ベストプラクティスの適用により優れたユーザーエクスペリエンスを実現
Marc De Serio 氏が 2018 年に Henry Jackson Foundation for the Advancement of Military Medicine (HJF) に最高技術責任者 (当時) として着任したとき、この非営利組織は IT を一新する必要がありました。 軍事医療の進歩と Uniformed Services University を支援することを目的として、1983 年に米国議会によって承認された HJF は、以降その業務範囲を拡大し、軍事医療コミュニティ、学術界、そして国内外の政府および民間パートナーとの間に不可欠なつながりを提供してきました。
HJF の科学的な支援と管理能力は、研究者や臨床医が外傷性脳損傷、ヒューマンパフォーマンス、感染症などの分野を含む研究に集中できるよう確約し、兵士だけでなく、数百万人のアメリカの軍人家族、退役軍人、民間人に恩恵をもたらしています。
HJF は、従業員や研究パートナーの複雑なエコシステムの中で大きな成長を遂げましたが、IT 部門はそうではありませんでした。 この組織では、ベストプラクティスの適用を確約するために、ServiceNow を導入することにしました。 「ServiceNow のプラットフォームと IT Service Management (ITSM) ソリューションは、HJF の IT 部門が準備を整え、優れたユーザーエクスペリエンスの提供を可能にし、そして従業員だけでなく、研究パートナーやプログラムオペレーションスタッフからの変化し続ける要求やニーズを満たすために最適なものでした」と、HJF の最高情報責任者である Marc De Serio 氏は述べています。
複雑なエコシステムに可視性をもたらす
HJF の一員となってから、De Serio 氏の役割は変化しています。 現在は最高情報責任者として、42 人の国内スタッフで構成される IT チームに加えて、世界中に配置されているプログラム IT スタッフも擁しています。 IT 部門が研究スタッフを効果的にサポートできるようにすることは、HJF の ServiceNow ジャーニーにおける要でした。 HJF では、本部あるいはプログラムや研究分野のサポートを問わず、常時約 90 件の IT プロジェクトが同時進行されているため、完全に自動化されたプロジェクト管理ツールが必要でした。 ITSM の成功とそのパフォーマンスの可視性をグローバルパートナーに示すことで、De Serio 氏とそのチームは、タンザニア、ケニア、タイ、その他世界各地の従業員や研究パートナーから支援を得ることができました。 「ServiceNow ITSM に参加して、インシデントの管理、要求の管理、プロジェクトの管理に活用してください、私たちはとてもうまくいきましたし、皆さんもきっとうまくいくはずです、と言いました」。
コラボレーションを促進し、最適な結果につなげる
COVID-19 のパンデミックが起こったとき、HJF は Workplace Service Delivery を展開しました。 このプラットフォームの力により、COVID-19 の追跡を迅速に進め、リモートとハイブリッドの職場を実現し、従業員向けのデジタルエクスペリエンスを提供しました。 「私たちはホームオフィスでの業務効率を最大化することができました。私たちはハイブリッドな職場をニューノーマルと捉えているため、これは特に重要なことです」と、De Serio 氏は語っています。
メリーランド州にある HJF の本部には、軍や政府、民間セクターのパートナーを集め、軍事医療におけるトップクラスのソリューションを提供するために、あらゆる世界のベストを結集することができる、新しい 200 席規模の最先端の講堂があります。 De Serio 氏とそのチームは、初めて Workplace Service Delivery を利用して、施設や IT からケータリングやセキュリティに至るまで、そういった会議に必要なすべての準備をイベント主催者が関連チームに要求することを可能にしました。このようなサービスは ServiceNow プラットフォーム導入以前には不可能でした。
「私たちは Workplace を使用して、会議のタイプや日数、必要な付帯的サービス、請求要件などの会議要件を把握したうえで、複数の部門間で調整を行い、トップクラスの体験を提供しています。この新しい、高度に自動化されたハイテク会議施設は、すでに年平均 250 件の予約が入っているため、緊密な調整が鍵となります」と、De Serio 氏は語っています。
Compass で従業員に道を示す
De Serio 氏のチームは、従業員向けに Compass という最新のイントラネットエクスペリエンスを作成しました。 このイントラネットは、従業員をサポートし、エンゲージメントを高めるためのワンストップショップを提供します。 ユーザーは単一のエントリポイントから、ロール別の職場ツールを備えた直感的なダッシュボードにアクセスすることができます。
研究システムの注目点からハイブリッド会議まで、さまざまなイベントニュースだけでなく、お知らせやレポート、ライブポリシー文書、今後の予定、やるべきこともここに掲載されます。 従業員プロファイルが作成され、従業員スポットライトのセクションで紹介されます。また、ユーザーは Compass を通じてすべてのワークフローにアクセスでき、HR や IT サービスに対する要求や、会議の予約、その他のアプリケーションの起動など、すべてを 1 か所から行うことができます。 従業員がメールや電話で問い合わせるのではなく、Compass を通じて情報にアクセスし、問い合わせを行うことができるようになった結果、IT 部門が受ける電話の件数は 70% 減少しました。
「ServiceNow によって、測定可能かつはるかに効率的に実行できる方法で、従業員や医療パートナーのニーズを満たすことが可能になりました。また、組織内のパートナーの仕事をより促進できる方法を報告することで、継続的な改善のプロセスを実現できます」
プロセスの簡素化と従業員エクスペリエンスの向上
HJF では、従業員管理に HR Service Delivery を使用しています。各従業員に HR ビジネスパートナーが割り当てられ、給与計算、福利厚生、従業員リレーションズ、休暇申請などを含む、さまざまな HR 関連機能間の動きを促進しています。 以前のようにユーザーが HR ビジネスパートナーにメールを送信するのではなく、HR ビジネスケースが開設され、そこではサービスレベルアグリーメントが利用でき、ワークフローがメモセクションで会話を促進します。 「以前の HJF には要求や必要とされているものに関する実用的なデータがありませんでした。しかし、Human Resources Office に対する可視性は不可欠です。現在は、そのような可視性を従業員エクスペリエンスの管理と改善に活用しています」と、De Serio 氏は述べています。
今後の展望
ServiceNow を通じたセキュリティ管理とインシデント自動化の価値を理解している HJF は、今後、米国政府および国防総省 (DoD) が定めるサイバーセキュリティ成熟度モデルを満たすため、セキュリティインシデント管理プログラムを拡大する予定です。
HJF の軍人に対する支援は彼らが現役のときだけにとどまりません。De Serio 氏は、退役軍人のスキルアップと退役後の就業を支援するイニシアチブである国防総省後援の SkillBridge プログラムを、退役軍人に ServiceNow のトレーニングを提供し、HJF が担う特定のフルフィルメント機能を促進する機会であると捉えています。 SkillBridge プログラムは、テクノロジー分野でのキャリア構築を目指して移行を進めている軍人を対象に、インストラクター主導のトレーニングクラスと実践的なプロジェクトを組み合わせて提供しています。 参加者がプログラムを終了するときには、ServiceNow の管理者、実装担当者、アプリケーション開発者としての資格を取得することができます。
「私たちは ServiceNow を信じています」と、De Serio 氏は言います。 「それが軍事医療の支援に役立っていると信じています。ServiceNow の開発スキルを付与することで、退役後のキャリア構築を手助けしたいと考えています」