カスタマーサービスソフトウェアは、企業がより良いカスタマーエクスペリエンスを提供できるよう支援するものです。
ビジネスの成功を判断するために企業が使用する測定基準や重要業績評価指標は数多くありますが、それらはすべて、「あなたの組織は、どれだけ顧客の目標達成を支援していますか?」という 1 つの単純な質問に帰結します。
カスタマーサービスソフトウェアとは、企業がカスタマーエクスペリエンスをより適切に管理して向上させるために使用するツールやプラットフォームを指す用語です。 さらに具体的に言うと、これらのツールは、ケースの収集、分析、支援、報告といったカスタマーサポート要求の管理を支援します。 カスタマーサービスソフトウェアを使用すると、チャット、テキスト、メール、ソーシャルメディアなどの、顧客とのコミュニケーションチャネルを管理したり、統合したりすることもできます。
効果的なカスタマーサービスソフトウェアに支えられている多くの企業は、サービスエージェントのチームの取り組みをより適切に調整できます。 その結果、効率が向上し、カスタマーサポートの応答時間が短縮されます。
カスタマーサービスソフトウェアは、カスタマーサポートソフトウェアとは違うものですか? 実は同じものです。 組織によっては、この 2 つを区別している場合もありますが、実際には、カスタマーサービスとカスタマーサポートソフトウェアはどちらも、一元化された場所からサポートとサービス要求の管理を支援するという、同じ役割を果たします。
カスタマーサービスとサポートツールはさまざまな形式を取っています。 カスタマーサービスケース管理システム、オンラインフォーラム、自動コールバックシステムなどがあり、いずれも、カスタマーサポートエクスペリエンスの向上を目指して設計されています。 とはいえ、ほとんどのカスタマーサービスツールは少なくとも次のカテゴリーのいずれかに分類されます。
VoIP
VoIP はカスタマーサービスソフトウェアの重要な要素であり、コミュニケーションと効率を向上させるさまざまな機能を提供します。 VoIP を使用すると、高度なコールルーティング、録音、モニタリングの機能を活用して、コールを適切なエージェントに確実に転送し、顧客とのやり取りの追跡と確認、コール品質のモニタリングを行って、継続的な改善を図ることができます。 VoIP は、通話の測定基準と分析においても重要な役割を果たし、コール件数、待ち時間、コール期間、顧客満足度に関する貴重なインサイトを提供します。 さらに、VoIP の「クリックコール」機能を使うと、ワンクリックで即座に接続できるため、カスタマーエクスペリエンスが簡素化されます。 VoIP とカスタマーリレーションシップマネジメント (CRM) システムの統合により、カスタマーサービスソフトウェアがさらに強化されます。
電話サポートツール
デジタル通信技術の出現により、インターネットベースのサポートチャネルが数多く誕生しましたが、電話は依然としてカスタマーサポートへの連絡手段として最も広く利用されている方法の 1 つです。 コールセンターソフトウェアなどの電話サポートツールにより、エージェントは複数のサポートケースを一度に効率的に整理して対応することができ、適切なスキルを持つエージェントに電話を転送したり、特定のタスクを自動化したり、パーソナライズされた知識豊富なサービスを提供したりすることができます。 コンピューター電話統合 (CTI) ツールも貴重です。 CTI は、コールサポートエージェントが関連する顧客情報をすぐに利用できるようにして、発着信をサポートし、既存のプラットフォームと統合します。
自動エージェント
人工知能 (AI) と自動化は、人間のエージェントを常時介することなく、顧客の問題を解決し、解決策を提供することで、カスタマーサポートを大幅に向上させる可能性を持っています。 自動化されたエージェントによって、サポート担当者を基本的なサポート要求から解放することができ、その結果、エージェントの生産性の向上と問題の迅速な解決につながります。 同時に AI は、予測ルーティングを使い、タスクの処理に最適な (そして、目下対応が可能な) エージェントに適切なやり取りを確実に送ることで、人間のエージェントをサポートします。インテリジェントルーティングでエージェントをサポートする場合でも、タスクを自動的に処理してエージェントの戦略的アクティビティに携わる余力を増やす場合でも、AI と自動化はカスタマーサービスソフトウェアに変革しています。
カスタマーリレーションシップマネジメント (CRM)
CRM は、共有受信ボックスの論理的な延長線上にあるもので、むしろ顧客情報のデータベースとして機能します。 エージェントは CRM ソフトウェアを使用して、顧客とその履歴に関連するデータを整理したり呼び出したりして、より一貫性のある、情報に基づいたサービスを提供することができます。
ケースマネジメントソフトウェア
