四半期ごとに展開するプロジェクト数の増加率
ビジネス上の問題解決に至るプロジェクトの割合 (57 % から上昇)
予定どおりに完了するプロジェクト数の増加率
パフォーマンスと生産性を改良する
半導体は現在、スマートフォンやウェアラブル製品から自動運転車、サーモスタットや電化製品を調節するスマートホームの IoT デバイス、道路の安全性を向上させるカメラ、健康状態を監視する医療機器まで生活全般に深く関わりつつあります。ビジネスや産業界のデータや高度な電子技術への依存度はますます高まっています。MKS Instruments は半導体エコシステムの基礎を成し、テクノロジーにより世界を変革します。実質的に、世界で製造されているどの半導体チップにも、MKS Instruments の製品が使われています。
MKS Instruments には、卓越した製品品質と顧客からの複雑な問題解決の長い歴史があります。ところが、企業の急速な成長に伴い、複数の顧客に対して同時に行う数百のプロジェクトを管理するうえで課題が生じました。社内のプロジェクト管理システムは時代遅れで、ポートフォリオ管理のプロセスは複雑になっていくばかりでした。MKS Instruments にとって、プロセスと生産性を改良する時期が訪れていました。
作業時間を数時間から数分に短縮する
MKS Instruments は、買収した企業が ServiceNow を利用していたことから、その機能の価値を知りました。MKS Instruments は ServiceNow の利用を拡大し続けましたが、それでも信頼性の高いプロジェクト管理ソリューションは欠けていました。Lori Krikorian 氏は、IT プロジェクトマネジメントオフィス (PMO) のディレクターとして MKS Instruments に入社直後、プロジェクトの追跡および報告ができないという問題に直面しました。
「社内では、PowerPoint、Word ドキュメント、Excel スプレッドシートを使用していました。ポートフォリオを一目で確認できず、プロジェクトの健全性について効率よく報告することは不可能でした」と、Krikorian 氏はコメントしています。IT PMO のプロセスを改善できるよう、Krikorian 氏は ServiceNow Strategic Portfolio Management (SPM) の導入を強く求めました。社内の他部門にも良い影響を与える可能性があることも認識していました。
ServiceNow への移行の一環として、MKS Instruments は複数のレガシー製品をシングルプラットフォームに置き換えることに成功しました。Microsoft Office の Excel シート、PowerPoint の資料、Liquid Planner がすべて ServiceNow に置き換わったことにより、プロジェクト管理やプロジェクトデータへのアクセスが簡素化されました。
今では、Krikorian 氏の仕事はシンプルなものになりました。「SPM の導入前は、自社の経営陣にポートフォリオの情報をプレゼンするときは毎回、各プロジェクトにつきプロジェクトステータスレポートを添付した 90 ページ程度の資料を作成するのにほぼ丸一日費やしていました。現在は、Alignment Planner Workspace Roadmap Planning にアクセスして、ロードマップを提示し、IT 企業としての観点から確認します。その後、該当の情報をダウンロードしてステークホルダーと共有できます」
IT 部門は Alignment Planner Workspace を使って、ステークホルダー向けプレゼンテーションのポートフォリオ別プロジェクトのロードマップに加え、部門やプログラム別のロードマップも作成しています。
より良い内部プロセスを生み出す
各プロジェクトが企業にもたらす価値を含め、IT PMO レベルとエンタープライズプロジェクトマネジメントオフィス (EPMO) レベル双方で、SPM によりプロジェクトとデータがはっきり見えるようになります。Alignment Planner Workspace と Project and Portfolio Management (PPM) により即時表示され、プロジェクトに関して確かな情報に基づく話し合いが可能になるとともに、目標や戦略と業務の整合性を確保できます。これらの多様なプロジェクトすべてを考慮すると、戦略的結果を推進するために業務と戦略を整合させることは極めて重要です。
Krikorian 氏は次のように説明します。「デマンドパイプラインを通過するあらゆるものに SPM を使用します。アプリケーションのプロジェクト、インフラのプロジェクト、アップグレードでさえも追跡します。ほぼすべてを追跡することで、業務全体を把握したいのです」
