ServiceNowの開発では世界最大規模の巨大システムを構築したNTTデータグループ PDFをダウンロードする
柔軟性 ビジネス環境の変化に対応しながらシステムを柔軟に刷新できるとServiceNowを評価 ローコード 様々な業務のためのアプリケーションを効率よく作成することができ、テンプレートも充実 業務変革 絶えず変化し続けるプラットフォームにより、業務変革の実践が可能に
内部での意思決定などはServiceNowのワークフローを使い、UIも基本的にServiceNowを活用しました。結果的にスクラッチ開発と比較して、開発したプログラム量は相当少なく抑えられています。 水内 祥晃 氏 株式会社NTTデータグループ コーポレート統括本部 ITマネジメント室長

国内大手のシステムインテグレータ(SIer)として、公共・金融・法人の各分野で数多くのシステム開発を手掛けるNTTデータグループ。急速なデジタル化の進展を受け、自社システムにもデジタル技術を適用し、業務改革を目指す全社プロジェクト「Project GAIA」を展開しました。中でも注目されるのが、ServiceNowによる開発では世界最大規模※となる巨大な基幹システム、「GAIA.fin」(ガイア フィン)の構築です。

会社全体の決算はもちろん、各プロジェクトのマネジメントや意思決定のためにも用いられる非常に重要なシステムのため、これまではスクラッチで開発してきました。それをなぜ、NTTデータグループはSaaSであるServiceNowで構築することにしたのでしょうか?

※「従業員体験の変革を通じて、顧客価値を創出する」世界最大規模のServiceNowを採用した基幹システムを運用開始https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2024/042601/

デジタル技術で業務変革を推進する「Project GAIA」

豊かで調和の取れた社会づくりを目指し、世界50カ国以上で事業を展開するNTTデータグループ。デジタル技術を活用したビジネス変革や社会課題の解決に向け、コンサルティングからシステム開発、運用まで、多様なサービスを提供しています。

「長年培ってきた大規模開発の経験とノウハウに加え、デジタルやクラウドに関する最新の知見を積極的に取り入れながら、お客様のビジネス変革や社会課題の解決に貢献するサービスを提案し、開発から実装、運用までをトータルにご支援しています」と語るのは、同社 コーポレート統括本部 ITマネジメント室長の水内祥晃氏です。

顧客や社会全体としてのデジタル化が急速に進む中、NTTデータグループも、自社のDXを積極的に推し進めています。そのプロジェクトの一つとして、2019年に始動したのが「Project GAIA」(プロジェクト ガイア)。「業務の効率化だけでなく、データ活用による経営管理の高度化、柔軟な働き方への対応など、ビジネスのあり方や、従業員の意識、行動にまで影響を及ぼすような変革を目指しています」と水内氏は説明します。

「GAIA.fin」の開発で培ったServiceNowに関する知見や人材を、お客様の業務変革にも提供していきます。社内では、築き上げたServiceNowのプラットフォームを利用して、さらなる全社的変革を推し進めていきたいです。 水内 祥晃 氏 株式会社NTTデータグループ コーポレート統括本部 ITマネジメント室長

ビジネス環境の変化に対応して、社内基幹系システムを刷新

「Project GAIA」の中核プロジェクトと位置付けられたのが、財務・会計系基幹システムである「GAIA.fin」の開発です。一般に会計システムは決算のためのシステムと捉えられがちですが、NTTデータグループでは、より戦略的な使い方をしています。

「当社の会計システムは、受注した案件(プロジェクト)ごとに収支管理が行えるように設計されています。会社全体としての決算はもちろん、各プロジェクトのマネジメントや意思決定のためにも用いられる重要なシステムなのです」と水内氏は説明します。

NTTデータグループは、「GAIA.fin」の開発基盤としてServiceNowを採用しました。決め手となったのは、コアシステムとの間の大量のデータのやり取りに耐えられる十分な力を備えている点でした。「デジタルシフトによる受注案件の小規模化、大量化というビジネス環境の変化によって、コアシステムとフロントエンドシステムとの間でやり取りするデータの量もかなり膨大になることが想定されました。具体的には、1日当たり2500件前後のエクスチェンジが必要となり、これをスクラッチの基盤で開発するとなると大変です。それを実現できる基盤を比較検討し、ServiceNowなら十分耐え得ると評価して採用したのです」と語るのは、同社 コーポレート統括本部 ITマネジメント室 DX推進部 システム開発担当 部長の髙田哲生氏です。

ServiceNowを使ったシステム開発では世界最大規模

あえてSaaSにこだわったのは、ビジネス環境の変化に対応しながらデータドリブンな経営を実践できるシステムに刷新するという「Project GAIA」の狙いにかなっているからですが、業務遂行に必要不可欠となる基幹システムをSaaSで開発することは、いまだに躊躇する企業が少なくありません。

