ガントチャートとは?

ガントチャートは、計画を時間軸で視覚化し、タスクの順序と期間を示すグラフィックツールです。

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ガントチャートについて知っておくべきこと
ガントチャートの歴史とは? ガントチャートは何のために使うのか? 誰がガントチャートを使うのか? ガントチャートの構成要素とは? ガントチャートを使用するメリットとは? ガントチャートの使い方 組織上層部:高度なロードマップ ServiceNow Strategic Portfolio Management のガントチャート

ガントチャートを正しく使えば、現在の計画の状況や完成までに何が残っているかが一目瞭然になります。 たとえば、サブタスクの計画作成に関連する情報、各タスクの開始日と終了日、各タスクの推定所要時間、各タスクを完了させるチームとチームメンバー、タスク間の依存関係とそれらが計画をどのようにサポートするか、会議や承認のタイムライン、最初から最後までのスケジュールの全体像などが明確に示されます。

ガントチャートは、決められた期限までにプロジェクトを成功させるために、何をすべきかを正確に伝えるためのものです。 そのため、戦略的目標に向けてチームとリソースを調整できる、明確で効果的な計画が必要とされるあらゆる分野において、広く活用されています。

ガントチャートはまた、ポートフォリオ計画とロードマップの一環としても効果的に使用できます。 ポートフォリオとは通常、戦略的目標を達成するために一括管理されている複数のイニシアチブから構成されます。 ガントチャートをポートフォリオ計画に組み込むことにより、組織はポートフォリオ内の全プロジェクトの包括的概要を把握できるようになり、リソースの割り当てと依存関係を効果的に管理できます。

ロードマップ計画 (組織の戦略的方向性と今後のイニシアチブの概要を示す) の一部として活用される場合、ガントチャートは組織が各種計画のタイムラインと依存関係を視覚化することにより、さまざまなチームや部署間で調整と整合ができるようにします。 全体像をガントチャートで示すことにより、アクティビティをより大きな取り組みに円滑に組み込み、全体的なロードマップが軌道に乗った状態を維持できるようにします。

 

すべて展開 すべて折りたたむ ガントチャートの歴史とは?

現在使用されているガントチャートはすでに 1990 年代には各業界で確立されていましたが、その起源はさらに 19 世紀末にまで遡ることができます。 1896 年にポーランド人技術者の Karol Adamiecki 氏が作った「ハルモノグラム」が後のガントチャートと呼ばれるものの最も古い原型として知られています。 同時期にアメリカ人機械技術者の Henry Gantt 氏が製造業内のタスクを整理する方法について同様のアイデアを練り上げていました。

1923 年にはコンサルティング技術者の Henry Wallace Clark 氏が Gantt 氏の発案の構造、使用法、利点を著書『The Gantt Chart; a Working Tool of Management』に記載し、「ガントチャート」という言葉を生み出して現代マネジメント用語として確立しました。 初期のガントチャートは手書きだったため、1950 年代には複雑化が増した高度な製造プロセスに適さなくなっていましたが、やがてコンピューターソフトウェアの登場によりガントチャートの有用性が復権しました。

今日、ガントチャートは、世界で最も使われている計画立案とチャート化の手法の 1 つです。

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ガントチャートは何のために使うのか?

ガントチャートは、計画立案、トラッキング、計画情報の視覚的伝達に役立ちます。 ステークホルダーやチームメンバーが簡単に一目で計画を捉えることができます。

包括的なイニシアチブを計画する

ガントチャートによって関係者全員がイニシアチブの全体像を視覚的に把握できます。たとえばタスクの期間、タスクの順序、タスクの割り当て、依存関係、そして次のステップ (前後のステップ) などです。 これにより計画の各ステージが簡素化され、これから取り組む作業の包括的な全体像を把握できます。

適切に実行するために大規模な計画を整理

複数の成果物があり、チームや部署全体が関与する大規模計画は、管理が難しく手に負えなくなるおそれがあります。 ガントチャートがあれば、マネージャーは計画を小規模な管理しやすいタスクに分割できるため、非常に複雑なイニシアチブでも効果的な遂行を促進することができます。