ケースマネジメントは、多くの場合 CRM と統合され、同じような目的を共有しています。 ただし、ケースマネジメントでは、ケース (サポート要求) そのものに、より重点が置かれています。 エージェントは、ケースを作成し、シングルプラットフォームからすべての関連情報にアクセスすることができます。
ワークフローソフトウェア
自動化をさらに推し進めたワークフローソフトウェアは、異なるシステム同士を統合し、ケースやタスクを適切なチームにルーティングして、複数のステージで構成されるビジネスプロセス全体を自動化します。 ワークフローは、カスタマーサービスのやり取りを最適化し、組織がより良い、より一貫したビジネス成果を達成するのを支援します。
セルフサービスソフトウェア
多くのお客様は、カスタマーサポートエージェント (自動エージェントであっても) に保留のまま待たされるよりも、自分でソリューションを探すことを好みます。 セルフサービスポータルは、検索可能なナレッジベースや、従来のサポート要求に代わる手段として使用できるその他のリソースを顧客が利用できるように設計されています。
企業や業界を問わず、カスタマーサポートを重視する姿勢を高めることは必ず優位に働きます。カスタマーサービスソフトウェアを使用すると、組織はより良いサポートとよりポジティブなカスタマーエクスペリエンスを提供できます。ここでは、Forrester 社と ServiceNow が発表した 2022 年版の総合的な経済効果に関する調査で取り上げられているように、カスタマーサービスソフトウェアを導入することで得られる 6 つの定量的なメリットをご紹介します。
電話で問い合わせ数は 20% から 12% に減少し、Web からの問い合わせについては 100% の増加が見られます。
シームレスで効果的なサポートを提供できれば、顧客がその会社との取引を増やそうと考える可能性が高くなります。 カスタマーサービスソフトウェアは、顧客の労力を軽減し、より満足度の高いカスタマーエクスペリエンスの提供を可能にします。また同時に、社内サービスのタスクも最適化します。 その結果、顧客の更新率や維持率が高まり、全体としての収益の増加につながります。
サービスの改善により、顧客維持率が 3 年間で 420 万ドル向上しました。
新しいビジネステクノロジーはその一つひとつが投資であり、採算が取れるものであるべきです。 カスタマーサービスソフトウェアは、大きな投資利益率をもたらしてくれます。
カスタマーサービスソフトウェアを適切に統合することで、組織は 170% の ROI と 903 万ドルの正味現在価値 (NPV) を達成しています。
カスタマーサービスソフトウェアは、さまざまなレガシーテクノロジーの機能を統合して改善します。 統合されたカスタマーサービスプラットフォームに切り替えることで、運用コストを削減できます。
カスタマーサービスソフトウェアは、3 年間にわたる運用コストの削減により 95 万ドルの節約を達成しました。
セルフサービスのオプションは、エージェントに対するサポート要求をなくし、従業員の効率性アップを実現します。 カスタマーサービスソフトウェアは、セルフサービスソリューションの提供、ケースの可視性の強化によるエージェント支援、利用できる最も効率的なチャネルへの連絡先の転送などの機能を提供し、大きな価値をもたらします。
リスクを調整した結果、カスタマーサービスソフトウェアは、3 年間にわたり、ケースのルーティングにおいて 20% の向上を実現し、490 万ドルの利益に寄与しました。
シングルプラットフォーム上にあるカスタマーサービスソフトウェアは、顧客の問題や要求への対応を支援する組織内の誰もが使用することができ、また使用すべきものです。 一般的な CRM ベースのソフトウェアの使用は、コンタクトセンターか最前線のカスタマーサービスのエージェントに限定されています。 このことは、ケースやタスクがコンタクトセンターの外に移ると、フロントラインのユーザーは可視性を失い、コミュニケーションを手作業で管理しなければならないことを意味します。 その結果、ケースの解決に遅れが生じます。 カスタマーサービスソフトウェアは、カスタマーサービスタスクを調整する信頼性の高いツールを組織全体の従業員に提供することで、この問題を解決します。 カスタマーサービスソフトウェアは、フロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィスにわたる組織のあらゆる部分をつないで、運用を簡素化し、顧客のニーズに一貫性をもって対応できるようにします。 ユーザーは、経理、エンジニアリング、請求書作成、運用など、どの LOB (基幹業務) の担当者であっても、同じ情報にアクセスできます。
優れたカスタマーサービスソフトウェアは、組織がカスタマーエクスペリエンスを向上させるために必要と思われるツールとリソースを提供します。 クラス最高のカスタマーサービスソフトウェアには、以下の主要なソリューションが含まれています。
