Robinhood 社は、社内外の摩擦を取り除くことを目的に設立された企業です
Robinhood 社のスタッフエンジニアである Urbishnu Sanyal 氏は、「当社の IT への対応は、企業の成長に対して常に一歩遅れをとっていました」と述べています。そして、企業が急速に拡大した場合に、それを支えるために構築されたシステムがその拡大速度に追いつけないと、インフラストラクチャにどのような影響が生じるかを説明しました。
Robinhood 社は、財務を民主化するというミッションを掲げ、2026 年第 2 四半期時点で 2,800 万人を超える顧客とプラットフォーム総資産 3,690 億ドルという成長を成し遂げました。
規制の厳しい業界にいながら、社内ではかつてのスタートアップ企業を支えていた体制がそのまま、今でははるかに大規模で複雑な組織を支えるようになっていました。社内の誰もがサポートを受けるために自分で受付を開始できるため、部門間で 250 以上のサポートキューが生じていました。IT 部門には独自のキューがあり、人事、法務、施設管理部門にもそれぞれ独自のキューが存在し、これらは同社がどのように拡大してきたかを反映していました。たとえば、「パスワード」、「福利厚生に関する質問」、「新しいソフトウェア要求」でそれぞれサポートを必要とする従業員は、独自のプロセスを持つ 3 つの異なる窓口にアクセスしてナビゲートする必要がありました。
「私たちのチームは、パスワードの要求、ポリシーに関する質問、福利厚生に関する質問などで忙殺されていました。従業員がどこでその情報を見つけられるかがわかっていれば、これらすべては解決できたはずです」と、Sanyal 氏は述べます。
Robinhood 社が他社を買収したとき、「事態は本当に困難になり始めました」と Sanyal 氏は語ります。「新たなシステムの導入、従業員の増加、急速な拡大に対応することが必要になったのです。」
金融市場から摩擦を取り除くことがそのアイデンティティのすべてである企業にとっては、同じ基準を社内に適用する明らかな機会でした。
Robinhood 社は基盤の構築を最優先とする
Sanyal 氏と Head of Technology Operations の Jay Hammonds 氏は、それを実現するために取り組みを開始しました。彼らのアプローチは周到かつ系統立ったものでした。
ServiceNow の使用について、Sanyal 氏は次のように述べています。「当社には、テクノロジースタックとの整合のとれた、成長をサポートし、規制要件を満たすソリューションが必要でした。ServiceNow はそのすべての要件を満たしていました。」
Sanyal 氏と Hammonds 氏はどちらも、一貫性のない応答、低い信頼性、ユーザーの離脱、データパイプラインの破損など、質の低い AI 基盤によってもたらされる結果を目の当たりにしてきました。
2 人は、問題を早期に解決することで、将来的な大きなトラブルを未然に防げるという点で意見が一致していました。何らかの機能を稼働させる前に彼らがまず注力したのは、強固な基盤を築くことです。
そこで、単一のユースケースを本番環境に移行する前に、ナレッジベースの標準化を行い、IT および人事のサービスプロセスを文書化し、すべてのワークフローの所有権を明確化し、ServiceNow 上で従業員向けサービスを再構築しました。これらを完了してから、エクスペリエンスへの AI の組み込みを開始したのです。
AI の導入はパスワード支援から始まり、現在では AI によって全従業員リクエストの 70% を回避
Robinhood 社は、従業員サポートの「受付窓口」として ServiceNow の Moveworks を導入しました。従業員がパスワードのリセット、ソフトウェアへのアクセス、人事ポリシーに関するガイダンスなどどれを必要としている場合でも、会話型のエクスペリエンスは Slack 上で同じスタイルで開始されます。その裏側では、ServiceNow IT Service Management と HR サービスデリバリ (HRSD) が、どのチームが対応するかに関わらず、標準化されたワークフローを使用して各要求をルーティングします。
この成功は IT 部門にとどまらず、人事、法務、調達、施設管理、出張と経費、そしてコンプライアンスの各部門にも広がりました。Slack に Moveworks が組み込まれていることで、各部門は独自の受付プロセスを設けることなく、統一された従業員エクスペリエンスを提供できるようになりました。
「当初は、約 250 ものサービスワークフローがあり、会社全体として長年にわたり無秩序に肥大化していました」と、Hammonds 氏は述べます。「現在では、その数はほんの一握りに低減されています」。
