サービス要求管理とは?

サービス要求管理とは、企業が顧客、従業員、ベンダーからのサービス要求に対応するために用いるプロセスとツールを表す表現です。

効果的な経営のために、現代の企業は必要なサービスとサポートを、外部の顧客と社内の従業員の両方に提供することが求められています。しかしサービス要求は単純なものばかりではありません。従業員が、利用可能なサービスを最大限に活用するためにサービスプロバイダーに追加のガイダンスを求めたり、期待できるサービス水準について明確に確立するように求めることもあります。同時に企業側も、受け取るサービス要求の多くの詳細を完全に把握していないということがあります。これはたとえば、最もよくある要求の提出元や種類、サービス要求の目的に関する具体的な情報、サービス要求の履行の質とコストなどの詳細です。

サービス要求管理は ITIL フレームワークの鍵となる要素であり、重要なサービス要求データに光を当てて、顧客の期待を確立したり、従業員が開始したサービス要求に効果的で簡易な仕方で対応したりできるように設計されています。

サービス要求管理を正しく利用すれば、企業のあらゆる部分からの要求や顧客ベースからの要求をサポートできます。また、企業や従業員が、現在進行中の要求を追跡して要望を管理しながら、要求を経理、マーケティング、IT、カスタマーサービス、その他の社内全体の各部署と調整することができます。

サービス要求とは、従業員、顧客、ベンダーからの、サービスに対する正式な要求と定義できます。こうした要求は、通常のサービスデリバリーの一部である、事前に定義され合意されたサービス対応を開始するために必要です。もっと簡単に言えば、サービス要求とは一般的に、現在従業員が利用できないものの調達要求や、アクセス要求のことです。

前述のとおり、サービス要求は確立済みのパターンに従う正式な要求であり、事前に明確に定義されたサービスに関連して行われます。サービスは多くの場合、サービスカタログに詳細が説明されており、従業員は従業員ポータルを通じてアクセスを要求できます。

サービス要求は、提供されるサービスに応じて多様な形式があります。サービス要求のよくある例としては、次のようなものがあります。

休暇申請

バカンスやその他の休暇を希望する従業員が、人事部門にサービス要求を行う場合があります。それにより雇用主は、勤務時間をより詳しく把握してシフトを埋めたり、その従業員が不在の間に追加のサポートが必要になる可能性があるプロジェクトに対応したりできます。

発注書の承認

第三者のサプライヤーに商品やサービスを委託している企業は、発注書の要求と承認を行う必要があります。発注書のサービス要求は部門または従業員から出され、経理に回され、重要な予算や事業支出の追跡と説明ができるようにされます。

パスワードのリセット

顧客と従業員の両方から出されることが最も多いサービス要求が、パスワードのリセット要求です。パスワードのリセット要求は、IT 部門により履行されます。

コンテンツの制作

ある部門で、マーケティングの取り組み、広告、内部資料などを目的とするコンテンツが必要となった場合、部門はそのニーズを満たすためにサービス要求を行うことがあります。そのサービス要求先は、社内のコンテンツ制作スタッフや外部の契約企業などです。

上記の例はごく一部にすぎません。利用可能なサービスに対するあらゆる正式な要求は、サービス要求です。

サービス要求は、確立された、企業が通常提供しているサービスの利用を求めることです。サービス要求は、サービスが正しく機能しない場合の支援や IT サポートの要請とは異なります。サービスにおいて計画外の中断や質の低下が生じ、従業員が問題解決のためにサポートを求めるような場合のことを、インシデントと呼びます。

インシデントとサービス要求は従来は同じグループに分類されていましたが、ITIL を用いる現代の企業はそれらを明確に区別しています。その理由の 1 つは、サービス要求と比較しての、インシデントに関連付けられている緊急性の違いです。サービス要求は通常、それほど時間に厳密ではなく、前もってスケジュールされることもあります。一方でインシデントは、緊急度がはるかに高いものを意味します。インシデントは、従業員エクスペリエンスに負の影響を与える予期しない問題が発生し、優先して一刻も早く解決すべきことを表します。

