IT 環境の簡素化
BIG 4 と呼ばれるプロフェッショナルサービス会社のうちの 1 つである KPMG LLP (KPMG) 社は、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供し、約 100 億ドルの収益を上げています。 KPMG 社のグローバル組織の一部として、同社の米国法人は世界収益の約 3 分の 1 を占め、米国の 50 州全てにおいて事業を展開しています。
エキスパートサービスで知られる KPMG 社は、サービスデリバリを担当する移動の多い従業員を率いています。 同社の企業戦略の中心は、IT 環境とサポートモデルの統合と最新化により、従業員の効率性、モバイルエクスペリエンス、リスク管理を向上させることです。
KPMG 社は、デジタルトランスフォーメーションの初期段階で ServiceNow の Enterprise Service Management を一元管理型のプラットフォームとして選択し、同社の運用における 5 つの異なる分野のワークフローに対応しました。 エグゼクティブスポンサーでチーフエンタープライズアーキテクトでもある Aaron Purcell 氏が率いる変革チームは、技術的負債の削減とレガシープロセスの改善を目的として、Integrated Risk Management と Employee Center を活用する取り組みを開始しました。
プロセスの特定、構造化、修正
KPMG 社には、サービスデリバリ、オンボーディング、発注など、組織全体の事実上その他の全ての業務を遂行するための無数のプロセスがあります。 同社では、ServiceNow への移行によるプロセスの最新化で最大限の価値を得るために、まず Celonis 社のプロセスマイニングを使用してプロセスの詳細を理解することにしました。
KPMG 社は、IT プロセスを手始めに、データ主導のアプローチを使用して、アクションを簡素化する方法を特定し、潜在的な分断ポイントにフラグを立て、関連する影響を定量化しました。 これを手作業で行うには作業量が多すぎるため、ServiceNow の優先プロセスマイニングパートナーである Celonis 社の Process Mining Platform を使用して、この作業を自動化しました。 Celonis 社のプロセスマイニングによって明らかになった問題には、優先順位が付けら、ローコード開発で ServiceNow 社内で解決されます。 この時短アプローチにより、ServiceNow へのワークロード移行が加速し、プロセスが簡素化されて、従業員の生産性と遵守率が向上します。
「ServiceNow と Celonis 社によって、KPMG はリスクに関する専門知識をプロセスに組み込み、エクスペリエンス、ポリシーの遵守、可監査性を向上できています」と Purcell 氏は述べています。 「進行中のプロセスに透明性が生まれるため、逸脱や障害に起因するリスクの定量化や、修正の優先順位付けをより簡単に行えます」
「ServiceNow を使用することで、定量的で事実に基づいた視点からプロセスを確認できるようになりました」と Purcell 氏は述べています。 「将来に向けて、Celonis 社と ServiceNow は、調達から支払いまでのプロセスを改善するのに役立ち、KPMG に計り知れない価値をもたらすことができます」
リスクとコンプライアンスの一元管理
KPMG 社の継続的な成功の鍵となるのは、規制への迅速な対応とポリシー順守の追跡です。 同社は、規制対象の事業者として、顧客と取引を行い、受託した業務の内容が政府の全規制に準拠していることを断定するために、厳格なプロトコルに従っています。
「ServiceNow のおかげで、契約の前に規制に抵触していないことを確認し、会社の直接的な主体性を確保できます」と Purcell 氏は述べています。 「リスク管理を ServiceNow に移行することで、ガバナンスを一元化し、向上させています」
KPMG 社は、リスクポリシーの遵守状況を追跡する方法を改善し、リスクに関するマニュアルの一部を Integrated Risk Management に移行して、遵守状況の追跡をさらに強化しています。 ServiceNow へのリスクモデル移行が進むにつれて、チームは例外をトレースし、特定のアラートを自動化することができます。 たとえば、期間限定の例外が期限切れになると、ServiceNow では例外の再申請や遵守状況の承認を行う通知をトリガーすることができます。 同様に、ノート PC の注文プロセスでは、利用規定を動的に表示することができます。