従業員が必要としているのが IT サポートであるとしても、HR サービスであるとしても、要求は、数十のばらばらのプロセスではなく、制御された共通のワークフローに従います。
より大規模な業務を支えるようになったにもかかわらず、技術運用チームは変わらず 8 人のみで対応しています。
ServiceNow への投資が試される
コスト精査の期間中に、Robinhood 社の経営陣は、Moveworks への投資を含め、すべての重要なベンダーとの関係の見直しを行いました。低コストの代替案も評価対象となりましたが、求められているパフォーマンスには達していませんでした。 同社は複数年にわたる更新契約を締結し、動きを加速させました。8 人の従業員からなるチームは、同社がかつてないスピードで成長し変化しても、ServiceNow プラットフォームで効果的にサービスを拡張できることを実証しました。
「最終的には、ServiceNow によって 1 か月あたり 2,200 時間以上を節約できました」と Hammonds 氏は述べています。「私たちの選択は正しかったと思います。」
従業員は Moveworks を使用し続けており、あらゆる指標の数値がその実績を裏打ちしている
現在、Robinhood 社は、従業員要求の 70% が人的介入なしに処理され、従業員満足度 94%、社内サポート満足度 90% を達成しています。
「このような成果を達成できたのは、強力なパートナーがいたからです。私たちは綿密な計画を立て、成功マトリックスで解決すべき課題をかなり徹底的に検討してきました」と Hammonds 氏は述べました。
8 人のコアチームが大きな成果を上げたことで、AI トランスフォーメーションには大規模なチーム、大規模なシステムインテグレーター、膨大な予算が必要だという思い込みが覆されました。無駄を省くことは、Robinhood 社の中核的な原則の 1 つです。チームは意図的に小規模な状態を維持し、適切な基盤であれば、運用間接費を追加せず成長をサポートできると考えていました。
Hammonds 氏は次のように語っています。「ServiceNow プラットフォームと、ServiceNow が提供している AI のおかげで、これほど多くの好結果を達成できたことをうれしく思っています。」
Robinhood 社は現在、1 つのプラットフォーム、数百のユースケース、より迅速なオンボーディング方法を実現
250 のサポートキューを統合したのと同じ基盤が、IT 部門と HR 部門全体のオンボーディングワークフローを調整し、新入社員は数か月ではなく数週間で業務を開始できるようになりました。
「ServiceNow の AI 主導型の新しいオファリングにより、新しいチームや買収した事業体を、数か月ではなく数週間で稼働させることができています」と、Hammonds 氏は述べています。「これこそまさに、価値実現までの時間の短縮です」。
チームはまた、信頼できるシステムとしてのサービス認識型 CMDB の構築、ハードウェアのライフサイクル管理の自動化、そしてゼロトラストと RBAC によるプラットフォームの強化にも取り組んでいます。
Hammonds 氏は、こうした高速化の多くが、プラットフォームに組み込まれたガバナンスのおかげであると評価しています。「適切なガードレールが敷かれているため、すでに体制が整備されており、その点について考える必要がありません。おかげで、あらゆる目標に向けてより迅速に進んでいくことができます」と、彼は語りました。
目標は、IT ティア 1 のヘルプデスクエージェントを含むエージェント型ワークフローを通じて、定型的な大量の要求を自動化し、人間のチームがスキルアップの時間を確保し、ビジネスにとってより価値の高い機会に集中できるようにすることです。
「私たちは、社内人材のスキルアップを図り、ビジネスのさらに別の機会領域に注力できるようにしたいと考えています」と、Hammonds 氏は言います。「日常的なタスクはエージェント型ワークフォースに処理してもらう。それがまさに私たちの目指すところです」。
Hammonds 氏の次のマイルストーンは「チケット回避率 80%」ですが、それがゴールではありません。「次の回避率目標を達成することで、エンジニアリングリソースを継続的に活用し、次から次へと湧き出る課題を解決し続けていくことが可能になります」。
現在、Robinhood 社が自社に投げかけている問いは、どう AI を展開するかではありません。その答えは、すでに 3 年前に導き出されています。今自問しているのは、強力な基盤、そして無駄のない規律あるチームが、組織をどこまで成長させることができるかということです。
Hammonds 氏は次のように語っています。「今、私たちは将来を見据えています。現時点では、時間を節約し、リソースを統合して、Robinhood 社のすべてのナレッジの集約拠点を構築するところまで実現できました」。