ロードマップとは?

ロードマップとは、求める結果を得るために必要なステップを視覚的に描いたもので、すべてのステークホルダーに俯瞰的で戦略的な概観を提供することを目的としています。

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ロードマップについて知っておくべきこと
ロードマップの概要 ロードマップの要素とは? ロードマップにはどのような種類があるか? ロードマップのベネフィットとは? 効果的なロードマップを作成するには? ServiceNow の Roadmap Planning
すべて展開 すべて折りたたむ ロードマップの概要

ほとんどの企業は、目標を達成してビジネスのイニシアチブの実施を成功させるために、複数のチームや部門間のシームレスな協力態勢を頼りにしています。ところが、さまざまなレベルにまたがる多くの個人をまとめることは簡単ではありません。関係者全員が同じ認識を持って出発点からゴールまでの必要なステップを理解できるようにするために、組織がよく利用するのが戦略的「ロードマップ」です。

ロードマップはコミュニケーションツールです。 信頼できる情報源として、プロジェクトの概要を理解しやすく包括的な形で示します。 ロードマップを使用することで、チームは特定のプロジェクトの進捗状況、次に取るべきステップ、全体的なビジョンと目標を確認することができます。

ここで注目すべき点は、ロードマップがタスクのバックログやプロジェクトトラッカーではないということです。 同じような基本的機能を果たす部分もありますが、ロードマップは個々のアサインやロールの詳細を省き、代わりに俯瞰的な戦略に焦点を当てています。 その点では、ロードマップをタスクのバックログやプロジェクト管理用トラッカーと併用して、すべての欠かせない責務が果たされ、必須タスクの進捗が把握されていることを確認する必要があります。 「製品のロードマップ」では、機能のあるべき内容の詳細なリストを作成するのではなく、製品の機能性や今後の機能ロールアウトのタイムラインに重点が置かれています。

ロードマップは、目的、特定の目標や戦略との整合性、依存関係などの情報も伝えることができるため、動的な戦略ストーリーを伝える非常に強力な手段になります。 ロードマップによって、会話をさらに効果的にすることができ、次のような活動も驚くほど容易になります。

  • 事業部門を横断する計画立案
  • 複数のビジネス期間にわたる計画立案
  • 変更の計画立案とその影響の把握
  • 依存関係の考慮
  • 異なるモデルの長所と短所の分析
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ロードマップの要素とは?

前述したように、効果的なロードマップは、具体的な詳細にこだわりすぎることなく、最も重要な戦略情報を迅速に伝えることができるものであるべきです。 これを踏まえた上で、ロードマップの最も重要な要素をご紹介します。

戦略的ビジョン

俯瞰的なビジネスゴールを達成するために、すべてのステップ、機能、イニシアチブがどのように連携すべきかを示す概要です。

必要なリソース

チームが特定の目標を達成するうえで必要なリソースと、それらのリソースを適用する方法です。

タイムライン

重要な成果物の期限です。これらは、明確に定義されている場合 (具体的な日付など)、あまり明確でない場合 (おおよその月数や四半期数など)、あるいはざっくりとした見方の場合 (「今」か「後」か) などがあります。

チームの関与

どのチームや個人が、どの段階で関与すべきかと、その理由です。

ロードマップにはどのような種類があるか?

最も基本的なレベルでは、ロードマップとは組織が現在どこにいて、どこに向かっていて、そこに到達するためにどのようなステップが必要かを示すものです。 ただし次に示すように、ロードマップを誰に向けて設計するかによっては、より具体的な形をとることがあります。

社内ロードマップ

その名が示すように、社内ロードマップは社内の人々やリソースの整合を図るためのものです。 社内ロードマップは、一般的に次のようなカテゴリに分類されます。

  • 開発チームのロードマップ
    最近の開発チームの多くはアジャイル手法を使用しており、チームの使用するロードマップにもそれが反映されています。 アジャイルロードマップでは、プロジェクトをスプリント単位に分解し、潜在的なタスクと問題点をタイムライン上に詳細に示します。 その他の一般的な要素には、提案された機能の目標リリース日や、優先される顧客価値の詳細なども含まれます。
  • エグゼクティブのロードマップ
    すべてのロードマップは俯瞰的で戦略的であるべきですが、エグゼクティブのロードマップはこれをさらに大局的にして、個々のステップやタスクよりも会社レベルの目標や指標に重点を置くものです。 これらは、時間の経過に伴う進捗を明確に示すことができるものである必要があります。
  • 営業チームのロードマップ
    営業チームのロードマップは、営業チームが営業プロセスをサポートするために使用できるように、顧客の利益と機能そのものを主要な目的とする必要があります。 営業チームのロードマップのタイムラインは、あまり明確に定義しないことをお勧めします。明確に定義してしまうと、営業チームは、社内のチームが果たせないような納期の約束をしてしまう可能性があります。