「ServiceNow の支援により、従業員は業務をリスクにさらすことなく、どこでも確実にプロセスに従って業務を遂行できるようになります」と Purcell 氏は述べています。
規制が進化する中で、KPMG 社は変更を追跡し、必要なコーディング編集を可能な限り効率的に行う必要があります。 「ServiceNow により、規制の変更に対応する担当者が分散開発機能やローコード機能を利用できるようになり、更新の迅速化や全社的なコンプライアンスの促進を図ることができます」と Purcell 氏は述べています。
これまで複数のレガシーシステムに分散していたリスクアクティビティが、ServiceNow プラットフォームに統合されました。 IT 部門は、リスクセキュリティ応答機能を Security Operations と緊密に連携させています。 また、ServiceNow は、リスクイベントの報告やエグゼクティブダッシュボードを利用するための機能も提供しています。
セルフサービス式の従業員センター
KPMG 社は、Employee Center を活用して、移動の多い従業員に対して、より迅速で優れたサポートを提供し、リスク管理へのアクセスを容易にして、組織全体の可視性を高めています。 直感的なセルフサービス設計により、サポートを待つことなく、必要なものを簡単に見つけることができます。 IT、リスク、経理と会計、人事、法務のワークフローは、すべて業務に特化した共通言語を使って単一のポータルからアクセスできます。
さらにサポートが必要な場合は、Employee Center の 5 つのヘルプデスクすべてを仮想エージェントがフロントエンドでサポートします。個々のニーズに合ったサポートが必要な場合は、ユーザーがライブエージェントにルーティングすることもできます。 KPMG 社では、この段階的なアプローチにより、サービスデスクとヘルプデスク機能の待ち時間が大幅に短縮されたことからも明らかなように、全体的な生産性が向上しています。
「ServiceNow は、1 つのポータルでさまざまなプロセスやサポートに素早くアクセスできます。そのため、従業員がバックオフィスのシステムを操作する時間が減り、顧客対応のための時間が増えました」と Purcell 氏は述べています。
今後、AI は KPMG 社にとって中心的なものとなるでしょう。 「ServiceNow の AI チームとは、自然言語について多くの時間を費やし話し合ってきました」と Purcell 氏は述べています。 「私たちは、従業員が、ユーザープロファイルに基づいて質問を予測し、リスクアクティビティの要約を含む回答を提供してくれる仮想エージェントと対話することができる未来を見ています」
投資利益率の最大化
リスクの管理方法を簡素化することで、KPMG 社に多大なメリットがもたらされるだけでなく、最新のユーザーエクスペリエンスも生み出されます。 KPMG 社のバックエンドチームは、より低コストのリソースを使用してアクティビティを管理でき、人気の高まるモバイル対応のセルフサービス機能により、ライブエージェントの負荷も軽減されます。 「現場のパートナーやマネージャーは、Employee Center を使用してリスクアクティビティに対応できるようになりました。これは私たちにとって非常に大きなメリットです」と Purcell 氏は述べています。
Purcell 氏の観点からすると、KPMG 社は ServiceNow と統合すればするほど、組織にとってのメリットは大きくなります。 KPMG 社は、従来のコストを削減し、ServiceNow へのワークロード移行を加速することで、コストの削減を実現しています。 「ServiceNow の導入でコストが大幅に削減されました」と Purcell 氏は述べています。
戦略から成果へ
Employee Center への関心をきっかけに、KPMG 社全体のグループが導入を希望しています。 「私たちは、短期間で多くの人々に自分たちのビジョンを訴えました」と Purcell 氏は述べています。 「今では KPMG 社の関連企業からも ServiceNow ソリューションについての問い合わせがあります」
KPMG 社は、ServiceNow と Celonis 社の協力を得てなしえた成果と豊富な経験を踏まえ、3 社すべての専門知識を組み合わせて、連携された統合リスク管理ソリューションをクライアントに提供することができます。 「実質的には、KPMG 社自身が、この独自の複合リスク管理ソリューションの最初のクライアントです」と Purcell 氏は述べています。 「私たちの経験は、クライアントにとって優れたベンチマークとなります」