ServiceNow 導入後の NPS スコア
エンドツーエンド IT 環境の可視性
SLA 内で解決したチケットの割合 (平均)
デジタルトランスフォーメーションを牽引
ブカレストに本店を置く Raiffeisen Bank Romania は、ウィーンを本拠地として中欧および東欧で事業を展開するオーストリアの銀行グループ Raiffeisen Bank International (RBI) の一員です。Raiffeisen Bank Romania は 2021 年に PWM/The Banker からルーマニアの「最優秀民間銀行」と「最優秀銀行」に選出されました。同行は、約 300 の支店を通じて 228 万件の個人および法人の顧客にサービスを提供しています。
現代の銀行業にはデジタルファーストの事業運営が求められます。顧客は、クレジットカード申請から銀行送金、住宅ローン審査まで、銀行のあらゆる業務に関して、デジタルチャネルに切り替えつつあります。こうした需要を受け、銀行にも堅牢でシームレスなデジタルワークフローが必要となっています。
「デジタルトランスフォーメーションは当行の計画の中枢であり、当行のビジネスのすべての面に影響します」と Raiffeisen Bank Romania の ServiceNow 管理者である Cristi Stoica 氏は述べています。
国内の主要銀行として、Raiffeisen Bank Romania は金融部門のデジタルトランスフォーメーションを牽引しようとしています。デジタルチャネルを改善し、新しいデジタルファーストなサービスを立ち上げたいと考えています。
同行のトランスフォーメーション計画は、顧客向けとバックオフィスの両方に対応しなければなりません。最善の顧客用アプリケーションをサポートするため、Raiffeisen Bank Romania はスムーズでシームレスな運用構造を確立しなければならないことを認識しています。またこの変革を推進するには次世代の人材を惹きつけることも必要です。
「従業員向けにも顧客向けにもサービス提供方法を簡素化して自動化することが欠かせません」と Stoica 氏は言います。「ServiceNow 導入前の当行のサポートシステムは分散型で、メールと Excel に頼っていました。目的に適していたとは言えません。従業員は問題の報告にメールを使用しなければならないのに、問題発生時にはメールも使えないことが多いものです。さらに、何が起きているのかを従業員や顧客が明確に把握することは不可能でした」
一貫したサービス構造の確立
ServiceNow は Raiffeisen Bank Romania の業務ワークフローの変革の鍵を握っています。同グループのルーマニアでのビジネスでは ServiceNow IT Service Management と IT Operations Management の両方を展開しました。これまでの IT の管理や保守の方法を見直し、最終的にはユーザーへの卓越したエクスペリエンスを提供する方法まで刷新することを目指しました。
Raiffeisen Bank Romania は、6 か月以内に導入を完了するように、導入管理の専門チームを立ち上げました。Stoica 氏によれば、チームは ServiceNow に関する経験がほとんどなかったため、貪欲に習得しようとしました。「タスクの規模について明確に把握するために、Discovery から始める必要があることは分かっていました」。同行の目標は、提供される IT サービスと、企業やステークホルダーに提供するサービスをサポートするために必要な IT インフラストラクチャに関する透明性を確保することでした。
Cristi Stoica
ServiceNow Administrator
デジタルの進歩に対する自信を醸成
明るい兆しも見えています。ServiceNow の導入後、ユーザー満足度は大きく上昇し、ネットプロモータースコア (NPS) は 60 以上を維持しています。「今では、チケットがクローズされるたびに従業員からのフィードバックを測定します」Stoica 氏は言います。「NPS は常に 60 を超えています」
重要なことはユーザーに進捗が見えていることだと指摘するのは、Raiffeisen Bank Romania の従業員サポートサービス部の Julian Babulea 氏です。「要求の進捗状況を追跡できるようになりました。自動化、セルフサービス、そして対人対応のほどよいバランスが取れています。自分で答えを見つけたいという人にはナレッジベースの利用が最適です」
今では IT 部門全体のアクティビティが明確に把握できるため、サービスデリバリに関するプロセスにも一貫性が生まれ、IT 環境全体が明確化され可視化されています。分散化が原因の不確実性は、統一されたプラットフォームと信頼できる唯一の情報源としてのシステムに取って代わられています。
「従業員の賛同があってはじめてデジタルトランスフォーメーションを推進できます」Stoica 氏は言います。「今やチームは当行のデジタル機能に自信を持っています。プロセスの効率と、従業員と顧客の両方へ即応性のあるサポートは、信頼を育むために欠かせません」
継続的な改善への意欲の創出
Raiffeisen Bank Romania にとって、測定基準が用意されたことは画期的でした。進捗の明確な証拠となり、IT プロセスの測定手段となるものが初めて登場したのです。
「応答時間と解決時間を測定できます」と Raiffeisen Bank Romania の ServiceNow 管理者、Catalin Samfira 氏は述べています。「仕事ぶりと顧客満足度を測定できるということは、新たなレベルの改善を生むということです」
Stoica 氏にとって、同行全体のサービスへの期待度がこれまでになかったレベルに高まったことこそ、エンゲージメントの成功の証です。同行の人事と会計のチームは、いつ ServiceNow モジュールを採用できるのかと問い合わせをしてきました。Stoica 氏によれば、自動化とナレッジベースへの追加の新たなチャンスを見い出そうという意欲が見られるそうです。
「例えば、パスワード更新の要求を自動化しようとしています。コロナ禍とリモートワーク (ロックダウンから 3 週間以内にほとんどのスタッフは在宅勤務になりました) によって、自分で問題解決をしようとする人が増えたため、セルフサービスとセルフ修復の実現が当行の長期的目標です」
Romania の経験は RBI グループ全体の決定に影響を及ぼすと予想されます。Romania は、どこであれ導入をすれば今後のロールアウトが加速されるという発想が通用することを実証しました。
「今や当行は継続的な発展状態にあります」と Samfira 氏は続けます。「Active Directory との統合や、さらに広く当行内の各部門との統合も検討しています。すでに実践されているプロセスを改善し、新しいプロセスを発見して導入できることを私たちは知っています」
Raiffeisen Bank Romania がサービスデリバリを簡素化したソリューションの詳細をご覧ください