サービス要求管理は、要求の対応、監督、監視、実行のための効果的なソリューションとなります。それには企業にとって確かなメリットとなる次のような機能があります。

サービスカタログ要求の標準化

サービス要求管理には、明瞭で、従業員が使いやすいサービスカタログが組み込まれています。このカタログでは、どのサービスが利用できるのかを従業員が包括的に確認することができます。さらに、予想完了時間や必要なリソースなどの関連情報を含めることで、利用する従業員の要望も管理しやすくなります。このカタログではすべてのサービスが標準化されたフォーマットに従っているため、サービス要求のプロセスが簡素化されます。

トラッキングの完了

サービス要求が提出されてからチケットの処理が完了するまでの間には、多くのことが起こる可能性があります。サービス要求管理内のトラッキング機能により、関わる人すべてが進行中のすべての要求の最新のステータスを確実に把握できます。さらに、トラッキング機能によって、部門は履歴データに基づいてサービス対象の確立や管理ができ、時間とコストの見積もり精度が向上するため、全般的な処理の向上を図ることができます。

統合フルフィルメントプロセス

その性質からして、サービス要求は他に依存しないということはあり得ません。サービス要求を効果的に処理するには、それをプロセスや、完了まで見届ける責任を持つフルフィルメントチームと結びつける必要があります。サービス管理を正しく利用すれば、透過的にそれらの重要な接点と結び付けることができ、効率的でコスト効果の高いサービスデリバリーを確保できます。

ITIL では、サービス要求は次のような一連の手順に従って進められます。

提出

サービス要求管理プロセスは、従業員がサービス要求を提出するところから始まります。この手順はさまざまな媒体を使って実行できます。大手企業では、一般にサービスデスク、顧客ポータル、従業員ポータルを採用したり、モバイル上のアプリを利用して提出プロセスの簡素化や文書化を促進したりしています。企業によっては、それらの代わりにメールや電話、さらにはソーシャルメディアまでも、提出される要求の収集に利用しています。

アセスメント

要求を正しく処理するには、受け取った側がまず要求の内容を理解しなくてはなりません。この手順では、関連するチームや部門が要求のアセスメントを行い、緊急性を判断し、履行にはどのようなリソースやツールが必要となるか、監督者の承認や IT 部門、人事部門、該当する営業所による検証が必要かどうかを判断します。アセスメントには複数の従業員や部門の参加が必要となる場合もあります。

実行

要求のアセスメントが完了したら、部門はフルフィルメント段階へと移ることができます。アセスメントフェーズから得た情報と計画で構築して、各部門は責任を割り当て、重要な連絡先情報を収集し、完了予定日を設定します。

完了

要求が問題なく履行されたら、要求チケットを完了してアーカイブする必要があります。さらに、サービス要求のフルフィルメントに関わった個人、チーム、部門のパフォーマンスをレビューして評価する機会を設けることもできます。

フォローアップ

サービス提供側のフルフィルメント済みの意味するところと、サービスを利用する側のフルフィルメントエクスペリエンスは、必ずしも一致するわけではありません。この 2 つの整合を取るために、多くの企業ではチケットが完了した後に、従業員にフィードバックを依頼することを選択します。これは、要求が解決済みであることを確認するだけでなく、従業員の良い取り組みに対して、企業が継続的に関わっているという姿勢を示すためにも有用です。

サービス要求管理は複雑な業務となることがあります。以下に示すのは、サービスチームが重点を置くことができる上位の優先事項です。

前線にいるチームの支援に注力する

サービス要求のフルフィルメントは、ストレスが多く、その割に感謝されることの少ない仕事となることもあります。サービス要求の処理は時間とリソースのキャパシティをすぐに超えてしまうことがあり、自分の要求が速やかに処理されていないと思い込んだ従業員が、不満を感じて感情的になったりすることもあります。

