オーシャン ネットワーク エクスプレス、Now Platformで自動化を推進 PDFをダウンロードする
1プラットフォーム すべてのITサポートサービスを単一プラットフォームに一元化 3,000人以上 グローバルで3,000人以上のITSMユーザーがITリクエストを登録 可視性 プロジェクトの可視化により、データに基づく意思決定を迅速化
Now Platformを利用することで、データに基づく意思決定を迅速に行えるようになり、価値創出や収益性の最大化、目標達成が可能になりました 和田 浩介 氏 オーシャン ネットワーク エクスプレス コーポレート&イノベーション エグゼクティブバイスプレジデント

世界経済を動かす

オーシャン ネットワーク エクスプレス(ONE)は、240隻以上の船隊を運航し、190万個のコンテナ輸送能力を誇る世界的なコンテナ輸送海運会社です。2017年に邦船大手3社の定期コンテナ船事業を統合して設立された同社はシンガポールに本社を置き、地域統括拠点を香港、シンガポール、アラブ首長国連邦、英国、米国、ブラジルに設置しています。

ONEは現在、食品や原材料、最終製品の大量輸送を通じて世界経済を支えており、世界中に数千の顧客を抱え、120カ国に渡り約170のサービスを提供しています。

自動化により価値の創造とプロセスの合理化へ

市場競争が激化する中、ONEは2030年に向けた野心的な事業戦略の重要な柱として、運航隻数や輸送能力の拡大を図るほか、コスト管理・効率化を通じた競争力の強化を掲げています。

「当社の事業は船舶への多額の投資を必要とする資産集約型産業です。しかし、成長には持続可能性・環境保護との両立が不可欠であり、当社としてもこの領域に対する社会的責任を極めて重く受け止めています。CO2排出量の削減は、当社にとってもお客様にとっても非常に重要です」と、ONEコーポレート&イノベーション担当エグゼクティブバイスプレジデントの和田浩介氏は話します。

ServiceNowは自動化を実現する信頼性の高いプラットフォームです。重要なバックボーンとしての役割を担い、プロセスの合理化や包括的な制御を可能にします 前田 篤史 氏 ONE Tech Stop Pte. Ltd Planning & Labセクションマネージャー

「さらに、テクノロジーも当社にとって重要な差別化要因です。船舶を効率的に運航し、陸上拠点との24時間365日の通信を可能にするためにも、また情報を共有してデータに基づく適切な意思決定を行う上でもテクノロジーの活用は有効な手段です。こうして、価値の創造や収益性の最大化、目標の達成を実現していきます」(和田氏)

ONEは2017年の事業開始当初からServiceNowと提携し、Now Platformによる単一のアーキテクチャ、かつ単一データモデルの活用を着実に拡大しており、タスクの簡素化やコスト管理、大規模な価値創出・成長を促進しています。

ServiceNowの具体的なソリューションとしては、事業統合した3社のうちの1社にてIT Service Management(ITSM)がすでに定着していたことから、同ソリューションをONEの中心的なITサポートプラットフォームに採用することが早い段階で決定されました。

ONEの顧客や従業員、巨大なサプライチェーンは世界中に広がっています。ONEはITSMを活用することで、オフショア・オンショアにかかわらず、ITサポートサービスを単一のプラットフォームに一元化・可視化して管理し、効率的なビジネスの機能を維持しています。例えば、同社は顧客にコアビジネスサービスを提供する多数のカスタムアプリケーションを運用しており、これらは維持管理と可用性の確保が欠かせません。

「ServiceNowは重要な軸の役割を担い、プロセスの合理化と自動化、そして包括的な制御を可能にします」と、ONE Tech Stop Pte. Ltd.のPlanning & Labセクションマネージャーである前田篤史氏は話します。同社は、ONEのビジネス、顧客、パートナーの広範なネットワークを通じてITソリューションとサポートを提供する子会社です。

「当社では、世界中で3,000人以上のITSMユーザーがサポート用のチケットを発行しています。一方、技術チームは安全な変更管理業務の計画や、迅速かつ効率的な問題解決のためのインシデント管理業務にITSMを幅広く活用しています」と前田氏は語ります。

さらに「全てのチームでITSMの利用を拡大できるよう日々取り組んでいます。メールやチャットなどによるコミュニケーションを減らすことができれば、サポートデスクやチームはより効率的に業務を進められるようになります」と続けます。

プロジェクトの明確性と透明性の向上

ONEは多様かつ地理的にも分散した組織体制を特徴としています。そんな同社では常時何百ものプロジェクトが進行しており、さまざまな運用上の課題に取り組むとともに、新たなビジネスメリットの創出とイノベーションを目指しています。

一方で、もしこれらのプロジェクトが一元的に可視化されていなければ、さまざまなリスクが起こり得ます。プロジェクトのサイロ化や重複した取り組みが生じる恐れがあるほか、優れたアイデアとベストプラクティスを共有する機会の損失にもつながりかねません。

しかしながら、同社のプロジェクトはこれまでスプレッドシートで管理され、その方法もレポートの形式もバラバラでした。そのため、プロジェクトのオーナーシップや責任者の明確化、成果の測定がいずれも非常に困難だったのです。

「プロジェクトのスコープと規模を正しく把握することが非常に難しく、全員が共通認識を持つことは不可能でした」と、オーシャン ネットワーク エクスプレス(北米)のBPITストラテジー&イノベーション担当ディレクター エドゥアルド・ディアス氏は振り返ります。

