自動化された IT およびビジネスサービスの件数
開発月数
恩恵を受けるスタッフ数
効率、透明性、説明責任のビジョン
サウジアラビア法務省 (MoJ) は 1970 年に設立された、国民の権利保護と国の裁判制度の運営管理を監督する政府機関です。法務省の主な使命は、イスラム法に基づく司法環境を保証すること、そして司法および公証人サービスの提供、編成、発展を担うことです。
法務省の使命の一環として、サウジビション 2030 戦略フレームワークに示された主要目標の達成があります。サウジビジョン 2030 では、経済の多様化と公共サービス部門 (保健、教育、インフラストラクチャ、レクリエーション、観光など) の発展を目指しています。また、このフレームワークの第 3 のテーマは公共部門の統合に重点を置くことであり、効率、透明性、説明責任の拡充によって効果的な政府を実現するための方法について概要を示しています。
新しい環境でのサービスの維持
2020 年、サウジアラビア法務省は 2 つの大きな課題に直面していました。1 つ目は、サウジアラビアを中東におけるデジタルトランスフォーメーションの第一人者としての位置付けを維持すること、2 つ目は世界的なパンデミックの最中にもサービス提供のレベルを維持することでした。
法務省は IT をトランスフォーメーションの推進力とみなし、デジタルチャネルを通してより多くのサービスを提供するために、既存のインフラストラクチャを基盤として構築することを目指しました。
具体的には、法務省はサイロ化した一連のシステムを 1 つのユニバーサルプラットフォームに統合し、IT とビジネスサービスをつなぐことです。また、分かりやすいインターフェイスを通じて、過剰な作業負荷の統合・管理のプロセスを簡素化する必要もありました。法務省の成功は、綿密に開発された効果的かつ効率的で信頼性が高い技術プロセスとビジネスプロセスの構築にかかっていました。
「さらに、利用者の皆さまがわざわざ出向かなくても必要なすべてのサービスを提供できるようなソリューションを見つける必要がありました」とサウジアラビア法務省 Da’em サービスセンターマネージャー/プロジェクトマネージャーの Maraheb Alrashidi 氏は説明します。
サウジビジョン 2030 では、法務省は目標としてサービスの 80% のデジタル化を掲げ、プロセスの自動化をこの目標達成の主要要素としています。「サウジビジョン 2030 は私たち全員とって、素晴らしい機会であると同時に一歩抜きんでるための挑戦でもありました」と Alrashidi 氏は指摘します。
反復可能、測定可能、監査可能
IT サービス管理のスペシャリストである Devoteam の協力を得て、法務省は戦略を策定しました。自動化とは、反復可能、測定可能、監査可能なワークフローを特定して展開することであり、効率の最適化と法務省の監視強化という 2 つの目標を同時に達成することでもあります。
法務省はすでにレガシー IT サポートシステムの代替として ServiceNow IT Service Management (ITSM) に投資していましたが、ほどなくして ServiceNow ソリューションには他のコアプロセスも開発して自動化する潜在能力があることに気づきました。
プラットフォームアプローチを採用した法務省と Devoteam は、共有サービスのサポートと時間のかかる手作業のプロセスの削減を専門に取り組むチームを編成し、Now Platform と ITSM をプロセス全体の基盤として採用しました。タスクは単純なメールの入れ替えから、部門全体の業務の調整に対応する複雑なアプリケーションの開発まで、多岐にわたりました。
「当省の複雑なインフラストラクチャと厳格な要件を考えると、導入プロセスは非常に順調に進んだといえます」と Alrashidi 氏は説明します。「最初から最後まで、プロジェクトはアジャイル手法を使用してスムーズに進み、計画も周到でした」
Maraheb Alrashidi
Da’em Service Center Manager/Project Manager, Saudi Arabian Ministry of Justice
統合プラットフォーム
Now Platform with ITSM によって、法務省はローコード/ノーコードでの開発を活用して約 180 のプロセスを自動化し、およそ 20 のカスタム ServiceNow ビジネスサービスを展開しました。
プロジェクトの展開の成功とは、法務省がほぼすべてのサービスを統合デジタルプラットフォームで提供できるようになり、申請、インシデント、変更、問題の進捗を正確に追跡できるようになり、サービスレベルアグリーメントを通じてパフォーマンスを監視できるということです。標準化プロセスは法務省の責任説明能力の向上にもつながり、リーダーシップチームは、同省の広範囲な運営におけるパフォーマンスの可視化をさらに進めることができました。
さらに重要なことは、ServiceNow ITSM は今や法務省の技術環境全体で要求とインシデントを処理し、利用者と職員の両方のエクスペリエンスが大幅に改善されたという点です。
Alrashidi 氏は一例として弁護士免許の交付を挙げています。以前は申請者がいくつもの窓口に出向かなければならない時間のかかるプロセスでした。「それが ITSM を導入した今では、免許取得前の弁護士が当省の Da’em ポータルにアクセスして免許申請書を送信するだけです。必要な承認がすべて得られた後は、履行プロセスも完了まですべてシステムが処理します」と Alrashidi 氏は述べています。
トランスフォーメーションのための実りあるパートナーシップ
プロジェクトは、すでに法務省の複数の領域で目覚ましい改善をもたらしています。同省は、主要指標であるサービス可用性、解決率、SLA 違反率、ユーザー満足度、コールの再オープン、ナレッジ記事の作成とアクセスなどを追跡しています。目覚ましい結果が得られ、導入プロセスもスムーズであったことから、法務省はポートフォリオを拡張して ServiceNow IT Operations Management も採用する予定です。
「Devoteam が提供する管理と技術のスキルから ServiceNow が提供するプラットフォーム機能まで、とにかくあらゆる人の負担が軽減されています」と Alrashidi 氏は取り組みを総括しています。「この実りあるパートナーシップとデジタルトランスフォーメーションを継続して、戦略的成功を収められる日を楽しみにしています」
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