タスク間のチームコラボレーションを促進

複雑なプロジェクトを構想から完了まで導くためには、チームメンバーが効果的にコミュニケーションをとり、協力することが必要です。 ガントチャートは、チームメンバーに透明性を提供し、どのようなタスクが残っていて、誰がそれを完了するために割り当てられているかを明確に示します。 現在の目的、次のステップ、タスクの依存関係、そしてプロジェクトの遅延や、プロジェクトを遅らせるその他の問題を明確に把握することで、チームは労力を調整でき、重要なステップを誤って行わなかったり、重複した作業をしたりせずにすみます。

作業負荷とスケジュールを予測する

計画には多数の異なる変動要素が伴うため、どれくらいの作業と時間が必要になるかを正確に判断することが難しい場合もあります。 ガントチャートは作業負荷とタイムラインの予測に有効なアプローチです。信頼性の高い予測を立てることで、期日の設定、予算作成、リソースの割り当てに使用できます。

経理と予算

ガントチャートは経理と予算のツールとして有効活用できます。 リソース割り当てを詳細な時間枠に沿って組み込んだガントチャートにより、組織はコストを計算し、実際の経費を監視し、リソース割り当てを最適化して効率を改善し、予算に影響しそうなスケジュールの遅れを明確に表すことができます。 これにより、予算の統制を強化して財務目標を確実に達成できるようになります。

誰がガントチャートを使うのか?

ガントチャートには個人にも組織にもさまざまな業界や環境で無限の使用方法があります。 この汎用性の秘訣は戦略と進捗を視覚的に表現できることにあり、イニシアチブを時間軸に沿って計画、調整、改訂、追跡をしたい人に役立ちます。 建設、ソフトウェア開発、マーケティング、製造などさまざまな業界の計画担当者とチームがガントチャートによってタスク、タイムライン、依存関係の概要を視覚化することで、計画を効果的に管理しています。

ガントチャートの構成要素とは?

初心者にはガントチャートは手強いものに見えるかもしれません。 ところが実際のところ、ガントチャートは使いやすさを念頭に置いて設計されています。 ほんの少しの手ほどきで、誰でもガントチャートを一目で読み取れるようになります。チャートのさまざまな要素を認識し、それがどのような仕組みで連携しているかを理解すれば、正確な状況と次のステップを把握できるのです。 ガントチャートには、イニシアチブのスケジュールを構成して視覚的に表現するための主な構成要素がいくつかあります。 これには以下のものが含まれます。

タスクリスト

タスクリストは図の左側に縦に並んでいます。 大きなタスクをサブタスクに分割した状態で、イニシアチブ内の各タスクを表しています。 これらのタスクはグループ化して、作業の階層または論理グループを作ることもできます。 これにより、チームは完了しなければならない各アクションを容易に特定して追跡できます。

タイムライン

タイムラインは図の上部の横の列で、イニシアチブの予想期間の詳細が示されています。 期間は日、週、月などに分割できます。 タイムラインには開始/終了予定日とともに、各タスクとサブタスクの開始日も示されます。

担当者

担当者は各タスクの責任者となる個人またはチームです。 担当者情報はガントチャート上のタスク名に並べて、またはタスクバー内に記載できるため、役職と職務を明確化して、各タスク内およびイニシアチブ全体を通して効率的な連携とコミュニケーションを促進します。

マイルストーン

マイルストーンは確立されたタイムライン内の重要ポイントまたは達成事項です。 主要な成果物、重要な期日、または重要イベントなどを指します。 マイルストーンはガントチャート上でひし形の記号で表されることが多く、目に付きやすいためチームが進捗を追跡できるようになります。 これらのマイルストーンはタスクよりも達成事項を表すため、一般的に期間はゼロとして表記されます。

依存関係

多くの場合、必須のタスクは、前のタスクが完了していなければ実行できません。  依存関係は異なるタスクまたはアクティビティ間の関係を表し、完了しなければならない順序を規定して、タスクの依存関係とタイムラインへの影響を強調します。 依存関係は一般的に、対応関係にあるタスクバーをつなぐ矢印で表され、タスクの順序を視覚的に表します。

