カスタマーポータルはパーソナライズが可能な Web サイトのひとつです。顧客はワンストップで会社情報やセルフサービスオプションにアクセスできます。
トラブル発生時や質問があるとき、または製品やサービスに関する問題に対処しなければならないとき、顧客は組織に信頼できるサービスやサポートオプションを期待します。 コンタクトセンターやサポートエージェントは、迅速で効果的な問題解決に向けて尽力しますが、 電話やメール、さらにはソーシャルメディアを通じた連絡でさえも、カスタマーエクスペリエンスに良くない影響を与える場合があります。 顧客はできるだけ手間のかからないソリューションを求めており、自分自身で解決したい場合も多々あるのです。
カスタマーポータルが提供するのは、顧客自身が組織の全セルフサービス機能にアクセス可能な、ワンストップのパーソナライズされたウェブサイトです。 ユーザーはカスタマーポータルから、アカウント情報の表示や更新、ケースの送信や確認、ナレッジベースへのアクセス、コミュニティ内での意見交換、サービスのカタログやサポートオプションを使用した一般的なリクエスト送信を行えます。
顧客が受け身だった時代は終わりました。現代の顧客はスキルと情報を持ち、テクノロジーに精通しており、好きな時間に快適な方法で、セルフサービスオプションを使用して回答を得たいと考えています。 多くの場合、顧客がサポートエージェントに問い合わせるのは、自分でトラブルシューティングとオンラインリサーチを試みたあとです。 このような顧客は、電話で長時間話し続けたり、メールの回答を待ったりする必要のない、迅速で明快なソリューションを求めています。
今日の顧客は、一定レベルのセルフサービスが利用できることを期待しています。 同時に、使用するチャネルに影響されない、一貫性とアクセスの容易さも望んでいます。 成功している組織は、顧客の期待に着実に応えるだけでなく、期待を超えているのだという事実からも、顧客に適切なセルフサービスを提供することは、競争上必要不可欠な要素と言えます。
カスタマーポータルは、セルフサービスをさらに進化させます。あらゆる障害を取り除き、リソースとチャネルをワンストップで提供し、個々の顧客に合わせエクスペリエンスをカスタマイズします。
カスタマーサービスポータルは、顧客が自分でサービスを取得できるワンストップの場を提供することにより、ビジネスや競争力の点でもいくつかの利点をもたらします。
セルフサービスの導入により、サービスエージェントの負担が軽減します。 これによりエージェントは、より複雑で労力が必要な新規の問題に時間をかけることができます。
カスタマーポータルの導入は投資ですが、すぐに回収が期待できます。 セルフサービスポータルにより、営業時間外にも継続してカスタマーサポートを提供できるうえに、ニーズの変化に合わせ、サービスの拡大縮小も簡単に実施できます。 つまり、全体的なサポート費が減少するのです。
コミュニティフォーラムやソーシャルメディア機能のあるカスタマーポータルは、同じ興味を持つ顧客同士を結びつけます。 このような顧客コミュニティでは、アイデアの共有、問題のトラブルシューティング、提案などを実施でき、そのプロセスで、よりエンゲージメントの高い顧客ベースが作られます。
カスタマーポータルにデジタルワークフローを組み込むことで、組織は多くの重要なプロセスを自動化できます。 これには、ケースの作成と管理の自動化、リソースの割り当て、アップデートの提供だけでなく、アドレスの変更、融資の申請、プランの更新といった、よくある質問への回答の自動化も含まれます。
顧客がプラットフォームを使用せず自分でリサーチしている場合、顧客のニーズや期待に関するインサイトを取得することができません。 セキュアなカスタマーポータルを提供すれば、顧客のたどる過程を追跡し、ニーズにどのくらい効果的に対応できているかの分析が可能になるため、要となるビジネスプロセスを継続的に向上させることができます。
カスタマーポータルの最終目標は、なんと言っても顧客満足度向上です。 顧客の期待に応え、顧客が好む方法、時間、場所で自ら問題に対処できるようにすることで、カスタマーエクスペリエンスが向上します。
