モノのインターネット (IoT) とは、物理的な対象物をインターネットに接続して、他のデバイスとデータを交換する方法を説明した概念です。
インターネット接続がデスクトップコンピューターに限られていたのはとうに昔のこと。 今やインターネットは、モバイルデジタルデバイスという形で、どこにでも移動できます。 また、モバイル接続により、インターネットという概念自体が拡大しています。 IoT にはインターネット接続可能な何十億もの「モノ」、つまりセンサーなどのテクノロジーが組み込まれ、インターネットを介してデータを送受信できる日常的に使用する物が含まれています。
IoT 自体は、インターネット対応のスマートデバイス網で構成されています。 それぞれのデバイスは異なりますが、ある共通点があります。
IoT デバイスは、データを収集するのが基本です。 各デバイスは、それ自体が固有のインターネット IP アドレスを持つ、自己完結型のコンピューターです。 内蔵のセンサーによって自動的に収集されたデータは、インターネットを通じて共有可能です。人が介在することなく、モノ、システム、人の間でデータを転送できます。 IoT デバイスは、単純なモニタリング装置から、複雑な自己制御機械や AI を搭載した機器まで、その複雑さはさまざまです。
IoT デバイスが周囲とやり取りすると、内蔵センサーによって関連データが収集されます。 たとえば、最新の風力発電機であれば、モーターの温度、風速、回転数などのデータを収集できます。
データが取り込まれると、そのデータはクラウドに送信されます。 送信には、イーサネットの直接接続、Wi-Fi、4G や 5G のモバイル通信、Bluetooth、省電力広域ネットワーク、衛星通信など、さまざまな方法を利用できます。 これらのオプションは、帯域幅、対象範囲、可用性の面でそれぞれ長所と短所があります。個々の IoT デバイスは、多くの場合、特定の接続プロトコル向けに最適化されています。
IoT のデータがクラウドに届くと、サーバーベースのソフトウェアで処理されます。 処理済みの情報は、エンドユーザーに提供され、利用できるようになります。 たとえば、スマートサーモスタットは、温度データを所定の範囲と比較します。温度が許容範囲内であれば、何もする必要はありませんが、温度が許容範囲外の場合、サーモスタットはユーザーにアラートを通知したり、部屋の暖房や冷房システムを自動的に作動させて温度を許容範囲内に戻したりすることができます。
B2B アプリケーションの場合、データは遠隔地のオペレーションチームで利用できるようになり、事前に決められたルールによって検出された問題をチームがトリアージして調査します。 その後、リモートで対応するか、フィールドサービス技術者を派遣して現地で解決するかを決定します。 または、潜在的な問題に先回りして対処することもできます。遠隔地のオペレーションチームは、機器の故障の兆候を監視することで、機器が完全に故障してしまう前に、予防メンテナンスを実施して問題を早期に解決できます。
多くの場合、ユーザーは接続されたアプリケーションを介して、モバイルデバイスや Web ブラウザーから直接 IoT プラットフォームに接続できます。 これにより、パラメーターの設定や調整、デバイスの実行状況の確認ができます。 ユーザーが機器に変更を加えると、IoT デバイスはクラウドに情報を送信します。情報はクラウドで処理された後、機器本体に提供されます。
モノのインターネットの普及に伴い、従来はデジタルに対応していなかったものがインターネット接続によって、その恩恵を受けるユースケースも増えています。 これには、日照時間に合わせて明るさを調節するスマート電球や、従来はバラバラだったシステムや機器を連携させて業務の改善や最適化を図るスマート「ファクトリー」など、あらゆるケースが含まれます。
こうした実際のアプリケーションの多くは、最も一般的な 5 つのカテゴリーに分類されます。
コンシューマー向け IoT は、個々の消費者が購入、所有、操作する物理的な IoT デバイスで構成されます。 これには、以下のような最も知られているスマートデバイスの多くが含まれます。
- フィットネストラッカー
- ヘルスセンサー
- スマートサーモスタット
- 大気質センサー
- スマートドアロック
- オーディオアシスタント
- ワイヤレスプリンター
- VOIP 電話
- スマート照明
- 衝突検知センサー
- 家庭用エネルギー監視・制御
- スマート家電
- スマート煙感知器
特定のテクノロジーとしてはコンシューマー向け IoT と重なる部分があるかもしれませんが、エンタープライズ向け IoT は、ビジネスや小売の場所に関連するデータの収集や共有、データに基づく行動に重点を置いています。 それには次のようなものがあります。
