運用成功の基盤を構築する
日立ヴァンタラ社は、データ管理とデジタルイノベーションのリーダーであり、企業がデータの潜在能力を最大限に引き出せるよう支援することに専念しています。同社は世界中のさまざまな業界で事業を展開しており、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供するには、運用の最適化が不可欠であることを理解しています。日立ヴァンタラ社の取り組みは、テクノロジーだけにとどまりません。同社は組織と提携して、今日のデータ主導の環境において有意義な変化を推進し、永続的な価値を創出しています。日立ヴァンタラ社にとって、データ管理とは単に情報を処理するだけでなく、成功の機会を最大化することでもあります。
Ajay Vuppala 氏は、日立ヴァンタラ社の ServiceNow AI Platform 担当マネージャーとして、革新的なテクノロジーによるビジネスの変革に注力しています。日立ヴァンタラ社は、ServiceNow HR サービスデリバリ (HRSD) と IT Service Management (ITSM) から導入を開始しました。HRSD の導入に伴い、日立ヴァンタラ社は従来の人事システムを置き換えました。ケース管理から始めて、37 か国で 500 を超える人事カタログアイテムとオンボーディング機能へと拡大します。次に、ITSM を導入して手作業によるメールベースのワークフローを排除し、27 の調達メールボックスを置き換え、配布リストの更新などの主要プロセスを自動化しました。これらの変更により、チケット数が 56% 削減されるなど、運用効率が大幅に向上し、サービスデスクはより価値の高い業務に集中できるようになりました。
さらに、チームは ServiceNow を Oracle、Microsoft SharePoint、Docusign などの他の重要なシステムと統合しました。「ServiceNow によって他のシステムとの統合が容易になるため、データセキュリティとシームレスなプロセスを確立して、効率性を新たなレベルに引き上げることができます」と Vuppala 氏は述べています。たとえば、身元調査システムを統合し、ワークフローを自動化することで、身元の確認時間が大幅に短縮され、フルタイムスタッフの時間を他の重要なプロジェクトに充てることができます。
AI を活用してパフォーマンスを最大限まで高める
AI を活用したオペレーショナルエクセレンスの強化は、日立ヴァンタラ社の運用が進化する中での自然な一歩です。レポート作成などの複雑なワークフローは、対処すべき重要な領域として早くから特定されていました。ところが、既存のワークフローは改善されても半自動化までで、複数の分断されたシステムからデータを集め、たくさんの条件付きステップや意思決定を必要としました。相当な数の従業員が、こうしたワークフローによって業務を妨げられ、不満を募らせていました。サービスを見つけることさえ困難で、検索結果から直接的な回答が得られることはほとんどありませんでした。
大きな可能性を認識した IT 部門は、価値の高いユースケース、データセキュリティ、シームレスな運用に焦点を当てることで、AI の導入を推進するという課題に取り組みました。たとえば、開発者は、携帯電話の画像とインテリジェントなデータ抽出を使用して、経費報告書の提出を自動化し、ERP システムへの入力を簡素化しました。従業員がやることは入力内容を確認して送信するだけになり、以前は手作業でミスが起こりがちだった作業のステップ数を減らすことができます。AI Agents は、写真をチェックしてベンダー名、日付、支払い金額、その他の関連データを見つけ、その情報を自動的に ERP にフィードして、迅速で正確なレビューと承認を行います。ServiceNow は、自動化と AI を簡単に組み込んで最大限のメリットを得ることができる統合プラットフォームを提供することで、このような課題に対処する上で重要な役割を果たします。
この取り組みは成果を上げ、開発者の生産性は 20% 向上し、従業員満足度は 15% 上昇しました。従業員は AI を使用して会話形式で必要な回答が得られるため、ヘルプデスクのインシデント件数が少なくなり、解決時間が短縮されます。IT 部門が継続的に組織全体で AI ユースケースを特定して優先度を付けるため、財務や調達などのチームは AI 自動化から大きなメリットを得られるようになります。
「日立ヴァンタラ社は、ServiceNow AI Platform でデジタルトランスフォーメーションとオペレーショナルエクセレンスを推進しています」と Vuppala 氏は述べます。
組織全体にわたって AI ユースケースに優先度を付ける
ServiceNow の価値を全社的に拡大するため、IT チームは各部門と打ち合わせを行い、ステークホルダーから AI ユースケースを特定して優先度を付けました。
最初の AI ユースケース実装で、日立ヴァンタラ社は AI 検索をサービスポータルに統合し、長い記事を読まなくても直接回答が得られる会話形式のエクスペリエンスを従業員に提供しました。その後すぐに、従業員が Microsoft Copilot を使用してナレッジ記事にアクセスできるようにしました。これは、わずか 1 か月で完了した貴重な統合です。こうした新しいセルフサービス機能は、すぐに目立った効果を発揮します。生産性の向上によって従業員の満足度が高くなるとともに、インシデントが減少して、解決時間も短縮されました。
サービスカタログのメンテナンスは、投資回収の可能性の高さで際立っていました。500 を超えるサービスに加え、スプリントサイクルごとに 4 ~ 5 個のサービスが追加されるため、カタログを更新し続けるには、多くの開発リソースが必要でした。アプリ開発向け ServiceNow AI Agents を使用することで、チームはアプリケーションのプロトタイプ作成、テスト、展開を迅速化し、開発者の時間を 40% 以上節約できました。
次に、IT チームは自社の業務を見直し、AI を活用してどのように改善できるかを検討しました。最初に挙げられたのは、新しいプロジェクトタイムシートシステムの導入を促進することでした。これに対処するため、チームはアプリ開発向け ServiceNow AI Agents を使用して、Microsoft Outlook のカレンダーデータに基づき、会議に費やされた時間を自動的に入力しました。これにより、ユーザーの採用率が向上し、タイムシートの送信プロセスが簡素化されました。
さらに、IT 部門は ServiceNow と Azure OpenAI を統合し、複数のビジネスシステムからデータを取得するレポートの生成を変革しました。このような詳細レポートは、多くの場合、エキスパートが定義して実行するのに 10 ~ 15 分かかります。AI を使用すれば、ユーザーは探しているものを平易な言葉で入力するだけで、ServiceNow が自動的に短時間でレポートを作成してくれます。これは単純なユースケースですが、手作業が大幅に削減されます。効率の向上により、インサイトに素早くアクセスできるようになり、意思決定が加速します。最終的には運用コストが削減され、チーム全体の生産性が向上します。
「ServiceNow AI Agents を使えば、非常に複雑なユースケースでも迅速に自動化でき、従業員の満足度と開発者の効率の両方を向上させることができます」と Vuppala 氏は述べています。
未来を描く
日立ヴァンタラ社は、ServiceNow AI Agents を ITSM に拡張し、Azure 連携を通じて、要約とメモ生成によるヘルプデスクの生産性向上を計画しています。今後、IT チームは、モバイルアプリビルダーとエージェントを使用して、AI を活用した財務向けアプリケーションのプロトタイプを迅速に作成して展開するとともに、エージェント型 AI が組織全体でより高度な意思決定をサポートする、幅広い機会を模索することを目指しています。
「ServiceNow によって他のシステムとの統合が容易になるため、データセキュリティとシームレスなプロセスを確立して、効率性を新たなレベルに引き上げることができます」と Vuppala 氏は述べています。