーの不満を解消

3.ガバナンスの適正化:過去の手続きを検索・参照可能にし、判断の一貫性・継続性を担保

4.データの利活用:決裁に関するデータを分析し、ボトルネックの可視化と改善

5.グローバル化:世界各国のグループ会社でも共通に利用可能

6.システム連携:従来どおり周辺業務システムとの連携を維持

Now Platformの共通インスタンス上であらゆるワークフローを運用する 

 上述の6つの軸を満たす新たな決裁システムを構築するために、富士通がプラットフォームに選定したのが、ServiceNowのNow Platformです。

これまで富士通では各リージョン、グループ会社、場合によっては部署ごとに独自のシステムを運用してきましたが、これを改め1業務1システムに集約していく「One Fujitsuプログラム」を推進しています。このプログラムのもとで選定されたのがNow Platformであり、今後はワークフロー系のあらゆるシステムが基本的にNow Platformの共通インスタンス上に構築され、運用されることになります。

「新たな決裁システムは、この施策の第1弾となるものです。さまざまなワークフローを共通インスタンスに統合することでデータ連携が促進されます。またServiceNowが培ってきたグローバルでのナレッジやベストプラクティスを、弊社のワークフローに容易に取り入れられるメリットも大きいと感じました」(木村氏)

また、決裁の“脱日本化”を図ろうとする業務の観点からもNow Platformは最適なプラットフォームでした。

「決裁に関するルールやプロセスを富士通グループ全体で標準化していくとなれば、グローバルスタンダードに寄せていくことが必須です。その方向性に沿って短期間でのワークフロー構築を実現し、将来的な改変や拡張にも柔軟に対応できるプラットフォームを選びたい。ユーザー側としても他の選択肢もたくさんありましたが、最終的にNow Platformを採用したい要望をデジタルシステムプラットフォーム本部に伝えました」(堀川氏)

決裁業務のリードタイムを30%以上短縮、さらなるプロセス改革を進めていく 

 Now Platformをベースとする決裁システムの構築は、ServiceNowのコンサルタントもプロジェクトに加える形で2021年8月にスタート。そして2022年1月、そのステップ1に位置付けられるシステムがリリースされました。

「これまで決裁ワークフローをメールベースで回していたグループ会社を対象とするもので、国内61社、海外44社の計105社に向けてサービスを提供。1日あたり平均128アクセス、約8.7人のユーザーが利用しています」と木村氏は説明します。

さらに富士通は引き続き、その他のグループ会社および富士通本体を対象としたステップ2の構築を進めており、2022年5月下旬に稼働しました。

「ステップ2が始動した暁には、現行システムで分断されていた事前協議から審議、決裁にいたるワークフローがシームレスに連動するようになります。決裁の業務手続きに要するリードタイムは、30%以上短縮すると見込んでいます」と木村氏。また堀川氏も、「UIは非常にシンプルで洗練されており、少し慣れれば誰でもすぐに利用できるようになります」と語っており、新しい決裁システムは富士通およびグループ会社のさまざまな業務に、大きなインパクトをもたらすと期待されています。

もっともステップ2のリリースをもって、決裁システム刷新の取り組みが完了するわけではありません。「グローバル全体の決裁業務に関するデータが一元的に集約されます。その先でやるべきことは、データ分析に基づいたプロセス改革です。決裁のワークフローを運用する中で捉えた問題点を分析し、改善されたプロセスを新たなワークフローに反映するというサイクルをNow Platform上で継続的に実践する。これにより、さらにアジャイルな経営を実現していきます」と堀川氏は語り、富士通のチャレンジは続きます。

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