- スマート風力発電機
- コネクテッドカー
- スマートエネルギーグリッド
- 土壌/灌漑用モニタリング装置
- サプライチェーントラッカー
- 在庫管理用タグ
- 患者モニタリング装置
- スマートファーミングシステム
産業向け IoT (IIoT) も注目度が上がり、工場や製造業などの産業組織では、デバイスの相互作用に対する理解が深まり、管理できるようになりました。 これには次のようなシステムが含まれます。
- 産業用制御システム
- 生産監視
- 予測型機械分析装置
- 作業用ウェアラブル
- 品質管理システム
- リモートプロセスの自動化と最適化
- 温度、流量、圧力、湿度センサー
- 条件ベースのメンテナンスアラート
- 位置情報ビーコン
IoMT は、インターネットに接続する防衛用の軍事用デバイスと連携して、 情報共有、状況認識、戦術的な意思決定を強化できます。 以下は、IoMT デバイスの一例です。
- 無人航空機 (UAV、「ドローン」ともいう)
- 健康状態とパフォーマンスのモニタリング向け軍事用ウェアラブルデバイス
- 高度な通信システム
- 監視および偵察用センサー
- 車両管理システム
- 遠隔制御型ロボット兵器
インフラストラクチャ向け IoT は、道路、橋、水道、送電網などのインフラストラクチャの計画、モニタリング、制御に使用されています。 IoT デバイスを使用することで、政府や組織はメンテナンススケジュールの最適化、コスト削減、安全性の向上を実現できます。 以下は、インフラストラクチャ向け IoT デバイスの一例です。
- スマート交通管制システム
- 汚染監視用環境センサー
- 電力網のエネルギー管理システム
- スマートメーター
- 橋やトンネル用の構造健全性モニタリング
- 水質監視システム
- 廃棄物管理システム
上記のカテゴリには重複する点が多く、コンシューマー、エンタープライズ、産業向けのアプリケーションで同種の IoT デバイスが数多く導入されていることも注目に値します。
ビジネスにおける IoT には、明らかなメリットがいくつかありますが、おそらく最も重要なのは、「人々」の支援と「プロセス」の最適化を中心とするものです。 ここでは、その主なメリットをご紹介します。
従業員はビジネスの成功を左右します。 必要なリソースとサポートを従業員に提供すれば、各自が能力を発揮し、会社全体のビジネス成長を促進できます。 IoT は、正確な分析、携帯デバイスを介したコラボレーションの簡素化、組織の全従業員に対する効果的なモニタリング、コントロール、管理を可能にすることで、従業員やマネージャーを支援します。 また、IoT によって自動化も促進できます。オフィスではさまざまな接続デバイスを導入することで反復作業が自動化され、貴重な従業員がより複雑な業務に集中できるようになります。 その結果、IoT で強化された従業員は、より短時間でより多くの成果を達成できます。
プロセスを最適化する最初のステップは、プロセスマイニングにより明確なインサイトを得ること、つまり、使われ方と使用のタイミングに関するデータを収集することです。 IoT デバイスは、そのようなデータを自動的に常時提供するので、ビジネスプロセス管理チームは、プロセスを精査して、強みと弱点を評価し、非効率性などの潜在的な問題を特定できます。 IoT は、既存のビジネスプロセスの全体像を明確化することで、重要なタスクの実行方法を見直して改善するのに役立ちます。
顧客のニーズや要求は一様ではありません。 良好なカスタマーエクスペリエンスを提供するには、個人レベルでそのニーズを理解し、対応することが重要です。 IoT は、顧客の購買習慣や嗜好に関連する信頼性の高いデータを提供できます。 組織はコネクテッドプロダクトによる行動分析を応用することで、顧客や個人をより正確に理解できるようになります。 こうしたナレッジを得ることで、個人のカスタマーエクスペリエンスをより正確にパーソナライズできます。
IoT デバイスを導入することで、自社の製品や社内システムに関する正確な最新情報を大量に収集できます。 たとえば、機械に関するデータをモニタリングすることで、部品の不具合を即座に特定し、修理や交換を実施することで、故障による損害を未然に防ぐことができます。 同様に、常時監視は、法令遵守の問題に対する信頼性の高いソリューションです。 規制に準拠していないデバイス、プロセス、従業員を迅速に特定し、是正措置を講じて、規制への準拠を徹底します。
モノのインターネットという巨大な接続網を実現するには、データの収集、送信、分析、処理を行うさまざまな支援テクノロジーを必要とします。 ここでは、IoT のサポートにおいて重要な役割を果たす基盤となるテクノロジーをご紹介します。
