CCBA の主導によりデジタルトランスフォーメーションを推進

大陸市場をリード
Coca-Cola Beverages Africa (CCBA) はアフリカのソフトドリンク市場をリードする企業です。既に 60 万の販売店と 39 のボトリング工場を展開し、14 のテリトリーのほとんどで首位に立つ目覚ましい実績を挙げています。

同社の業績向上が約束されているのは、アフリカ全土の消費水準が世界の他の地域よりも低く、流通とマーケティングへのさらなる投資の見込みがあるためです。

ブランドの認知と商品の革新性は成長を支える力となりますが、CCBA にとっての真の機会は同社の幅広いビジネスを連携させ、新たに効率化を図りつつ生産性を高めることにあります。アフリカ南部と東部の地域の 2 万人を超える従業員の多くはリモートワークで働いています。

課題となるのが組織全般のシームレスなデジタルワークフローの確立です。毎日の流通状況と在庫水準の追跡とともに、セールスチームがリモートワーク環境で最新の顧客データにアクセスする必要があります。常に新規の顧客、販売店、従業員がグループに加わる状態で、複雑で変化の速い IT 環境を効果的に管理することが最も重要です。CCBA の主導で導入された ServiceNow IT Service Management (ITSM) により、管理プロセスが簡素化され、改善に役立つデータの収集が可能になりました。

IT サービス管理を統合
ServiceNow ITSM により統合型の IT プロセスが確立され、南アフリカとその他地域 (ROA) で使用されている 2 つの別個のシステムが統合されました。以前はサービスデスクが南アフリカにあったため、アフリカの他国から電話をかける従業員は国際通話の追加承認が必要で、チケットを記録して必要なサポートを受ける際に、余計な複雑さとコストが発生していました。

ITSM の導入は、インドを拠点とする ServiceNow パートナーである ITC Infotech の協力のもと、CCBA の 5 名、ITC Infotech の 4 名のスタッフからなるプロジェクトチームにより進められました。

「RFP から始まり、必要なあらゆる統合を含めたビッグバン展開が 180 日で円滑に終わりました」と CCBA の IT プラクティス & ガバナンスマネージャー、Jolene Coetzee Moolman 氏は述べています。「私たちがシステムオーナーとなり、私たちのプロジェクトでありビジネスプロセスであることを意識し、プロジェクトデリバリーをベンダーだけに頼らないようにしました」

多くのベンダーの中から ServiceNow とパートナーの ITC Infotech を選んだ Moolman 氏と ICT Infotech のチームは、バンガロールで行われた 5 日間のプリデザインワークショップに続き、ヨハネスブルクで 5 日間のデザインワークショップに参加しました。「すぐさまマスターデータの質がシステムの成否を分けることを理解しました」と Moolman 氏は語ります。「新規のサービスデスク & オペレーションセンター (SDOC) の稼働開始と同じ日にビッグバン展開を始めました。インシデント、要求、変更、問題、セルフサービスポータル、モバイルアプリ、ナレッジ管理、(Event Management 用の) SolarWinds、(Asset Management で ServiceNow CMDB のサポートに必要な) BizFrame、関連するすべての (プッシュ/メール) 通知、SLA/OLA/UC が含まれていました」同時に CCBA は ServiceNow に統合されたコンタクトセンターソリューション (Genesys) も導入を開始しました。Moolman 氏によると、「すべてのベンダーと内部の決定者がこの 180 日間のうちに開発チームによるシステムとプロセスのトレーニングを済ませました」

エンゲージメントの成果として CCBA は IT サービス機能の可視性を高め、明確な監査証跡とともに中央ハブからのレポート作成が可能になりました。データを精選して、影響が出る前に発生する問題を特定できるようになりました。例えば、決められたしきい値に達するとチケットが自動で記録され、必要に応じてサポートチームに転送されます。また、IT インフラストラクチャをリアルタイムで監視する SDOC により、組織の重大インシデントプロセスと関連するビジネスコミュニケーションが効率化され、ビジネスユーザーが大規模な停止を報告する必要を抑えられました。統合型の ITSM プロセスのおかげで、FSC (Forward Schedule of Change) を活用して問題の特定、診断と解決ができるようになりました。

「デジタル化は当社のビジネスアジェンダの中核です」と Moolman 氏は述べています。「ServiceNow のおかげで調和して簡素化されたプロセスを実現し、迅速なサポートを提供するとともに、マスターデータを所有することができました」

このデジタル化には、ユーザーがどこからでも問題を記録し、自己解決や問題解決のためにチケットのステータスや FAQ のライブアップデートにアクセスするなど、さまざまなタスクをセルフサービスで行うための新しいアプリの立ち上げも含まれます。これは、ネットワーク接続が不十分な地域や通信料金が高額になる可能性のある地域で大きなメリットとなります。

アプリの利用によりサービスデスクにアクセスできるユーザーが増え、利便性が高まりました。自動化とセルフサービスにより CCBA の IT サービス部門は人員数を増やすことなく作業負荷の増加に対応できます。時間のかかる手作業のプロセスが減り、Microsoft Teams による専用のチャットサービスを統合して、アプリケーションサポートの CoE (センターオブエクセレンス) を構築できました。以上の成果が同じリソースプールからの導入開始後わずか 9 か月で達成されました。ServiceNow とメンテナンスの手間が少ないソリューションは、CCBA の新サービス、ユーザーと各国の迅速な移行に大きく貢献しました。

「ServiceNow は一貫して卓越したサポートを提供してくれました」と Moolman 氏は語っています。「学習モジュール、トレーナートレーニングのアプローチ、実践的なトラブルシューティングなど、投資の価値を最大に高められました」

「ServiceNow を導入してから、迅速な IT サポートを提供できるようになり、応答時間、SLA、顧客満足度全般の改善ができました。ITSM の導入により IT 全般統制 (ITGC) の負担が軽くなりました。SDOC では初回対応での解決率も引き続き向上しています」

迅速なアップグレードで弾みを増す
CCBA が導入した ServiceNow ITSM には、インシデント、問題、要求、変更、リリース、構成管理のほか、将来のアップグレードで重要となる Automated Test Framework (ATF) も含まれています。

当初のビッグバン展開に満足しながらも、Moolman 氏のチームは初回のアップグレードでは混乱が見られたと言います。このアップグレードには 22 営業日を要し、予想以上に長い時間チームを拘束してしまいました。

ATF を使用することで、チームは以後のアップグレード時間の短縮に成功しました。2 度目のアップグレードは 14 日間、その後は 8 日間、直近のアップグレードはわずか 4 日で完了しました。自動化により手作業のテストをなくし、失敗したテストはクリーンな状態にロールバックすることが可能です。

「すべての要件を確実に文書化しています。テストインスタンスを再利用するか、ATF を探して別の用途で用いることができ、将来のアップグレードプロセスが保証されています」と Moolman 氏は語っています。

アップグレード改善による直接のメリットは、時間とリソースの節約です。Moolman 氏のチームは新規のプロジェクトにリソースを割り振り、付加価値の高いプロジェクトをサポートできるようになりました。そのほか、チームは進歩的で、ますます効率的になり、継続的な改善を実現する能力があると評価されるというメリットも得られました。

Moolman 氏は、「実質、丸一月分の稼働日を節約できました。業務の効率化だけでなく、重要な業務に集中できるようになりました」と述べています。