断片化されたサポートツールをエンタープライズプラットフォームに置き換える
日立エナジー社は、次世代の持続可能なエネルギー利用を牽引する使命を掲げ、すべての人々にとって電力をさらに利用しやすいものとし、社会の繁栄を支えることを目指しています。日立エナジー社は、True One Hitachi の一員として、エネルギー転換の推進に注力しているグローバルテクノロジーリーダーです。同社は、その実現を支援するために、アジリティ、シンプルさ、効率性に重点を置いています。これを実現するために、Now Assist は日立エナジー社の IT、HR、財務部門で利用されています。
日立エナジー社の IT サポートプロセスは、複雑にカスタマイズされた IT サポート環境を、従業員が使いやすい標準化プロセスへ刷新する必要がありました。そこで、ServiceNow Impact の戦略的ガイダンスを使用して、ServiceNow AI Platform 上にソリューションを構築しました。
日立エナジー社は、ServiceNow IT Service Management (ITSM) と統合リスク管理を導入することで、事業継続性を維持しながら、よりレスポンシブな IT 環境を構築しました。その後、IT Operations Management (ITOM) を追加し、IT 資産とサービスの管理方法を改善しました。
AI を活用したサポートで作業負荷を軽減し、IT サポートを加速
ServiceNow は、日立エナジー社に ITSM 向け Now Assist を提供しました。これは、高速で柔軟なプラットフォームであり、同社の社内 AI ツールの 1 つとなりました。
日立エナジー社は Accenture 社と協力して、約 5 万人の従業員のエクスペリエンスを変革する戦略を策定しました。Now Assist 仮想エージェントを使用して、同社の IT、HR、財務機能のサポートオペレーションデスクを簡素化し、従業員の作業負荷を削減しました。
Accenture 社の観点からは、パートナーシップアプローチも成功を決定付けた要素でした。Accenture 社の GenAI Delivery Lead である Luca Garreffa 氏は次のように述べています。「このプロジェクトは従来のサプライヤー委託ではなく、真のチームワークによるものでした。当初から私たちは目標、優先順位、課題をともに定義しました。それが決定的な違いとなりました」
「AI を使用して IT セルフサービスをサポートし、拡張するという揺るぎない目標があったのです」と Wilde 氏は付け加えています。「プロセス自動化の利用率が低いことが生産性に影響し、インシデントの処理と解決に時間がかかっていました。ITSM 向け Now Assist は、日立エナジー社がそうした課題を解決する絶好の機会を生みました」
日立エナジー社は、インシデントの要約や解決メモの生成など、エンドユーザーとエージェントが直面するユースケースに焦点を当てた 3 か月のパイロットプロジェクトとして、仮想エージェントの Now Assist と AI 検索の Now Assist を導入しました。「このパイロットプロジェクトは、予定どおりに完了し、ユーザー満足度は 88% を超えました」と Wilde 氏は述べています。「その成功を見て、プログラムへの取り組みと他のユースケースへの拡大に対する決意が強まりました」
AI 検索で従業員はより迅速に回答を見つけられる
日立エナジー社は、引き続き Accenture 社と ServiceNow 双方と連携して導入を拡大し、AI 検索の Now Assist を 5 万人のエンドユーザーにロールアウトしました。同社は、IT、HR、経理のサポートオペレーション用に 4 つの独立したサービスポータルを 1 つの統合従業員ポータルに置き換え、誰もが AI を活用した検索機能にアクセスできるようにしました。
「エンドユーザーとサービスデスクの間に AI レイヤーを追加しました」と Wilde 氏は説明しています。「これにより、チケット転送率のレベルが大幅に改善され、サービスデスクオペレーションチームの規模を最適化することができました」
この成功に基づき、日立エナジー社は仮想エージェントの Now Assist をサポートポータルに追加しました。これには、AI 検索と、17 言語への自動翻訳を含む対話型チャット機能が組み合わされています。
日立エナジー社は、仮想エージェントの Now Assist を Microsoft Teams にも直接導入しました。Wilde 氏は、この決定が従業員の利用率を大きく押し上げたと評価しています。
