個人同士が簡単に中古品の売買を行えるマーケットプレイスとして、今やすっかりおなじみの「メルカリ」。企画・開発・運営会社のメルカリは、2013年の創業以来10年足らずで売上高が1000億円を超えるなど、急成長を遂げています。14年に開始した米国でのフリマアプリ事業も着実に成長。フリマサービスというメルカリ独自のビジネスモデルが世界に通用することを証明しました。国内最大級のフリマサービス「メルカリ」の他、ソウゾウ、メルロジ、メルペイ、メルコインなど多彩な事業を展開しています。
メルカリは、変化の早いオンラインコンシューマービジネスの中で、優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供し、社内プロセスを強化するために、デジタルテクノロジーを重要視しています。同社は、イノベーションを推進し、ビジネスの俊敏性を生み出すために、このテクノロジーを常に拡張し、改革を行なってきました。その中で直面した課題として、あるワークフローツールでプロセスの一部を自動化していたものの、そのツールはエンドツーエンドのオペレーションまで自動化されていませんでした。そのため、メルカリは部門間の障壁があり、無秩序でサイロ化された業務を行っていた時代がありました。その当時、プロセスは非効率的なものとなり、従業員のデジタルエクスペリエンスも低下していました。
サイロ化を解消し、従業員の生産性を高める
そこでメルカリは、効率性の向上と従業員のエンゲージメントを高めるためにServiceNowの導入を決定。ServiceNow のITサービス管理(IT Service Management)の導入からスタートしたメルカリは、 App Engine、IT資産管理(IT Asset Management)、戦略的ポートフォリオ管理(Strategic Portfolio Management) など、幅広いServiceNow製品を導入してきました。その結果、IT資産管理関連では、 運用負荷を50%削減し、ITチケットの自動解決率が70%に達するなど、大きな成果をもたらしました。
ServiceNow App Engineを利用した自社開発でイノベーションを加速
しかし、メルカリは依然として大きなチャレンジに直面していました。メルカリのデジタル・センター・オブ・エクセレンス シニアマネージャーである田中博之氏は「開発部門の社員が開発ノウハウを持ち合わせていないことや、特定の技術分野における専門知識が不足していることが、導入支援パートナーに依存する状況を生み出し、全体的なDX推進を妨げる大きな課題となっていました」と語る。
「メルカリは事業のスピードが非常に速く、市場の変化に迅速に対応するために、柔軟な業務やシステムの変更が求められていました。そこで、開発チームを立て直し、プラットフォームの標準化と内製化を推進することで、より迅速かつ柔軟に対応できる体制を整えることを決断しました。内製化を進めた結果、システム開発や運用のスピードが向上し、ビジネスニーズに即した対応が可能になりました。App Engineはそのための理想的なツールで、ローコード/ノーコード開発を活用することで、新しいアプリケーションを迅速かつ一貫して提供できるようになりました。変革を加速し、卓越したデジタル体験を創造することが最優先事項であることを考えると、まさに正しい選択でした。」
ServiceNowトレーニングで開発に必要不可欠なスキルを習得
ServiceNowの自社開発のメリットを引き出すために、メルカリはApp Engineのスキルを急速に高める必要がありました。その解決策が ServiceNowのトレーニングです。
田中氏「開発メンバー全員にServiceNow Learningの開発トレーニングを必須受講としました。トレーニングでは、基本的なServiceNowの画面や用語の理解のみならず、開発プロセスをラボ環境上で演習を行いながら進めることができるため、理解度の定着が早いというメンバーの声があります。開発や運用におけるガイドラインの策定や要件の整理についても、トレーニングでの知識が役立っています。これまでバラバラだった設計や運用の方針を統制できるようになり、担当者ごとのばらつきがあった品質も一定化されてきました。
ServiceNow Learningにより、即戦力として内製化人材を育てることができました。また、短期間で実践的な知識を習得できたため、スピーディに内製化を進めることができました。」
ServiceNowアプリ開発でスタートラインに立つ
トレーニングを受講した社員はすぐに効果を発揮しました。
田中氏「彼らは取引先との契約に関するワークフロー(取引先申請、リーガルレビュー、契約稟議、捺印・署名等申請),オンボーディング・オフボーディングのワークフロー(入社対応申請、PC交換申請、PC返却申請),その他、人事やセキュリティに関するワークフロー(海外渡航申請、個人情報フォルダ申請、ブラウザ利用申請)を作成しました。メルカリ全体で勢いがつき、従業員の生産性とエンゲージメントが向上しています。
ServiceNowトレーニングを受けたことで、開発の50%を社内で行うことができ、導入支援パートナーとの協業においても、社員が中心となりリードする立場でいられるため、自信を持って進めることができるようになりました。」
メルカリの次なる目標は?
ServiceNowの開発をさらに拡大することに加え、メルカリはデジタルトランスフォーメーションをさらに加速させるため、ServiceNowの市民開発プログラムを試験的に導入している。また、ServiceNowの利用拡大を検討しており、製品の最新の情報や知識を身に着けるためにさらにServiceNow Learning を活用する予定だ。また、ServiceNowの認定資格の取得も最優先事項としている。
田中氏「認定資格は、ServiceNowのスキルを持っていることを証明するだけではありません。認定資格取得は、ビジネスステークホルダーとの信頼関係を構築するのにも役立ちます」
「プラットフォームオーナーとしてのマインドセットを持ち、ServiceNowを活用してビジネス全体の生産性とイノベーションを推進したいのであれば、ServiceNowのトレーニングは必ず受講すべきだと考えます。トレーニングでは、最新の技術情報や洞察を得られるだけでなく、プラットフォームを最大限に活用するためのベストプラクティスや実践的なアプローチを学べます。ハンズオン演習を通じて、実践的なスキルを身につけ、プロジェクトの進行を加速させることができます。」