リード/ラグ/フロート

リード、ラグ、フロートも、ガントチャートの補助的な構成要素として、タスクの柔軟性と順序を示します。 リードは、前のタスクが完了する前に後続タスクが開始できる時間、つまり重複可能な時間の長さを表します。 一方、ラグは前のタスクの完了から後続タスクの開始までに経過しなければならない時間の長さを表します。 フロート (スラックともいう) は、全体のタイムラインに影響を及ぼさずにタスクを遅延できる時間の長さを示します。

クリティカルパス

クリティカルパスとは、計画を期日までに完了させるために、期限までに対応しなければならない一連のタスクの最長経路のことです。

リード/ラグ/フロート

多くの場合、必須のタスクは、前のタスクが完了していなければ実行できません。  依存関係は異なるタスクまたはアクティビティ間の関係を表し、完了しなければならない順序を規定して、タスクの依存関係とタイムラインへの影響を強調します。 依存関係は一般的に、対応関係にあるタスクバーをつなぐ矢印で表され、タスクの順序を視覚的に表します。

ガントチャートを使用するメリットとは?

ガントチャートは、計画の効果的な管理、コラボレーションの強化、全体的な成果の改善といった多数のメリットをビジネスにもたらします。 ガントチャートを活用することで、組織は一般的に以下のようなメリットを体験できます。

視覚的計画立案

ガントチャートはイニシアチブのタスクとタイムラインを視覚的に表現するため、チームは関連する範囲、順序、依存関係を理解しやすくなります。 これにより効果的な計画が可能になるため、チームはリソースの割り当て、現実的な期日の設定、成功の実現に向けたクリティカルパスの特定ができます。

タスクとリソースの管理

ガントチャートは、タスク割り当ての一元管理ビューの提供、リソース割り当ての改善、作業負荷のバランス調整、オーバーブッキングや過少使用の危険を回避できるため、組織はタスクとリソースをさらに効率的に追跡して管理できるようになります。 これにより、チームメンバー間の連携とコラボレーションが強化され、効率と生産性が改善されます。

タイムラインの追跡と期日管理

ガントチャートを使用すると、組織はイニシアチブの進捗監視と重要マイルストーンの追跡が容易にできます。 これによりチームは大目標に注力しつつ、スケジュールを守り、遅延の可能性やボトルネックを把握することができます。 タイムラインの概要を明確に把握することにより、組織はリスク緩和、期日の厳守、予定通りの完了を実現するための積極的対応を講じられます。

コミュニケーションとコラボレーション

ガントチャートはチームやその他ステークホルダーとの効果的なコミュニケーションとコラボレーションを促進します。 ガントチャートは視覚的な性質を備えるため、計画、タイムライン、依存関係を伝達しやすく、全員が同じ認識を持つことができます。 これがコラボレーションを促進し、透明性が高まり、より情報に基づく効率的な意思決定を実現できます。

リソースと予算の割り当て

ガントチャートは、リソースをめぐる競合状況の可能性の特定や利用状況の最適化といった効果的なリソース割り当てに必要となるタスク、タイムライン、依存関係の明確な全体像を示すことで、組織におけるリソースと予算の管理に貢献します。 さらに、ガントチャートを使用すると、タスクをコスト概算と結び付け、コスト実績と比較することで、組織は支出を追跡し、制御できます。

適応性と反復的計画立案

ガントチャートは反復的な計画に対応しているため、組織は変化するイニシアチブの要件と優先順位に対し、より容易かつ効果的に適応できるようになります。 新しい情報やニーズが登場する際にも、ガントチャートを迅速に更新して、新たな状況を反映できるため、非常に動的なビジネス環境にあっても、確実に成功を収めることができます。

ガントチャートの使い方

ガントチャートを使うには系統的アプローチが必要です。 また、組織によってはバリエーションを採用することもありますが、ほとんどの組織が、ガントチャートは特定のプロセスに従ったほうが最適な効果が得られると考えています。 ガントチャートを有効に活用するための重要なステップを紹介します。

イニシアチブの目標とタスクを定義する

まずはイニシアチブの目標と目的を明確に定義することから始めます。 イニシアチブを、完了しなければならない小さなタスクやアクティビティに分割します。 タスクは具体的で、測定可能で、達成可能であり、関連性があり、期限付き (specific, measurable, achievable, relevant, and time-bound:SMART) であるようにします。