それをあえて選択したのは、数多くの基幹システムを手掛けてきた高い技術力を持ち、最新のデジタル技術に関する“目利き”にも長けたNTTデータグループだからこそと言えるでしょう。実際、大がかりな基幹システムをSaaSで構築する事例は世界的に見ても珍しく、「GAIA.fin」の開発は、ServiceNowを使ったシステム開発としては世界最大規模となりました。

NTTデータグループが「GAIA.fin」の開発のために採用したのは、ServiceNowのアプリケーション開発プラットフォームであるApp Engineです。ローコード開発に対応しており、様々な業務のためのアプリケーションが効率よく作成できる点や、構築済みのテンプレートが豊富に用意されている点などを評価して採用しました。

約2000人のメンバーが参加する巨大プロジェクト

また、「グループ全体で単一の情報システムを利用できるので、他のユーザーの影響を受けることなく、安心して使える点も評価ポイントになりました」と髙田氏は語ります。

大がかりなプロジェクトだけに、「GAIA.fin」の開発には相当な人数が投入されました。プロジェクトチームを率いたのはNTTデータグループの社内ITを統括するITマネジメント室ですが、同室の約160人のメンバーだけでは到底足りず、社内やグループ会社、協力会社のメンバーが最盛期で2000人ほど参加しています。

「独自開発とはかなり勝手が違うので、メンバーたちがこれまで培ってきた経験やノウハウだけでは開発ができません。そこで、ServiceNowによる開発の仕方を数十人のメンバーで学びました。そして、このメンバーを中心にノウハウを共有・拡大し、新しい開発のプロセスをチーム全体に少しずつ広げていきました」と髙田氏は振り返ります。

ServiceNowは絶えず変化し続けるプラットフォーム

開発のためのルールも、独自開発するシステムとServiceNowとでは大きく異なります。加えて苦労したのが、実際に開発を進めていくうちにルールが変わっていったことです。「作っていく過程で、このやり方ではうまくいかないとか、違うやり方のほうがもっと効率よく開発できるということが分かり、その都度ルールやプロセスに修正を加えていきました。独自開発では、ルールやプロセスはあらかじめ決まっているので、それに合わせて作業を進めていけばよいのですが、どんどんやり方が変わっていくことにメンバーたちはかなり戸惑ったようです」と髙田氏は振り返ります。

しかし、そうした柔軟性こそが、ビジネス環境の変化に合わせてシステムを進化できるSaaSならではのメリットでもあります。

「ServiceNowは絶えず変化し続けるプラットフォームです。新しいニーズが生まれれば、それに合わせてシステムを柔軟に作り替えることができる。また、ServiceNow自身が常に変化し続けるので、そこから着想して業務変革のアイデアにつながることもあります。独自開発をしていた基幹システムは、一度作った後は要件の変更がない限り変更しないのが基本ですが、それによって安定稼働が期待できる半面、変化に追いつけないという難点があります。その点、SaaSならどんどん変えていけるのが大きなメリットであるということを、『GAIA.fin』の開発を通じで学びました」と水内氏は語ります。

グループ会社向け利用拡大のためRaptorDB Professionalも導入

もちろん、SaaSであるServiceNow自体も、新しいテクノロジーを取り入れながら、変化を続けています。直近の例で言えば、生成AIを使った新機能が次々と追加されていることが典型例です。「今のところ、ServiceNowの生成AIサービスをどこまで採用するかは検討段階ですが、システム開発の効率化や、社内ポータルの問い合わせ対応の自動化など、いろいろ活用ができるのではないかと考えています」と水内氏は語ります。

3年余りの開発期間を経て、24年4月、NTTデータグループは「GAIA.fin」の運用を開始しました。ただし、大規模な基幹システムの開発だっただけに、改善ポイントが残されているのも事実です。例えば、レスポンス(処理速度)の向上もその1つです。

同社は「GAIA.fin」の処理能力をさらに高めるため、ServiceNowの高性能データベースであるRaptorDB Professionalの導入を決定しました。スピード向上とスケールアップのために設計されたこのデータベースによって、「今後は社内約5万人のユーザーだけでなく、グループ会社の社員にも活用を広げていきたい」と髙田氏は目標を語ります。

最後に水内氏は、今後の展開について「『GAIA.fin』の開発で培ったServiceNowに関する知見や人材を、お客様の業務変革にも提供していきます。社内においては、せっかく築き上げたServiceNowのプラットフォームを財務・会計以外のシステムにも利用して、さらなる全社的変革を推し進めていきたいですね」と語りました。

この事例を共有 導入製品 App Engine お客様の詳細 お客様名 株式会社NTTデータグループ 所在地 日本 東京 業種 通信 従業員数 193,500人(グループ全体)※2024年3月31日現在
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