期限厳守の複雑な財務プロセス
Standard Chartered Bank は、53 の市場で 600 以上の支店を展開し、8 万人以上の従業員が数百万人の顧客にサービスを提供しています。 この大規模なグローバルオペレーションを支えているのが、Standard Chartered Bank の財務オペレーション部門でグローバル責任者を務める Shikha Bountra Jetley 氏が率いる、メンバー約 1,600 人のグローバル財務オペレーションチームです。
「財務オペレーションは、グループの中核となるグローバル財務プロセスを担当しており、グループの計画と分析、ストレステスト、会計と報告、流動性と資本、データ管理、商品管理に対応します」と Jetley 氏は説明します。 「このオペレーションには、必然的に規制、法定、監査の要件を満たし、ステークホルダーのエンゲージメントを維持するために、タイムリーかつ正確な方法での実行が必要な各種の重要な要求やワークフローが伴います」
毎月、数万件の要求が管理対象となりますが、ServiceNow を導入するまでは、タスクや問い合わせの追跡に問題がありました。 そのため、チームが効果的にコラボレーションして潜在的な遅延を回避できるよう、コアプロセスを簡素化し、カスタムアプリを開発して、透明性とトレーサビリティをさらに向上させることが急務でした。
Standard Chartered Bank のグローバルビジネスサービス部門でサービス管理 FinOps の責任者を務める Joshua Samuel 氏は、次のように述べています。「プロセスとアクティビティの件数を考えた場合、管理チームがプロセス、要求、アクティビティのステージを把握し、遅延の理由を把握することは困難でした。 これらの問題が大きな起爆剤となり、自動化されたワークフローソリューションを探し求めることになりました」
ServiceNow プラットフォームによるエンドユーザーエクスペリエンスの強化
要求ステータスの可視性を高めることはきわめて重要で、理解しやすいビューを提供するためのダッシュボードを開発する必要がありました。
Standard Chartered Bank のグローバルビジネスサービス部門でイノベーション、分析、イネーブルメントの責任者を務める Vikas Kohli 氏は、次のように述べています。「財務オペレーションチームが管理する最も重要なプロセスの 1 つは、グループ計画です。 コーポレートプランニングは、向こう 5 年間の財務計画と経営計画を立案する年に一度の業務で、複数のワークフローが関係します」
これらのプロセスは、以前は複数のスプレッドシートとメールを使用して管理されていました。 そのため、手間と時間がかかり、作業が無駄に重複することがありました。 同行の財務オペレーションチームは、ServiceNow IT Service Management Professional (ITSM Pro) と ServiceNow App Engine を導入したことで、主要なグローバルプロセスのサービスデリバリを大幅に改善しました。 ワークフロー全体が自動化された結果、ボタンを数回クリックするだけで結果が得られます。 カスタムアプリケーションでは、ワークフローの自動化、ダッシュボード、要求モジュール、専用のセルフサービスポータルを管理します。
ServiceNow プラットフォームに展開された新しいポータルの重要なコンポーネントであるナレッジベースでは、数千件もの記事にアクセスできます。 毎月繰り返される大量の問い合わせに対応する必要がなくなり、すべてのお知らせと重要なイベントがポータルを通じて公開されるようになったため、従業員はより価値の高いタスクに取り組むことができるようになり、ストレスが軽減され、従業員の士気が大幅に高まりました。 その結果、処理が必要な問い合わせの件数が最大で 80% 削減されました。
「ポータルの導入で、コーポレートプランニングの可視性が向上したことについては、好意的なフィードバックが数多く寄せられています。ワークフロー、記事検索、要求モジュール、再認定モジュールが最も重要な機能でした」と、Standard Chartered Bank のグローバルビジネスサービス部門でグループ計画担当グローバルプロセスマネージャーを務める Baskaran Kripakaran 氏は述べています。 「今は、柔軟性のさらなる向上とローコード/ノーコード機能の積極的な活用が図られることを期待しています。これは真の変革です」
ルーティングの改善によるオペレーション効率の向上
世界中に顧客を抱える大手銀行の Standard Chartered Bank は、決済ベンダーだけでなく、規制当局ともやり取りをする必要があります。 そのため、着信メッセージを迅速かつ確実に処理することは、きわめて重要です。
ServiceNow プラットフォームは、自動ルーティングのロジックと高度に構成可能なワークフローメカニズムを採用した受信メール連携機能を備えており、ベンダーや規制当局とのやり取りを追跡し、迅速かつ正確に対応できます。 説明責任と責任は、タスクオーナーによって明確に定義されるようになりました。
「メールを受信すると、適切な担当者に自動的に転送されるため、迅速に対応できます」と Samuel 氏。 「汎用のメールボックスや手動チェックに頼る必要はなく、受信メッセージは適切にルーティングされるため、迅速かつ確実に処理できます」
さまざまな側面がさらに幅広いメリットを実現
一元化されたワークフロー自動化により、財務オペレーションチームの可視性が大幅に向上されました。 その結果、発注書の承認、支払い、払い戻しなどの要求を簡単に確認できるようになり、内部ステークホルダーと外部ベンダーの両者に役立っています。
クリティカルパスとプレイブックは、期限を強調することで、SLA が危険にさらされているかどうかをさまざまなチームに知らせます。 チームリーダーは、フラグが付けられたタスクのステータスを確認して、今後のタスクを明確化し、タスクを再アサインして、作業負荷のバランスを調整できます。
プレイブックは複数のプロセスに使用され、さまざまなサイクルで再利用できます。 Samuel 氏は、次のように付け加えています。「フォローアップ、リマインダー、SLA、エスカレーションは、すべて各チームに対して適切に設定されています。管理者が介入するためのステータス追跡機能によって、タスクが適切に整理されているため、人間の介入は最小限に抑えられています」
ストレステストプロセスの簡素化と迅速化
ServiceNow プラットフォームのもう 1 つのメリットは、ストレステストにおけるガバナンスとコントロールです。 中央銀行による非常に複雑な規制は、事業や場所を超えて適用され、投資リスクや資産の自己資本比率を満たすために同時に実施されます。 このプロセスには、複数の手動タッチポイント、反復的なプロセス、厳格な監査記録と測定基準が含まれます。 ただし、ServiceNow を使用すれば、プロセスがよりシンプルになり、迅速化されます。
未来への道を開く
あらゆる大きな変化と同じく、当初はさまざまなチームから不安の声が上がりました。 そこで、Samuel 氏と導入チームは、さまざまなプロトタイプや概念実証を示しながら、移行に沿った指導に時間と労力を費やしました。 ServiceNow 営業チームも強力なサポートを提供しました。
「経営陣が結果を実感し始めるとまもなく、受け入れの姿勢に大きな変化が生じました」と Samuel 氏は説明します。 「チームはワークフローに関する独自の素晴らしいアイデアを思いつき始め、その多くは、その後自動化されました。その自動化により、チームはプロセス内で必要な変更を独立して運用、管理、制御できるようになりました」
Jetley 氏は次のように付け加えています。「ワークフローの自動化プロセスは、まだ始まったばかりですが、最初の結果は期待に応えるものでした。財務オペレーション管理チームは、今ではさらなる投資に自信を持っています」
同行では、これまでに、ServiceNow ITSM Pro と App Engine で構築されたカスタムアプリケーションとインタラクティブモジュールにより、手作業の時間が年間 16,800 時間以上節減されています。 経営幹部チームも、証明、再認定、承認、レビュー、エスカレーションを大幅に簡単で迅速に行えるようになりました。