「Microsoft Teams は日立エナジー社のエンドユーザーにとって主要なコミュニケーションチャネルであるため、これは重要なマイルストーンでした」と Wilde 氏は述べています。「これにより、真価が発揮され、ユーザーがこのトランスフォーメーションジャーニーに本格的に乗り出すことが可能となりました」
エンドユーザーを支援しながら節減を実現
日立エナジー社では Now Assist ベースの新しいエコシステムがすでに成果を上げています。従業員は、従業員センターポータルでナレッジ記事の要約機能を使用して回答を検索できます。仮想エージェントの Now Assist はポータルと MS Teams で利用できますが、人間のサービスデスクの介入なしに多くの質問を解決できます。
「Now Assist の要約機能を活用して回答をコンパクトにしています。それによりエージェントが結果をスクロールして探す手間を省くことができます」と Wilde 氏は説明します。「仮想エージェントの Now Assist により、エンドユーザーはライブエージェントに転送されなくても、直接回答にアクセスできます」
財務面での効果も明確に表れています。日立エナジー社は、IT 機能と HR 機能全体で 320 万ドルを節減し、3 年間で合計 770 万ドルを節減できると見込んでいます。
エンドユーザーからの反応も以下のように好意的です。
- 88% が仮想エージェントはナレッジ検索に有用で使いやすいと回答
- 68% が検索時間の短縮を報告
- 79% のユーザーが要約機能は役に立つと回答
- 64% が検索結果の精度は優れており関連性が高いと回答
「Now Assist を使用して手動タスクを自動化し、リアルタイムのインサイトを表示することで、エージェントがより価値の高い作業に集中できるようになりました」と Wilde 氏は付け加えています。「これにより、解決時間がさらに短縮され、サービス品質がさらに向上します」
成功への鍵
Wilde 氏にとって、プロジェクトの初期の成果に大きく寄与した要因は 3 つありました。AI が最高のパフォーマンスを発揮できるのは、データベースが最新の状態に保たれ、一貫性があり、適切に管理されている場合に限られます。「AI は、その基盤となるデータの良し悪しによって優劣が決まります」と Wilde 氏は強調しています。
同じく重要なのは、変更管理です。従業員は新しいツールやプロセスを導入する前に、それらを十分に理解する必要があります。日立エナジー社では、特に当初は懐疑的な見方がされていたサービスデスクにおいて、コミュニケーション、トレーニング、導入促進に早い段階で投資しました。
その後、日立エナジー社は、数百のユースケースに一度に取り組むのではなく、早期に成果を出せるユースケースをいくつか選択し、段階的に構築していきました。初期の成功により、スムーズに広く受け入れてもらうことができました。
今後の展望:エージェント型 AI が人間による監視のもとで主要プロセスを自動化
日立エナジー社は現在、HR 部門と財務部門で AI を活用したユースケースを拡大し、自律型の AI エージェントを実験する予定です。目標は、人間と AI がシームレスに連携するハイブリッドモデルです。「当社ではエージェント型 AI ワークフローを採用しており、サービスデスクに問い合わせがあるインシデントの分類と優先順位付けを自動化しています」と Wilde 氏は説明しています。「その目的は、標準化と効率性をさらに高め、インシデント発生後の監査の手間を減らすことです」また、従業員による HR サポートへのアクセス方法を簡素化するため、HR サービスデリバリ向け Now Assist も導入しています。
長期的な計画には、Now Assist を活用した新しいワークフローと ServiceNow AI Agents が含まれます。日立エナジー社は、Now Assist スキルキットを使用して、主要な IT サービス管理タスク向けに AI を導入します。複数のステップを必要とするより複雑なワークフローの解決支援には、AI Agent Studio を使用します。
「私たちは、人間の監視を伴うロールベースの完全なエンドツーエンドのワークフロー自動化を目指しています」と Wilde 氏は述べます。「ユースケースは時間の経過とともに拡大し続けるでしょう。私たちは Accenture 社と引き続き協力し、Now Assist を活用して独自の具体的な目標を達成していきます」