急速な成長の影響
Mastek 社はグローバルに事業を展開するクラウドトランスフォーメーションの専門企業です。英国、ヨーロッパ、米国、中東、アジア太平洋地域諸国、インドなど、40 か国にわたる顧客に卓越したエンジニアリングを提供しており、世界最大規模の政府、小売り業者、製造業者、金融サービスプロバイダーと連携関係にあります。顧客にとって、Mastek 社の創意工夫は、複雑なデジタルトランスフォーメーションプロジェクトの簡素化を約束するものです。
Mastek 社の提案は数多くの顧客に認められ、インドに基盤を置く同社のビジネスは、世界 40 拠点にまで拡大しています。社員数も過去 6 年間で 1,200 名から 6,000 名に増加しました。
ただし、急速な成長には課題が伴います。 現在、Mastek 社自身が、自社の企業顧客が直面している課題の多くに向き合っています。 このビジネスでは、グローバルな一貫性と地域別の専門性が求められます。 業務の簡素化とプロセスの確実性が必要です。
特に、Mastek 社は手動プロセスを特定して自動化し、より野心的な SLA を設定してコンプライアンスを強化したいと考えています。 その対象範囲は新規スタッフのオンボーディングから IT の課題のサポートにおよびます。
「もとからあるチケットシステムを超えたいと思っていました」と、Mastek 社 CIO の Mahesh Juttiyavar 博士は述べています。 「目標はセルフサービスベースの強固な統合プラットフォームを構築することでした。すべてのビジネスプロセスを IT 部門がサポートしなければならないという事態を避けたかったのです」
統合プラットフォーム上でプロセスをデジタル化
統合を優先事項とした Mastek 社は、ServiceNow IT Service Management (ITSM) を選択しました。 「ServiceNow で、Microsoft Teams、Intune、メールなどの Mastek で日常的に使用している複数のプラットフォーム間の操作が簡素化されます」と Juttiyavar 博士は言います。「もうひとつの魅力は、ITSM の双方向統合です。これにより、アプリ同士が相互に操作を行えるようになります。大部分の ITSM ソリューションが提供するのは一方向の通信で、片方のアプリからしか別のアプリに対して操作できません」
Mastek 社では、まず IT 部門内のプロセスの自動化を行ってから、HR 部門や経理部門に取り組みました。 訪問者管理、サイバーセキュリティ、アプリケーションメンテナンスなどの多様なプロセスが、単一の System of Action として ServiceNow ITSM に統合されました。
これが Mastek 社のデジタルエンタープライズサービスデリバリのための戦略的プラットフォームになることでしょう。 「Mastek 社と ServiceNow の緊密な連携により、導入プロセスは円滑に進みました」と Juttiyavar 博士は付け加えます。「ServiceNow は常に私たちをサポートしてくれています。作業内容の検証を支援して、私たちが正しい方向に進み、一切悪影響が発生しないようにしてくれました。ServiceNow は、何度か私たちに『そのやり方はベストではありません。プラットフォームが効率的な形で活用されていません』とアドバイスしてくれました」
こうした対応により、Mastek 社は自社内で ServiceNow に対する深い知見を得ることができました。現在、同社には ServiceNow ITSM の認定やトレーニングを受けた多数のスタッフが存在します。Mastek 社にインターンとして入社し、大学卒業後に ServiceNow に派遣されて数か月トレーニングを受けてから Mastek 社に戻ったスタッフもいます。
自動化による効率の向上
現在、サービス要求の 3 分の 1 以上が ServiceNow ITSM で自動化されています。Mastek 社では、過去 6 年で従業員数が 5 倍に増えましたが、IT 部門では従業員数が 15% 増えただけでサービスレベルを高めることができました。
「ワークフローをデジタル化したことで、業務効率が 30% 向上しました。ServiceNow を選んだのは正しい決断でした」と Juttiyavar 博士は言います。たとえば、ServiceNow ITSM は企業全体の生産性レベルを変革しました。問題の報告、ソフトウェアの展開、新入社員のアクセス権要求などの広範囲な機能を、複数のタッチポイントやさまざまな手動プロセスを介さずに、セルフサービスで実行できます。
「当社の目標は、従業員プロファイルや ID の作成や削除、ソフトウェア展開、HR 部門からの書面の依頼、モバイルデバイス管理へのアクセスなど、手動の反復タスクを排除することです」と Juttiyavar 博士は語ります。
「従業員には付加価値の高い業務に専念してほしいと考えています。 手動の反復タスクは統合と自動化で管理するようになるでしょう」
劇的な時間の節約になる可能性があります。ServiceNow では、オープンソース、フリーウェア、有料ソフトウェアのインテリジェンスを備えたソフトウェアメータリングツールと ITSM を統合しました。さらに、Intune とも統合してソフトウェアの展開を自動化しました。ソフトウェアアップデートのプロセスでは、かつてはアプリケーションを検証してソフトウェア展開を承認するのに人手を介する必要があり、8 日を要していましたが、今では所要時間がわずか 3 時間となり、98% の時間短縮を達成しています。ソフトウェアのオープンソース、フリーウェア、市販ソフトウェアの区分が自動的に特定され、自動的に適切なワークフローが起動します。
新入社員のオンボーディングをデジタル化したことで、従業員が入社初日から高い生産性を発揮できるようになりました。今では新入社員のデータがシステムに取り込まれると、従業員 ID とメールアドレスが自動的に作成されて、基本的なアクセス権が付与されます。IT 部門による手作業での対応は必要ありません。
IT インシデントを迅速に解決
IT チームでは、以前は解決に数日かかっていた IT インシデントが、今では数時間で解決できるようになりました。サーバー自体やサーバーのサービスがダウンすると、監視ツールが自動的にそれをインシデントと認識して、そのデータを ITSM プラットフォームに送信します。次にチケットが作成されます。自動化スクリプトによってサービスが再起動すると、チケットがクローズされます。
「プロセスの自動化によって、対応して問題を解決するのに必要な時間を 25% 削減できました」と Juttiyavar 博士は説明します。 「コンプライアンスも向上しました。事業運営でアジリティが高まり、発生するあらゆる問題への対応が早くなりました。これこそ社内ワークフローの革新です」
ビジネストランスフォーメーションを加速
Mastek 社は ServiceNow を Microsoft Azure Data Lake、Microsoft Power BI と統合し、サービスサポート関連の各ダッシュボードを単一のダッシュボードで提供するようにしました。ビジネス分析をリアルタイムに監視する一元化された中央ダッシュボードをプロセス改善の統合パフォーマンスレポートと組み合わせて使うことで、Mastek 社のデジタルトランスフォーメーションが加速しました。Mastek 社では上位 10 コール、解決に 10 日を超える日数を要したコール、データ侵害関連のコールを特定する分析プラットフォームを構築し、それを自動化、プロセス、テクノロジーの強化を通じて増強しました。
Mastek 社では今後、ServiceNow で全社的なサービス管理アクティビティを簡素化し、デジタル化する付加的な方法を特定していく予定です。
「ServiceNow プラットフォーム上に信頼できる単一の情報源を構築したいと考えています。今後 3 年間でデジタル化の 70% を完了したいと考えています」と Juttiyavar 博士は述べています。
「ServiceNow ITSM プラットフォームにより社内業務効率が著しく向上したため、お客様向けにも ServiceNow のソリューションスイートを作成しているところです。これには ServiceNow 運用、ServiceNow 統合、コネクテッドワールドを使ったデジタル化が含まれます。お客様にもビジネスプロセス自動化のメリットを享受していただきたいと思っています」