- Agent Workspace
ケース/主要課題マネジメント
Knowledge Management
オムニチャネル機能
インテリジェントルーティング
Visual Task Boards
顧客データ管理
セルフサービスとチャットボット
視覚的なワークフローと自動化
サーベイ、レポート、ダッシュボード
問題解決
Service Catalog
ユーザーコミュニティ
エージェント支援オプション
Advanced Work Assignment
Knowledge API
エージェントモバイルアプリケーション
Agent Workspace のサードパーティとの統合
Problem Management
事前対応的な機能停止通知
さらに、オプションには以下のようなものもあります。
Predictive Intelligence
Performance Analytics
仮想エージェント
Proactive Customer Service Operations
顧客プロジェクト管理
サービス認識型インストールベース
エージェントの親和性
Playbook
メッセージング
カスタマーサービスのアウトソーシング
業界データモデル
メッセージングチャネル
解決までの推定時間
カスタマーサービスソフトウェアは、企業と顧客間のコミュニケーションの簡素化と強化を行い、効率的な問題解決と顧客満足度の向上を可能にします。 ただし、CSM オプションが多数用意されているため、適切なソリューションを選択することが難しい場合があります。 十分な情報を得た上で判断できるよう、以下の重要な要素を考慮してください。
- トレーニングサポート
新しいソフトウェアを実装するには、その機能を効果的に使用できるようにサポートチームをトレーニングする必要があります。 ドキュメント、チュートリアル、ウェビナーなど、包括的なトレーニングリソースを提供するカスタマーサービスソフトウェアプロバイダーを探しましょう。 実装プロセス中 (または実装後) に発生する可能性のある質問や問題に対処するための継続的なサポートオプションの可用性について問い合わせてください。 - 提供されている問い合わせ方法
効果的なカスタマーサービスとは、顧客が必要なときに必要な場所で利用できることを意味します。 そのため、カスタマーサービスソフトウェアが提供するさまざまな問い合わせ方法を検討する必要があります。 顧客が連絡を取りたいときに、顧客に対してさまざまなチャネルを提供する必要があります (電話、メール、ライブチャット、ソーシャルメディア統合など)。 さらに、さまざまなチャネルで顧客とシームレスにやり取りできるよう、既存のコミュニケーションプラットフォームとの連携が簡単である必要があります。 - スケーラビリティ
ビジネスの成長に伴い、カスタマーサービスの要件も拡大します。 ビジネスに合わせて拡張できるソフトウェアを選択することが不可欠です。 柔軟な価格プランを提供し、大きな中断をすることなく進化するニーズに適応できるソリューションを探しましょう。 スケーラブルなカスタマーサービスソフトウェアを使うと、カスタマーサポート業務が顧客ベースとビジネス需要の変化に適応できるようになります。 - ソフトウェアの限界
最高のソフトウェアソリューションであっても限界があるため、カスタマーサービスソフトウェアで何ができて、何ができないのかを把握することが重要です。 ソフトウェアの機能を特定の要件に照らして評価する必要があります。 チケット管理、自動化機能、レポートと分析、カスタマイズオプション、その他の利用しているビジネスツールと連携する機能などの要素を検討しましょう。 - コラボレーションオプション
カスタマーサービスはチームスポーツのようなものです。対応を調整し、一貫したカスタマーエクスペリエンスを保証するには、効果的なコラボレーションが不可欠です。 カスタマーサービスチームのメンバー間のコラボレーションを促進するソフトウェアを探しましょう。 共有受信ボックス、社内コミュニケーションツール、タスク管理、ナレッジベース共有などの機能により、チームワークを大幅に強化し、効率性を向上させ、顧客が組織とやり取りする際に注ぐ労力を低減できます。 - 価格
予算を決定し、利用可能なカスタマーサービスソフトウェアオプションの費用対効果を評価します。 価格の手頃さとビジネスニーズに合った機能との間のバランスが取れたソフトウェアを探しましょう。 とはいうものの、コストは主な決定要因となる場合がありますが、コストだけを検討事項にすべきでないことを肝に銘じてください。 先行投資によりコストがかかる強力な CSM は、短期間でこれ自体に投資した以上の投資になる可能性があります。
すべてのカスタマーサービスソフトウェアオプションが、すべてのビジネスに適しているわけではありません。 最適なソリューションを見つけるには、顧客にどのようなサポートエクスペリエンスを提供したいかについて明確な考えを持つ必要があります。 顧客のニーズと目標を特定し、それらの目標を組織の目標と一致させることが、カスタマーサービスソフトウェアの選択に役立ちます。
