CPQ (製品構成・価格設定・見積もり作成) とは?

CPQ は、高度なソフトウェアソリューションと自動化機能を適用することにより、顧客に正確で精密な見積もりを提供するアプローチです。

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目次
CPQ ソフトウェアの機能とは? CPQ のメリットとは? AI 搭載 ServiceNow CSM を使用したより優れたアプローチ

従来の消費者取引のほとんどでは、値札を見るだけで購入品の価格が分かります。 ところがその取引に高度に構成可能なビジネスサービスが含まれる場合、最終価格に落着することははるかに複雑な話になります。 営業チームにとっては、分厚い製品カタログ、複雑なオファリング、カスタマイズ可能なソリューションなどのすべてが、個々の顧客に対して正確な価格の見積もりを作成するうえで障壁となります。 また、手作業で時間がかかり、ミスを誘発するプロセスに頼らざるを得ない場合、チームの「製品を売る」という最重要課題であるタスクに集中できなくなります。

CPQ (製品構成・価格設定・見積もり作成) はこうした企業が待ち望んでいた答えかもしれません。 CPQ は、すべての関連する営業変数を自動的に考慮して、営業チームが注文見積もりを迅速かつ正確に作成できるようにするソフトウェアツールの一種です。 営業に手作業の計算に従うことを求めることなく、CPQ ソリューションを設定し、ボタンを押すだけで、あらかじめプログラムされた一式のルールに基いてエラーのない価格見積もりを作成できます。

 

すべて展開 すべて折りたたむ CPQ ソフトウェアの機能とは?

現代の営業プロセスには、顧客ニーズに対応するための流動性が必要です。 営業チームは製品構成、オプション、割引を提供することと、カスタマージャーニーのすべてのステージで正確な価格見積もりを行うことが同時にできなければなりません。 ところが、その営業チームが古いスプレッドシートに記載された価格設定ルールを参照したり、手作業で計算して顧客のエンドコストを割り出そうとしたりしている間に、プロセスは勢いを失ってしまいます。 そしてもし小数点の位置を間違えたり、価格設定ルールを見落としたりしてしまうと、見積もった価格が販売する製品やサービスを完全に反映したものではなくなってしまう可能性があります。

こうした問題に対応するため、効果的な CPQ ソフトウェアは次のような幅広い機能を提供します。

顧客誘導型販売 (ガイデッドセリング)

顧客は千差万別であり、製品やサービスのニーズもそれぞれ違います。 そのため、事前設定済みバンドルは最初に勧めやすい安心感はありますが、顧客の要件を満たすという点では最善のソリューションではないことも往々にしてあります。 CPQ ソフトウェアを通じた顧客誘導型販売により、営業担当者は事前設定済みバンドルと決別し、顧客がリソースを使用した分だけ料金を払う従量制販売モデルを採用できるようになります。
 
CPQ システムは顧客データと利用履歴を考慮して各ユーザーの固有のニーズに合ったバンドルを自動的に設計します。 人工知能は (AI) がユーザーを誘導してニーズを特定し、ソリューションを利用可能な製品またはサービスとマッチングさせます。 次に回答を解析し、入力した基準に適したオプションの選択肢を絞っていきます。 基本的に、CPQ は経験豊富な営業エージェントの役割を果たし、クライアントに応対してニーズを正確に割り出し、適切なソリューションと組み合わせることができます。

製品/サービスの動的構成

動的構成は顧客誘導型販売との組み合わせで用います。 営業担当者が顧客に応対してニーズを探り出すときに、従来は手動でさまざな製品やサービスの属性を選択してユーザー固有の製品構成を作成しなければなりませんでした。 ここでも、信頼性の高い CPQ ツールはこのプロセスを簡素化し、製品構成・価格設定・見積もり作成の製品構成部分を大幅に容易にして、所要時間も短縮します。

CPQ は自動化ルールを適用し、事前定義済み属性と階層ベースの構成を考慮してリアルタイムで製品をカスタマイズします。 ここでも AI がこのプロセスの中心的役割を果たし、履歴データおよびその他の関連情報を使用して高度にパーソナライズされた製品を作成します。 さて、その結果は? 容易な動的構成により、検討中の製品やサービスは固有の要件に合致すると顧客を安心させることができます。