「必要だったのは、組織全体でプロジェクトの明確性と透明性を確立すること。さらにコミュニケーションを改善し、戦略的イニシアチブのリソース計画や優先順位などを一元化された情報に基づいて     意思決定を行えるようにすることです。こうして、適切なプロジェクトに適切な理由で投資していることを確認できるようにしていきます」

さらにディアス氏はこう続けます。

「ServiceNowは、当社にて実証済みの評価が高いソリューションであり、Strategic Portfolio Management(SPM)を活用することが最適な選択肢だと考えました。SPMは、アイデア収集やニーズ・プロジェクト・リソース管理、レポート作成など、目標達成に必要な全ての機能を備えたエンドツーエンドのプラットフォームです」

ディアス氏は同僚とともに、前田氏が所属する組織内のServiceNow担当者と緊密に連携して、SPMシステムの詳細な要件定義を実施。ITプロジェクトとIT以外のプロジェクトの両方を取り込み、すぐに使える機能を可能な限り活用しました。

こうして慎重な検討を重ねた上でSPMの稼働を開始した結果、組織全体でアプローチとソリューションが共有され、既存の全てのプロジェクトが単一の検索可能なデータベース上に単一の形式で取り込まれました。標準化された情報入力とデータ活用は、組織全体の透明性を確保するカギとなります。

「SPMに集約されたことで、全ての情報を把握できるようになりました。必要な情報を一元的に確認できる場所にアクセスし、誰でもプロジェクトのステータスと進捗を追跡できます。アイデアポータルができたことで、標準化された形式でイノベーションアイデアを収集できるようになり、各アイデアの実現可能性を適切に評価できるようになりました」(ディアス氏)

さらに、ディアス氏はこう続けます。

「今、当社には優れたアイデアをいつでも投稿できる窓口があります。そして、これらのアイデアは担当者が評価と詳細の詰めを行い、実際のプロジェクトになっていきます。あらゆる情報が1つの場所に集約されたことで、アイデアの共同ブレインストーミングや世界中のベストプラクティスの共有が可能になり、地域間の連携も強化されました。

システム上では、アイデアの数や各アイデアで進行中の作業のほか、承認されて実際に実行されるプロジェクトとなったアイデアの数も正確に把握できます。同じダッシュボード上でニーズと実際のプロジェクトを管理でき、また透明性と説明責任性が向上したことで、取り組みへの焦点がより絞られ、期限内・予算内の目標達成を後押ししています」(ディアス氏)

さらなるSPMの活用としては、プロジェクトテンプレートを作成し、個々のプロジェクトチームが標準化されたツールを用いて、各プロジェクトを進められるようにしていくという課題があります。

SPMを通じた標準化は、ONEが市況の変化や顧客ニーズの進化に機敏に対応する上でも役立ちます。また、可視化とコントロールを行いやすくなったことで、ソリューション開発の迅速化と効率化を実現しています。ONEの経営陣は、リアルタイムのデータと全体像を把握することで、各課題に適した優先順位やリソース、スキルレベルなどを十分な情報に基づいた決定を下せるようになりました。

アプリケーション開発の短縮化でサービス提供の迅速化を実現

ONEは、業務効率化と生産性向上のために、引き続き自動化の利用拡大を模索しています。その手段としてますます重要性を増しているのが、App Engineです。

同社では、過去に調達プロセスで改善が必要となり、その際に社内ITチームがApp Engineのローコード開発機能を使用してカスタムアプリケーションを構築しました。このアプリケーションは現在、多くの標準的なビジネスサービスや備品の購入を承認するのに使用されています。

同アプリケーションの導入効果は、承認時間の削減によって重要な製品・サービスを提供するスピードが迅速化したことだけではありません。全てのデータがServiceNowに取り込まれて会計システムと統合されているため、支払いが注文と承認にひも付き、合理的かつ透明性のある請求書の照合が可能になります。

「ServiceNowは自動化を実現する信頼性の高いプラットフォームです。調達活動におけるガバナンスや管理、レポート作成を改善するうえで、App Engineによるアプリケーション構築は当社にとってまさに適した選択肢だったと言えます」(前田氏)

ONEはServiceNowの利用を拡大し続けており、ONEとその顧客の双方にとっての投資価値とメリットを最大化するために、ServiceNow Impactも利用しています。Impactは人とAIを活用して価値創出を促進するソリューションであり、組織のプラットフォームのパフォーマンスを最適化するツールも備えています。

ONEは、ITインスタンスの健全性評価アクセラレータを使用することで、最適化可能な領域を特定し、セキュリティプロファイルをさらに強化。これにより同社のセキュリティスコアは17%向上しました。

そうした中で、ONEはサービスのより良い可視化を目指し、さらにServiceNowのソリューションを模索しています。

「ServiceNowは、私たちの組織においてますます重要な役割を果たしています。アプリケーション構築のような単純なユースケースから、プロジェクトポートフォリオ全体の管理といった最重要課題の解決方法まで、ServiceNowは常に答えを提示してくれる存在です」(前田氏)

この事例を共有 導入製品 App Engine IT Service Management ServiceNow Impact Strategic Portfolio Management お客様の詳細 企業名 オーシャン ネットワーク エクスプレス 本社所在地 シンガポール およびグローバル 業種 輸送/物流 従業員数 9,000名
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