データが社内の一体化を生む
Snowflake 社が提供する「データクラウド」は、数千社がほぼ無制限の規模、同時実行性、そして高いパフォーマンスでデータを収集するグローバルネットワークです。 データは日々飛躍的に増加しており、あらゆる業界の組織がそのデータを集約、解析、格納し、最終的にビジネス部門のためのインサイトに変換することに悪戦苦闘しています。 Snowflake 社は顧客企業がデータから引き出せる価値を増大できるよう、つまり意思決定を行い、機会を発見し、ソリューションに情報を提供できるように支援をしています。 Snowflake 社が掲げる目標は、あらゆる組織がデータドリブン型になることで顧客に提供するビジネス成果の改善につなげるのを可能にすることです。
データドリブンとは Snowflake 社の顧客に向けた価値提案の中核であり、同社のビジネス経営に欠かせない要素でもあります。 Snowflake 社では、ビジネスのあらゆる部分が顧客の増大するデマンドに応えられるように、自社でもデータの活用を推し進めています。 Snowflake 社は独自の一元化されたデータマーケットプレイスを運営し、ビジネス全体からデータを収集してインサイトを引き出しています。 このデータを使用して、各部署のニーズが交差する部分で意思決定を下すためのコラボレーションを下支えします。 これは、特定の部門や職能内でサイロを生み出してしまうソリューションではなく、サービスベースのシステムを活用して組織全体でつながりを強化することを意図しています。
Snowflake 社は、統合されたインサイトと部門間のコラボレーションを推進するために、データを活用して法務運用を最適する必要がありました。 法務運用部門は、既存テクノロジーと統合して補完することができるエンタープライズ対応プラットフォームの必要性とともに、幅広いビジネスユースと要求管理やビジネスイネーブルメントに関する特定の法務ニーズのためのデータを追跡するソリューションの必要性も認識していました。 こうした機能を導入すれば、法務運用部門は日常業務の意思決定改善と組織の長期的な価値の育成に必要なデータとインサイトを手に入れることができます。
法務運用のインサイトでビジネスパフォーマンスを改善
すでに ServiceNow の IT Service Management (ITSM) ソリューションを活用していた Snowflake 社は、ServiceNow の Legal Service Delivery (LSD) ソリューションが機能のニーズを満たし、既存の技術エコシステムに適合するだろうと期待していました。 そこで、LSD を自動化の取り組みの基盤として導入し、法務要求の簡素化、効率の向上、ビジネス価値の拡大を目指す 2 年間の取り組みに踏み出しました。
Snowflake 社が最初に着手したのは LSD の Stock Preclearance アプリケーションでした。 これは同社が上場企業になって間もない時期であったため、株式売却に関心を持つ従業員をサポートする喫緊のニーズが生じることが見込まれていました。 既存のプロセスは手作業の処理が多く、 メールで要求を企業法務部門に送信するため、部門は要求をさばききれなくなり、応答も非効率的でした。 LSD 導入から 1 か月以内には、法務部門はこうした事前承認要求をより迅速かつ効率的に対応できるようになり、応答時間は数時間にまで短縮されました。 ビジネスステークホルダーは最新化した法務運用機能の可能性を間近に体験し、これが法務部門が他の部分でのワークフローを導入する道を開くことになりました。
Snowflake 社は次に法務部門のビジネス調達のサポートの最新化に移りました。 この業務でも、以前は要求を直接メールで行っていました。 法務部門は遅れが出ないよう四苦八苦し、混乱のなかで要求が消失したり、遅れが数週間単位になったりしました。 Snowflake 社は、サービスレベルアグリーメント (SLA) 追跡を導入した 別の LSD ワークフローを実装しました。 法務運用部門はこのワークフローからキャプチャしたデータを使用して、遅延の原因となっている複数の問題を迅速に特定しました。 こうした問題の是正策として、リソースのシフト、要求テンプレートの標準化、法務部門の担当作業の最適化などが実施されました。
全体として、LSD は Snowflake 社が法務業務に関する貴重な新しいデータをキャプチャするのに役立ちました。これは目論み通りです。 法務運用部門はこのデータの一部 (ビジネス需要や運用効率に関するデータなど) を使用して、部門の取り組みを改善しました。 また、このデータを Snowflake 社の全社的データマーケットプレイスで共有して、社内の他の部門でも使用できるようにしました。 その結果、Snowflake 社はこのデータを分析してビジネスパフォーマンスに関する洞察力を高めることができました。 たとえば、同社はコンプライアンスデータを使用して、サードパーティのスクリーニングプロセスの精度を向上させました。 LSD がキャプチャしたデータは、サードパーティのリスクアセスメント部門によって使用され、ベンダー、顧客、パートナーのリスク評価の向上につながりました。
効果の測定
LSD の導入により、法務運用部門では、法務部門の業務の仕組み、遂行、頻度に関する可視性が高まりました。 こうしたインサイトは、チームがサイクル効率を向上する追加ワークフローの実装、隠れた問題の特定、要求実行の遅延の解消を可能にしました。
効率性
- 応答性の向上。 要求にメールを使用しなくなることで、応答時間が短縮され要求の消失が低減しました。 新しいワークフローと自動化によって、Snowflake 社は法務要求の時間とフローの管理改善を実現し、対応完了までの時間を劇的に短縮しました (調達のためのベンダーの承認に要する時間が約 60% 短縮)。
- さらに効率的な仕事。 サービスレベル追跡などの機能を活用して、法務部門はさらに効果的に要求が滞る場所と状況を特定し、ボトルネックに迅速に対応して、社内の他の部門で発生している問題を法務部門の問題から切り離すことができます。 Stock Preclearance ワークフローの展開後、サイクルタイムは数時間から数分に短縮されました。
価値
- ステークホルダーの信頼の拡大。ServiceNow の Stock Preclearance ワークフローなどの機能の展開によって、従業員は使える時間が増え、感謝と信頼と、さらに先へ進む自由が生まれました。さらに、コンプライアンスリスクの縮小と法務 SLA の加速も進みました。
- インサイトの拡大。 ServiceNow 製品の使用はデータマーケットプレイスにリンク付けされたデータのタイプと量を増加させ、ビジネス部門の他の領域でも懸念事項を特定して対応できるようになりました。 たとえば、レポート作成機能によって、輸出コンプライアンスに対応するための見込量が欠如しているといった問題が表面化しました。 この種類のスクリーニングは監査前に問題を特定できるため、パートナーはビジネス部門とコンプライアンス違反に対応できるようになります。
未来を見据えて
Snowflake 社の法務部門はサービスデリバリの管理改善という取り組みを進める中で、さらに LSD を活用して、他の部門 (人事部門など) に提供するサービスを改善する方法を探ることを計画しています。 LSD の統合は、弁護士同士、弁護士とクライアント間、さらに法務自体のワークフロー内のコミュニケーション方法を最適化し、関連ワークプロセスをよりアジャイルにすると期待されています。 さらに、法務部門は今後数か月で 6 つの新しいワークフローの導入に向けて取り組んでいるため、Snowflake 社の社内データマーケットプレイスに新しいデータを供給し続ける予定です。
データ分析の最先端の利用方法はお手の物である IT 企業の Snowflake 社は、自社の効率性向上を促進し、法務部門からさらなる価値を引き出すために ServiceNow の Legal Service Delivery ソリューションを使用しました。 法務部門は今やビジネス部門に対して、要求の最適化、効率化の推進、新しい改善された働き方の定義をする積極的な業務展開ができるようになりました。 法務運用部門は、意義あるデータドリブン型インサイトを提供する実績に基づいて、ビジネス部門とのパートナーシップを構築しました。