ここでは、貴社の顧客とビジネスに適したカスタマーサービスソフトウェアソリューションを見つけるための、いくつかの推奨事項を紹介します。
ツールによって提供される機能は異なりますが、どのツールも顧客により良いサポートを提供するものでなくてはなりません。 顧客とエージェントが、解決プロセスのどこでボトルネックに遭遇しているかを記録しておきましょう。 これを行うことで、カスタマーサービスソフトウェアにどのような作業をしてもらいたいのか、アイデアを練り始めることができます。
カスタマーサービスソフトウェアの選択は、利用可能な予算によって大きく左右される場合があります。 同様に、エージェントの数、IT 部門の可用性、他のツールの存在など、その他のリソースも、選択肢を狭める可能性があります。
カスタマーサービスソフトウェアは、ビジネスの規模とスケールに合わせて選択することが肝心です。 複雑なサポート業務を伴う組織の事業では、自動化、分析、エンタープライズシステムとの連携を提供する堅牢なサービスソフトウェアが有効です。 大規模なコールセンターでは、効率的なコールルーティング、キューイング、リアルタイムのモニタリングに対応したカスタマーサービスソフトウェアが必要です。 カスタマーサービスソフトウェアソリューションは、中小企業の CRM 統合やフィールドサービス組織など、さまざまなニーズに応えます。 カスタマーサービスソフトウェアを特定の要件に合わせることで、パフォーマンスを最適化し、ビジネスタイプに適した機能を確保できます。
もし、その機能がなければ、そのカスタマーサービスソフトウェアは選択肢から外すというような、判断を左右するような検討すべき機能はありますか? インテリジェントなやり取りの自動化や既存のツールとの連携が必要な場合は、調査を開始する前にこの点を書き留めておくと、より効果的に選択肢を絞り込むことができます。
ユーザーレビューや業界のリーダーからの推薦を参考にしましょう。 どの組織がどのソリューションを使用しているかを確認し、その有効性に関する率直なインサイトを探します。 有望な候補が見つかったら、候補をリストアップします。 可能であれば、分析会社に問い合わせたり、サードパーティのパートナーに意見を求めたりすることも検討するとよいでしょう。
ServiceNow Customer Service Management に関する Gartner 社のレビューはこちら
予算は、必ずしも完全に予定通りになるとは限りません。 CSS ソリューションを検討しているが、そのコストを正当化できるかどうかわからない場合、ビジネス価値のアセスメントを行うことで、決断を下すことができるかもしれません。 ベンダーと協力して、CSS がどのような問題を解決し、どのような投資利益率を期待できるかを理解すれば、成果をより定量化できるはずです。
CSS の可能性が見えてきたら、次は実際に使ってみます。 検討しているカスタマーサービスソフトウェアの選択肢から、より正確なユーザーエクスペリエンスを得るために、デモを見たり、無料トライアルに申し込んだり、サービスエージェントと連絡を取ったりしてみましょう。
最後は、最終的な決定を下す必要があります。 幸いなことに、調査を行い、ニーズとリソースを把握していれば、貴社のビジネスに適したカスタマーサービスソフトウェアソリューションを見つけることができるはずです。
顧客の目標達成をいかに効果的に支援するかは、ビジネスの成功の究極のインジケーターです。 ServiceNow Customer Service Management (CSM) は、包括的な機能セットを備えた、価値あるカスタマーサービスソフトウェアソリューションです。
ServiceNow CSM を使用すると、カスタマーサポート業務の簡素化、エージェントの生産性向上、顧客満足度向上を実現する統合プラットフォームを利用できます。 高度なチケットシステムが顧客からの問い合わせやサポートの問題を効率的に管理し、自動化機能がワークフローの簡素化と応答時間の短縮を可能にします。さらに、CSM のナレッジ管理機能がエージェントと顧客の両方にセルフサービスオプションを提供。その結果、サポート要求が減少します。 その上、ServiceNow CSM は Now Platform® の他の ServiceNow ソリューションやサードパーティアプリケーションとシームレスに統合できるため、効率的なコラボレーションと部門横断型のプロセスの強化が可能になります。
ServiceNow の CSM は、サポートを最適化するためのツールとリソースを提供し、その過程でより良いカスタマーエクスペリエンスを実現します。
評価の高いカスタマーサービスソフトウェアがビジネスにもたらすメリットについては、こちらをクリックして、Customer Service Management のデモをご覧ください。