価格設定の柔軟性

企業はマネタイズの仕組みのほうをツールに合わせて改造すべきではありません。 最上級の CPQ ソリューションは価格設定に柔軟性をもたらし、階層型価格設定、定額サブスクリプション、成果ベースのロイヤリティ、使用量ベースの価格設定などをサポートします。 営業チームも同様に、価格、割引、そしてサブスクリプション期間の変更を直接ツールに適用できるため、クライアントに実際の価格をより明確に提示することができます。
 
CPQ の価格設定の柔軟性は、ツールには市況の変化や極めて複雑な価格設定ルールに基づく動的価格設定を可能にする機能が必要であることも意味します。 つまり最善の CPQ システムとは、POS システムとチャネルパートナーにまたがる価格データの分布を簡素化するものです。

スマートな取引管理

CPQ ソフトウェアにはツールとエージェントの境界をあいまいにする力があります。 AI 機能を利用する CPQ は取引自体の多くの側面を監視して調整することを支援します。 これには機会の特定、取引のパイプライン進捗状況の追跡、実用的なレポートの生成、開始から終了までの主要タスクとプロセスの自動化が含まれます。

CPQ を使用したスマート取引管理は取引プロセスに一貫性を生み、より明確な可視性と監視も提供することにより、マネージャーがそれを使用して潜在的な問題を迅速に特定して売上の妨げになる前に対応できるようにします。 同様に、顧客もスマート取引管理によって取引プロセスがさらに簡素化され、ニーズに対してさらに直接的に関心を向けられるというメリットを得ます。

ワークフローとビジネスルールに基づく承認管理

オフライン承認を待っていると、せっかくかつてないスピードで進んでいた営業活動もペースが鈍ってしまいます。 CPQ システムはワークフローベースの管理を適用し、必要な時にすぐに承認を得られるようにすることで承認待ち時間を短縮し、営業プロセス全体をさらに簡素化します。 適切なビジネスルールによって CPQ ツールは複数の承認者にも対応可能になり、必要な場合は承認要求の再ルーティングも自動で行います。

パートナー資格認定によって価格が変動する特定のソリューションとその他の状況では、自動承認ワークフローを適用して承認プロセスに伴う遅れをさらに短縮できます。

更新管理

サブスクリプションベースのサービスにとって、更新は主要な経常収益源であり、組織の収益を大きく左右します。 ところが更新は厄介でもあります。適切な情報が適切なタイミングで入手できないと、頼りの更新をあっけなく見過ごしてしまうおそれがあります。 
 
CPQ はエラーの生じやすい手動更新プロセスを自動化ソリューションに置き換えます。 これにより更新発生時にはすでに最新の契約条件と価格が記載された信頼できる見積もりが用意されています。 これが顧客離脱率を低減させ、更新処理の手違いでクライアントを逃すリスクも減らします。

見積もり作成/修正

CPQ の代表的機能である見積もり作成は、構成可能な製品またはサービスの価格を定義できるよう、各種入力データとルールをすべて自動化します。 これは営業プロセスを根底から変える革新的機能であり、ボトルネックなどの簡単に取引喪失につながるような妨げになるものを営業パイプラインから排除します。  
 
CPQ は修正という形で既存の契約に適用することもできます。 修正によって営業チームは製品追加や数量変更などの調整を行い、変更追跡や監査証跡全体の維持管理もできます。

資産ベースの発注

サブスクリプションモデルに依存する組織は、CPQ 強化型資産ベース発注 (ABO) のメリットを受けることができます。 CPQ システムによって営業チームはハードウェアとソフトウェアを「資産」として営業およびサポートサイクル全体にアサインできるため、顧客が購入したすべての製品やサービスのより包括的な全体像と会計を組織に提供します。

機会予測

CPQ の中核は、該当する顧客と価格のデータを収集、評価、取得することです。 この情報を使用して、今後の機会と更新を予測することができます。 購入パターンと使用履歴を基に、人工知能を活用することで、CPQ ツールは注文が入る前に正確に予測し、機会が発生する前に特定できます。 予測は更新管理にも適用できるため、契約満了が近付くとアラートを発します。

分析

CPQ システムには膨大なデータが流れています。 そのデータに隠れているのが、価値ある顧客インサイトとビジネスインサイトです。 こうしたインサイトは営業または顧客管理戦略に適用したり、内向きに働いて CPQ プロセス自体を改善することにもつながります。 多くの CPQ ソリューションは独自のビルトイン分析ツールとレポートオプションを搭載していますが、データを独自処理したい方のためにデータエクスポートオプションもあるため、データセットすべてをデータウェアハウスや別のビジネスインテリジェンスツールに転送することも簡単にできます。

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CPQ のメリットとは?

