引退のリスクを排除する
Pension Insurance Corporation (PIC) 社の目的はただ 1 つ、現在と将来の保険契約者の年金を支払うことです。
PIC 社は英国の保険契約者およそ 40 万人の年金を管理しています。PIC 社は、従業員に継続的な投資を行うことにより、99.3% という素晴しい顧客満足度を達成しました。保険契約者は PIC 社の最優先事項です。
2017 年以来、PIC 社は戦略的パートナーとして ServiceNow と協力してきました。ServiceNow AI Platform とワークフローソリューションにより、英国全土の家族が快適で安定した退職生活を送れるよう、チームが時間と労力を注ぐことができています。
ロンドン中心部における独特の機会
セルフサービスによる IT 要件への対応や、複数のカスタムアプリケーションを含め、ビジネス全体に導入されている多数の ServiceNow アプリケーションへのアクセスなどに、PIC 社従業員の約 99% が毎日 ServiceNow を使用しています。ServiceNow によって、PIC 社の多様なチームが迅速かつ効率的に仕事をし、同僚とシームレスに共同作業を行えています。
2022 年に、PIC 社は ServiceNow の活用を拡大し、ワークプレイスサービスデリバリ (WSD) を追加導入しました。目標は、従業員と訪問者に最新のコネクテッドなエクスペリエンスを提供し、職場における価値創出を簡素化して最大限に高め、コスト節減と効率化を推進することでした。
WSD を導入した直後、PIC 社はシティオブロンドンの新しいオフィスに移転することを決定しました。これは、従業員エクスペリエンスを向上させるとともに、同社の成長の次段階に向けた跳躍台を提供するためです。
ロープメーカーストリート 22 番地にある特別設計のオフィスビルは、自社専用のエントランスと受け付けを持ち、ロンドン全体を 360 度見渡せ、新しい独自の職場環境を作り出す絶好の機会を提供し、会社のニーズをすべて満たすととともに、その目的とも合致しています。重要なのは、それは WSD が提供するすべての機能を最大限に活用する理想的なプラットフォームでもあったということです。
PIC 社 IT 運用責任者の Philip Conroy 氏はこう説明します。「これは、単にテクノロジーだけでなく、エクスペリエンスのあらゆる側面を活用し、職場のあるべき姿を完全に再定義する大きな機会でした。
WSD は、当社の ServiceNow 戦略と IT 戦略に完全に整合しています。すでに当社の要件の 80% 満たしており、ServiceNow を継続的に進化するエンタープライズプラットフォームとして信頼しています。ServiceNow とは重要な戦略的連携をしており、プロジェクトチームや社内 ServiceNow チームと協力し、その Impact チームとエキスパートサービスチームは私たちが望む場所にたどり着くための素晴らしい支援をしてくれました」
従業員と訪問者に独特のエクスペリエンスを創出
PIC 社が WSD の使用を決定した理由は、同社における ServiceNow の利用実績と、デジタル変革のための一元化された統合 AI プラットフォームがもたらすベネフィットを最大限に活用し、一貫性がありながら無限の柔軟性を持つユーザーエクスペリエンスを実現してきたという長年の経験にあります。
PIC 社シニア IT 運用マネージャーの Paul Lockwood 氏は説明します。「最先端だが使いやすく、PIC 社のセンスを維持して本当に自分たち独自の仕様にできるものでなければなりませんでした。「WSD によって、単一のタッチポイント、統一化された建物の操作方法、データ駆動型の自動化された意思決定機能を提供できました」
PIC 社は、新しい建物の構造とその進化した使用方法を反映した WSD を新規に導入することを決定しました。たとえば、PIC 社の以前のオフィスにあった会議室は 14 だけだったのに対し、ロープメーカーストリート 22 番地にはさまざまな大きさの会議室が 66 あり、イベントスペースとレストランも備わっています。
PIC 社は、単一の WSD ユーザーエクスペリエンスを念頭に置き、従業員センターを活用し「PIC Now」と名付けた新しい ServiceNow ポータルを立ち上げて、デスクトップ、タブレット、PIC ブランドの新たな ServiceNow モバイルアプリで利用できるようにしました。
ソリューションの各レイヤーを形にする上で、特定の要件に合わせて選択されたクラス最高の複数の独自システムと統合できる WSD の能力が鍵となりました。
すべての部屋の予約システムには Outlook を使用し続けることになりましたが、訪問者管理やケータリングの要求などのすべてが WSD と統合されました。すべての会議室に選定された Poly 社の個室予約パネルと視聴覚機器が WSD とシームレスに接続されて管理機能を提供し、信号機システムを使用して個室の空き状況を表示しています。デジタルサイネージについても、魅力的なコミュニケーション手段を提供し WSD との統合も容易なことから採用されました。
同様に、サプライヤーの XY Sense 社と Kaiterra 社が WSD と即座にデータを共有できる機能を提供していたことにより、スペース、人の動き、周辺環境を監視するセンサー技術すべてが理想的なユーザーエクスペリエンスの実現に貢献しました。
たとえば、予約された会議室が無人であることをセンサーが検出すると、その会議室のステータスが自動的に「使用可能」に戻されます。WSD のデスク予約サービスである「PIC-A Desk」は、柔軟な作業環境を実現するという PIC 社の目標を実現するための重要な手段で、デスクの使用状況と可用性の正確なリアルタイムのステータスを確認できるセンサーも導入されています。ロープメーカーストリートへの移転以来、デスクの予約数は 28,000 を超えています。
統合データレイヤーで継続的な改善を推進
また、建物データの管理レイヤーである KODE Labs も追加され、そこには PIC 社のビル管理システムと WSD との間で建物とセンサーの膨大なリアルタイムデータを統合する API が備わっています。拡張サプライチェーンは SwiftConnect によって完成しました。これにより、iPhone と Android のスマートフォンで提供されるデジタル認証情報を使用して、建物やフロアへの安全なアクセスが可能になりました。
WSD の単一タッチポイントの原則を普及させるため、従業員のロッカーや多機能プリンターへのアクセスに同一のデジタルパスが使用されました。後者では詳細な使用状況分析が可能になり、PIC 社のセキュリティと持続可能性の基準に沿った作業慣行の通達に寄与しています。
PIC 社における従業員エクスペリエンスの考え方は、新しいオフィスで会議に出席する訪問者にも適用されます。WSD の訪問者管理機能により、PIC 社の親切でプロフェッショナルな受付チームによるパーソナライズされた歓迎から始まる訪問者の滞在全体が入念に管理されます。
複雑からシンプルへ
Paul 氏は次のように述べます。「私たちは、2024 年 12 月に新たな素晴しい拠点に移転して以来、素晴しい成功を収めてきました。
WSD は、PIC 社の従業員が毎日利用しており、そのエクスペリエンスで主要なものになっているのがデスクと会議室の予約です。デスクの予約は全社で週あたり 550% 増加し、職場関連ケースの解決数は 240% 増えました。全体的に、当社のスマートビルは複雑なユーザーエクスペリエンスをシンプルなものに変え、その中心となったのが WSD です。
「継続的な改善は当社の基盤の 1 つであり、すでに ServiceNow パートナーと当社のサプライチェーンとの間で活発な対話を取り持ち、追加の機能を開発しています。WSD 製品チームと協力して改善点やアイデアを創出できたのは素晴らしいことです。ServiceNow は、私たちの信頼に十分応えてくれました」