こうした問題を相殺するため、サービスチームの健康と成長を最優先事項にすることができます。潜在的な問題や懸念についてのレビューやワークショップの時間を定期的に確保し、チームを向上させ強化することができるリソース、サポート、トレーニングの機会を絶えず探し求めます。

要求エクスペリエンスを一元化する

企業はサービス要求が数多くのばらばらな仕方で提出されることを望まず、もちろん従業員も、部門や問題ごとに異なる複数のサービス要求ルートで処理しなければならないという状況は望みません。そのどちらも、要求エクスペリエンスの一元化によって解消できます。

使いやすさとアクセス性の向上を目標に構築された統合一元化ポータルは、サービス要求プロセスを劇的に向上させます。従業員は、どのような要求でも使い慣れたセルフサービスポータル経由で提出できると分かっていることで満足度が高まり、フルフィルメントチームにとってはすべての要求を同じシステムで受け取れるという明瞭さと秩序がメリットとなります。

フルフィルメントを前線に移動させる

従業員とフルフィルメントチームとの間にいくつもの層が存在するほど、サービスのアクティビティはより長期化し、コストと複雑さが増します。安全に取り除ける中間部分はすべて排除して、要求のフルフィルメントの場は可能な限り前線に移動させます。従業員とフルフィルメントが互いに直接連携すれば、結果としてチケット解決の迅速化、プロセスの簡素化、コストの削減を実現できます。

セルフサービスポータルは、従業員とフルフィルメントの連携に高い効果を発揮できます。簡単に利用できるリソースとナレッジベースの記事によって、多くの問題は、従業員が正式にサービス要求を提出しなければならなくなる前に解決できる可能性があります。同様に、プロセスの初期段階で関連情報を収集することで、プロセスが進んでからの不要な手順取り除くことができます。

可能なものには自動化を採用する

ほとんどの場合、サービス要求管理には、反復可能で労力をあまり要さない手作業のタスクが多く含まれています。そのようなタスクも要求のフルフィルメントにとっては重要であるものの、時間がかかり、人的エラーが起きがちです。これには自動化がソリューションとなります。自動化によって、サービスチームは作業負荷を減らし、正確性を向上させ、サービス要求を完了させるまでの時間を短縮することができます。要求のフルフィルメントプロセス全体で、自動化をふんだんに利用してください。

サービス要求管理が確実に効果を発揮するように、次のようなベストプラクティスを検討できます。

  • 最も簡単で最も頻度の高い要求から始めます。まずこうした要求に対応することで、即座に顧客価値が生まれ、新しいサービスチームは将来の要求処理の構築に使える経験を手に入れられます。
  • 従業員のニーズを把握します。従業員が何を期待し、何を最重要と考えているのか、従業員の要求にどうすれば最も良く応えることができるかを知ることは、企業がサービス要求の優先順位を確立する助けになります。従業員が自分の言葉で詳細を伝えられる要求管理ツールも利用します。

  • すべてを文書化します。サービス要求と、それに関連するすべての質問フィールド、承認プロセス、手続き、チーム、プロセスオーナー、サービスレベルアグリーメント (SLA) などを記録しておくことで、チームはより複雑な要求を管理し、フルフィルメント戦略のレビューや最適化のための重要なデータを手に入れることができます。

  • すべてのサービス要求チャネルを集約します。これにより、同じ従業員から同じサービスに複数回の要求が出されることがなくなります。各従業員がフロントエンドでの各要求にチケットを 1 回しか提出できないようにすることで、重複する要求が提出されてからそれを見分けて集約するよりもコスト効率が良くなり、時間の節約になります。

  • 従業員にセルフサービス用のリソースを提供します。これによって特定のサービス要求は自己解決できるようになります。簡単にアクセスして検索できる、関連情報を掲載したナレッジベースを継続的に構築します。

  • サービス要求管理の成功を測定するための最重要な測定基準を特定します。その測定基準に基づいて、追跡とレポート作成を行います。

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