あらゆる業界で、さまざまな種類のカスタマーポータルがいくつも存在し、それぞれに独自の重点分野、機能、プロセスがあります。 それでも、効果的なカスタマーポータルにはいくつかの共通点が見られます。
包括的かつ容易に検索できるナレッジベースでは、コンテンツへの確実なアクセスにより、サービスに関する問題の解決を目指す顧客やエージェントをサポートします。 ナレッジベース記事に、ガイド、FAQ、トラブルシューティングのヒント、マニュアル、チュートリアル、ダウンロードなどの有益な情報が含まれる場合もあります。
サービスカタログは、商品やサービスに関する一般的な要求を送信できる仮想のストアフロントを顧客に提供します。 ワークフロー型のソリューションで、顧客は関連する部門に直接連絡できるうえに、セルフサービスでできることも増えます。
キーワード検索のナレッジベースから大きくステップアップした AI 搭載のチャットボットでは、ユーザーが自然言語を使用して問題を説明できます。 その後チャットボットは、関連情報を取得するか、他の適切なタスクを自動的に実行します。
セルフサービスとは、必ずしもすべてを自分で処理することではありません。 ビルトインのコミュニティフォーラムにより顧客同士が連携し、サポートやトラブルシューティング、コラボレーションに向けて協力し合うことができます。
カスタマーポータルは、カスタマーエクスペリエンスを向上させるためのものですが、それには顧客のフィードバックが必要不可欠です。 フィードバックと提案のためのビルトイン機能で、意見を持つ顧客は、確実に声を届けることができます。
顧客に提供するセルフサービスのプロセスで、何よりも重視されるのは快適性です。そのなかで、オンラインのコミュニケーションにパソコンよりもスマートデバイスを利用するユーザーが多くなっている事実も、無視できなくなっています。 ポータルも、モバイルに対応し、顧客が使用するデバイスの種類に関係なく、効果的かつ直感的に機能するものであることを求められています。
満足度の高いカスタマーサポートは、正確でタイムリーなだけでなく、圧倒的に顧客側の手間がかからないものです。 オムニチャネルのカスタマーポータルソリューションを使用することで、顧客は自分の使いやすいチャネルから、重要な情報やリソースにアクセスできます。 オムニチャネルには、メッセージング、Web チャット、電話、メール、ソーシャルメディアなどが組み込まれており、顧客はチャネル間をよりシームレスに移動できます。
セルフサービスは重要なオプションですが、ユーザーが利用可能な唯一のオプションであってはなりません。 顧客が自分で答えを見つけられないときや、ソリューションを実装できない場合は、カスタマーポータルからライブエージェントへシームレスにつながり、顧客対応やケースが引き継がれる必要があります。 この際、エージェントがサービスの遮断に阻まれることなくサポートを提供できるように、関連するすべての検索アクティビティ、チャットボットの会話、ケース、製品、顧客情報にエージェントがアクセス可能である必要があります。
カスタマーポータルは、カスタマージャーニーをさらにサポートするための幅広い機能を提供する汎用的ツールです。 こうした機能によってユーザーエクスペリエンスが向上し、インタラクションが簡素化され、組織とのやり取りについて顧客がコントロールできる部分が増えます。 カスタマーポータルで一般的にみられる主な追加機能には、次のものがあります。
ユーザー認証とセキュリティ
ユーザー認証により、権限を持つ人物のみがカスタマーポータルにアクセスできるようになります。 この機能は、多くの場合、顧客の個人データを保護し、機密性を維持するために、安全なログイン方法 (2 要素認証など) を採用しています。 セキュリティ強化策を追加したカスタマーポータルによって、ユーザーからの信頼を獲得し、組織とのやり取りに安心感を持ってもらうことができます。パーソナライズされたユーザープロファイル