- 機械学習アルゴリズムと分析ツールを使用すると、IoT データの分析を自動化できます。 その結果、大量のデータをリアルタイムに低コストで解釈できるようになります。 このテクノロジーを適切に応用することで、価値の高いインサイトが得られ、正確な予測が可能になります。
- 対話型 AI は、人間と IoT デバイス間のやり取りを強化するうえで重要な役割を果たします。 音声アシスト機能 (Apple の Siri や Amazon の Alexa など) は、インテリジェントなプログラムとのコミュニケーションを会話と同じくらい簡単なものにしました。チャットボットやその他の自然言語処理インターフェイスのおかげで、IoT を直感的に操作できるようになり、アクセシビリティも高まったため、IoT デバイスが広く受け入れられるようになりました。
- クラウドプラットフォームは、IoT デバイスで共有されるデータの保存、処理、管理に不可欠であり、スケーラブルで柔軟なソリューションを提供し、リアルタイムの処理と分析を可能にします。 クラウドコンピューティングソリューションは、デバイスやシステムが同じローカルネットワークに接続していなくても、それらを調整し、必要なときに必要な場所で情報を利用できるようにします。
- 接続は IoT のバックボーンであり、デバイス同士や一元化されたシステムとの通信を可能にします。 Wi-Fi、4G や 5G のモバイル通信、Bluetooth、省電力広域ネットワークなどの各種接続オプションは、IoT アプリケーションの要件に応じて、強みと制限事項がそれぞれ異なります。 さまざまな IoT ネットワークプロトコルは、強力な接続の確保に貢献しています。
- センサーは IoT の目と耳であり、物理的な世界のデータを監視、測定、収集できます。 センサーテクノロジーの進歩により、手頃な価格で耐久性があり、信頼性の高いセンサーが開発され、幅広いアプリケーションに展開できるようになりました。 スマートビルでの温度監視やスマートシティでの車両の動きの追跡など、センサーが収集するリアルタイムデータはインテリジェントな意思決定を促進します。
モノのインターネットは、組織や個人が周囲の世界とやり取りする方法に変革をもたらします。 さまざまなデバイスやシステムを相互接続することで、 IoT はよりインテリジェントな意思決定とオペレーションの簡素化を可能にします。 IoT の主なビジネス上のメリットは次のとおりです。
- IoT により、データを複数のデバイスで簡単に利用できます。 こうしたアクセシビリティにより、柔軟性が強化され、組織は頼りとする重要なビジネスインサイトをいつでも得ることができます。
- IoT による自動化は手動タスクを最小限に抑え、従業員は複雑なアクティビティに集中できます。 IoT を活用した従業員がより短時間でより多くの成果を達成できるようになり、コストの削減と効率の向上につながります。
- IoT は、多くのデバイスとシステム間のシームレスなコミュニケーションを促進します。 このスマートテクノロジー相互接続網は、過度の人手を介さずにデバイスによるデータの共有、解釈、処理が可能な調和のとれたワークフローを確立します。
- 相互接続されたセンサーを利用してスケジューリングと監視を自動化することで、電力管理や水の消費の改善が可能になり、リソースをより効率的に使用できます。
- IoT を利用することで、日常的なタスクの自動化やデータへの迅速なアクセスが可能になり、時間とコストの両方を削減できます。 自動化は、手作業の介入を減らし、エラーの可能性を低減して、プロセスを迅速化します。 リアルタイムの監視と予測分析もプロアクティブなメンテナンスと意思決定を可能にし、予期せぬ故障や事後対応にかかるコスト削減につながります。
ビジネス環境で IoT を採用することには多くのメリットがありますが、課題や潜在的な危険をもたらす可能性があることも認識する必要があります。 たとえば、以下のようなデメリットがあります。
- 相互接続されたデバイスの数が増加すると、セキュリティリスクが発生する可能性が上がります。 各接続デバイスがサイバー攻撃の潜在的エントリーポイントになるおそれがあります。 すべての接続デバイスに堅牢なセキュリティ対策を施すと、複雑さが増しますが、不正アクセスやデータ侵害を防ぐため不可欠です。
- IoT はさまざまなソースから大量のデータを生成します。 このようなビッグデータの管理、分析、保存は面倒な作業であり、高度なツールと専門知識が必要です。 データを適切に管理しなければ、重要なインサイトが失われ、IoT から得られる効率が低下する可能性があります。