タスクの依存関係を確立する

タスク間の依存関係を明らかにします。 どのタスクを先に完了すると他のタスクを開始できるかを判断します。 これにより、タスクの順序が確立され、計画がスムーズに進むようになります。

リソースの割り当てとタイムラインの設定

リソース (チームメンバー、機器など) を各タスクに割り当て、完了までの現実的なタイムラインを決定します。 リソースを割り当てる際には、その可用性とスキルを考慮します。 ガントチャートを使用してタスクを横軸で表し、それぞれの開始日と終了日を明示します。

進捗の追跡と更新

定期的にガントチャートを更新して、実際のタスクの進捗を反映させます。 タスクが完了または遅延したときに、タスクバーとマイルストーンを更新してチャートを適宜調整します。

コミュニケーションとコラボレーション

ガントチャートをチームメンバーやステークホルダーと共有して、効果的なコラボレーションを促進します。 タイムラインとタスクの視覚的表示により、関係者はその役割、期日、依存関係を把握できます。 ガントチャートは定期的にチームミーティングで見直して問題があれば対応し、必要な調整を行います。

監視と調整

ガントチャートを使用して計画のステータスを継続的に監視します。 潜在的リスク、リソースの制約、要件の変更を特定し、タスクのタイムラインの修正、新規タスクの追加、または依存関係の調整により、必要に応じてチャートを改訂します。 これにより、イニシアチブを軌道に乗せたまま変化する状況に対応できます。

組織上層部:高度なロードマップ

前述のように、ガントチャートは個人のイニシアチブに限定されません。 このチャートをプロジェクトマネジメントオフィス (PMO) 内で採用して、より広範囲なロードマップやポートフォリオ計画の作業に統合できます。 PMO は複数のプロジェクトを監督し、組織の目標との整合性を確認する重要な役割を果たしています。 ガントチャートは PMO にとって、プロジェクトポートフォリオを効果的に管理して視覚化するための価値あるツールです。

ガントチャートを PMO のツールキットに取り入れることで、組織はポートフォリオ内の全プロジェクトの包括的概要を把握できます。 これにより PMO は潜在的な重複、リソースの制約、または優先事項の競合を特定できます。 さらに、ガントチャートは高度なロードマップやポートフォリオ計画作業にも統合できます。 ガントチャートをロードマップに組み込むことで、PMO はさまざまなプロジェクトとイニシアチブのタイムラインと依存関係を視覚的に表示できるため、複数のチームと部署間の連携を促進できます。 ガントチャートによって PMO は新規プロジェクトの既存プロジェクトへの影響度を判断し、リソースの可用性を評価し、プロジェクトの優先順位と順序に関して情報に基づいた意思決定ができます。

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ServiceNow Strategic Portfolio Management のガントチャート

ガントチャートは効果的な計画ソリューションとして、ほぼすべてのタイプのイニシアチブに適用できます。 タスク、タイムライン、依存関係を視覚的に表示することで、プロジェクト管理、リソース割り当て、コラボレーションを強化します。 そして適用先が個々のプロジェクトでも、ポートフォリオ計画でも、あるいは大局的な戦略ロードマップでも、ガントチャートはあらゆる業界の組織に明確性、構造、そして柔軟性をもたらします。

目標を達成するために必要な詳細と整合性を確実に提供するガントチャートを作成するには、ServiceNow Strategic Portfolio Management (SPM) をご活用ください。ServiceNow SPM ソリューションは、組織がプロジェクトを指揮して比類ないビジネス価値を達成するためのツールとリソースを提供します。ServiceNow は従来のガントチャートをより使いやすくしました。ガントチャートを色分けして、個々のタスクのステータスと完了率を簡単かつ分かりやすく表示します。タスクの横に表示されるアイコンは、各アイテムがどのフェーズに属しているかを示し、トグルスイッチでクリティカルパスの表示/非表示を切り替えることができます。また、タスクの追加や削除、日付や依存関係の変更を行い、プロジェクトの進捗状況を正確に把握するためのオプションも用意されています。SPM ガントチャートは整合性と使いやすさを目指して設計されています。より大規模なロードマップ、ポートフォリオ、プログラムに組み込めば、イニシアチブ計画で比類ない包括性を発揮します。

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