クライアントは一人ひとり異なります。そのため、クライアントそれぞれのニーズに対応し、状況に合わせてエクスペリエンスをカスタマイズするオプションが必要です。 パーソナライズされたユーザープロファイルは好みやアカウント設定を管理できます。顧客は連絡先情報、希望のコミュニケーション手段、その他の関連する詳細を更新し、よりカスタマイズされたエクスペリエンスを実現できます。 パーソナライゼーションでカスタマーエンゲージメントを強化することにより、組織は個人のニーズや好みに基づいてターゲットを絞ったコンテンツやサービスを提供できます。ドキュメントの共有と保存
カスタマーポータルのドキュメント共有や保存機能により、ユーザーは組織とのやり取りに関連する重要なファイルやドキュメントにアクセスできます。 これには一般的に、請求書、契約書、サービス契約書、製品マニュアル、その他の関連ドキュメントへのアクセスが含まれるため、紙の書類を必要とする場面が減り、顧客は必要なときにいつでも簡単に情報を取得できるようになります。タスク管理とワークフロー
タスク管理とワークフロー機能を使用すると、顧客はポータル内で要求、注文、サポートケースの進捗状況を追跡できます。 この機能は透明性を提供するため、顧客は自分の要求がプロセスのどの段階にあるかを確認し、解決のタイムラインを予測できます。 自動化されたワークフローは内部プロセスも簡素化し、応答時間の短縮と全体的な効率の向上を実現します。請求と支払いの統合
請求と支払いのオプションをカスタマーポータルに統合することで、ユーザーは簡単かつ便利に口座残高を表示し、支払いを行い、請求設定を管理できます。 顧客は過去の請求書にアクセスし、自動支払いを設定し、今後の支払いに関する通知を受け取ることができます。 この統合により、支払いプロセスが簡素化され、支払いの遅れや支払い忘れの発生率も低下します。情報およびリソースセンター
カスタマーポータル内の情報およびリソースセンターは、教材、FAQ、チュートリアル、ガイドの一元化ハブとして機能します。 顧客は、一般的な問題をトラブルシューティングし、製品の機能について知り、組織が提供するサービスや製品のエクスペリエンスを最大化するための有益な情報をすばやく見つけることができます。 このセルフヘルプリポジトリにより、サポートのため直接やり取りをする必要性が減り、ユーザーは自分の好きな方法で問題を解決できます。予約スケジュールとカレンダーの統合
カスタマーポータル内の予約スケジューリング機能により、サービス、相談、会議、その他の組織担当者とのやり取りの予約が容易になります。 顧客は、空いている時間枠を表示し、予約をして、確認とリマインダーを受信することができます。 これらの機能を外部カレンダーと統合することで、シームレスな調整が可能になり、スケジュールの競合を防げます。
カスタマーポータルは、顧客満足度を押し上げる重要な推進力となり、サービスエージェントやサポートエージェントにとっては貴重な時間を使ってより多くの成果を達成できるようになりますが、カスタマーポータルの成功を阻む障害もいくつかあります。 これらの課題に対処することは、顧客にシームレスで効果的なセルフサービスエクスペリエンスを提供するためには不可欠です。 カスタマーポータルソフトウェアの実装と導入において、組織が直面する可能性のある一般的な課題を以下に示します。
実装によって不要な摩擦が生じる
カスタマーポータルの展開と統合には、慎重な計画と実行が必要です。 適切に対応しないと、実装プロセスは顧客にも組織内のステークホルダーにも不要な摩擦と複雑さをもたらす可能性があります。 実装に不手際があると、ダウンタイムの延長、データ移行の問題、または既存のシステムとの問題が発生する可能性があります。貧弱なデータ組織は高密度で低速なビジネスプラットフォームを生み出す
カスタマーポータルは、顧客アカウント、インタラクション、好みに関連する大量のデータへのアクセスと管理が頼りです。 基盤となるデータが正しく分類されていない、または何らかの理由で整理されていない、古くなっている、重複している場合には、プラットフォームの処理速度が低下し、応答しない可能性があります。 データの整理が不十分だと、顧客は必要な情報を迅速に見つけることができなくなり、不満が生じ、今後ポータルを使用したくなくなる可能性があります。新しいカスタマーポータルの導入率が低い