上述のように、従来の価格見積もりは不十分な点が多く、取引喪失、発注エラー、勢いを削がれた営業活動などは損害を与える可能性のある問題の一部に過ぎません。 こうした問題に取り組むため、幅広い業界の組織が CPQ ソフトウェアを導入しています。 適切な CPQ ソリューションを導入することで、組織は次のようなメリットを期待できます。

多様な製品と価格設定のサポートの向上

CPQ は、他の方法では計算が困難で時間もかかる幅広い変数に基づく見積もりを迅速に作成できます。 これは特に、多様な製品やサービスを提供するビジネスや、製品バンドルにきめ細かいカスタマイズを必要とするビジネスに有益です。 CPQ があれば、価格設定を機能ごとに定義して、さまざまな段階で割引その他の変更を経た終値を修正できるようになります。 見積もりプロセスのモジュラー化と自動化によって、CPQ ツールを使用する組織は多様な製品と価格設定のサポートが改善されます。

価格見積もりの精度向上

手動で見積もりをした価格にエラーがあると営業プロセスのスピードが鈍るだけでなく、顧客がそのビジネスのブランドに対して抱く信頼にも傷が付きます。 CPQ はこの要因からヒューマンエラーを排除し、ユーザーが個々の製品やサービスの組み合わせから選択して自動的に正確な価格見積もりを作成できるようにすることで営業プロセスを強化します。 割引も上限を設定し、事前定義したマージンも設定できるため、見積価格が利益を確保できるレベルを下回ることもなくなります。

営業サイクルの短縮

多くの CPQ ソリューションの主要要素は自動化です。 営業プロセスの必須ステップである更新、見積もり作成、取引分析などを自動化することで平均的営業サイクルを大幅に短縮できます。 これを初めとする CPQ 機能によって、営業チームは「鉄は熱いうちに打て」を実践できるようになり、営業の勢いを保ったまま持続可能なペースで見込み客を誘導できます。 最も複雑な製品構成と価格設定ルールでも、正確な見積もりを数分で作成できます。

見積もり対応能力の拡大

ひとりの営業担当者が手動の価格設定プロセスに従うと、一度に 1 つの取引しか手に負えません。 優れた CPQ システムにはそうした限界がなく、ほぼ無制限の件数の見積もりを大規模に処理できます。 営業チームも同様に個人レベルで見積もり能力を向上できます。顧客誘導型営業プロセスによって担当者 1 人あたりの作成可能見積もり件数が増加し、品質が下がることもありません。

ユーザーアクセシビリティの簡素化

CPQ は複雑なプロセスを簡素化するためのツールなので、使い方を習得することが難しすぎると意味がありません。 ビルトインのルールによって非常に複雑な構成や見積もりタスクもシンプルになります。 多くの場合、慣れていないユーザーでもほとんどトレーニング不要で CPQ システムの基本機能を使いこなせるようになります。 これは部署拡大や新人研修の際に大きなメリットになります。また、営業担当者が完全に習熟していなくても、クロスセリングやアップセリングのイニシアチブの成功率も最適化できます。

収益向上とコスト削減

こうしたメリットすべてを集約すると、CPQ ユーザーにとってひとつの包括的利点につながります。それは「収益の増大」です。
 
CPQ システムは応答時間の短縮、見積もりエラーの排除、そして難しい営業プロセスにおいてユーザーを誘導する機能を搭載しています。 これは運用コストの削減、取引逸失の減少、アップセリングとクロスセリングの成功率上昇を実現し、短い時間で多くを達成することができるようになります。 こうした点こそ CPQ が現代のビジネスにおいてコスト削減と収益増大の主な領域である所以です。

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AI 搭載 ServiceNow CSM を使用したより優れたアプローチ

CPQ のメリットは、顧客と価格設定のデータの収集、分析、取得におけるサポートの提供によるコスト削減と利益率向上に尽きます。 そして先進の AI 機能と組み合わせることで CPQ はさらに強化されます。 ServiceNow Customer Service Management (CSM) は革新的な自動化機能と人工知能を組み合わせて、価格構成に対するターゲットを正確に絞ったアプローチを作り出します。

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