手作業のプロセスに割いていた時間を他の作業に使用できるようになるにつれ、SPM は生産性をさらに高めてくれます。例えば、IT PMO のプロジェクトマネージャーは、プロジェクトの状況把握のための PowerPoint のプレゼンテーションを作成する必要がなくなったことで、1 週間につき約 4 時間を節減しています。プロジェクトマネージャーはこの時間を活用して、SPM の Alignment Planner Workspace、投資ポータル、プロジェクト記録そのものを使用し、会議を行いプロジェクトの情報をステークホルダーに発信しています。このソリューションは、刷新された Demand Management ソリューションのおかげで、エンドユーザーのエクスペリエンスにも良い影響を与えます。
MKS Instruments 主席ビジネスシステムアナリスト兼 ServiceNow プロダクトオーナーの Ryan Healey 氏はこのように説明します。「今回のデプロイ以前は、アクセスがサイロ化されていて、割り当てグループに追加してからデマンドやアイデアをデマンドプロセスに送信する必要がありました。現在は、評価し優先順位を付けるために、受け入れるすべてのものを集約し、業務を進めています。誰でも確認でき、より分かりやすくなっています。企業としてもう少し弾みがついていくと私は考えます」
Lori Krikorian
IT PMO Director
ハイブリッドプロジェクト管理によるアジリティ
MKS Instruments は、Demand Management、Project Portfolio Management、Alignment Planner Workspace Roadmap Planning、その他 SPM 内のツールにより、3 部門全体の要求、進行中のプロジェクト、パイプラインのプロジェクトの透明性を高めることができました。
静的データを含むオフライン資料ではなく、投資ポータル、レポーティング、ダッシュボードを活用してリアルタイムで情報共有できることも、状況を大きく改善しました。「プロジェクトのポートフォリオ全体に関する効率的なプランニングと展開に向けて、データを難なくインタラクティブに細分化し、ステークホルダー間で共通の理解を生み出すことができます」と、SPM のアプリケーションすべての使用状況を改善できることを期待しつつ、Krikorian 氏はコメントします。
このプラットフォームのもう一つのメリットはハイブリッドプロジェクト管理が使用できることです。あるチームは PPM によるウォーターフォールを使用して、別のチームは Agile を使用して、拡張と、ボードをトリアージする他の作業を取り入れて、デリバリを最適化します。
「プロジェクトを繰り返し分析して、より早くお客様に価値を示します」と Krikorian 氏はコメントします。「実際に我々は、展開速度、透明性、柔軟性といった Agile のあらゆるメリットを得ています。業務を整理して、チームの誰もが確認できるようにします。そして、すべて分かりやすく提示します」
顧客の要求をブラックホールから取り出す
SPM の影響は、MKS Instruments が関係するプロジェクトや拡張について明確に理解している顧客にも及びます。例えば、「拡張の情報をお客様に送ると、お客様は当社のスピードを確認できます」と、Krikorian 氏は述べています。「以前と比べて、完了した事例がいくつ増えたかが分かるのです」
Healey 氏は次のように付け加えます。「単に、Excel スプレッドシートがどこにあるかの問題ではありません。システムにリアルタイムで存在するのです。かつては、拡張の要求を送っても可視性は失われていました。検証の準備が整い反対側から出てくるまで、このようなブラックホールに陥っていたのです。誰もが生活しやすくなりました」
さらに多くを求める
Krikorian 氏はこれまで ServiceNow を使って仕事を行い、MKS Instruments において推進者となっています。MKS Instruments と顧客に明確なメリットがあるため、チームは SPM の成功を積み重ねたいと考えています。
ステータスレポートやパフォーマンス分析など、チームが近日中に使用開始を見込むツールがあります。「現状維持は望みません」と、Krikorian 氏は話します。「さらなる導入と多くの機能を投入するよう求めています」
「プラットフォームを使用する従業員数が増えるにつれて、従業員の関心も高まります」と Healey 氏は述べています。「何ができるか、どうすればいいかについて尋ねてきます。『ServiceNow によって実現可能ですか?』と質問する従業員も多くなってきました。もちろんその答えは『はい、実現可能です』」
MKS Instruments の継続的成長により、企業買収における IT 統合を簡素化する能力が重要になっていきます。実は MKS Instruments は、ドイツに拠点を置き、全世界で 4,000 人を超える従業員を擁する化学薬品のリーディングカンパニー、Atotech を買収したばかりです。もちろん、Atotech は ServiceNow に移行する方針を固めています。
MKS Instruments はこのソリューションで、より明確に物事を認識できるようになりました