機能が豊富で適切に設計されたカスタマーポータルであっても、導入率が低いと成功の妨げになる可能性があります。 顧客が他のサービスチャネルやサポートチャネルに慣れている場合や、セルフサービスのポータルを使用するメリットを認識していない場合があります。 適切なコミュニケーション、周知、インセンティブ (特別なプロモーションやオファー) は、新しいポータルを試すよう顧客を促すのに効果的です。 組織はポータルの利点を積極的に宣伝し、利便性と時間節約のメリットを強調して、導入率を高める必要があります。ナビゲーションパスが直感的ではない
操作が難しいカスタマーポータルは、ユーザーの不満や不評につながる可能性があります。 ポータルのレイアウト、メニュー構造、検索機能は、直感的で非常に使いやすいものでなければなりません。 適切に設計されたユーザーインターフェイスは、顧客がポータル内をシームレスに移動できるため、不要なクリックや混乱を招くことなく、必要な情報を簡単に見つけたり、特定のアクションを実行したりできます。 開発プロセス中にユーザビリティテストを実施して顧客からフィードバックを収集することで、操作性の課題を特定して対処できます。
ServiceNow は、満足度の高いセルフサービスオプションと効果的なカスタマーポータルを作成するために組織が必要とする必須ツールとインフラストラクチャを提供します。 この優れたソリューションには、時間や場所を問わないさまざまな機能が含まれています。
サービスポータルを使用すると、顧客はあらゆるチャネルでセルフサービスエクスペリエンスをパーソナライズできます。 製品とケースの追跡、ステータスの確認、利用可能なその他すべてのセルフサービスオプションへの簡単かつ直接アクセスが可能です。
AI を活用した検索では、インテリジェントな検索の提案と結果のサマリーが顧客に提供されます。 ナレッジ管理は、組織がナレッジベースのギャップを特定し、新しいコンテンツキュレーションのためのワークフローをトリガーするのにも役立ちます。
顧客がサイトにアクセスしたときに一貫性がないと思われてしまうのは最も避けたいことです。 Engagement Messenger を使用すると、組織は Web アプリケーションやサードパーティポータルにセルフサービスをネイティブに埋め込み、コンテキストに応じたコンシューマーグレードのエクスペリエンスを実現できます。
Natural Language Understanding (自然言語理解) を搭載した統合型の仮想エージェント (AI 搭載の会話チャットボット) は、顧客の質問にインテリジェントに回答するだけでなく、関連情報のリソースに案内し、ユーザーに代わって要求を完了し、ライブエージェントのサポートが必要な問題を特定し、自動的にリダイレクトします。
ServiceNow サービスカタログを使用すると、顧客はカスタマーサービスをバイパスして、最も関連性の高い部門に直接ケースを持ち込むことができます。 ServiceNow ワークフローを活用したシンプルなオンラインフォームにより、ケースを適切なエキスパートにルーティングできます。 ワークフローはケースルーティングだけでなく、連携と組み合わせることで、作業の大部分を処理できます。 ワークフローでは、関連情報を収集してシステム内または別の部門でアクションをトリガーできるため、一般的な要求に対する効果的なソリューションを自動化できます。
ServiceNow カスタマーサービス管理 (CSM) は、画期的な顧客セルフサービスです。 業界をリードする ServiceNow AI Platform 上に構築される CSM は、サポートの効率性と有効性を高め、セルフサービスオプションとサポート機能により、顧客の幅広い要求に応えます。
オンデマンドウェビナーでは、カスタマーセルフサービスを通じて顧客とつながる方法の詳細をご紹介しています。ServiceNow CSM を試してみて、適切なカスタマーポータルにどれほどの可能性があるのかをご自身でお確かめください。