- デバイスが相互接続しているため、1 台のデバイスが破損した場合、ネットワーク上の他の IoT デバイスにすぐに広がるというシナリオが想定されます。 これは、広範囲な機能不全、データの損失、その他の重大な問題の発生につながり、多くの場合、解決に時間とコストがかかります。
- IoT は比較的新しいテクノロジーであり、標準化されたプロトコルや普遍的技術についての合意があまり得られていません。 このため、異なるデバイスやシステムが最適に機能しない可能性があり、異なる標準を使用している場合は特に、互換性の問題が発生します。 このことが IoT ソリューションの統合と有効性を妨げ、すべてが連携して機能するために、高コストな変更や交換が必要になる場合があります。
IoT 標準は、デバイスとシステムの効果的な通信と連携を可能にします。 IoT 標準は、相互運用性の促進、セキュリティの強化、信頼性の高いパフォーマンスの確保など、さまざまな IoT テクノロジーのルールを定義します。 よく言われるように、あらゆる状況に対応する、普遍的に認められた単一の IoT 標準は存在しませんが、最も広く使用されている標準をご紹介します。
- Advanced Message Queuing Protocol:メッセージ指向ミドルウェアのプロトコル。デバイス間の柔軟なメッセージングを可能にします。
- Constrained Application Protocol:IoT における制約のあるノードとネットワーク向けに設計された Web 転送プロトコル。制約のあるノードが HTTP のサブセットを使用してより広いインターネットと通信する方法を定めています。
- Data Distribution Service (DDS):リアルタイムデータ配信のためのスケーラブルなソリューションに関する標準。タイムリーで信頼性の高い通信が不可欠な産業向け IoT アプリケーションでよく使用されます。
- IPv6 over Low-Power Wireless Personal Area Networks (6LoWPAN):特に効率的なネットワーク機能を必要とする小型のバッテリー駆動デバイスに有用な標準。
- LiteOS:軽量で強力になるように設計された IoT 指向のオペレーティングシステム。
- Long Range Wide Area Network (LoRaWAN):省電力広域ネットワーク (LPWAN) 向けに設計されたプロトコル。低消費電力で長距離通信を可能にし、デバイスが少量のデータを長距離で送信する必要があるアプリケーションに最適です。
- OneM2M:グローバルな標準化イニシアチブ。IoT デバイスとサービスがさまざまな業界やアプリケーションで連携する普遍的フレームワークの開発を目的としています。
- ZigBee:低電力デジタル無線を使用した高レベル通信プロトコルの仕様。 低コストと電力効率が高いことで知られています。
モノのインターネットフレームワークとは、IoT アプリケーションとスマートコネクテッドデバイスの開発、展開、管理を支援するツール、ライブラリ、ガイドライン、プロトコルの包括的なセットです。 IoT 設計プロセスを簡素化し、スケーラビリティを向上させるために必要なすべての機能を IoT フレームワークで提供できれば理想的です。 IoT フレームワークは、主に次の 2 つのカテゴリーに分類されます。
オープンソースの IoT フレームワークは一般に公開されていて、変更と共有が自由に行えます。 開発者や組織は、ライセンスコストを支払わずにフレームワークを使用できます。また、一般的にコラボレーションコミュニティによるサポートを利用できます。コミュニティは、定期的にフレームワークに貢献し、ソリューションのトラブルシューティングをサポートします。 人気のあるオープンソース IoT フレームワークには、Thinger.io、Mainflux、KAA があります。
オープンソースの IoT フレームワークを使用するメリット:
- ソースコードが利用可能なため、開発者はニーズに合わせてソースコードを変更できます。
- 多くの場合、幅広いコミュニティがオープンソースプロジェクトをサポートし、ヘルプ、プラグイン、拡張機能を提供しています。
- ライセンス料が不要なため、スタートアップや小規模な組織が簡単に利用できます。
オープンソースの IoT フレームワークを使用するデメリット:
- オープンソースフレームワークは、そのオープン性により、さまざまなハードウェアやソフトウェアコンポーネントとの互換性の問題をもたらす可能性があります。
- コミュニティのサポートはありますが、専門のサポートチームがいないことが弱点となる可能性があります。