社外向けロードマップ

社外向けロードマップは、顧客向けに作成されるものです。 会社の目標に焦点を当てるのではなく、新製品、新機能、重要なアップデートに関する概要レベルの見通しを提供する必要があります。 社外向けロードマップの主な目的は、具体的な日付に関して厳密にしすぎることなく、顧客の関心を引き付け、何を期待できのるかを明確に伝えることです。 ロードマップは理解しやすく、顧客の興味を引きつけて維持し続けるような、視覚的に魅力あるものにする必要があります。

ロードマップのベネフィットとは?

ロードマップは、適切に設計され実行されることで、いくつかの明確なメリットをもたらします。 たとえば次のようなメリットです。

連携の改善

ロードマップは、主要な意思決定者の間で戦略的合意に達するうえで役立ちます。 そのためには、目標達成に必要なステップを透明性をもって詳細に示します。 ロードマップによって、関連するあらゆるレベルにわたるキーパーソンが戦略的に連携できます。

理解度の向上

ロードマップは視覚に訴える部分が大きいため、一般的に非常に理解しやすく、誰にでもわかるようにタイムラインと成果物を伝えることができます。

より正確なトラッキング

ロードマップは、単にチームの進むべき道を示すだけでなく、これまでの道のりを振り返り、取るべき次のステップを示す役割も果たします。 管理者は、ロードマップを使ってプロジェクトの進捗を追跡し、必要に応じて軌道修正を行うことができます。

コラボレーションの強化

戦略と目標に焦点を当てることで、ロードマップは組織全体で共有される単一の信頼できる情報源となります。 これにより、異なるチームやレベルの人々が、共通の基盤の上でコミュニケーションをとり、協力し合うことができます。

より強固な成果

ロードマップによって、関連するすべてのチームと個人が重要な目標とその達成に必要な重要なステップに意識を集中し続けられるため、成果物の質が向上し、プロジェクトの成果がより強固なものになります。

効果的なロードマップを作成するには?

ロードマップの作成に取り掛かろうとする企業は、次のステップを検討する必要があります。

社内の現状評価

まず、自社の現状とあるべき姿を把握し、現在の取り組みがこの 2 点を上手くつなげるために役立っているかどうかを確認することから始めます。 理想としては、このステップは、日々の業務が重要な目標の達成に与える影響について理解を深めることを中心に行います。現在の戦略が組織を前進させていないのであれば、その戦略にはロードマップの利用が効果的でしょう。

重要な目標の設定

現状を明確に把握したら、次は、ロードマップを使用して何を達成するべきなのかを決定する必要があります。 これには、チームの取り組みをどこに集中させるか、どのような方法で成果を測定するか、どのように進捗を追跡するかなどを定義することが含まれます。

目標達成のための計画策定

最後に、ロードマップは前述の目的を達成するための戦略を明確に定めるものである必要があります。 これには、重要なマイルストーンに到達するために必要なステップと成果が含まれている必要があります。 ロードマップは、チームのプロジェクトやイニシアチブを大まかに説明し、それぞれのプロジェクトやイニシアチブが設定されたビジネスゴールにどのように関連しているかを示すものでなければなりません。 短期的な方策を詳細に示し、それを長期的な目標に結びつけることが重要です。

理解しやすさの確保

プロセス全体を通じて、一貫性を保つことに注力し続けます。 なによりも、ロードマップは理解しやすいものである必要があります。 詳細すぎるロードマップは、情報を詰め込みすぎて複雑になり、押しつけがましいものになりかねません。 ロードマップは、視覚に訴え、詳細すぎることなく必要な情報を提供するものにすることで、業務と戦略を整合させるための重要なツールとなるのです。

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ServiceNow 戦略的ポートフォリオ管理 (SPM) ツールの一部である Roadmap Planning は、あらゆる業界の組織に対して、効果的で目標志向のロードマップを作成するために必要なリソースを提供します。 従来の作業とアジャイル作業を 1 つの包括的なロードマップにまとめます。 そのロードマップを独自のビジネスニーズに合わせて調整しながらカスタマイズします。 ロードマップの項目は、アクセス可能なデータセットやその他の情報で補足します。 マイルストーンを作成し、進捗を視覚的に追跡して、各プロジェクトが目標に対してどのような状況にあるのかを即座に確認することができます。 ServiceNow の Roadmap Planning により、チームと戦略の連携がかつてないほど容易になります。

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