「最優秀」自治体
現在のヘリダ市は 1971 年に設立され、当時の住民数は 17,400 人でした。 今では、ヘリダ最大の町メンリッケ、および風光明媚で人口が少ない農村地域を合わせて、39,000 人を超える市民が住んでいます。
「ここはとても住みやすい場所です」と、ヘリダ市の IT マネージャーを務める Anders Lagerkvist 氏は言います。 「個性的で、自然も近くにあります。その一方で国際空港を備え、スウェーデン第 2 の都市であるヨーテボリにも近接しています」 実際にこの地域はとても魅力的で、自治体も熱心に役割を果たしているため、人口は着実に増えています。
提供するサービスの最新化と拡大に向けたヘリダ市の取り組みは、年間最優秀自治体賞に複数回ノミネートされ、2022 年には 1 位を獲得した理由のひとつです。
IT プロセスの簡素化でオペレーションを改善
市民からの高い評価を維持するとともに、市民へのサービスを継続的に改善し、テクノロジーの優位性を実現するために、ヘリダ市は IT 部門を事後対応型からプロアクティブ型に変革することに取り組みました。
「学校、高齢者ケア、コミュニティ形成、市のその他のサービスに存在するニーズをより的確に実現できるようになりたかったのです」と、Lagerkvist 氏は言います。 「しかし、従来のシステムは期待したような効果を発揮しておらず、プロセスはバラバラでした。仕事の効率を向上させ、市民により多くのメリットをもたらすための変化が必要でした」
旧来の IT サポートシステム、SharePoint、Teams の間でケースを移動するのに時間をかける余裕は、もはや市の IT 部門にはありませんでした。 IT 部門は IT サポートを自分たちのニーズにより適応したものに置き替える必要があり、技術サービスオペレーションの自動化と最適化を行うとともに、日常のワークフローと長期的なワークフローを簡素化して、プロセスを簡潔なものにすることができるプラットフォームソリューションを求めていました。 これが実現すれば、インフラストラクチャとサービスを開発する時間を増やして、市のオペレーションの価値を高められるはずです。
コストを削減しながらテクノロジーソリューションを拡大
いくつかのソリューションを検討した中で、ハリダ市のチームにとっての最善の選択として、ServiceNow が傑出していました。 同市は ServiceNow のパートナーである ATEA 社と共に ServiceNow IT Service Management (ITSM) を実装し、さまざまなシステムにわたる IT サポートをシングルプラットフォームに統合することができました。 重視したのは、すぐに利用可能な機能を使用して、コストを削減し、今後外部のサポートを一切使わずに簡単にプラットフォームの管理とアップグレードが行えるようにすることです。
最終的に、導入には 6 か月を要しました。 Lagerkvist 氏は言います。「プロセスは非常にシンプルでした。 私たちが ATEA から ServiceNow について教育を受け、スタッフメンバーには私たちがトレーニングを行いました」
「プロジェクトには Active Directory と SCCM (Microsoft System Center Configuration Manager) プラットフォームの 2 つの統合が含まれていましたが、どちらも円滑に進みました」
しかし 2 つの統合はほんの始まりだったのです。 同市では現在クラウドベースのエンドポイント管理ソリューションである Microsoft Intune の統合に取り組んでおり、すべてを ServiceNow に取り込むことを目標に他のシステムも統合したいと考えています。 そうすればインターフェイスとダッシュボードがそれぞれ 1 つずつになり、サービスの可視性が向上して管理しやすくなります。
「今取り組んでいる統合は、大部分を私たち自身が Integration Hub 内で行っています」と、Lagerkvist 氏は言います。 「私たちの戦略的目標は自給自足型になることです。今後も何らかのサポートは必要でしょうが、こうした新たな統合を自分たちで機能させるることは、プラットフォームに関する理解を深める方法として優れています」