プロプライエタリな IoT フレームワークは特定の組織が所有しており、許可を得た場合のみ使用できます (一般的にはライセンスの購入という形)。 管理された環境を提供し、通常、特定の業界標準やビジネスニーズに対応するように開発されています。
プロライエタリな IoT フレームワークを使用するメリット:
- プロプライエタリなフレームワークには一般的に、フレームワークを所有する組織の専用サポートが付属しています。
- セキュリティの専門知識レベルにバラツキのあるコミュニティではなく、単一の事業体が開発して管理するため、プロプライエタリな IoT フレームワークはデジタルセキュリティが高い傾向にあります。
- プロプライエタリなフレームワークの多くは特定の業界向けにカスタマイズされていて、特殊な機能とツールを提供しています。
プロライエタリな IoT フレームワークを使用するデメリット:
- プロプライエタリなフレームワークは、ライセンス料が必要なことが多いため、コストが高い場合があります。
- ソースコードが公開されず、カスタマイズが制限される可能性があります。
IoT のメリットとは裏腹に、企業やコンシューマーが注意すべき潜在的なセキュリティ上の問題はいくつかあります。
IoT デバイスの多くは、自動的にデータを収集し、共有するように設計されているため、機密情報が流出してしまうおそれがあります。 たとえば、コンシューマー向けの IoT 音声アシストデバイスは、会話の内容から興味や購買傾向を判断でき、機密性の高い個人データを傍受する可能性があります。デバイスが聞き取れる範囲の言葉は、基本的にその標的となります。 多くの場合、機密データの適切な取り扱いは、IoT デバイスメーカー自身に任されています。
IoT デバイスの多くは、最も基本的なタスク (データの収集や共有など) だけを実行するよう、機能がギリギリまで削減され、簡素化されたコンピューターです。 とは言え、これらのデバイスがインターネットに接続された「コンピューター」であることに変わりはありません。多くの IoT 企業は、オペレーションのプロセスを簡素化して、外部の攻撃者に対する IoT デバイスの抵抗力を弱めているのかもしれません。
ハッカーは、会社のデスクトップパソコンやモバイルデバイスのファイアウォールなどのセキュリティ対策は突破できないかもしれませんが、セキュリティが確保されていない IoT 産業機械からシステムに侵入することは十分に考えられます。 そうすることで、ハッカーは重要な IoT デバイスを直接攻撃できるだけでなく、組織のネットワークに内部からアクセスし、重要なデータを盗聴、破壊、窃取するチャンスを得ることができます。
IoT デバイスのメーカーは欠陥を公表しており、残念ながらパッチを適用できないソフトウェアが多くのデバイスに含まれていることが分かっています。 IoT デバイス自体には更新機能がないため、欠陥が見つかっても、その欠陥が悪用されないようにするための選択肢はほとんどありません。 そのため、一部の IoT デバイスは恒久的に危険にさらされることになります。
IoT デバイスとデバイスを利用するユーザーや組織を保護するのは、簡単なことではありません。 セキュリティ機能を追加すると、限られた IoT リソースが消費され、IoT デバイスの機能に影響を与える可能性があります。 それに加えて、IoT ベンダーの間では、IoT 保護を強化するための標準化がほとんど行われていません。
とは言え、IoT セキュリティの脅威のうち、より明白なものに対しては、ユーザーや組織が対策を実施して防御できます。 以下にその例を示しています。
- パスワードの強化
- 認証/承認方法の改善
- ネットワークセグメンテーション
- 暗号化の強化
- 実践的な暗号化
オンライン接続されて機能するデバイスの増加に伴い、データ容量を増やすニーズも高まっています。 IoT 関連組織の多くは、社内のサーバーやデータストレージでこの高まるニーズに対応するのではなく、クラウドでのデータ処理に切り替えています。 このためクラウドデジタルプラットフォームは、必然的に IoT 向けのリソースとなります。組織はデータを関連システムやプロセスと連携できるようになり、IoT へのアプローチが効率化しています。 それをリードしているのが ServiceNow です。
受賞歴のある Now Platform 上に構築された ServiceNow の Connected Operations により、IoT 投資の価値を最大限に高め、ダッシュボードを超えて問題解決を自動化できます。 IoT データと高度なデジタルワークフローを組み合わせた Connected Operations は、組織が問題に発展する前に課題を自動的に解決し、単一の一元化プラットフォームでチームをまとめられるようにします。