DevOps とデジタルトランスフォーメーションによる削減見込み額
数週間の新製品リリース期間を短縮
標準変更ワークフローによる変更数の削減率
求められたのは顧客サービスの向上
2020 年、Sasol は原油価格の暴落、化学製品価格の変動、新型コロナウイルス感染症の蔓延、新プラント稼働開始の遅れと予算超過、わずか 1 日での株価 80% 下落など、70 年の歴史上類を見ない難題に直面しました。そのため、プロセスの簡素化、効率化、標準化を目指した新しい運用モデルが必要となりました。
「他の大きな組織と同様に、レガシーの問題を抱えていました。Microsoft と SAP を中心に、多くのオンプレミスツールを使用しているため、データの可視性とアクセスに問題がありました」と Sasol のビジネスイネーブルメント担当シニアマネージャー、Bramley Maetsa 氏は述べています。「ウォーターフォール方式で参加者が多過ぎたため、意思決定の際に問題が発生したのです。その結果、顧客のニーズに十分応えられませんでした。お客様に製品やサービスをスピーディーに提供することが難しく、場合によってはワークフローの可視化さえも困難な状況でした」
代替燃料、新たな市場参入者、消費者の期待の変化などのトレンドも燃料部門を混乱させ、生き残りは変化次第となりました。Sasol はこうした市場の変化に対応し、アジャイル手法と新しいテクノロジーの導入を通じて顧客と一体化する必要がありました。そのため、より速く行動し、新製品のリリースを迅速化することが求められていました。
IT 部門は事業部門と一体化し、新しいワークスタイルを採用する必要性が拡大していましたが、幸いにも Sasol は野心的なデジタルトランスフォーメーションに着手していました。ServiceNow IT Service Management (ITSM) と ServiceNow IT Business Management (ITBM) の導入を開始していましたが、DevOps 手法の採用を決定したときも、早い段階から変革のキーイネーブラーとして ServiceNow DevOps モジュールを採用していました。
今回 ServiceNow のテクノロジーを選んだのも、クラス最高水準のサービス管理と統合型のエンタープライズソリューションを期待してのことでした。「Sasol は大規模な統合型企業ですから、ServiceNow を選択することに迷いはありませんでした。小規模でニッチな製品を導入すると、全体像が見えなくなるおそれがあるからです。ServiceNow によってポートフォリオデマンド管理も最適化できると考えました」
DevOps 手法の導入
DevOps の導入はオランダの DevOps 専門企業 Plat4mation と ServiceNow のサポートを得て進められました。
まず、IT 部門とは別にデジタル部門を設け、最新の ERP ロードマップが構築されました。Sasol は、アジャイルチーム間での経験とベストプラクティスの共有を促進するために 8 つの「支部」を設け、高品質の製品をより速く提供するために「Engage to Deliver」モデルを導入して、プロジェクトとトランザクションの間で責務を分担しました。
ServiceNow ITSM は、主に会社のサービスポータルを通じて IT ヘルプデスクが受ける要求であるプロジェクトの処理に使用されます。これには、カタログアイテム、インシデント、問題、変更が含まれます。
ServiceNow ITBM は組織のポートフォリオ管理を担い、プランナーは利用可能な資金に基づいてプロジェクトの優先順位付けを行えます。また、デリバリーのスピードを設定し、適切なプラットフォームや製品チームに割り当てて、統合カタログに確実に記録されるようにできます。含まれるのは、デマンド、投資、プロジェクト管理です。
Bramley Maetsa
Senior Manager of Business Enablement
高品質の製品提供を迅速化
アジャイルおよび DevOps への移行は多くのメリットをもたらし、同社はデジタルトランスフォーメーションによって 50 億 ZAR (南アフリカランド、3 億 2,400 万ドル) を節約できると予測しています。
ServiceNow とチームが連携することによりソフトウェア開発が迅速化され、管理タスクの自動化とともに、運用チームと開発チームの密接な協力ができるようになりました。70 のユースケースをレビューして 1,200 件の技術的負債を発見し、新製品リリースの平均時間は 2 ~ 3 週間からわずか数分に短縮されました。
Sasol は DevOps プロセスによって手作業を最小に抑えて変更を自動化しました。ServiceNow DevOps を導入、拡張して継続的統合と継続的デリバリー (CI/CD) のパイプラインを連携させ、各部署と上級管理職に組織横断的なインサイトを提供しています。このインサイトを用いてパフォーマンス指標を追跡し、達成した実績を測定することが可能です。
「会社のあらゆる業務でカスタマーエクスペリエンスの向上を目指しています。ServiceNow との連携で得られたメリットはスピーディーに動けることです」と Maetsa 氏は結論づけています。「IT の変革という観点から見ると、他の企業は這うような段階に入ったばかりですが、私たちは歩く段階を過ぎたのです」
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