ServiceNow は、同市の IT 部門の新たなサービスプラットフォームとして、より優れた、より効率的なサービスを実現するためのすべての条件を満たしていました。 Lagerkvist 氏は言います。「使いやすくできています。適応性が高いと同時に、すぐに利用可能な機能を活用することもできます」
サポートサービスの統合で複雑さを排除
新たなソリューションはインシデントが発生し、受領されてから、必要な変更が行われてインシデントが解決されるまで、すべての IT 作業の連携を実現します。市の IT チームでは、さまざまな IT サポートシステム間で作業をやり取りする必要が一切なくなりました。 そしてトレーサビリティが著しく明確になり、その一方で対応品質が向上して平均復旧時間も短縮されています。
「たとえば、以前はアップグレード前にデータベースのバックアップが必要となるたびに、技術者にメールかチャットメッセージで連絡する必要がありました」と、Lagerkvist 氏は振り返ります。
「今では、アップグレード前のサーバーバックアップや調査の要求はサービスポータルで行うことができます。技術者はそれを ServiceNow 内でチケットとして受け取り、システムを使って事前に作業を計画することが可能です。そのプロセスでトレーサビリティも実現できます。以前は、これには別々のコミュニケーションチャネルにまたがる複数のステップが必要でした」
可視性の向上とコントロールの向上
市全体の IT サービスに対するシングルプラットフォームの簡素化されたアプローチにより、チームは文書の更新が必要な場合のリマインダーや、ケースの解決時間が SLA に近づいた場合の通知を受け取れるようになりました。
「旧来のシステムには機能がなかったので、事前事後の測定比較が困難でした。予想通り同じ数のインシデントが発生していますが、サービスデスクに話を聞いたところでは、ダッシュボードにとても満足しています。すべてのインシデントを明確に把握して、SLA に従うことができるようになりました。効率が大きく向上しました」
自動化されたプロセスとワークフローによりオペレーションが簡素化され、IT チームはシームレスな従業員エクスペリエンス、レジリエンス、生産性を実現しながら、より複雑なタスクに集中できるようになりました。 ポータルを使って、IT チームがより簡単にケースのステータスの最新状況をユーザーに伝えられるようにもなりました。
ServiceNow ITSM が支える新たなポータル経由でのセルフサービスが増えれば、新しいサポートケースを登録して、チケットを発行する必要なしに多くの一般的な問題を解決できるユーザーが増えるでしょう。
新たな IT サポートシステムを選定するに当たってヘリダ市が重視したのは、データの可用性と可視性、ならびに適時のレポート作成でした。 以前は詳細なレポート作成には数時間を要していましたが、ServiceNow のプラットフォームを使えば、場合によっては 1 分未満でデータの推定が可能です。
Lagerkvist 氏は言います。「今では特定のエラーに関連したケースを迅速に抽出してレポートを作成し、目標の達成状況を確認することができます。 マネージャーの私も時間の使い方を簡単に把握して、適切な優先順位付けをできるようになりました」
プロアクティブなアプローチでより円滑なオペレーションを実現
ServiceNow は、同市が最適化された効率的なプロセスでテクノロジーのベストプラクティスを推進することを支援しました。 自動化、リアルタイムデータの可視性向上、レポートの即時可用性向上により、IT チームはよりプロアクティブに作業を行ってビジネスメリットを拡大することができるようになりました。
Lagerkvist 氏と彼のチームは、情報へのアクセスとインシデント管理の改善により、市全体の職員へのサービスを大きく向上し、最終的に市民に対して今まで見えていなかった価値を提供できるようになりました。Lagerkvist 氏は言います。「私たちの第一の目標は市を取り巻く事業体をサポートし、市に対してより大きな価値を提供してもらえるようにすることです。 私たちの IT サービスは向上し、より優れたものになりました。さらに自動化と統合を進めれば、もっと効果を高められるでしょう」
「私が最も誇りに思っているのは、事業体からの信頼が高まったことです。ServiceNow のソリューションによって自動化し、統合し、学習することで、市民のために仕事をよりスマートにし続けます」