B2C 市場でのビジネスを実現
Radius Telecoms, Inc. (Radius 社) は、フィリピン最大の民間セクター電力販売会社である Meralco 社の完全子会社です。 接続性を事業の屋台骨とする Radius 社は、ハイグレードの技術をデータ、インターネット、マネージドサービス、クラウドソリューションを通じて大企業と中小事業者に提供しています。
2020 年に同社は B2C 市場向けサービスを拡大するため、GPON (Gigabit Passive Optical Network) をラストマイルテクノロジーとして活用したエンドツーエンドの光ファイバーインターネットアクセスをメガマニラ圏、クラーク、セブを含む主要都市に提供しました。 Radius 社はカスタマーサービスの見直しと満足度を見直すという強い決意のもと、アジリティ、汎用性、そして信頼性の推進を刷新し、顧客には実現の迅速化というメリットを約束しました。
わずか 60 日で新しい RED Fiber サービスを新規顧客基盤に提供開始するため、Radius 社は見込み客からサービスのプロビジョニングまで注文ライフサイクル全体を管理する新しいソリューションを必要としていました。 同社が新サービスを迅速にロールアウトして顧客の要求に対する応答時間を改善できるようにするソリューションです。
「わずか 2 か月で ServiceNow プラットフォームの本番稼働を開始できました。これによって当社の挑戦的な本番稼働目標を達成できました」と Meralco 社の First Vice President 兼 CITO であり Radius Telecom 社の Chief Technology Advisor である Rocky Bacani 氏は述べています。 「今では RED Fiber 向けの完全デジタルかつ完全クラウド版の顧客請求プラットフォームを迅速に実装して、当社のオペレーションが卓越したカスタマーサービスエクスペリエンスを提供できます。」
オペレーションの効率化によりサービスアクティベーションの所要時間を短縮
Radius 社は契約者が各自の RED Fiber アカウントを申請できる 2 つのチャネルを展開しました。
1 つ目は直接販売です。 現地リセラーが訪問販売を実施して新規契約を獲得します。 これは当初は紙の申込書で行われていました。 この申込書はスプレッドシートに転記され、ServiceNow Telecommunications Service Management にエンコードされていました。 このプロセスは単調なだけでなく時間もかかりエラーも発生しやすいため、受注量の拡大が困難でした。 これがモバイルアプリケーションに置き換えられ、営業担当者はこれを使って顧客対応ができるようになりました。
ServiceNow Automation Engine を使用して他のシステムと接続し、直販エージェントは ServiceNow プラットフォームに接続されたスマートデバイスで顧客情報をキャプチャすることができます。紙の申込書がオフィスに返送されるのを待つ必要がなくなりました。 自動化によって申込書を後でエンコードする必要がなくなり、14 名のフルタイムのエンコード担当者は他の業務に再配置され、従業員満足度も向上しました。 こうした改善策の結果、Radius 社は売上高が前年比で 20% 増加しました。
2 番目のチャネルは RED Fiber カスタマーポータルです。 申込みを行う新規契約者は、オンライン申込フォームに個人情報を入力する必要があります。 信用調査プロセス (身元確認書類と支払能力証明書のアップロードを含む) は Meralco 社のシステムを通して実施されます。 顧客のサービス利用が承認されると、カスタマーケア担当者が作業指示書を作成し、現場技術者を現地に派遣してサービス設置を行います。
2022 年末までに契約者 10 万人という目標を掲げた Radius 社は、顧客の注文から設置までのエンドツーエンドプロセスを ServiceNow Telecommunications Service Management と ServiceNow Field Service Management で自動化しました。 これにより同社は、注文ライフサイクルのすべてのステップで円滑なエクスペリエンスを顧客に提供できるようになりました。 そのうえ、売上を上げるまでの期間も大幅に短縮しました。
Radius 社はさらに ServiceNow Automation Engine を使用して ServiceNow Telecommunications Service Management と ServiceNow Field Service Management を、本人確認用の Jumio および請求用の Zuora などのアプリケーションとも統合しました。 これにより同社は契約見込者の信用調査をシームレスに完了し、次のステップへ進むことができるようになりました。
カスタマーサービス担当者は顧客の注文ステータスをすべてのステージで完全可視化できるため、問題により迅速に対応できるようになりました。
「注文管理の自動化によって当社は見込顧客の発掘から売掛金回収までの時間を大幅に短縮し、1 日あたり 500 件超の RED Fiber 申込みに対してより迅速に売上を実現できるようになりました」と Solutions Delivery for Information Technology 部長の Kiko Trinidad 氏は述べています。
かつて Radius 社のオペレーションチームは手作業で現場技術者の派遣情報を報告書にコピーアンドペーストしていました。 ServiceNow Field Service Management によって派遣プロセスを自動化することにより、数百人の現場技術者がモバイルアプリから簡単に作業指示を閲覧、追跡できるようになりました。 また、ボタンを 1 つクリックしてバーコードをスキャンするだけでサービスのプロビジョニングもできます。
「ServiceNow フィールドサービス管理 (FSM) のおかげで、当社のフィールドオペレーションチームでは 1 日あたり計 72 時間の作業時間を削減できました。これはフルタイム従業員 9 人分に相当します」と Bacani 氏は付け加えます。
「通信サービスと現場オペレーションを 1 つのプラットフォームに統合することで、以前は新規契約者にサービスをプロビジョニングするまで 5 日を要していましたが、いまでは翌日にプロビジョニングできます」と Trinidad 氏は述べています。 「ServiceNow のおかげで当社は潜在的な成長機会を迅速に実現して目標達成に一歩近づくことができました。」
エンタープライズサービス管理のトランスフォーメーション
Radius 社は ServiceNow Telecom Service Management の導入以来、毎週平均で数百件のサービス依頼に迅速に対応できるようになりました。 これによりサポートのコストを削減し、ネットワークの問題など顧客からの要求にタイムリーに対応できています。
Radius 社は ServiceNow パートナーの Nexus Technologies, Inc. および Enable Professional Services (Enable PS) と提携してサービス管理と通信サービスオペレーションのデジタルトランスフォーメーションジャーニーに取り組みました。 Radius Telecoms 社のロードマップには、ServiceNow によるエンタープライズサービス管理ソリューションを組織全体にロールアウトすることも含まれています。 これには通信ネットワークチームのレガシーシステムの置き換えと、経理、HR、調達の各部門への拡大も予定されています。 Radius 社はデジタルトランスフォーメーションの第 2 フェーズの成果として、さらなるコスト削減とカスタマーエクスペリエンスの向上を期待しています。
「ServiceNow は注文とカスタマーケア用のすぐに利用可能なワークフローを提供しているため、当社はより迅速で優れたサービスを提供し、将来の成長をサポートする自信を得ました」と Trinidad 氏は締めくくりました。
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